マーケティング・オートメーション（MA）は、近年のデジタル化した市場と多様化するニーズに対応した、現代的なマーケティング活動を実現するための強力なツールです。しかし、ただ導入するだけでは、十分にその性能を活用できていないケースもあります。
この記事では、MA導入が進んだ理由や、MAの5つの導入効果のほか、導入効果を高めるポイントを解説します。
MAとは
MAとは、商品や企業の認知を高め、リードを獲得するために行うマーケティング活動を自動化・最適化する仕組みやツールのことです。
MAツールは、メールマーケティングやウェブ訪問者のトラッキング、リードのスコアリングなどの機能があり、リード（見込み客）の情報を収集・蓄積し、データやシナリオにもとづいて育成します。さらに、購入や成約の見込みのあるリードを、営業チームに受け渡すまでの活動をサポートすることができます。
マーケティング・オートメーション（MA）とは？機能やメリットを解説
MAツールの導入が進んだ理由
近年、急速に企業のマーケティング活動において、MAツールの導入が進みました。ここからは、MAツールの導入が進んだ理由について解説します。
デジタルマーケティングの発展
MAツールの導入が進んだ理由として、デジタルマーケティングの発展が挙げられます。インターネットの普及によって、顧客とオンラインで接触するマーケティング活動ができるようになりました。その結果、データの収集が容易になり、より効率的なマーケティング手法が確立し、MAツールの導入も進んだのです。
顧客の購買行動の変化
顧客側の購買行動の変化も、MAツールの導入が進んだ理由のひとつです。例えば、個人消費者は商品購入前にオンラインで情報収集・比較検討し、購入もオンラインで完結するケースが増えています。法人の購買プロセスも、個人の消費活動とよく似た変化を見せています。
こうした購買プロセスに対応するため、One to Oneマーケティングなど、顧客一人ひとりに合わせたウェブマーケティングの必要性が高まってきたことによって、MAツールの導入が進みました。
クラウド技術の進歩
MAツールの導入が進んだ理由のひとつには、クラウド技術の進歩もあります。
クラウド化が進んだことにより、オンプレミスでのインフラ構築などを行わなくても、必要な機能を安価かつ手軽に導入して利用することが可能になりました。
費用対効果（ROI）の最大化
MAツールを使うことで、マーケティングや営業業務を自動化し、業務効率が向上します。また、効果的なマーケティング活動、営業活動が行えることで、売上の増加も期待できるようになるでしょう。このように業務の効率化（人件費の削減）と売上の増加により、費用対効果（ROI）を最大化できることも、導入が進んだ理由です。ターゲットに合わせた効率的なマーケティング活動を実施すると、ROIの最適化が進むという認識が広まったこともあり、業種や規模を問わずさまざまな企業でMAツールの活用が進んでいます。
MAツール導入の5つの効果
MAツールを導入すると、企業はどのような効果を得られるのでしょうか。MAツール導入がもたらす代表的な効果を5つ紹介します。
1. マーケティング活動の自動化
MAツールの導入効果として挙げられるのは、マーケティング活動の自動化です。シナリオに沿ったステップメールの配信やソーシャルメディアへの投稿だけでなく、リードのスコアリング、質の高いリードへのフォローアップアクションなどを自動化できます。自動化によって、マーケティング活動を効率化しつつ、商談獲得数の増加などに貢献することができます。
2. パーソナライゼーションの強化
MAツールの導入効果として、パーソナライゼーションの強化も挙げられます。MAツールを使えば、リードの属性を把握して行動を追跡し、それぞれのリードに合わせた情報やコンテンツ、プロモーションを提供することが可能です。このパーソナライゼーションの強化により、顧客ロイヤルティを高め、コンバージョン率の向上を期待できます。
3. ナーチャリングによる優良顧客化の促進
ナーチャリングによる優良顧客化の促進も、MAツールの導入効果のひとつです。適切なタイミングで最適な情報を提供することでリードを育成し、継続的なフォローアップによって既存顧客の優良顧客化を図ります。リピート購入を促す効果的なキャンペーンの実施や、過去に商品ページを訪問したものの購入に至らなかった顧客に対する、リマーケティング施策の実施も可能です。
4. マーケティングと営業の連携強化
MAツールの導入効果として、マーケティングと営業の連携強化も考えられます。MAツールを使えば、質の高いリードを抽出して営業チームに渡すことが可能です。マーケティングチームだけではなく営業チー厶とも顧客情報を共有できるため、チーム間でのコミュニケーションの活性化にもつながるでしょう。
5. データ分析によるプロセス改善
データ分析によるプロセス改善もMAツールの導入効果のひとつです。MAツールでデータ分析をすることによって、マーケティング活動の改善点を見つけることができるでしょう。プロセスを改善すれば、効果的な施策の見極めにつながり、より効果の高いマーケティングを実施することができます。
MAツールの導入効果を高めるためのポイント
ただMAツールを導入するだけでは、効果を十分に発揮することができません。MAツールの導入効果を高めるためのポイントを解説します。
自社の課題と目的を明確化しておく
MAツールの導入効果を高めるためには、自社のマーケティング活動における課題を確認し、導入の目的を明確化しておくことがポイントです。MAツールの導入はそれ自体が目的ではなく、あくまで目的を実現するための手段に過ぎません。
例えば、効率的なリード獲得や、効果的なリードナーチャリングに課題がある企業であれば、「MAツールを用いてリード獲得とナーチャリングを自動化する」ことが目的のひとつになります。
さらに、「MAツールでターゲットとなる顧客の属性や関心を特定し、効果的なマーケティング戦略を立案する」「顧客データを分析して、各顧客のセグメントに合わせパーソナライズされたコンテンツを提供する」といった具体的な戦略も見えてきます。その上で、リード獲得率の向上を目標に設定することもできるでしょう。
自社の課題や目的に適したMAツールを選定する
MAツールの導入効果を高めるためのポイントとして、自社の課題や目的に適したMAツールを選ぶことが挙げられます。
MAツールが自社に適しているかどうかは、機能や使いやすさ、カスタマイズ性、サポート体制を確認することが有効です。また、他社のMAツールの導入事例も参考になります。他社がどのようにMAツールを活用しているのかを知ることで、自社における活用方法のヒントが得られるでしょう。
ただし、MAツールを実際に使っていく中で、自社のニーズが変化することも考えられます。そのため、必要な機能を追加できるなど、柔軟な対応ができる製品であればより理想的といえます。
CRMツールやSFAツールと連携させる
顧客管理（CRM）ツールや営業支援（SFA）ツールと連携させることも、MAツールの導入効果を高めるポイントです。CRMツールやSFAツールと連携させることで、営業や顧客サービスなどとも顧客情報を共有することができるようになります。
連携のメリットとしては、顧客やマーケティングにおけるさまざまなデータの一元管理と効果的な分析や戦略策定が可能になること、有望なリードを営業チームに受け渡せるためクロージング率の向上を望めることなどが挙げられます。
MAを導入する際の7つのステップとは？ 事前準備や導入のポイントを紹介
「Zoho CRM Plus」はMA機能を持つCRM・SFA統合プラットフォーム
近年では、MAとCRM・SFAが統合されたプラットフォームを提供する製品が登場しています。マーケティングから営業、サポートまでで一貫した戦略を進めるのであれば、こうしたツールの導入も選択肢に入るでしょう。
全世界1憶人以上のユーザーに利用されるZohoが提供する統合パッケージ「Zoho CRM Plus」には、CRM・SFAツールの機能に加えて、リード情報の収集・分類、リードナーチャリング、メール配信、Web訪問者のトラッキング、施策管理・分析、マーケティングアトリビューション（マーケティング施策が成約にどのように貢献したかを把握する分析手法）、Google広告連携といったMA機能が搭載されています。
「Zoho CRM Plus」は、導入計画を立てる、無料トライアルで機能を試す、必要に応じてZohoスタッフに相談するという、３ステップで導入を進められます。MAの導入をお考えなら、「Zoho CRM Plus」もぜひご検討ください。
