CRM/SFA 導入事例Zoho CRM で顧客対応の抜け漏れゼロ化!
大規模な墓の建売事業をCRMでスムーズに実現。
- 有限会社矢田石材店
- 所在地愛知県岡崎市大平町字南田潰28-1
- 業種石工品
- 創業1955年
- 従業員数21名
- ビジネスBtoB、BtoC
良質な御影石を産出することから、香川県の庵治、茨城県の真壁と並び「日本三大石材産地」に数えられる愛知県岡崎市。徳川家康生誕の地としても知られるこの地に本店を構え、親子二代、60年以上にわたり墓石の加工・販売を手がけるのが有限会社矢田石材店だ。
長らく墓石の卸売や加工、小売りを生業としてきた矢田石材店では、近年新たに「はなえみ墓園」というお墓の建売事業をスタート。
お墓を購入することは、墓園によって管理費が異なったり供養のオプション、墓石の種類や花壇など決めることがたくさんあり、その販売形態も複雑だ。また、「墓地区画料」、「墓石料金」、「墓じまい料」、「永代供養料」など、墓園によって費用形態が異なるが、この「はなみえ墓園」はこうした複雑な墓の購入を「建売型」にすることでシンプルにパッケージ化している。ゆくゆくは100以上の墓園でこのサービスを利用できるように計画している大きなプロジェクトだ。
この取り組みに先立ち課題として浮き彫りになったのが、それまでエクセルによって簡易的に行われていた顧客管理だ。複数の墓園を各顧客と結びあわせて管理していく必要があり、またかつてないほど大量の顧客が見込まれる「はなえみ墓園」への対応はエクセルでは不可能であり、新たなシステムの導入が急務だった。
「文字彫刻」や「設置工事」といった墓地販売における工程の抜け漏れを防ぐか。と同時に、「はなえみ墓園」事業に不可欠な新たな寺院との関係性をいかに構築するか――これらの障壁を取り除くべく、数あるITツールの中から選ばれたのがかねてより付き合いのあった株式会社ジーニアスウェブが推すZoho CRM だった。
「Zoho CRM なくしては『はなえみ墓園』という事業自体が成り立たなかった」と語る矢田石材店の代表・矢田敏起氏に聞いた。
「“次は誰にアプローチするか”をZoho CRM が判断・提示してくれるので、
営業担当者は目の前の仕事だけに集中できるようになりました」
矢田 敏起氏
―はじめに矢田石材店について教えてください。
矢田氏:当社は創業約60年の石材店です。一言で「石材店」といっても、石仏や灯篭、建築の石板を扱うお店までさまざまですが、当社の商材は墓石。その墓石を仕入れるだけでなく、一部は自社で製造も行い、一般の方へ販売しています。
ただ、現在のように販売まで行うようになったのは私の代からで、父の代までは墓石を加工して販売店へ卸すという卸売業者でした。
そんな当社が小売りまで行うようになった背景にあるのが、私自身が感じていた墓石という商材をめぐる大きな違和感です。墓石は消費者からすると滅多に接することのないものだけに、その価値は非常にわかりにくい。なかにはそこを逆手に取り、極端に高額な価格で販売するという業者も多かったのです。
そこで私はこの部分をクリアにしたいと思い、情報格差の大きい墓石という商材について消費者へ情報をきちんと開示することで信頼を得ていこうと決意しました。書籍を出版したり、ホームページやブログを書いたり、時にはラジオに出演してお墓のことをしゃべったり…さまざまな活動を通して、墓石の価値を分かりやすく伝えていこうと努めています。
―どのような課題からCRM導入の必要性に迫られたのでしょうか。
矢田氏:もともと当社のビジネスは「お墓を建てたい人に、墓石を販売する」というシンプルなもの。特に難しい顧客管理は必要なく、墓石の販売から納品までのプロセスも営業担当者がきちんと覚えてさえいれば、特別なことをしなくても抜け漏れなどは起きません。
実際、「顧客情報管理」、「営業の進捗管理」、「墓石の工程管理」という3つのエクセルファイルをDropbox上で運用することで事足りていました。
ところが、2年ほど前にお寺の墓地を開発してお墓を建売する「はなえみ墓園」という事業を開始。この事業は、愛知県内の寺院における墓地の開発から販売までを当社が手がけるもので、将来的には100以上の墓園で展開する予定です。この規模感に加えて、文字彫刻の進捗や納期など、ご購入いただいた後に発生する細々した顧客管理が求められるため従来のエクセル管理でやっていては到底追いつかず、必ず抜け漏れが発生するだろうという危機感を抱きました。このような課題感から「お客さまの管理や営業の進捗管理にシステムを入れよう」ということになったのです。
「システムで何を実現したいのか?」を固めた上で、
信頼を置くパートナーが推薦した、Zoho CRM に即決
― さまざまな顧客管理システムがある中からZoho CRM を選ばれた決め手は何ですか。
矢田氏:CRMの検討に際しては、はじめにキントーンの無料期間を利用して自分たちでシステムを組んでみることからスタート。最終的には誰かにシステム開発を依頼するにしても、自分たちがある程度理解していないと正確な依頼ができないと思ったからです。
「どのようなインタフェースが使いやすいか?」、「必要な項目は何か?」など、実際にシステムを利用することになるメンバーで話し合いながらトライしてみましたが、「やっぱり自分たちだけで作るのは難しいね」という結論に。
そこでかねてよりお付き合いのあった銀行を介して地元のシステム開発会社を紹介していただいたのですが、その会社の見積もりがあまりにも高額で現実的ではありませんでした。
また、知人の会社でも使っているセールスフォースも検討しましたが、営業担当者のプレゼンテーションを聞いてはみたものの、きちんと自社で運用できるか不安が残りました。
ちょうどこのようなタイミングで以前からホームページの改修などでお付き合いのあった株式会社ジーニアスウェブに相談したところ、返ってきた答えが「Zoho CRM 」。当社の実現したいことをお伝えすると、「全部Zoho CRM でできますよ」と明確に答えていただけたので、ほぼ即決でZoho CRM を選びました。
― 要件定義からシステムの構築、運用開始までの流れについて教えてください。
矢田氏:最初に、これまで当社が顧客管理に使っていたエクセルファイルのフォーマットをジーニアスウェブへ提供。それをもとに、「これまでどのように顧客情報を管理してきたか」や「今後どのようなシステムが必要か」について数回にわたり綿密な打ち合わせを行いました。
その後、ジーニアスウェブから上がってきたデモ環境に対して「ここはこうしてほしい」、「あそこは使いにくい」といった要望を挙げていき、段階を踏んでブラッシュアップしていきました。
このあたりの過程は、ジーニアスウェブのエンジニアの方が「こうしましょう」、あるいは「そこは運用開始後に修正しましょう」と、一つひとつの要望に対して小気味よく打ち返してくれたので非常にスムーズだったと思います。
また、当社には普段パソコンにあまり触れない社員もおり、せっかくZoho CRM を導入しても使いこなせないという懸念がありました。そこで、運用開始に際してはエンジニアの方に来社を仰ぎ、社内の利用する担当者に対して半日ほどかけてZoho CRM のトレーニングも行っていただきました。
寺院への営業活動をZoho CRM で細やかにフォロー。
墓石設置における事務作業も自動化し、業務効率アップ
― 新事業「はなえみ墓園」のために導入されたZoho CRM ですが、現在はどのように利用されているのでしょうか。
矢田氏:使い方は大きく分けて、「顧客管理」と「工程管理」の2つです。
顧客管理では、「問い合わせの手段は電話か?メールか?来店か?」といった入口の情報や、「(個別の見込み客に対して)営業担当者が今どのようなアプローチをしているのか?」といった情報を細かく確認できるように。そこで契約にいたったお客さまは「工程管理」へと移行します。
続く工程管理では、お客さまからの入金や墓石に彫る彫刻、設置・納品にいたるまでの進捗情報を管理。これによりエクセルで管理していたころに発生していた対応の抜け漏れ問題を解消できました。
また、当社ではこれらの顧客情報を、「一般墓石のお客さま」、「はなえみ墓園のお客さま」、「寺院」という3つのグループにレイアウトを分けて管理。「寺院」というのは今後当社が墓地を開発・販売していく際の協業先となるお寺さんの情報を管理するものです。
たとえば「住職と会えたか?」や、「次にいつ住職と会うか?」、「墓地の図面を渡したか?」、「(墓地開発に必要な)行政の許可申請がどれくらい進んでいるのか?」といった情報です。形としては営業の進捗管理に近いもので、こちらはまだテスト段階です。
一方、自動化による業務の効率化についても恩恵を受けています。
実は墓地の設置に際しては現場の作業員が墓石を正しい場所に設置するために、個別の墓地情報を書いた紙が欠かせません。たとえば、「はなえみ墓園」の場合、「001墓園の01-05に設置する」といった情報をもとに墓石を施工していきます。
ところが、Zoho CRM を導入する前はこれらの指示書はすべて事務員の手書きで、その労力は相当なものでした。しかし、Zoho CRM を導入してからは自動で顧客情報をプリントアウトまでできるようになったので事務作業が大幅に軽減されました。
― 業務効率化のお話しが出ましたが、Zoho CRM の導入効果はいかがでしょう。
矢田氏:まず、当社が墓地の開発から販売までを手がける「はなえみ墓園」に関しては、そもそもZoho CRM がなければビジネスとして成り立ちませんでした。
というのも、取り扱う墓園の数が急激に増えるのに加えて、売り出しの期間も限られる。となると「次はどのお客さまに優先的にアプローチすべきか?」という情報がないと到底追いつけないからです。
でも、Zoho CRM があれば、たとえば「問い合わせから3日後に電話アプローチをする」というタスクが自動で上がってくるので、営業担当者はそのタスクを優先するだけでいい。そして電話をかけ終えたら、次にまた新しいタスクが自動で上がってくる。つまり、営業担当者は業務の組み立てをやらなくて済むので、常に目の前の仕事にだけ集中すればいいわけです。これは大きなメリットだと感じています。
一方、先ほど少し触れましたが、エクセルで管理していたころは墓石の設置に関する指示書を作成するための事務員さんに週に2、3日働いてもらっていたのですが、Zoho CRM で自動化したため、今では事務員さんの手が丸ごと空いている状態です。
こういった業務の効率化という点でも非常に大きな恩恵を受けています。
― 導入に際しては株式会社ジーニアスウェブの支援を受けられたそうですが、彼らへの評価をお聞かせください。
矢田氏:冒頭にお話しした通り、CRM の導入に際してはまず自分たちでシステムを組んでみようとして頓挫したところからのスタートだったため、先行きに関しては不安でした。でも、そんな我々の要望や不安をジーニアスウェブへ相談したところ、「Zoho CRM ならできます!」ときっぱりお答えいただけたので、導入に関する不安はありませんでした。
実際の導入に際してはこちらからの問いかけに対するレスポンスが非常に早かったですし、「もう少し時間かかるのかな?」と思った作業もすぐに対応してくれたおかげでとてもスムーズに導入できました。
「これは無茶な要望かも」と感じるような無理難題についても、エンジニアの方がきちんと対応してくれて、「申し訳ないな…」と思いながらも最後までやり切ってくださり頭が下がる思いです。
また、コスト面に関しても見合った金額といいますか、むしろ少しお値打ちに感じる費用感だったのも助かりました。
Zoho CRM が仕事の建付けを行ってくれるから、
営業担当者は目の前の業務に専念するだけでいい
― Zoho CRM の今後の活用や会社としての展望について教えてください。
矢田氏:Zoho CRM の導入により、「はなえみ墓園」や通常の墓石販売に関してはプロセスが確立されたので、今後はこれから営業をかけていく寺院さんに対して「住職との打ち合わせ」や「図面・資料の提案」といったタスクに抜け漏れが起きないようにしたいと考えています。
当社はこれまで「ご依頼いただいた仕事の管理」が多かったのですが、寺院開拓に関してはこちらから営業をかけていくことになります。「これから取っていく仕事」の管理となると、これまでのように自分の考えだけでは進められない部分が出てきて、進捗管理は今まで以上に重要になってくるでしょう。たとえば「どの寺院さんに対して優先的にアプローチすべきか」といった部分をZoho CRM がサポートしてくれれば、営業担当者は目の前の仕事に集中できる。このように昨日や明日の業務は忘れて、今目の前のことに集中できる環境を作っていければと思います。
― 最後に、Zoho CRM の導入を検討されている方にメッセージをお願いします。
矢田氏:ITツールの導入はとかく「どのツールを導入するか?」という方法論ばかりに目が向きがちですが、大切なのは「ツールによって何を実現したいのか?」という部分です。当社が事前に自分たちだけでシステムを組んでみようとしたように、初めにゴールをしっかりと固めておくことが重要だと思います。
また当然、ITツールを導入した後にきちんと使えるようにすることも大切です。
事務担当者は基本的にパソコンに触れる機会が多いのですぐに使えるようになるのですが、営業担当者はお客さまとコミュニケーションを図るのが仕事のため、定着しにくい傾向があります。だからこそ、「最低限これだけはやってね」と彼らにもデスクに座る時間を作ってあげることも大切なのかな、と。
「何曜日のこの時間はみんなでCRM に入力する時間」と決めてあげるのもいいかもしれませんね。
有限会社矢田石材店
- 所在地:愛知県岡崎市大平町字南田潰28-1
- 業種:石工品
- 従業員数:21名
- ビジネス:BtoB/BtoC
- 事業内容:墓石の加工、販売、自社墓園「はなえみ墓園」の運営他
- 創業:1955年
- URL :https://yatasekizai.com
導入支援パートナーについて
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