顧客管理とは

顧客管理とは、顧客の情報と接点の記録を一元的に管理することです。顧客の情報は、企業にとって重要な資産です。また、
顧客にまつわる様々な情報を記録しておくことは、顧客との関係を良好に保ち、継続的な取引を行うためには欠かせません。
こうした「顧客にまつわる情報」を記録しておくことを「顧客管理」と呼びます。

日本企業における顧客管理の実態

顧客管理の方法が「明確ではない・わからない」と回答した
法人営業組織の責任者・担当者

出典:「日本の営業に関する意識・実態調査2023」

HubSpot社が2023年に発表したレポートによると、顧客管理の方法が「明確ではない・わからない」と回答した
法人営業組織の責任者・担当者は約3割にのぼりました。
コロナ渦を経てDXに取り組む企業が増える一方、顧客情報を適切に管理・共有できていない状態で
営業活動を続けている企業も一定数存在しているのが日本の現状と言えるでしょう。

顧客管理が重要な理由

なぜ、顧客管理が重要とされるのでしょうか。それは、顧客の情報を管理することで、顧客満足度が向上し、
受注確度にも良い影響がもたらされるからです。顧客をより深く知ることは、顧客との関係構築に役立つだけでなく、
事実に基づいた企業戦略の構築を可能にし、利益の拡大へとつながります。

  • 1 顧客情報の集約管理
  • 2 顧客理解を深める
  • 3 顧客離れの防止
  • 4 組織内での情報共有
  • 5 売り上げアップ
  • 1 顧客情報の集約管理

営業担当者の顧客一人ひとりへの対応は、会社への評価につながります。どんなアプローチによって受注・失注につながっているのかを属人化させず、適切なマネジメントを行うには、情報を一箇所に集約する必要があります。

  • 2 顧客理解を深める

どんなタイプの顧客がどんな製品をより多く購入しているのか、どんなルートから紹介してもらった顧客が受注につながりやすいのか、といった顧客の傾向を把握することは、販売戦略を立てる上で不可欠です。また、顧客がどんな点に不満を抱えているのかがわかれば、それを今後の製品開発に反映したり、サービスの改善につなげることもできます。

  • 3 顧客離れの防止

顧客離れを防ぐため顧客から問い合わせを受けた際に、その顧客が誰なのか、過去に取引をしたことがあるのか、トラブル対応中の顧客なのか、といったことを把握せずに顧客対応をしたら、顧客の反応はどうでしょうか?いつでも同じ担当者が顧客に対応できるとは限りませんし、顧客情報がきちんと管理されていないと、顧客に同じことを繰り返し確認することになりかねません。このような対応が続くと、結果として顧客の満足度は低下します。

  • 4 組織内での情報共有

取引先の電話番号が変更された、事務所が移転した、などの細かい情報の変更をおろそかにすると、新しく加わった営業担当者が古い番号に電話してしまったり、経理部門が請求書を違う住所に送ってしまったりということが発生します。

  • 5 売り上げアップ

案件は必ず成約するとは限りません。「失敗は成功の母」という言葉通り、失注した案件から学ぶことはたくさんあります。そのためには、すべての案件を記録しておくことが大切です。なぜうまくいなかったのか、なぜうまくいったのかを振り返り分析することが、案件の成約率向上につながります。

営業・マーケティング活動における顧客情報の活用

営業やマーケティングにおいて顧客情報はどのように活用できるのでしょうか?具体的な活用の仕方を2つご紹介します。

  • パーソナライズされた
    アプローチの実現

    パーソナライズ化されたリードナーチャリングや営業アプローチを行えます。
    顧客の属性や興味のある製品、行動や趣味嗜好を分析することで、顧客一人ひとりに合わせた情報発信ができるようになるため、より成果につながりやすくなります。
    例えば、購買履歴から趣味嗜好を分析し、その人が興味を持ちやすい商品を紹介するというようなアプローチができます。
    顧客のニーズや属性に合わせた最適な提案ができるので、営業やマーケティング活動の効率化を期待できるでしょう。

  • 機会損失やトラブルの防止

    顧客管理を行うことで、機会損失やトラブルの防止を期待できます。リードのフォロー状況を把握できていなかったり、案件の対応状況が可視化されていなかったりする場合、適切なフォローアップを行えずに、競合他社に顧客を奪われる可能性があります。また、二重フォローが発生したり、フォローアップ漏れが起こったりすることも珍しくありません。このようなことが原因で、機会損失やトラブルが発生します。営業やマーケティングに顧客情報管理を活用することで情報の一元化が可能です。また、対応状況も可視化されるため、二重フォローを防ぐことができます。さらに、新規リードが登録されたら自動で担当者が割り振られるため、フォローアップ漏れも防ぐことが可能です。そのほかにも顧客を定期的にフォローアップできるようにタスクの自動登録ができるなどのメリットがあります。情報の一元化や二重フォロー・フォローアップ漏れの防止、顧客の定期的なフォローアップにより競合他社へ顧客が流れてしまう課題を解決することができるでしょう。

顧客管理に必要な項目とは?

顧客管理に必要な項目は、「顧客情報」、「案件情報」、「購買履歴」「コミュニケーション履歴」の4つに分けられます。

  • 顧客情報

    顧客の会社情報に加えて、氏名、住所、電話番号、
    メールアドレスなどの基本情報を含む
    顧客プロファイルが必要です。

    • 会社名
    • 所在地
    • 代表電話
    • Webサイト
    • 個人名
    • 所属部署
    • 役職
    • メールアドレス など
  • 案件情報

    進行中の案件情報を記録することで、
    現時点の売り上げや売り上げ見込みを把握し、
    売り上げ目標の達成に役立ちます。

    • 案件の進捗
    • 検討商品
    • 金額
    • 完了予定日
    • 見積書
    • 請求書
    • 契約書 など
  • 購買履歴

    過去の購買履歴や商品やサービスの利用履歴を記録することで、
    顧客がどのような商品やサービスに興味を持っているかを把握し、
    ターゲットマーケティングに役立ちます。

    • 購入日
    • 購入場所
    • 購入した商品/サービス など
  • コミュニケーション履歴

    過去のコミュニケーション履歴を記録し、
    顧客とのコミュニケーションを追跡することで、
    長期的な関係構築に役立ちます。

    • 電話やメールの応対履歴
    • SNSの投稿やリアクション
    • サポートへの問い合わせ内容 など

顧客管理の方法とは

顧客管理には、どのような方法があるのでしょうか。顧客管理の
方法は複数あり、それぞれメリット・デメリットがあります。

クラウド型の顧客管理ツール
(CRMツール)

最も一般的な顧客管理の方法です。CRM(Customer Relationship Management の略)とは、顧客との関係を管理するツールを指します。既存顧客との関係を維持するために必要な情報を管理することはもちろん、引き合い客(リード・見込み客)を管理し、案件を開始して売り上げにつなげていくにあたっての情報管理を得意とします。

メリット

  • 効率的に顧客情報の管理ができ、活用もしやすい。

デメリット

  • 導入・運用にコストがかかる。

紙での顧客管理

顧客情報を紙に記録して管理する顧客管理の方法です。医療業界や介護業界、美容業界、
小売業など、比較的小規模なビジネスでこの傾向が高いようです。

メリット

  • コンピューターがなくても手書きで作成・管理できる。

デメリット

  • 情報を探すのに手間がかかる。案内を送る際など、さまざまな場面で顧客データを利用しようとする際に手間がかかります。
    また、社内での情報共有もしづらいです。

名刺管理ツールを使った顧客管理

名刺をスキャンしてデジタル化してくれるツールを利用した顧客管理の方法です。ほとんどのツールに文字認識機能がついているので、名刺情報をそのまま顧客情報として管理できます。

メリット

  • 手軽に名刺に記載された顧客情報をデジタル化して管理できる。

デメリット

  • 名刺情報以外の顧客情報を管理する用途には向かない。

エクセルを使った顧客管理

利用が簡単であるため、顧客管理の方法として多くの企業がエクセルを利用しています。

メリット

  • 社内で利用できる人の割合が多い傾向があるため、スムーズ。

デメリット

  • 情報や活用の幅、利用人数など一定を超えるとさまざまな弊害が生じる。
エクセルによる顧客管理の課題について詳しく見る

モバイル用の顧客管理アプリ

スマホの普及に伴い、モバイル端末で利用できる顧客管理アプリも登場しています。手間や時間がかからないので、小規模なビジネスで多く利用されています。

メリット

  • スマホひとつで、情報の確認や更新が手軽にできる。

デメリット

  • カスタマイズができない。

CRMツールを利用するメリット

顧客管理の方法はいくつもありますが、多くの企業では、CRMツールを顧客管理に利用しています。CRMツールでは、顧客の基礎情報を管理することに加えて、顧客とのやりとりや購入履歴のような詳細な情報まで関連付けて記録できます。これにより、最適な営業アプローチを構築したり、顧客関係を強化することが可能になります。さらに、多くのCRMツールには、営業活動をさまざまな角度から支援する機能が搭載されています。ここでは、CRMツールを顧客管理に利用するメリットを具体的に解説します。

メリット1

顧客の情報を1か所で管理できる

顧客情報をエクセルや名刺、メモなど分散して管理していると顧客の基盤が拡大するにつれ、顧客情報の管理が困難になります。顧客情報がデジタル化されて1か所で管理されていると、何より、顧客情報を探す時間が短縮されます。また、複数のシートやシステムに二重入力する必要がなく、効率的に業務を進めることができます。

メリット2

同僚や上司、部門間での情報共有が容易

日々変化する顧客の情報を関係者で共有するにはCRMツールが最適です。チームで連携が必要な商談もCRMツールを更新しておけば、都度、上司や同僚に報告する必要もありません。CRMツールがあれば、チームワークによるタイムリーな顧客対応が可能になります。注文書や請求書が管理できるCRMツールなら、経理部門や法務部門との連携もスムーズです。

メリット3

いつでもどこでも営業活動ができる

クラウド型のCRMツールなら、リモートワークでも社内と同じ環境で顧客情報にアクセスできます。また、CRMツール用のモバイルアプリがあれば、外出の多い営業担当者でも、移動中に次の訪問先の顧客情報を確認するなど、隙間時間を有効活用できます。

メリット4

パーソナライズされた顧客対応が容易に

顧客情報だけでなく、対応履歴や取引履歴も併せて管理できるので、顧客からの問い合わせにも、通り一遍の対応ではなく、過去のやり取りや取引履歴を踏まえた丁寧な対応が可能になります。

メリット5

顧客情報を分析して、今後の営業活動に利用できる

蓄積された顧客情報には、営業のヒントが詰まっています。顧客の行動パターンを分析して最適なアプローチ方法を検討したり、顧客をセグメント化して、セグメントごとの傾向を把握し販売戦略をたてることで、受注率向上につながります。

メリット6

万全のセキュリティで個人情報の管理も安心

クラウド型の顧客情報ツールのほとんどは、ベンダーのデータセンターで安全に保管され、最高水準のセキュリティメカニズムで保護されています。こうしたツールを利用すれば、情報漏えい対策に頭を悩ませる必要がありません。

顧客管理ツールの選定でおさえるべき7つのポイント

顧客管理ツールの導入にあたっては、まずは、何のために顧客管理を行うのか、顧客管理ツールを導入する目的は何かを明確にしましょう。この目的を達成するために、どんな機能が必要かを具体的に検討していくことが、自社に最適な顧客管理ツールを選定する近道です。ここでは、顧客管理ツールの選定にあたり考慮すべき主なポイントを解説します。

顧客情報の入力方法を確認する

今まで、名刺管理ツールやエクセルや他のシステムで顧客管理をしていた場合、新しいツールにデータを移行する必要があります。手入力では手間もかかりミスも発生しがちなので、データのインポート方法を確認しましょう。データ移行時だけでなく、展示会などで大量のリードを獲得したときにもこのインポート機能が使えます。さらには、Webの問い合わせや資料請求フォームとの連携ができるツールであれば、あらためて顧客情報を入力しなおす必要がありません。

使い勝手はいいか

営業ツールは、導入しても使われないことがあります。その原因のひとつは、使い勝手の悪さです。自社の業務に不必要な項目があったり、必須入力項目が多かったりすると、入力が負担になり、営業担当者が情報を更新しなくなります。直感的に利用できるツールか、さらには入力画面のカスタマイズができれば操作性もあがり、継続して利用されるシステムになります。

クラウド型かオンプレ型か

顧客管理ツールの動作環境には、クラウド型とオンプレミス型の二つがあります。まずは、自社のITポリシーを確認しましょう。クラウド型の場合、ツールはインターネットを通じてブラウザで利用でき、利用者側が使用するコンピューターにはソフトウェアをインストールすることはありません。オンプレミス型の場合は通常、利用者側の事業所にサーバーを設置し、ローカルネットワーク上の必要なデバイスにソフトウェアをインストールします。オンプレミス型では、IT部門の支援が必要となるでしょう。

他ツールと連携できるか

顧客管理ツールと他システムとの連携について、どんな連携が可能かを確認しましょう。ツールによっては、APIが用意されていたり、拡張機能を利用することで、容易に他システムとの連携が実現できるものもあります。導入時に既存システムとの連携が必要なこともあれば、将来的に他システムとの連携ニーズが発生する可能性もあるでしょう。他システムとの連携が複雑なツールを選ぶと、ツール単体でのコストは低くても、トータルコストがかさむことがあります。

業務を効率化できるか

企業によって顧客管理ツールの導入目的は異なりますが、導入前の課題として業務の効率化を挙げる企業は多く存在します。顧客管理ツールを選ぶときは、業務効率化が期待できるものを選択しましょう。
例えば、フォローアップメールの自動送信やデータを分析する機能などがあると、業務効率化を期待することができます。顧客管理ツールを選ぶ際は、まず機能とその機能で具体的に何ができるのかをチェックするとともに、現在の業務効率化につながるかどうかも併せて確認しましょう。

自社のマーケティング活動に活かせるか

顧客管理ツールによって、搭載される機能はさまざまですが、マーケティング活動も企業によって異なります。顧客管理ツールを選ぶ際は、自社のマーケティング活動に活かせるか確認しましょう。
たとえばメールの一括送信やWebフォームの生成、マーケティング施策の管理ができるツールを選ぶと、顧客情報をマーケティング活動に効果的に活かすことができます。

月額利用料金以外に費用が発生するか

顧客管理システムを選ぶ際は、導入費用がいくらかかるかを確認しましょう。顧客管理システムにかかるコストは、初期費用や月額利用料金、オプション費用などが挙げられます。
初期費用は、導入時のみ発生するコストです。月額の利用料金は月々にかかる費用を意味します。オプション費用は、使いたい機能や保存するデータ件数などに応じて、追加で発生する場合があります。それぞれの顧客管理システムで初期費用やオプション費用の有無、利用料金は異なりますので、予算を考えてそれに適したものを選択するのがおすすめです。

顧客管理ツールとして
Zoho CRM がおすすめな理由

顧客管理ツールの導入にあたっては、まずは、何のために顧客管理を行うのか、顧客管理ツールを導入する目的は何かを明確にしましょう。この目的を達成するために、どんな機能が必要かを具体的に検討していくことが、自社に最適な顧客管理ツールを選定する近道です。ここでは、顧客管理ツールの選定にあたり考慮すべき主なポイントを解説します。

コストパフォーマンスに優れています

CRMツールの中でも圧倒的なコストパフォーマンスを誇る Zoho CRM。顧客管理・商談管理といった標準的なCRM機能を搭載したスタンダードプランは、1ユーザー月額¥1,680円(税抜)から利用できます。

料金プランについて詳しく見る

操作が簡単です

使いやすくわかりやすいユーザーインターフェースが、Zoho CRM が世界中で利用されているもうひとつの理由です。短い時間で直感的に操作方法を習得できるので、営業部門の業務効率化を促進します。

カスタマイズ性に優れています

レイアウトの変更だけでなく、自社の業務プロセスの流れにあわせてシステムをカスタマイズできるので、業務の効率がアップします。運用を開始した後でも、状況の変化に合わせてカスタマイズが可能です。

Zoho CRM のカスタマイズについて詳しく見る

営業部門に必要なCRM・SFA機能が充実しています

Zoho CRM には、顧客管理機能以外にも、案件の可視化や自動化などのSFA機能や、ステップメールやWebフォーム作成などのMA(マーケテイングオートメーション)機能も搭載されています。これひとつで、営業部門全体の業務効率改善が可能です。

BtoBにもBtoCにも対応しています

世界25万社の顧客には、BtoB企業もBtoC企業も含まれています。Zoho CRM は、対象顧客が企業であれ個人であれ、販売サイクルの長さに関わらず、あらゆるビジネススタイルに柔軟に対応できます。

安心のサポート体制を提供しています

導入支援サービスや利用者向けトレーニングに加えて、導入後のサポートも充実。安心して使い続けられます。ご自分のペースで製品機能を習得されたい方のために、オンラインヘルプやマニュアル、動画もご用意しています。

Zoho CRMのサポートについて

企業の規模や業種を選びません

豊富な機能とわかりやすいUIを備えているので、あらゆる企業のニーズに柔軟に対応できます。さらには、同機能を搭載した他社製品と比較しても低価格で提供されているので、導入コストを抑えて、少ない負担で使い始めることができます。

拡張性があります

ビジネスに変化はつきもの。Zoho CRM の連携機能と拡張機能は、こうした変化に柔軟な対応を可能にします。300以上のさまざまな業務アプリともシームレスに連携し、社内の業務に合わせた運用が容易に実現できます。

顧客管理にZoho CRMがおすすめな理由についてさらに詳しく見る

顧客情報を活用したマーケティング活動ができます

Zoho CRMは、ウェブフォームから獲得した顧客情報は直接取り込むことができるため、データ入力の必要がありません。また、データインポート機能では、大量の顧客情報を一括でデータベースに登録することができるため、顧客の数が多い企業もスムーズに利用できます。さらに、注力しているエリアや商品に基づいて顧客リストを抽出することが可能です。これにより、効率的な営業アプローチを行うことができるので、販促キャンペーン時に活用いただけます。