「ネットプロモータ・スコア」(以下「NPS」)とは、製品やサービス、あるいは企業全体に対する顧客満足度やロイヤルティーを測定する指標です。
顧客満足度アンケートの全体をグラフ化することは、お客さまが何を求めているかを把握するのに役立つかもしれませんが、会社が本当に知るべきことは、お客さまがその製品を友人に勧められるほど楽しんでいるかどうかということです。その答えによって、会社は市場での自分たちの立ち位置をよりよく理解し、次のステップを計画できます。
NPSは、すべてのお客さまを3つのカテゴリーのいずれかに分類することを提案しています。
1.推奨者「推奨者」は評価が9または10です。サービスや製品にとても満足していて、ロイヤルティを示し続ける可能性が高いお客さまです。
2.中立者「中立者」は評価が7または8です。満足していますが、他の人に勧めることはないでしょう。
3.批判者「批判者」は評価が0~6です。貴社に不満を抱えている顧客です。
ネットプロモータ・スコアは、(推奨者数 - 批判者数)/100=%NPSとなります。たとえば、NPSアンケートの回答者100人のうち、50人が推奨者、20人が批判者、30人が中立者であるとします。そのアンケートのNPSは(50 - 20)/100 = 30%となります。
NPSの取り得る範囲は-100~100です。正の100は回答者全員が推奨者であり、負の100は回答者全員が批判者であるときです。目指すべきは正のNPSです。正であれば、より多くのお客さまが製品を使用し続け、ブランドを宣伝してくれるかもしれません。
複雑な数式も、平方根も、統計分析の知識も必要ありません。基本の引き算と割り算だけで、組織にとって最も重要な質問に答えを出すことができます。
頭を悩ませるT検定やF検定の推論は、NPSを扱うときに必要ありません。とても単純で、正の100に近いほどよいということです。
NPSに基づいて、自社のベンチマークを設定できます。低いスコアは組織の目を覚まさせ、不満を持つ人からフィードバックや提案を集め、それを実行することで、状況を改善するための行動をすぐに取ることができます。正のスコアは、現在の戦略がうまくいっていることを示します。
NPSは多くの点で便利ですが、欠点もあります。
お客さまがその点数をつけた理由が分からず、最初に抱いていた疑問よりも多くの疑問が残ります。NPSは、お客さまに対する立ち位置を示すことはできるかもしれませんが、この「はい」か「いいえ」の結果では、お客さまが製品に不満を抱いている理由まではわかりません。
評価のパターンや基準は人それぞれです。ある国の人々は、何かをよいと思ったら、より寛大に点数をつけるでしょう。一方、別の国の人々は、9や10を特別なものと考え、よいパフォーマンスなら8をつけるのが理想的と考える可能性があります。このように、評価パターンの違いは、結果の不正確さの根拠と言えるかもしれません。
NPSの計算はシンプルかもしれませんが、Zoho Survey を使用すればよりシンプルになります。Zoho Survey は、自分の手を煩わせることなく、すべてを計算できます。アンケートでNPSの質問の種類を選択したら、あとはZoho にお任せください。回答を記録し、リアルタイムでNPSの計算と回答をレポートに表示します。NPSは現在の状態を示しますが、本当に製品を改善したいのであれば、より詳細な顧客満足度に関するアンケートで補完する必要があります。