KPIとは

KPIとは、Key Performance Indicator(キーパフォーマンスインジケーター)の略で「重要業績評価指標」を意味します。組織の目標達成を左右する要因を数字で評価する指標で、”中間目標”のような位置付けです。例えば、売上アップを最終目標とする場合、KPIは「見込み客(リード)数」「商談化率」「平均単価」という、売上を構成する各数値が代表的です。

KGI・KSFとの違いとは

KPIの関連用語で、KGI(Key Goal Indicator: 重要目標達成指標)やKFS(Key Success Factor: 主要成功要因)があります。KGI、KPI、KSFの関係は、KGIが組織の最も重要な目標を定量的に評価する指標であり、KSFはその目標を成し遂げるための主要因、KPIは、KSFを定量的に評価する指標です。KGIとKPIは数値であるのに対し、KSFは数値でなく要因を表現する言葉です。

OKRとの違いとは

OKRとは、Objective and Key Resultの略で、「目標と主要な成果」と訳されます。KPIもOKRもパフォーマンス管理の手段ですが、目的が異なります。KPIは、KGI達成のための要素を分解して可視化することを目的としている一方で、OKRは野心的な目標を掲げてチームのパフォーマンスを大幅に上げることを目的としています。OKRでも数値を使いますが、目標の要素分解ではなく、あくまで”主要な成果”です。OKRは、GoogleがKPIに代わるパフォーマンス管理の手法として採用していることから広く知られるようになりました。

KPIの設定方法

KPIは、KGIの要素分解であるため、KGI、KSFから順番に分解して設定することが必要です。
具体例で説明します。

KGIは組織の最も重要な目標で、数字で評価できる指標です。例えば「売上高10%アップ」「利益率5%アップ」「顧客満足度3ポイントアップ」などがそうです。KGIを「売上高10%アップ」をとした時、それを左右する主要因、KSFを特定します。小売業の場合、KSFは「実店舗経由の売上増」「ECの売上増」に分解されます。KSF「実店舗経由の売上増」に絡むのは、店舗売上と店舗数の2つが数字で評価できる指標ですので、これがKPIとなります。

フレームワーク「SMART」を活用

KPIのような数値目標を設定する際にはフレームワーク「SMART」を意識しましょう。SMARTの各要素に沿った目標にすれば、誰が見ても認識が合い、達成可否も判断しやすいものとなります。

  • S

    Specific

    具体的な

  • M

    Measurable

    測定可能な

  • A

    Achievable

    達成可能な

  • R

    Relevant

    全体との
    関連がある

  • T

    Time-bound

    期限が明確な

部門別のKPI設定例のイメージ

部門別のKPIを設定する際は、KGIからの逆算した要素を各部門に当てはめましょう。「率」を追うのか、「率」を乗じた「結果」を追うのか選択肢があります。
KPIは「Key」という名称だけに、結果を大きく左右するものに絞り、部門の意識を集中させることが有効です。
なぜなら、周辺の数値はそのKPIを達成すると自然と改善することが多いためです。

マーケティング部門
におけるKPI設定例

売上をKGIとした場合、マーケティング部門は、いかに見込み客
(リード)の分母を増やすかがKPIとなります。そのリードに繋がるさらに上流としてWebサイトへのトラフィック数をKPIとしたり、リード化への転換率を見るCVR(コンバージョン率)、獲得効率を見るCPA(獲得単価)もKPIとなります。

  • Webサイトへのトラフィック数
  • CVR(コンバージョン率)
  • CPA(獲得単価)
  • リード獲得件数

インサイドセールス部門
におけるKPI設定例

売上をKGIとした場合、インサイドセールス部門は見込み客(リード)からいかに商談に持ち込んで営業部門(フィールドセールス)に渡せるかの商談化数がKPIとなります。商談化を生む源泉となる架電数やメールの開封数もKPIとなります。

  • 架電数
  • 有効商談率
  • メールの開封率
  • 商談化数

営業部門におけるKPI設定例

売上をKGIとした場合、営業部門(フィールドセールス)は商談をいかに売上にするか、その受注数がKPIとなります。売上を上げるためには客単価もKPIです。これにつなげるために、訪問数や見積書発行数もKPIになりえます。

  • 訪問数
  • 見積書発行数
  • 顧客単価
  • 受注数・受注率

カスタマーサクセス部門
におけるKPI設定例

売上をKGIとした場合、サブスクリプションなど顧客を維持するカスタマーサクセス部門は、製品を実装させるオンボーディング完了率や、解約率をいかに下げるかがKPIとなります。LTV(顧客生涯価値)やNPS(顧客推奨度)もKPIになりえます。

  • オンボーディング完了率
  • NPS(顧客推奨度)
  • 解約率(チャーンレート)
  • LTV(顧客生涯価値)

カスタマーサポート部門
におけるKPI設定例

カスタマーサポートも顧客の維持に関わっています。売上をKGIとした場合、サポートへの満足度を測定して維持向上させることがKPIになります。それにつながる要素として、問い合わせへの回答を早めたり、対応平均時間をKPIとすることもあります。

  • 一次回答までの平均時間
  • 解決までの平均時間
  • 問い合わせの解決率
  • 対応への満足度

KPIマネジメントの方法

KPIは設定するだけでは意味がありません。正確に測定し、その数値を評価して業務プロセスの改善に活かすことが必要です。KPIマネジメントとは、選定したKPIを計測・分析・改善のプロセスを進捗管理することです。KPIマネジメントを成功させるには、次のステップに沿って実施することが重要です。

Step
1

目標設定

達成したい目標を明確にすること。

Step
2

KPIの選定

目標に関連したKPIを選定すること。

Step
3

データ収集・分析

KPIに関連するデータを収集・分析すること。

Step
4

KPIの実施・評価

KPIを実施し、目標達成度合いを評価すること。

Step
5

報告・共有

KPIのレポートを作成し、結果を関係者に共有すること。

Step
6

改善・改訂

KPIの結果を分析し、改善・改訂すること。

KPIマネジメントの失敗例

一方で、KPIの設定や計測が不十分な場合、本来KPIマネジメントがもたらす利益を最大化することができず、ビジネスの目標達成にも影響する可能性があります。
KPIマネジメントを適切に行うためには、ツールの活用が必須と言えるでしょう。

KPIマネジメントにはツール活用が必須

KPIを正確に測定し、可視化するにはITツールが便利です。というのも、アナログ時代はKPIを設定しても測定自体が困難だったり、表計算ソフトで集計するには限界があったりしましたが、現在は専用のITツールが豊富にあるためです。部門ごとにKPIマネジメントに役立つツールの例は以下の通りです。いずれのツールにしても抑えるべき4つのポイントも紹介します。

  • マーケティング部門MAツール、Web解析ツール、メルマガツール
  • インサイドセールス部門CRMツール、SFAツール、BIツール、メルマガツール
  • 営業部門CRMツール、SFAツール、BIツール
  • カスタマーサクセス部門CRMツール、SFAツール、BIツール、NPS管理ツール
  • カスタマーサポート部門CRMツール、SFAツール、問い合わせ管理ツール

データの一元管理

KPIにからむ全てのデータが一元管理されていることが必要です。そうでなければ、いろいろなツールを横断して分析する必要が出てくるためです。ツールごとの定義が異なれば分析がさらに複雑になります。

リアルタイムのレポートを自動作成

分析するためにはKPIを可視化する必要があります。可視化を表計算ソフトなど別のツールを使うようでは分析に時間がかかり、精度が落ちる可能性があります。KPIをリアルタイムで表示するレポートの自動作成機能は必須です。

ダッシュボードで達成状況を可視化

KPIは常に監視しておくべき指標であるため、KPIに絡む数値も含めて常に監視できる方が望ましいです。そのためには、「ダッシュボード」と呼ばれる重要指標の常時表示機能を活用しない手はありません。

外部アプリケーションとの連携

KPIはKGIを達成するための指標であり、他部門でからみあいます。このため、他部門が使うツールやアプリケーションと適切に連携できることが望ましいです。そうすれば、部門だけでなく会社全体を見渡すこともできます。

営業やマーケティング部門の
KPIマネジメントに最適なZoho CRM

Zoho CRM は、世界25万社が利用するCRM(顧客管理)ツールです。顧客の連絡先などの基本情報はもちろん、商談履歴や見積もり、売上も管理することができ、SFA(営業支援)ツールとしても活用できます。これらのデータはすべてリアルタイムで可視化できます。さらに、自動メールの作成をはじめとしたMA(マーケティングオートメーション)機能も備えており、ビジネスのあらゆるKPIをマネジメントするのに最適です。

自社に合わせたKPIレポートを作成

Zoho CRM は、売上、商談数、見込み客数などKGIやKPIとなる数値を、
登録された情報を基に集計しレポートとしてグラフや表にできます。作成はシンプルな操作できます。これまでにように、
表計算ソフトを使って抽出したデータを使って都度可視化させる必要はありません。

KPI専用の分析機能

KPIのレポートをゼロから構築する必要はありません。Zoho CRM には、ビジネスモデルや営業スタイルに合わせて、標準・成長指数・基本・スコアカード・ランキングの5つからKPIを選択し、可視化する機能が備わっています。ターゲットメーターも設定でき、リアルタイムで達成度を監視できます。

KGIも含めリアルタイムで確認

ダッシュボードには、グラフやサマリー化したさまざまなデータを一つの画面にまとめ固定表示させておけます。一つの画面で複数のレポートを表示・確認できるため、目標達成の進捗状況や活動実績を確認するのに最適です。ダッシュボードはメンバーと共有できるので、組織で共通認識を持つことが可能になります。

マーケティング部門に役立つ機能

マーケティング部門のKPIを達成するために、リードの獲得やリードのスコアリングで有効なリードを判別することは重要です。Zoho CRM にはマーケティングオートメーション機能があり、自動メールの設定やリードのスコアリングもできます。もちろんそれぞれのデータを顧客情報とひも付けて可視化ができます。

インサイドセールスを含む営業部門に役立つ機能

Zoho CRM は、だれがいつどのような商談を持っているか、担当する顧客はどのステージにいるのか、といったSFA(営業支援)機能があります。顧客情報とひも付けてスケジュールを管理したり、見積もり額と確度から着地見込みを想定したりもできます。

主要な外部アプリケーションと連携

Zoho CRM には豊富な機能がありますが、メールアプリ、Google 広告、外部のマーケティングオートメーションツールなどの主要な外部アプリケーションともシームレスに連携できます。データをエクスポート・インポートする必要はなく、双方向で同期できます。

Zoho CRM によるKPIマネジメントの成功事例

株式会社YOLO JAPAN

取締役 COO 椿 奈緒子氏

「物事を数字で語る」という文化が浸透

「日々の営業活動や商談の状況といった必要な情報を営業スタッフがきちんと入力し、共有していこうという習慣が身に付くとともに、案件にまつわる様々な情報が可視化されるようになったことで、「物事を数字で語る」という文化が社内に浸透するようになっています」

すべてを表示する

株式会社リスキル

代表取締役社長 松田 航氏

営業活動の状況をひと目で把握できるように

「レポート機能を活用しています。「担当者ごとの売上額」や、「昨年対比の売上額」、「リード獲得経路ごとの売上額」などのレポートを作成し、営業活動の推進や経営の意思決定の参考にしています。」

すべてを表示する

まずは、お気軽にZoho CRM をお試しください

Zoho CRM は、潜在顧客/見込み客をスムーズに分類して、
売り上げにつなげるアプローチを開始できるCRMツールです。

自社のリード情報を取り込み、一元的に管理することで、
リードから商談/受注につなげる仕組みを構築してみませんか。

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