CRM/SFA 導入事例パートナー企業、法人顧客、業務委託先――
三つの軸によるサービスネットワーク形成をZoho CRM で実現し、
「Yohanaメンバーシップ」をスムーズにローンチ

「忙しい自分に代わって、1週間の献立を考えてもらう」、あるいは「週末の家族旅行のプランを設計してもらう」など、日々の生活を家族に代わって専門チームがサポートして、家族の「ありたいくらし」を叶えてくれる――そんな次世代ファミリーコンシェルジュサービス「Yohanaメンバーシップ」をリリースし、注目を集めているのがYohana株式会社だ。

パナソニックホールディングスの100%子会社にして、Google出身の松岡陽子氏が経営の舵を取る同社では、サービスリリースに際して必要不可欠である顧客情報管理システムに、Zoho CRM を選定した。共同でサービスを提供するパートナー企業や個人事業主の管理、営業の進捗管理、さらには実績管理などビジネスに関するあらゆる情報を一元化することにより、ローンチしたばかりのサービスを軌道に乗せることに成功している。

Yohanaのサービスと、それを裏側で支えるZoho CRM 導入の舞台裏、活用方法、そして今後の展望などについて、同社コマース事業部 事業開発課 統括課長・福永洋輔氏に聞いた。

「Zoho CRM は競合ツールと比較して自分でできる領域が圧倒的に広く、自社好みに細かく設定できる点が魅力。“画面を作る”という点でも扱いやすいし、エンジニアリングの観点でも非常に裁量が広い印象です。」

Yohana株式会社 コマース事業部 事業開発課 統括課長
福永洋輔氏

―はじめに、Yohana株式会社と新たにリリースしたサービス「Yohanaメンバーシップ」について教えてください。

福永氏: Yohana株式会社は忙しいご家族が日常生活において直面するさまざまな課題をユーザーファーストで解決していくことを目的に設立しました。
その最初のサービスとして、2022年9月に「Yohanaメンバーシップ」をリリース。これは忙しい家族の暮らしを専門のチームが寄り添いワンストップでサポートして解決していくという次世代のファミリーコンシェルジュサービスです。
具体的には「スペシャリスト」、「リサーチャー」、「ガイド」という三つのチームが、お客様の日常生活の中で日々発生する課題や心配事をリストアップした「To-doリスト」を作成。その一つ一つのTo-doの解決をサポートすることで、家族の理想の暮らしを実現できるよう支援します。
その中で、私は事業開発全般を担当しています。営業管理や実績管理を行うにあたって、それをマネジメントするITツールの検討から選定、導入、その後の定着までを担当しています。

―「Yohanaメンバーシップ」の反響はいかがでしょうか?

福永氏:2022年10月時点では神奈川県でのみサービスを提供していますが、今までありそうでなかったサービスなので、さまざまな業界の方々から「一緒に何かできませんか?」というパートナーシップの相談をよくいただきます。
一方、BtoCのお客様からは、「こういうサービスを待っていました!」という声をいただいています。
日本だとまだ「家族のことを外部のサービスに委ねる」ことに、ネガティブな印象を抱いている方や、それをよしとしない風潮もあるのも事実です。
ですから今後、私たちはその部分をどのようにケアしていくか。「家族のことだって外に頼っていいんだよ」と世の中へいかにして変えていくのか。この課題を解決していくために、目下さまざまな広告やSNSを使ったプロモーションも計画しています。

三つの軸による顧客情報管理をいかにして実現するか。
比較検討する中で浮かび上がったZoho CRM という選択肢

― 今回、顧客情報管理ツールを導入するにあたり、どのような課題がありましたか?

福永氏:サービス開始に際しては、三つの軸で顧客情報を管理する必要がありました。
一つは法人顧客管理ですね。
「Yohanaのサービスを福利厚生やインフラとして導入する顧客」を管理する軸。
二つ目が、「Yohanaのサービスのプラットフォームに参画してもらい、パートナーシップを組んでサービスを提供する企業や個人事業主」を管理する軸。いわゆる仕入先の管理ですね。
そして三つ目が、業務委託先を管理する軸。私たちのサービスはお客様のご家庭に入りさまざまなサービス提供するため、安心・安全を前提に提供するのが大前提です。そこで、業務委託先や当社が直接採用したスタッフの情報の管理が必要になります。
この三つの軸に基づいた情報を一元管理する必要があったのですが、担当者や部署によって管理したい軸がそれぞれ異なるため、個別に管理して、管理責任監督者が全部の状況を把握する環境が必要になった、というのが経緯です。

― 導入までの流れと数ある顧客情報管理ツールがある中で、Zoho CRM を選んだ決め手を教えてください。

福永氏:導入に際しては、はじめにSalesforceやHubSpot、Zoho CRM など数種類の製品を比較検討することから始めました。
そこから一つひとつの製品を調べていくうちに、私たちの実現したいことを満たしていたのがZoho CRM だったのです。特にZoho CRM はインターフェースが見やすく、情報の把握が容易で高い汎用性があると感じました。
また、Yohanaのサービスがこれからどんどん成長していくことを想定した場合、機能の拡張性も重要です。その点においてもZoho CRM ならZoho サービスだけでなく、さまざまな外部サービスとも連携できる点も魅力です。
実は、当社では日本より先んじて、2021年に米国でサービスを開始したのですが、そちらは別の顧客情報管理ツールを導入しています。当初、日本でもそのツールを導入する話があったのですが、設定も複雑なうえ、機能が日本側の要件を満たせないかもしれない。また、費用面も高額で「ベストな選択ではないな」と感じていたという背景もありました。

― そうして選んでいただいたZoho CRM ですが、運用開始までの流れはどのようなものだったのでしょうか。

福永氏:「導入にあたって調べよう」というのが2022年の3月くらいで、翌4月から本格的に比較検討を始めました。まずはホームページ上で収集できる情報を拾ってきて、マトリックス表に落とし込んで比較。その後、無料アカウントが作れるサービスについては実際に使ってみて、私たちが運用するに際して必要な要件を整理しながら確認していきました。
そうこうするうちに2022年の9月中旬ローンチが見えてきたので8月にZoho CRM を導入したという流れです。
要件整理から導入まで3〜4か月と短期間だったのですが、今回はZoho による導入サポートを受けられる「サクセスプラン※」を利用したので、つまづいた時や困った時はサポートいただけて助かりました。
現在は、エンタープライズプランを10名で利用しています。

※ サクセスプランとは、ゾーホージャパンが提供する伴走型の導入支援サービスです。(Zoho CRM を初めて導入される、また継続運用されるお客様に提供するオンボーディングサービス。2022年11月現在)

Zoho のスタッフによる技術的なアドバイスを受けられる
「サクセスプラン」なら、導入やカスタマイズも安心、確実に

― 他ツールとの連携はいかがですか?

福永氏:営業管理、実績管理における進捗とか見込みなどにダッシュボード機能をフル活用しています。
さらに、今後キャストが利用するためのアプリ基盤として、Zoho Creator の導入をZoho 様と共同で検証しているところです。
当初は想定していなかったのですが、社外の方たちとお互いに情報共有し合うためのツールが必要になりそうということが想定されたため検討を始めました。
そこで、当初GoogleのAppSheet をトライアルで使っていたのですが、Zoho Creator で機能が一元化できることがわかり、「全体で情報を集約できて運用管理上いいね」ということで今まさに導入を検討している状況です。
当社のサービスはまだローンチしたばかりですから、これから先の成長や拡大を考えると、それこそマーケティング領域であったり、BtoCの領域であったり、外部ツールとの連携を含めて、拡張性は非常に重視しています。

― 今回、Zoho CRM の導入に際しては、Zoho のスタッフによる後方支援が受けられる「サクセスプラン」をご利用いただいています。

福永氏:私たちとしても、実際に触ってみないと見えない部分があったため、無料アカウントを付与してもらい、こちらのやりたいことを設定して作りこみました。「これがないと求めている使い方は無理だな」というところまで作り込みをお願いできるので、サクセスプランを利用してZoho CRM を導入したいと思いました。
「本格的に導入してから初めて触る」というよりは、まずはできる範囲で使ってみました。実際の導入の前に、Zoho の方に見ていただけたのは助かりましたね。

Zoho田畑:Zoho が提供する「サクセスプラン」とは、Zoho 製品の導入に際して、お客様の相談に乗ったり、アドバイスなどを適宜行うサービスです。
今回のケースでは、基本的なシステム要件はYohana様が専任のご担当者をアサインしていただいたので、私たちはそのご担当者と意見交換をしながら、特にZoho 固有のシステム要件であったり、福永様からもお話しがあったように「社外との連携が発生し、お互いに情報共有し合うためのツールが必要になりそう」というご相談をいただいて、Zoho 製品に縛られず最適なソリューションをご提案させていただいております。 課題をヒアリングして、それを解決するために最適なツールをご紹介し、さらに詳しい要件を共同で掘り下げながら実装においても事前に検証などを行いつつ、適宜アドバイスさせていただく――常にお客様に寄り添い、スムーズにご利用を進めていただくことをお支えするイメージです。
福永氏:サクセスプランについては、私たちの聞きたいところや要望に的確に答えていただいている印象です。これまではメールでのやり取りが主体ですが、今後は必要に応じて対面でのやり取りも含めてコミュニケーションさせていただけるとさらに便利ですね。

あらゆる情報を数字として可視化&集約してくれる
Zoho CRM で、日々の確認・報告業務も効率的に

― ここまでZoho CRM を実際に使ってみての率直な評価はいかがでしょうか。

福永氏:検討段階で無料プランを試し、できることを理解した上で導入しました。そのため、今のところ想定通りに運用できており、その点は非常に満足しています。
当初、思い描いていた通り分散されがちな情報がZoho CRM に集約され、すぐに営業管理、実績管理などに「数字」として可視化されます。ですから、社内における確認だったり、報告業務などは効率的にできている印象です。
また、(顧客に対しての)見積書や請求書についてもZoho CRM があれば、多くの作業を自動化でき、かつ人為的なミスも減らせます。
もしもZoho CRM を導入していなかったら?そうですね。たとえばパートナー企業の管理だけをとっても、「獲得ユーザー数」や「パートナーシップ数」、「会社数」、「売上の目標値」などの書き出しを全て手作業でやらなければなりません。しかも、それらの情報は社内に散在しており、その都度集めてくる必要がある。
「最新の数字を間違いなく伝える」ことと、「その数字を集計して報告する」という作業を日々、手作業でやらなければならないと考えると非常に非効率的でしょうね。
また、当初導入予定だった米国と同じツールに比べると、Zoho CRM の方が圧倒的に自分でできる領域が広く、自社好みに細かく設定できる。ですから、「画面を作る」という点でも扱いやすいし、エンジニアリングの観点でも非常に裁量が広い印象です。
実際、私の上司も、「Zoho CRM があれば何でもできちゃうね」と言っています。

― 最後にZoho CRM の導入を検討されている方へアドバイスをお願いします。

福永氏:ITツールの導入に際しては、本来やりたいことと導入後の現実とのギャップをいかに埋めるかが大事だと思います。そのためには当社も活用したように、まずはトライアルで、自分の目で確かめることをお勧めします。
ただ、やりたいことを自分たちで全て設定できるかどうかは、その人のスキル次第。「ちょっと自社だけでは無理そうだな…」という場合もZoho CRM には、専門のスタッフがサポートしてくれる「サクセスプラン」があるので、それを利用するのも手です。
当社も導入直前のタイミングで、マーケティングチーム用にSNSのマーケットツールを導入できないか相談したのですが、Zoho 製品では要件が満たない場合に他社の製品を勧めてくれるなどユーザーファーストで柔軟に対応していただき助かりました。
いずれにしても、まずはZoho のスタッフを信頼して、「課題や要件を相談して的確なフィードバックをいただく」というのが、ベストな導入への最短ルートではないでしょうか。

Yohana株式会社

  • 所在地:神奈川県横浜市
  • 業種:サービス業
  • ビジネス:BtoB/BtoC
  • 事業内容:パーソナルメンバーシップサービス『Yohana Membership』の企画・運営
  • 設立:2021年
  • URL :https://yohana.jp/

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