Zoho Desk を導入し、問い合わせの窓口を一本化。
運用に合わせたカスタマイズで、
月間約20時間の業務時間削減を実現
- VANLINKS株式会社
- 所在地東京都新宿区細工町3-19
ラコンテ神楽坂 7F - 設立2018年1月
- 業種情報通信
- 従業員数15名(2021年4月現在)
- ビジネスB2B、B2C
- https://van-links.com/
中国・深センや香港、上海などで高い人気を誇る最新ガジェット(小型電子機器)を輸入し、日本国内で提供する事業を展開しているVANLINKS株式会社(以下、VANLINKS)。同社は、電話、メール、Webフォームの3つのチャネルからの問い合わせを「Zoho Desk」上に集約。これにより、カスタマーサポートの業務効率化を実現したほか、以前はしばしば発生していた問い合わせ対応の抜け漏れをほぼゼロにしている。
同社のシステム管理部に所属し、Zoho Desk の導入を主導した與那覇(よなは)直紀氏は「Zoho Desk はカスタマイズ機能が充実しており、自社が求めるカスタマーサポートツールを構築できます」と高く評価する。
「Zoho Desk はカスタマーサポートの業務効率化はもちろん、品質向上にも貢献します」
VANLINKS株式会社
システム管理部 マネージャー 與那覇 直紀 氏
―VANLINKSの企業概要や事業内容について教えてください。
與那覇氏:当社は、国外で人気の高いロボットやスマートデバイス、IoT製品などを輸入・販売しています。中国でトレンドの最新ガジェットを日本国内にお届けし、お客さまの生活をより豊かにすることをミッションとしています。市場調査からローカライズ、販売、カスタマーサポートまでを一貫して行っており、お客さまに心地よく製品をご利用いただけるサービス体制の構築に努めています。
事業の主力は、スマートフォン・アクションカメラの手ブレ防止機器を展開するZHIYUN(ジーウン)やロボット掃除機のRoborock(ロボロック)です。そのほかにも、クラウドファンディングにおいて、45日間で2億5千万円の資金調達を達成し、世界的にも注目を集めている3DプリンターメーカーSnapmaker(スナップメーカー)やワイヤレス映像伝送システムを開発するVAXIS(ヴァクシス)等、多数のブランドを扱っております。
「窓口の一本化」を狙い、カスタマーサポートツールを検討。
コストの安さと機能の多彩さを評価し、Zoho Desk を選定
― Zoho Desk の導入以前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。
與那覇氏:当社で取り扱う製品数が増え、問い合わせ件数も増えていくにつれて、従来の手法に限界を感じるようになりました。当時は月300~400件ほどの問い合わせに対し、1、2名の担当者では対応が追い付かないこともあり、返信作業や受話対応が錯綜し、常に抜け漏れのリスクがありました。そこで、フォーム作成と顧客管理ツールであるformrun (フォームラン)を導入し、カスタマーサポート業務の効率化を図りました。
しかし、formrun の導入後にもいくつか課題が生じました。その1つが問い合わせ窓口の一本化です。弊社のサポートでは、電話やメールでの問い合わせも受け付けているため、それらを一本化して管理したかったのですが、formrunではできませんでした。そのためWebフォームが増えた分、管理が煩雑化し、かえって作業工数が増えてしまいました。
もう1つはカスタマイズ性です。当社には、製品の使い方や不良品の報告など、さまざまなジャンルの問い合わせが届き、そのジャンルごとにサポートのステータスが異なります。例えば、お客さまが製品の修理を求めている場合、「発送中」「検品中」「修理完了」「修理報告済み」などのステータスが必要です。そのため、タグやステータスの複数設定をはじめとしたカスタマイズが必要でしたが、formrunでは対応できませんでした。
これに対応するため、問い合わせのステータスなどを記入するエクセルの管理表を作成し、formrunとエクセルでの二重管理を行うようになりました。端的に言えば、「システムに人が合わせる運用」が始まったのです。
しかし、そもそも二重管理は非常に手間ですし、エクセルのデータは簡単に操作できてしまいます。また、エクセルに問い合わせの対応期限を記入しても、その期限を担当者にリマインドすることができず、抜け漏れのリスクは拭えません。
こうした課題の解決を図るため、formrun からほかの製品へのリプレイスを検討するようになりました。
―カスタマーサポートツールの導入に際して、製品の比較検討は行われましたか。
與那覇氏:4つの製品で比較検討を行いました。Zendeesk、Tayori、Re:lation、そして、「Zoho Desk 」です。そのなかでも、Zoho Desk は安価かつ豊富な機能を備えており、大変魅力的でした。formrun には、月2万5,000円程度を費やしており、やや高額な印象がありました。そのため、まずはランニングコストが安価であることがリプレイスの要件になっていました。
また、自由にタグが設定可能なことや、ステータスを柔軟にカスタマイズできることも選定の要件でした。問い合わせのジャンルごとにタグを設定してチケットを分類したり、ツール上でステータスを管理できるようにすることで、抜け漏れや二重管理といった、これまでの課題の解消を狙いました。
*図1:自社プロセスに合わせてカスタマイズしたステータス
*Zoho Desk では、未完了、対応中、エスカレーション、完了済みの4つのステータスがデフォルトで設定されています。運用に合わせてステータスの追加や名称の変更等のカスタマイズが可能です。
また、ゾーホージャパンの営業担当者の導入検討支援が、非常に熱心だったことにも魅力を感じました。ほかのベンダーは、メールでのサポートが中心でしたが、ゾーホーの営業担当者はオンラインでの打ち合わせにしっかり時間を取ってくださり、仕様や運用についての質問にも丁寧に対応してくれました。そうしたサポートの充実が決め手となって、Zoho Desk の導入が決定しました。
Zoho Desk がカスタマーサポートの体制構築に貢献。
Zoho Analytics とも連携し、顧客満足度向上の施策を推進
―現在、Zoho Desk をどのように活用されていますか。
與那覇氏:導入の目的であった窓口の一本化に成功しています。Zoho Desk はメール、電話、問い合わせフォームなど、複数のチャネルからの問い合わせをツール上に集約できるため、以前のように煩雑な対応に迫られることがありません。
さらに、チケットに対してさまざまなステータスを設定できるようになったため、エクセルとの二重管理も解消しました。これにより、問い合わせ管理の工数を大幅に削減でき、カスタマーサポートの効率化が進んでいます。
そのほか、Webフォームの作成・管理ツールの「Zoho Forms」やデータを集計・グラフ化して分析用ダッシュボードを作成できる「Zoho Analytics」など、ほかのZoho製品と連携した活用法も定着しています。現在、当社のECサイトなどに設置されたお問い合わせフォームは、全てZoho Forms で作成されています。また、Zoho Analytics は、月次で問い合わせ件数の推移を確認したり、問い合わせの内容について分析したりするツールとして用いています。特に、問い合わせ内容の分析は、マーケティング部門に共有して業務連携することで、コンテンツ拡充などの施策に役立てています。例えば、分析によって「アプリの使い方」への問い合わせが増えていると判明した場合、その情報をマーケティング部門に共有して、製品に同梱される資料や製品紹介動画に、アプリの使用方法についての説明を追加してもらいました。このように、お客さまのニーズに応じた情報の提供ができ、顧客満足度の向上が図れます。
―Zoho Desk の活用を通じて、どのような効果を感じていますか。
與那覇氏:まずはカスタマーサポートにおける業務効率化です。以前は、エクセルの記入や参照に少なくとも1日1時間ほどの時間を取られていました。それが現在は解消されましたし、メールテンプレートや使用頻度の高いテキストを素早く追加できるスニペット機能を活用して、問い合わせ対応の工数を大幅に減らすこともできるようになりました。そのため、業務時間も月20時間ほどの削減が実現しています。
また、毎月のコスト削減効果も生まれています。formrun は月額2万5000円程度の利用料だったところ、当社が利用しているZoho Desk とZoho Forms のプランは合算して月額1万8000円程度と、7000円強の削減効果です。年間に換算すれば約10万円が削減されており、決して少なくはない効果だと思います。
そのほか、問い合わせ対応の抜け漏れが、限りなくゼロに近付いているのも、大きな成果です。現在、カスタマーサポートチームのメンバーは、Zoho Desk 上のデータをグループ化できるリストビュー機能を用いてタスク管理を行っています。リストビュー機能を利用すれば、問い合わせの未対応件数などが一目で把握できるため、忘れたまま放置するといったミスが、ほぼゼロになります。
*図2:リストビューで対応すべき問い合わせの状況を瞬時に把握
*Zoho Desk のビュー機能は、さまざまな条件で問い合わせをフィルタリングして表示します。作成したビューは、個人単位で利用できるほか、指定したユーザーや全体に公開して利用することも可能です。
また、このタスク管理をきっかけに、1日に対応すべきタスクの量も明確になり、「どこまでタスクを終わらせれば退勤していいか」といった社内ルールが整備されました。これにより、カスタマーサポート部門のメンバーも定時に退勤できるようになっています。
今後は、カスタマーサポートの体制をさらに強化し、顧客ライフサイクルの構築を図る
―カスタマーサポートチームや経営層からの、Zoho Desk への評価を教えてください。
與那覇氏:Zoho Desk はインターフェイスが直感的でわかりやすいため、カスタマーサポートチームのメンバーもすぐに操作に慣れ、さまざまな機能を使いこなしています。また、当社ではナレッジベース機能を利用して、よくある問い合わせ内容やイレギュラー対応の履歴などを蓄積しているので、新入社員でも2~3日の研修期間を経れば、カスタマーサポート業務に対応できています。
一方、経営層からはコストの安さへの評価が高いです。導入前は「こんなに安いのは、逆に不安だ。使いづらいツールなのではないか」といった声も聞かれていましたが、導入してみるとそうした不安は杞憂で、Zoho Desk の充実した機能に舌を巻いています。
また、Microsoft Teamsとの連携により、カスタマーサポートの状況が経営層にも可視化されるようになったため、ガバナンス強化の観点からも評価を得ています。以前は、カスタマーサポートのチームですら、全ての問い合わせを把握するのが困難だったことを考えると、この変化は劇的の一言だと思います。
―最後に、VANLINKSの事業の今後の展望をお聞かせください。
與那覇氏:ガジェット業界は日々、新しい商品がリリースされる、非常に変化の激しい業界です。そのなかで、当社は日本国内におけるパイオニアとして、今後も取扱製品数を増やし、事業を拡大していく予定です。
それに伴い、カスタマーサポートの質も向上させる必要があると感じています。製品をご購入いただいたお客さまのお問い合わせに対応し、顧客満足度を高めるのは、カスタマーサポートの役割です。顧客満足度は、お客さまがリピート購入をするうえで、重要なポイントになります。そのため、今後は、顧客管理・営業支援ツール「Zoho CRM」との連携など、Zoho Desk の新たな活用方法を開拓しながらカスタマーサポートの質を高め、リピート購入を促すよう施策に取り組んでいきたいです。