MAF PNG、Zoho Desk による情報把握で人命救助に取り組む

MAF パプアニューギニアについて

MAF PNGは1951年からパプアニューギニアで活動を続けており、航空機を使って遠隔地のコミュニティに貢献しています。セスナキャラバンやC208航空機を駆使し、物理的な障壁を克服して地元の人々が医療や教育、安全な水、福音(宗教的な教え)を手にできるよう支援しています。さらに、これらの孤立したコミュニティに教育やカウンセリングの支援を提供し、肉体的・精神的な変革を促しています。MAF PNGはまた、地域コミュニティ、地元の教会グループ、宣教師、NGO、開発・救援機関、政府部門とも連携し、遠隔地に住む人々の生活を変える活動を行っています。このようなMAF PNGの日々の業務や同組織に対する投資や寄付による資金の管理は、テクノロジーによって支えられています。

MAF PNGが Zoho Desk を活用する目的は、チームと受益者とのコミュニケーションを円滑にし、迅速に救援を派遣して緊急のケースに速やかに対応することです。

円滑にし、迅速に救援を派遣して緊急のケースに速やかに対応することです。

時代遅れのプラットフォームとコミュニケーションのサイロ化*で、遠隔地への支援が遅延

4年前にトッド・エイビッシャー氏がカントリーディレクターに就任した当時、パプアニューギニアの拠点ではまだ旧式のプラットフォームが使用されていました。サービス依頼の多くは、メールやメモ、口頭で伝えられており、見落としが頻繁に発生していました。

しかし、コミュニティの数が増え始め、最終的には200以上になり、さらにMAF PNGがインドネシアに隣接する西側国境からパプアニューギニア本土の東端にまで広がる12もの拠点で活動していたこともあり、問い合わせを管理するシステムが必要になりました。

*サイロ化とは、組織や情報が孤立し共有できていない状態

「各拠点がそれぞれ独自に活動を行っていました。このような分散された形で運営されている航空サービスは世界でも例がなく、ワクチンを配布する際には、保健当局は各拠点と個別に調整しなければなりませんでした。」と、エイビッシャー氏は語りました。

変化のきっかけ

MAF PNGチームが医療搬送患者の死を目の当たりにしたことが、問い合わせシステムの導入を後押ししました。この出来事は、フライトが必要な村や拠点、そしてパイロットとの間でのコミュニケーションプロセスにおけるさまざまな失敗から生じたものでした。「本来対応すべきチームが連絡を受けたときには、患者は手遅れでした。」とエイビッシャー氏は述べました。MAF PNGは、このような事態の発生を防ぐために、Zoho Desk を利用し、重複しているコミュニケーションの整理を開始しました。その後まもなく Zoho Desk はMAF PNGの業務の情報源となりました。

深刻な状況に速やかに対処

エイビッシャー氏が初めて Zoho を知ったのは2013年のことでした。その後、MAF PNGに加わった彼は、問い合わせシステムの調査を行う中で、カスタマーサービスプラットフォームのトップ5を特集している記事に Zoho の名前が挙げられているのを目にしました。

MAF PNGのオペレーションセンターでは、現在、Zoho Desk を主要な責任構造を管理する仕組みとして位置づけています。受信したメール、電話、WhatsAppテキストはすべて即座に Zoho Desk の問い合わせチケットに変換され、適切なスタッフや拠点に振り分けられて処理されます。メールやサポート電話からフライトの予約まで、これらの活動はより効率的に管理され、作業の優先順位が高められるようになりました。Zoho Desk を利用する前は、送信したメールが途中で消えたり、上書きされたりすることもありました。エイビッシャー氏は、紙のレポートが人目に触れることなく放置され、4年後にある保管場所から掘り起こされて再発見された出来事を話してくれました。現在、MAF PNGでは新しい上書きソフトウェアを使用して、Zoho Desk のデータを社内のツールに送信し、関係者が共有した情報に基づいて即座にフライトを予約することができます。

Zoho Desk は、すべての問い合わせをひとつにまとめて表示して体系的な情報の流れを提供するだけでなく、長時間の遅延が発生した場合には、各部署に依頼をエスカレーションするのにも役立っています。また、Zoho Desk は、人事、セキュリティ、メンテナンスなど、MAF PNGの他の部門でも日々の依頼や苦情を追跡するために活用されています。

さらに、Zoho Desk により、通話記録などのコミュニケーション活動を視覚化したり、手配したフライトが予定通りに離陸しているかどうか確認したりできるようになりました。「スタッフは、自分たちの行動を Zoho Desk に記録しています。これにより、システムを使っている全員が、電話に出た相手をすぐに検索し、現在の状況を正確に把握できます。」とエイビッシャー氏は述べています。

現在では、MAF PNGの各担当者はすべての問い合わせを把握しており、Zoho Desk プラットフォーム全体ですべての関係者と簡単にコラボレーションできます。

顧客ポータルで情報を統合し、問い合わせを割り当て

コミュニティを再建することと、地上での業務や物流管理を促進するテクノロジーを再構築することには相関関係があります。この双方の取り組みにより、情報が Zoho Deskの 顧客ポータルに集約されるようになり、重要な情報がより可視化されるようになりました。顧客ポータルでは、担当者に問い合わせを割り当てたり、問い合わせを調べその問い合わせに対する作業の進み具合を確認できます。また、メインオペレータが顧客プロセスを合理化し、すべてのメールに親しみやすい雰囲気を加えるのに有用です。スーパーバイザーは、専門的な注意が必要な問い合わせをきめ細かなフィルター機能を使って選択し、適切なスキルを持つ担当者に割り当てることができます。

パートナーとのコミュニケーションの見直し

MAF PNGでは、政府機関、医療提供者、教会などの外部機関とのパートナーシップが、地域コミュニティ内での地上監視・支援活動の成功に大きく貢献しています。これらのパートナーシップの多くは、MAF PNGからの入札やアプローチを通じてではなく、別の方法で形成されたものです。特にこれらのパートナーが独自のサービスを提供している場合、問い合わせに大量のチャットが含まれていることがあり、それを管理するのに Zoho Desk が役立ちます。Zoho Desk では、会話の切り替えや文脈の把握ができ、これにより、チャット履歴を調べる手間が大幅に省けるからです。

今後の展開

この地域では、COVID-19だけでなく、他の一般的な病気にも急を要する状況があります。さらに、フライトも25%〜35%削減されているため、MAF PNGはソーシャルメディアを通じて現地の人々と直接連携する手段を模索しています。Zoho Desk とソーシャルメディアチャネルを連携すれば、現地での状況把握をより深められます。また、最近機能強化が行われた Zoho Bigin* と Zoho Desk を連携した結果、オペレーションセンター担当者や戦略的パートナーシップ部門は、各部門が担当する業務を常に把握できるようになりました。

*Zoho Bigin とは、本格的なCRM の複雑さを最大限に取り除き、簡単にセットアップし、基礎的な CRM の機能を利用できるようにした小規模組織向け CRM ツール

また、Zoho Desk を利用した統合システムによる集中拠点の構築も検討しています。これにより、問い合わせは自動的に各拠点に送信されるようになります。さらに、MAF PNGは Zoho Desk でワークフローや問い合わせの割り当てを実行したり、未完了の問い合わせの平均時間やその他の指標に基づいて、各担当者がサポートでどのような評価を得ているかを確認する機能を組み込むことも検討しています。

MAF PNGは、地域社会に提供する支援の質を向上させる努力を続ける一方で、いつでもサービスを提供できるようにコミュニケーション基盤を改善し、組織としての核となる価値「Impact(影響力)、Witness(証し)、Excellence(卓越性)、Partnership(パートナーシップ)、Stewardship(管理責任)、Care(ケア)」を追求し続けています。