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CXMとは? CRMとの違いや取り組むメリット、成功のポイントを解説

公開日:

2023年10月11日

この記事は8分で読めます

執筆者 Zoho マーケティングブログ 編集部

CXMとは? CRMとの違いや取り組むメリット、成功のポイントを解説

顧客との強固な関係を築くための「CXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)」というコンセプトが注目されています。デジタル化・オンライン化により顧客とのタッチポイントが多様化した現在、多くの企業にとってCXMへの取り組みは喫緊の課題ともなっています。

この記事では、CXMの基本概念と、よく似た「CRM」との違い、さらに取り組むメリット、成功のポイントについて解説します。

CXMとは顧客体験管理

CXM(Customer Experience Management)とは、日本語では「顧客体験管理」と呼ばれます。

CXMは、顧客がある商品(製品やサービス)に初めて興味を抱く時点から、実際に購入し、その商品を継続して利用する過程全体において、顧客が得る体験の質を高めることを目的としています。

ここでいう「体験」とは、単なる製品やサービスの利用以上のものを指します。例えば顧客が何かを利用して「心地よさ」を感じる瞬間、「感動」を得る瞬間、それら全体からもたらされる「満足度」を意味します。

こうした高品質な顧客体験を提供することにより、企業は顧客との中長期的な関係を築いていくことができます。またその結果として収益を向上させることが可能となります。

CRMとの共通点・違い

CRM(Customer Relationship Management)は、日本語で「顧客関係管理」と訳されます。すなわち、顧客との関係を効率的に管理するマーケティング手法、そしてCRMツールはそのためのツールを指します。顧客に関連するデータを一元的に管理することで、顧客との関係をより深く、継続的に構築するというのがその基本的な考え方です。

CXMは、顧客関係管理を意味するCRMとともに、企業が顧客との関係をより強固にするための手法として注目されています。CXMとCRMは密接な関係がありますが、アプローチや重視する点には違いもあります。以下、CXMとCRMの共通点と違いについて見ていきます。

目的の類似性

CRMの目的は、顧客一人ひとりのニーズに対応した最適なアプローチにより、顧客との良好な関係を築くことです。これに対し、CXMの目的は、顧客の満足度やロイヤルティーの向上、全体的な顧客体験の最適化です。このように、両者の目的にはよく似た部分があります。

重視する対象データの違い

一方で、CRMとCXMでは、重視して活用する「顧客データ」のタイプや活用法に違いがあります。 CRMは、主に顧客の「事実」を中心としたデータを集約し、分析します。具体的には、顧客の基本属性情報(例:名前、住所、職業など)、購入履歴、接触履歴(例:コールセンターとの通話、メールのやりとりなど)といったデータです。こうした事実データを活用して、顧客との関係を継続的に管理し、深化させるための戦略を立てていきます。

これに対し、CXMでは顧客の「感情」や「体験」に焦点を当てます。顧客が製品やサービスを使用する際の体験、ブランドや企業に対して抱いた印象や感情、フィードバックやレビューなど、主観的なものを中心にデータを収集し、分析するのがCXMです。そのデータを基に、顧客がより良い体験を得られるようなサービスの提供や製品の改善、コミュニケーション戦略の再構築などを行っていきます。

CXMに取り組む5つのメリット

CXMに取り組むと、どんな効果が期待できるのでしょうか。CXMに取り組む5つのメリットを説明します。

1. ファン(ロイヤルカスタマー)を増やせる

CXMに取り組むメリットは、ファン(ロイヤルカスタマー)を増やせることです。顧客の満足度を高めれば、リピート購入の可能性が増大します。さらに高い顧客満足を提供できれば、リピーターは忠誠心の高いファン(ロイヤルカスタマー)へ成長することが期待できるでしょう。ファン化した顧客は、口コミやSNSでの拡散を促進し、自社の商品を他者へ宣伝・推薦してくれる顧客(エバンジェリスト)としての役割を果たす可能性が高くなります。これにより、さらなる新規顧客獲得につながっていくでしょう。

2. ブランドの差別化を図れる

ブランドの差別化が図れることも、CXMに取り組むメリットのひとつです。顧客との良好で強固な関係を築けば、優れた顧客体験を提供するブランド、信頼性の高いブランドとしてのイメージが確立されます。これにより、競合他社との差別化を図ることができ、競争力が向上します。

3. 顧客生涯価値(LTV)の増大

CXMの取り組みが成功すれば、顧客による商品の継続的かつ長期間にわたる利用が実現します。1人当たりの顧客からの総収益、つまりLTVが増大し、企業の収益基盤が強化されることになるのです。

4. 顧客による問題点の発見と顧客体験の改善

CXMによってファン化した顧客が、問題点を発見してくれることで、顧客体験の改善につながることもメリットでしょう。顧客からの直接的なフィードバック、各接点でのモニタリングを通じて、顧客のニーズの変化や新たな問題点を迅速にキャッチできるようになります。これによりタイムリーに改善策を実施し、顧客体験の継続的な向上が可能となります。

5. 企業文化の形成

組織全体でCXMへの取り組みを推進すると、社員一人ひとりが顧客の立場に立つことの重要性を理解し、その認識を日常業務に取り入れる機会が増えていきます。結果、企業全体として顧客を第一に考える文化が形成されることもメリットでしょう。

CXM(顧客体験管理)とは?導入メリットやCRMとの違いを解説

CXMを成功させる6つのポイント

CXMは取り組むことでさまざまなメリットがありますが、成功させるためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。次に、CXMを成功させるための6つのポイントを紹介します。

1. 顧客の声を聞く

現代のビジネス環境において、顧客の声は企業が市場シェアを獲得するための最も重要な情報です。アンケート、ヒアリング、ソーシャルメディアのモニタリング、カスタマーサービスでのフィードバックなどの方法で顧客の声を継続的に収集し、常に顧客のニーズや満足度を探ることがCXMを成功させるためのポイントとなります。また、顧客の声に対して必要最低限の要求に応えるだけでなく、期待を超える商品やコンテンツの提供を行うことが求められます。

2. データを分析して活用する

オンライン化の進展により、顧客との接点は多様なチャネルに存在しています。各接点から得られるデータを集約して分析し、顧客の動向やニーズを正確に把握することがポイントとなります。顧客データの一元管理は、CRMの場合と同様に、顧客とのコミュニケーションの質を向上させる重要なカギとなるのです。

3. 顧客プロファイルを作成する

CXMを成功させるには、詳細な顧客プロファイルを作成するのも有効なポイントです。顧客プロファイルは、顧客の属性や行動などのデータに基づいて、それぞれの顧客の特徴、志向、感情などの情報を整理したものです。これにより、顧客がどのような体験を求め、どんなアプローチやコミュニケーションが適切かといった判断材料を得られます。

4. カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーは、顧客が製品やサービスとの最初の接触から購入、使用、リピートや推薦に至るまでの一連のプロセスを可視化したものです。プロセスの中の各ステップでの顧客の心の動きやニーズを明確化できるため、カスタマージャーニーマップを作成することがポイントとなるでしょう。顧客プロファイルとカスタマージャーニーマップを用いて、各顧客に応じた最適な施策を検討することも可能になります。

5. 顧客への個別対応を実施する

上でも触れているように、顧客満足度を高めるためには一律の対応ではなく、個々の顧客に対するパーソナライズされた体験の提供がポイントです。顧客とのコミュニケーション、データ分析、プロファイル、カスタマージャーニーマップなどを活用して、各顧客に最適なサービスやコンテンツを提供することが重要です。

6. ツールを活用する

CXMをビジネスで効率的に実施するには、顧客情報などのデータを管理・収得・分析するツールの活用が重要なポイントとなります。CXMを実現するためには、顧客管理(CRM)ツール、営業支援(SFA)ツール、MAマーケティング・オートメーション(MA)ツール、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール、複数チャネルの管理ツールなどを組み合わせて用いることが一般的です。また、CXMの効率化を図るための統合的なツールやシステムも存在します。

顧客体験(CXM)管理プラットフォーム「Zoho CRM Plus」

CXMの重要性は、現在では多くの企業が認識しています。それを実践するには、顧客データの一元管理、リアルタイムのフィードバック取得、セグメンテーションの精緻化、マーケティングと営業など異なる部門間の連携といった環境の整備が欠かせません。

「Zoho CRM Plus」は、CRMを中心に、SFAやMAなどを含む8つのクラウドツールを1カ所に集約した顧客体験管理プラットフォームです。顧客と従業員の量に複数チャネルでの顧客体験を提供し、セールスやマーケティングを自動化するなど、CXMの推進に必要なあらゆる機能がひとつのパッケージに詰め込まれています。全社的なCXMの推進をお考えなら、「Zoho CRM Plus」の導入をご検討ください。

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