エクセル(Excel)を擬似CRMとして運用する方法
紙の顧客台帳を表の形にして、デジタル化したのがエクセルです。エクセルを、顧客管理専用のCRMツールのように運用することもできますが漏洩のリスクといった無視できないデメリットがあります。
エクセル(Excel)で顧客管理するメリット
エクセルで顧客管理するメリットは、安い・早い、です。ビジネスパーソンのPCにはほぼインストールされている汎用的な表計算ソフトであり、導入に費用がかかりません。ソフトの基本的な使い方についても基本的に知っている状態なので、事前の研修がなくても使い始められます。
エクセル(Excel)で顧客管理するデメリット
エクセルで顧客管理するデメリットは、顧客管理に特化したソフトでない、という点です。顧客管理で使うために入力規則をはじめとした細かな設定をしないと紙の台帳と使い勝手が変わらないですし、データの破壊や誰でもデータをコピーして持ち出せる漏洩のリスクがつきまといます。
- 設定に手間
- 一元管理に限界
- データ破損の恐れ
- 動作に影響を与える
ファイルサイズ - セキュリティにリスク
- 共有の難しさ
- PCに依存
- 分析に時間と知識
設定に手間
エクセルで顧客管理するには、データの入力規則の設定が欠かせません。商談日は「日付データ」であるべきですし、メールアドレスは半角英数のみ、売上は整数であるべきです。正確なデータでないと、集計や並べ替え、他ツールへのインポートができません。重要なシートやセルが編集されないよう保護するなど、後で適切に活用するためには設定にかなりの手間がかかります。
一元管理に限界
顧客管理をするなら、それにひも付く情報も一元管理したいですが、エクセルでは限界があります。というのも、提案資料や見積書、請求書はエクセルとは別の形式のファイルとなるため、それぞれの関連が分かるよう、丁寧にフォルダ分けして管理する必要があります。フォルダの更新履歴をきちんと終えるわけではないため、最新に保たれているかは常に確認する必要があります。
データ破損の恐れ
1つのエクセルファイルで顧客管理する場合、データ破損のリスクが心配です。大切なデータを失うリスクがあります。Microsoft 公式サイトには、データが破損した場合の修正方法が記載してありますが、どんなデータも完全に回復できるわけではないため、自動でバックアップする設定を少なくともしておく必要があります。(出典: Microsoft サポート)
動作に影響を与えるファイルサイズ
顧客データが増えていくとエクセルのファイルサイズが徐々に大きくなっていきます。集計表やグラフのデータも含めるとさらに大きくなり、ファイルを開くのに時間がかかったり、PCがフリーズしたりするようになります。ビジネスが成長すると顧客は増えて管理がより大切になる一方、管理するためのファイル自体が営業担当者の時間を無駄に奪うことになりかねません。
セキュリティにリスク
エクセルファイルはファイルを開けるならばすべての内容を閲覧でき、基本的にはコピーやダウンロードもできてしまうため、セキュリティにリスクがあります。エクセルファイルそのもので閲覧権限、アクセス権限、ダウンロード権限を細かく設定することができないため、ファイルが保存してある自社のネットワークやPCの監視ツールで補完する必要があります。
共有の難しさ
1つのエクセルファイルを共有しながら使っていくには限界があります。同一のファイルは設定をしないかぎり複数人で編集することができません。「共有ブック」機能をオンにすると、複数のユーザーが同時に1つのファイルを開いて編集することができますが、この機能を有効にするとデータの入力規則の追加をはじめ使えなくなってしまう機能が出てきてしまいます。
PCに依存
エクセルはPCで快適に動作するソフトですので顧客管理がPCに依存することになります。PCがあればエクセルでの顧客管理もスムーズですが、外出中の営業担当者がいつもPCを社内ネットワークにつないで共有のエクセルファイルを更新できるとは限りません。スマートフォンでは閲覧程度で、顧客データの追加や編集がスムーズにできないことが多いです。
分析に時間と知識
顧客情報をデジタルで記録するならば、分析して営業活動の改善に活かすことができますが、エクセルはピボットやグラフの設定をゼロから行う必要があります。マクロ機能を使って分析の過程を簡単にすることができますが、修正したいときにVBAを理解できる特定の担当者に負担が偏りかねません。分析をするにも時間と知識が必要となるのです。
CRMで顧客管理するメリット
CRMツールで顧客管理する最大のメリットは、エクセルと違って顧客管理に特化したツールである、という点です。顧客データが見やすいのはもちろん、商談の進捗やメールのやりとりまで顧客情報にひも付けて確認できるのは営業担当者にとって大きな違いでしょう。個人情報を保存するからこそ、暗号化をはじめとしたセキュリティ対策もCRMツールのベンダーが提供しているため自社側のリスクが減ります。CRMツールで顧客管理するメリットを紹介します。
情報の厚みの向上
表という平面的な顧客データでなく、複数の情報を関連付けることで立体的な管理へ移行できます。あらゆる顧客データに関連性を持たせる方法で顧客データを管理し、データを整理し、また探しやすくします。
セキュリティレベルの向上
CRM に蓄積されたデータは高いセキュリティ規準を満たしたデータセンターに保存され、PCに簡単にダウンロードできません。データの暗号化やIPアドレス単位でのアクセス制御も可能です。データの表示・編集権限も細かく設定できます。
スムーズな情報共有
複数の担当者がデータを同時に登録でき、担当者全てがリアルタイムでデータを確認できます。それぞれCRMツールにインターネット経由でアクセスするだけなので、サーバーへのアップロードの手間もファイルサイズも気にする必要はありません。
データの自動集計・分析
CRMツールは保存されたデータを表やグラフで表現する機能が標準で備わっています。エクセルと違って集計やグラフ化を手作業で行う必要がないためだれもがすぐに分析することができ、集計ミスのリスクもありません。
業務効率化
CRMはPCを開かなくてもスマートフォンで更新できることが多いです。商談や過去の取引履歴などもCRMツール上で確認できるため、会社の共有フォルダにアクセスしたり、デスクの引き出しを探したりする必要が無く、業務を効率化できます。
顧客満足度の向上
誰が対応しても1つの充実した顧客データソースにすぐアクセスできるならば、顧客対応がスムーズになります。迅速に対応できる環境を整えることで顧客とより強固な信頼関係を築くことができ、顧客満足度向上につなげられるでしょう。
CRMで顧客管理するデメリット
CRMツールで顧客管理するデメリットは、コストと使い勝手です。ただ、コストや使い勝手はツール選びで吟味することができますし、CRMツールを使うことで生まれる新たな売上も考慮して考える必要があります。
エクセル(Excel)とCRM、
顧客管理に優れているのは?
データ管理
業務効率
情報の精度
データ分析
データ活用
1 データ管理
2 業務効率
3 情報の精度
4 データ分析
5 データ活用
顧客管理をCRMへ移行すべき3つの理由
CRMのメリットは複数ありますが、顧客管理をエクセルからCRMに移行すべき理由は3点に集約されます。それはビジネスを成長させる、
リスクを避ける、履歴を残す、です。いずれもビジネスを支える顧客情報を扱うツールならではの当然の強みと言えるでしょう。
データ破損や漏洩
のリスクを防げる
エクセルは、ファイルが破損してしまったり、誤ってデータを削除・上書きしてしまうケースも少なくありません。また、USBメモリなどを使用して、誰でも簡単にデータを持ち出せることから情報漏洩のリスクも常に潜んでいます。一方、CRM(顧客管理)ソフトなら万が一誤って削除した場合でも、データのバックアップ機能があるため安心です。また、アクセスできるIPアドレスやユーザーも細かく制限できるため、漏洩リスクも大幅に減らすことができます。
新たな売上を生み出せる
CRMは情報の羅列ではなく、情報を可視化してビジネスの成長をサポートするところまでがカバー範囲です。情報を分析して、営業やマーケティングを変えることで、新たな売上を生み出すきっかけを提供します。また、社内の業務をスムーズにすることで、無駄を省いてコストを削減することを助けます。
操作ログを残せる
エクセルでは万が一エラーが起きたり、不正アクセスが起きた場合でも、即座に原因を突き止めることは難しいでしょう。しかし、CRM(顧客管理)ソフトなら誰がどのような操作を行ったのか、記録をすべて残せます。例えばデータのエクスポートや削除などの履歴をすぐに確認できるため、トラブルや不審に思う行動はすぐに探り出すことができるのです。
エクセル(Excel)からCRMへの移行手順とポイント
エクセルからCRMに顧客管理を移行する手順とポイントを紹介します。
- 01
エクセルからの移行のしやすさをチェック
CRM(顧客管理)ソフトには幅広い種類があるため、はじめにエクセルから移行するデータがスムーズに移行できるかどうかを考慮しましょう。具体的には、データインポートに対応しているファイル形式、ファイルの行数などの制限を確認する必要があります。
- 02
目的に合ったCRMの選定
CRM(顧客管理)ソフトを選定する際は、自社の課題や目的に沿ったものを選びましょう。具体的には、現在属人化している案件の進捗状況を可視化し、リアルタイムの分析・フォローアップを行えるようにしたい、といった形で現在の課題と期待する効果を整理し、導入する目的を明確にすることが大切です。目的は企業によって異なりますが、例えば安全性の強化であれば「セキュリティ面」を、使いやすさを意識するなら「シンプルかつ導入前にトライアルで試せるもの」などしっかりと検討したうえで自社に合うCRM(顧客管理)ソフトを選定しましょう。
- 03
導入・データ移行
CRM(顧客管理)ソフトの選定が完了したらいよいよ導入です。クラウド型であれば導入までそれほど時間もかかりません。まずは自社に必要な項目を設定し、データ移行に取り掛かってください。自社のみで対応が難しい場合は、導入支援などのサポートも活用しながら導入を進めましょう。
CRMの選び方と比較ポイント
CRM(顧客管理)ソフトを導入するにあたり、自社の課題を解決できる機能が含まれているか確認しましょう。たとえば、Zoho CRM ならすべての顧客データを集約できるだけでなく、メールの自動送信などの自動化機能も搭載しています。また、カスタマイズ機能を備えていることで、ビジネスモデルや要件に合わせて柔軟に対応することも可能です。豊富な機能でありながら操作性にも優れていることで、顧客管理をよりスムーズなものにしてくれます。
CRM(顧客管理)ソフトを比較する際には、低コストでありながら自社にとって必要な要件を満たしている製品か検討する必要があります。例えば無料だけにこだわってしまうと、操作性が十分でない、機能が揃っていない、セキュリティが心配などさまざまな問題が出てくるケースもあります。エクセルからの移行を検討しているなら、運用し続けられるコストでエクセル以上の効果を得られるかを重視し、選定してみてください。
CRM(顧客管理)ソフトのカスタマイズ性は、システム定着の成否を分ける重要なポイントです。自社の運用に合わせて、どの程度カスタマイズできるかをしっかり把握しておきましょう。また、カスタマイズに追加コストが発生するかどうかも併せて確認しておく必要があります。
CRM(顧客管理)ソフトには顧客の個人情報から売上情報まで一元管理されています。便利である反面、セキュリティ対策がしっかり行われたツールでなければ、情報漏えいなどのリスクが発生します。たとえばZoho CRM であれば、データの暗号化やアクセスログの記録などによりデータの安全性を確保できるだけでなく、IPアドレス制限や二段階認証などの設定によるアクセス制限も可能です。
エクセル(Excel)からの移行に最適なZoho CRM
Zoho CRM は世界25万社が導入しているCRMツールです。スタートアップや個人事業主のユーザーも多く、エクセルから移行した事例が豊富です。ITに詳しくないユーザーでも使いやすいデザインです。Zoho CRM の機能の一部を紹介します。
スマホで確認・更新
外出が多い営業担当者がスムーズに案件管理できるよう、Zoho CRM にはモバイルアプリがあります。スマートフォンで案件の登録や更新がスムーズにできます。
Zoho CRM モバイルアプリについて詳細はこちら国際基準に準拠したセキュリティ
個人情報や売上情報を含む案件情報を安心して登録できるよう、Zoho CRM は複数の国際基準に準拠した高いセキュリティを維持し続けています。
セキュリティについて詳細はこちらエクセルから脱却したZoho CRM 活用事例
顧客管理をExcelから脱却すべき4つの理由
ご紹介する内容
- 営業活動の強化に求められる5つの「管理」
- Excel管理から脱却すべき理由
- 脱Excelと業務効率化に役立つZoho CRMの機能