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マーケティング・オートメーション(MA)ツールは、マーケティング活動を自動化・効率化してくれるツールです。MAツールにはさまざまな機能があるため、MAツールを導入した後の運用について、不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、MAツール運用の重要性やMAツールの運用を成功させる10のポイントのほか、MAツールを運用する際の注意点について解説します。
MAツールを適切に運用することの重要性
MAツールを導入すればマーケティング活動を自動化・効率化することができますが、ただ導入するだけでなく適切に運用することが重要です。
具体的には、リード(見込み客)獲得やスコアリングなどを自動化し導入効果を最大化するためには、正しく目標を設定したり、営業と連携したりするような運用が必要になります。
MAツール導入の最終的な目的は、マーケティング活動における費用対効果(ROI)の最大化や売上の拡大です。その目的を達成するために、MAツールを正しく運用することが重要といえます。
MAツールの運用を成功させる10のポイント
MAツールの運用を成功させるには、導入前から運用を見据えて検討することが大切です。ここでは、MAツールを適切に運用するための10のポイントを紹介します。
1. 明確な目的・目標設定
MAツールの運用を成功させるポイントは、明確な目的や目標を設定することです。
MAツールを導入する前に、マーケティング活動の課題を整理し、MAツールをどう役立てるかを考えておくことが大切です。その上で、具体的な目的や目標を設定します。
具体的な目的として考えられるのは、リードの獲得や質の高いリードの育成、リテンション(顧客維持)などです。目標には、リード獲得率やコンバージョン率、成約率などの設定が挙げられます。
2. パーソナライゼーションとセグメンテーションの理解
パーソナライゼーションとセグメンテーションの基本的な考え方を理解することも、MAツールの運用を成功させるポイントです。
パーソナライゼーション(パーソナライズ)とは、リードごとにカスタマイズしたコンテンツを提供することを指します。リード一人ひとりに合わせたマーケティング活動を行う、One to Oneマーケティングの考え方に即した方法といえるでしょう。セグメンテーションとは、顧客やリードを特定の属性や行動にもとづいてグループ分けすることです。
MAツールを使えば、パーソナライゼーションとセグメンテーションを組み合わせて、個々の顧客が求める情報を効率良く提供し、メッセージやオファーを送ることができます。商品の購入を促し、購入実績のある顧客との関係維持も可能です。
3. リードナーチャリング(リードの育成)を実施する
MAツールの運用を成功させるポイントとして、リードナーチャリングが挙げられます。
リードナーチャリングとは、リードを段階的に質の高い顧客に育成していくアプローチのことです。リードナーチャリングによって、獲得したリードをより顧客生涯価値(LTV)の高い顧客へと引き上げることができます。
ただし、リードナーチャリングは実施してすぐに結果が出る施策ではありません。顧客の行動分析やマルチチャネルを使ったアプローチなど、さまざまな方法で着実にリードナーチャリングを進めていくことが大切です。
4. コンテンツマーケティングを活用する
MAツールの運用を成功させるポイントとして、コンテンツマーケティングの活用も考えられます。MAツールを使い、ニーズのあるリードにコンテンツを最適のタイミングで提供していきます。
パーソナライズやリードナーチャリングを進めていくには、ターゲットとなるリードにとって価値のあるコンテンツを用意しておかなくてはなりません。役に立つコンテンツや楽しいコンテンツのほか、学べるコンテンツなどを、ターゲットに応じて作成することが重要です。コンテンツの種類としては、記事やブログ、動画、ソーシャルメディア、ポッドキャスト、ウェビナーなどがあります。
5. メールマーケティングを実施する
メールマーケティングの実施も、MAツールの運用を成功させるポイントのひとつです。
メールマーケティングはターゲティングがしやすい上に到達率が高いなど、MAツールとの親和性も高い施策です。
メールマーケティングの方法には、特定の属性や行動を持つリードに対してニーズに合わせた情報やメッセージを送るターゲットメール、一定のタイミングやイベントをトリガーにして情報やメッセージを送るステップメールなどの種類があります。
そのほか、プロモーションメールやリードナーチャリングメールなどの方法もあり、MAツールを使ってメールを自動配信することが可能です。
【関連記事】メール配信システムの仕組みとは? 主な機能と導入が必要な4つの理由
6. ABテストを実施して最適化する
MAツールの運用を成功させるには、ABテストを実施して最適化することもポイントになります。ABテストとは、AとBの2つのパターンを作成し、どちらがより効果的かを比較・検証するものです。例えば、ステップメールの内容を2パターン用意してABテストを行うことで、どちらがより効果が出るかを確かめることができます。
7. 継続的にデータを収集し分析する
MAツールの運用を成功させるポイントとして、継続的にデータを収集し分析することも挙げられます。
例えば、メールマーケティングであれば、開封率やクリック率、コンバージョン率などのデータが収集可能です。ソーシャルメディアマーケティングであれば、シェア数やクリック数、コンバージョン率、キャンペーンを行った場合には、キャンペーン別訪問者数、コンバージョン率、ROIなどのデータが収集できます。
これらのデータを収集し分析することで、マーケティング活動を改善でき、商談数増加などにつなげられるでしょう。
8. CRMツールやSFAツールと連携させる
顧客管理(CRM)ツールや営業支援(SFA)ツールと連携させることも、MAツールの運用を成功させるポイントです。CRMツールやSFAツールと連携させることで、顧客満足度の向上や顧客との関係強化につなげることが可能になります。
CRMツールは、顧客情報の管理や顧客へのサポートなど、顧客に関連する業務の効率化をサポートするシステムです。SFAツールは、営業チームが携わる業務を効率化し、営業成果を向上させるためのツールです。
MAツールとCRMやSFAなどのツールを連携すると顧客情報が共有され、営業チームなどの異なる部署とも共有することができるようになります。また、パーソナライゼーションやセグメンテーション、リードナーチャリングにおいても、連携で得られる詳細な情報にもとづいて、より的確なアクションを起こすことができるようになるでしょう。
【関連記事】MAとSFA、CRMとの違いは?各ツールの特徴や連携のポイントを解説
9. マーケティングチームと営業チームを連携させる
MAツールの運用を成功させるポイントのひとつに、マーケティングチームと営業チームの連携も挙げられます。MAツールによって選別した、購入・成約の可能性が高いリードのデータをSFAツールに渡すプロセスを自動化すれば、営業チームはスムーズにその情報を活かして営業活動を進められます。また、SFAによる商談・案件管理などのデータをCRMツールで管理すれば、マーケティングチームや顧客サポートチームでもその情報を活かすことができます。
マーケティングチームと営業チームを連携させることで、商談化・受注までのプロセスを効率化することができるようになるでしょう。
10. 効果測定と改善を継続する
効果測定と改善を継続して行っていくことは、MAツールの運用を成功させるポイントのひとつです。MAツールの効果を測定し改善するというPDCAを回し続けることは、ビジネスの変化や顧客ニーズの変化にも柔軟に対応していくことにもなります。
ウェブサイトのトラフィック測定やコンバージョン率、購入率、成約率などの結果を見ながら、各種施策の改善・改良を行い、精度を高めていきましょう。
MAツールを運用する際の注意点
MAツールは導入によりさまざまな効果を見込めますが、正しく運用できていないと十分に効果は得られません。MAツール運用時の注意点について解説します。
データの品質を確保する
MAツールを運用する際の注意点として、データの品質を確保するということが挙げられます。データの品質がツールを運用する上での効果を左右するため、データには正確性や整合性、完全性、最新性、信頼性などが求められます。特に、顧客に関するデータは、収集や入力の段階で品質管理を徹底し、誤りや矛盾を最小限に抑えなくてはなりません。
コンテンツの質と量を充実させる
MAツールを運用する際には、コンテンツの質と量を充実させることにも注意しましょう。顧客の興味・関心を惹き、他社と差別化するためにも、コンテンツを充実させていくことが重要になります。過去の蓄積に加えて、定期的に新しいコンテンツの提供が続いていれば、コンテンツからリード獲得につながることも考えられます。
メールマーケティングやソーシャルメディアマーケティングの最適化
メールマーティングやソーシャルメディアマーケティングが最適化されているかどうかも、MAツール運用で注意したい点のひとつです。顧客へのアプローチ方法やその内容について、適切かどうかを随時検証していく必要があるでしょう。顧客が離れてしまわないように、成功パターンにとらわれずに、常に一歩先を見て新しい工夫を加えていくことが大切です。
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MAツールを運用していく上で最も効果的なのは、CRM・SFAなどほかのツールと連携することです。近年では、MAとCRM・SFAを統合されたプラットフォームで提供する製品が登場しています。マーケティングや営業、サポートで一貫した戦略を推進していくなら、こうしたツールの導入・運用も選択肢に入るでしょう。
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