CRM/SFA 導入事例インタラクティブな顧客情報運用を可能にする Zoho CRM で、
パートナー企業とのコラボレーション体制を実現
- TIS株式会社
- 所在地東京都新宿区西新宿8丁目17番1号
- 業種システムインテグレータ
- 創業1971年
- 従業員数従業員数:連結:21,709名 単体:5,469名(2022年3月31日現在)
- ビジネスBtoB
ひとつのビルを建設するにも、建設会社や資材メーカーなど多くの会社が関わり、そこに携わる多くの人たちによって支えられている。
企業のITシステムも同様に、大きなものを造り上げるためには、一企業の力だけでは完成し得ない。ましてその規模が大きく要件が複雑ともなれば、さまざまな専門性を持ったパートナーの協力が必要になってくる。
ここで紹介するTIS株式会社は、その中でもとりわけ広範囲にわたるサービスを提供する業界のトップランナーの一社。多くのビジネスパートナーとの協業により、さまざまなITソリューションを提供している。
TISではこれまでエクセルを使ってビジネスパートナーの情報を管理していたが、1,000社にもおよぶパートナーについて、その1社1社の情報を詳しくかつ最新の状態で保持することはできていなかった。そのため、実際に顧客へサービスを提供する事業部門とのスムーズな連携が難しかったという。
この課題を解決するためのソリューションとして選ばれたのが、Zoho CRM 。これまで人の手によって行っていたパートナーに関する情報の入力や更新といった各種業務を、パートナー自身に行ってもらうなど、インタラクティブなシステムを構築することで情報の鮮度と更新頻度の向上を実現しようという試みだ。
Zoho CRM を活用したパートナーとのコラボレーションを進化させる取り組みについてTIS株式会社 品質革新本部 ビジネスパートナー推進部長・宇杉氏と、プロジェクトを牽引した同部の芦澤氏、堀口氏に話を聞いた。
― TIS株式会社の会社概要を教えてください。
宇杉氏:当社は「TISインテックグループ」の中核を担う独立系のシステムインテグレータで、グループ全体で2万人ほどが在籍しています。
もともとはクレジットや金融系といった特定のお客様に向けた大規模システム構築が主たる事業だったのですが、4~5年前からサービス系の事業も手掛けはじめており、広く社会でお使いいただけるようなTIS独自のサービスを展開しています。
また、2022年からの中期計画では、「社会課題を解決する」というメッセージも新たに発信しています。特定のお客様の課題解決だけでなく、キャッシュレス化といった、社会が直面するさまざまな課題をITで支援する姿勢を打ち出しているところです。
― みなさまはTIS株式会社の品質革新本部に在籍されていますが、具体的にはどのような役割を担っていらっしゃるのでしょうか。
宇杉氏:品質革新本部はコーポレート部門として、顧客へサービスを提供する事業部門を支えています。
TISは顧客にサービスを提供するにあたって、実際にシステム開発を担うビジネスパートナーの力を借りるのが基本スタンスです。現在このようなパートナーが国内外で1,000社ほどあり、直近1年以内ではそのうちの600~700社ほどと取引が行われている状況です。
我々はビジネスパートナーとの関係構築や、新たなパートナーの開拓を行い、それを事業部門へつなげていく役割を担っています。
堀口氏:私と芦澤は「パートナーとの関係強化に向けて何ができるか?」というテーマのもと、さまざまな企画を形にしていくポジションです。その中で、「パートナーとの関係強化のために、コラボレーションを実現する良いツールはないか?」というところからZoho CRM を知り、導入させていただきました。
芦澤氏:これまで受発注を管理する仕組みはあったのですが、パートナーと協業当社ではー我々はコラボレーションと呼んでいますが、そのための仕組みはありませんでした。
そこで今回、堀口と私が中心となってツールの選定や構築を進めていきました。
カスタマイズ性の高さやセキュリティへの信頼感、
コストパフォーマンスを評価し、Zoho CRMを選択
― 今回さまざまなITツールを比較検討された上でZoho CRMを導入していただいたとのことですが、以前はどのような課題を抱えていたのでしょうか。
芦澤氏:導入前の課題は複数あります。
まず1つ目が、「パートナーの最新情報をフレキシブルに把握できない」という課題です。TISにおける私たちのミッションは、当社事業部門とパートナーをマッチングすることです。
となると当然、1,000社ほどあるパートナーそれぞれの強みを常に把握しておかなければなりません。たとえば「A社は金融系に強い」や「B社はJavaの技術者が20人いる」…といったものですね。
ところがZoho CRM を導入する前は、年に1回それらの情報についてすべてメールを使ってヒアリングをして、エクセルで管理していたのです。これでは知りたい情報をタイムリーに知ることは到底できませんでした。
2つ目が、「パートナーとのコミュニケーションに要する莫大な工数」です。
先ほどコラボレーションという話が出ましたが、我々はパートナーに向けてさまざまなアンケートやお知らせを送っています。
しかしZoho CRM を導入する前は、1,000社ほどあるパートナーへ一通ずつメールで案内している状態でした。当然、集計は我々の作業ですから、すべてのパートナーからの回答を精査する必要があり、莫大な工数を要していました。
3つ目が、「自部門だけでかんたんに運用できるクラウドツールの必要性」です。
当社にも情報システム部があるのですが、そこを通すと構築に時間がかかってしまうことが予想されました。このような経緯から、Zoho CRM のように、自分たちだけでも導入できる簡易なクラウド型のツールが求められていたのです。
― クラウド型のITツールはたくさんありますが、どのような理由でZoho CRMを選ばれたのでしょうか。
芦澤氏:導入に際しては、当社のスクラッチを含めて4つの候補が挙がりました。その中から最終的にZoho CRM に決めた理由はいくつかあります。
まずは、私たちの利用目的に合わせて自由に設計できる、柔軟なカスタマイズ性です。
また、セキュリティ面の信頼性の高さも譲れません。Zoho CRM は日本のみならず世界中で利用されていて、Zoho CRM を選ぶ上で特に大きな動機になっています。
さらに、我々のような一部門でも構築・運用できるというクラウド製品ならではの敷居の低さもポイントでした。
そして、忘れてならないのが費用。実は、Zoho CRM 以外にもう1つ有力なツールも候補に挙がっていたのですが、そちらを契約した場合は、パートナー側のライセンス費用も発生してしまうようなのです。我々の場合パートナーが1,000社ほどいますから、それだけでとんでもない金額になってしまいます。その点、Zoho CRM なら我々の分だけで済む。
これら複数のポイントを考慮した結果、Zoho CRM を導入することになりました。
Zoho CRM の導入により、2週間かかっていた
パートナー情報の更新業務がわずか2日で完了
― 導入決定から運用開始までどのような段階を踏み、どの程度の期間をかけて進めたのでしょうか。
芦澤氏:導入を検討しはじめたのが2019年9月です。
はじめに我々だけで大まかな構築プランを考えてから、実際に「どんな機能があったら便利ですか?」といったニーズを、社内やパートナーにヒアリングしてブラッシュアップを重ねました。
そして、2020年に入ってからZoho CRM を含む4製品の比較をはじめ、正式にZohoに決まったのが2020年7月。その後2020年8月から、今回導入パートナーとして支援してくれたカイト合同会社の藤川さんにも加わってもらい、要件定義から実際のシステム構築へ。最終的にテストが終わったのが2020年12月です。
その後、2021年1月から一部のパートナーにトライアルで使ってもらい、実際の運用が始まったが2021年の3月からになります。
― 現在はZoho CRM をどのように利用されていますか。
芦澤氏:当社ではパートナーが直接Zoho CRMへアクセスして、情報を登録・更新できる「ポータル」として運用し、主に3つの機能を使っています。
1つ目は先ほどお話しした、「パートナーの強みを把握する」ための機能ですね。
具体的には、各パートナーにポータルの画面から「金融系ができる人が10人」、「Javaができる人が20人」といったスペックを入力していただき、我々がそれをダウンロード&エクスポートしてドキュメント化、TIS社内に公開する…という使い方です。これはZoho CRM のポータル機能を活用し、画面をカスタマイズしました。
ちなみに、当社ではこのZoho CRM で構築したポータルを「T-PORT」と呼んでいます。
TISの「T」とパートナー(Partner)をつなぐ港(Port)という意味で、「PORT」には「基盤」というニュアンスも込められています。このネーミングは社内の公募で決まりました。
2つ目が、パートナー向けのお知らせ配信や、Zoho Survey との連携によるアンケート配信です。先ほども堀口から1,000社ほどのパートナーへアンケートを配信したところです。これまでメールで配信して、その返信を1件1件精査していたのですが、これを使えばすべて自動で集計まで行えます。
3つ目が、パートナーの管理機能。当社ではパートナーについて、条件に基づきさまざまな分類をしているのですが、Zoho CRM でより簡単にカテゴライズができるようになりました。
― Zoho CRM の導入効果はいかがでしょうか。
芦澤氏:先ほどお話ししたパートナーの得意領域を把握するという点に関しては、以前はエクセルで年1回更新するのがやっとの状態でした。
しかし、Zoho CRM を導入したことで、毎月最新の情報を公開できるようになっています。また、パートナーの窓口担当者が変わることもよくあるのですが、Zoho CRM を使ってその情報も提供できるので社内の情報連携がスムーズになっています。
エクセルを使っていた頃はパートナーから情報を回収、集計、精査して…公開するまで2週間ほどかかっていましたが、Zoho CRM を使うことで2日ほど済むようになっています。業務効率化は言わずもがなですね。
パートナーポータル完成に不可欠だった、
Zoho CRM を熟知するカイト合同会社の強力支援
― 今回、Zoho CRM の導入に際しては、導入パートナーとしてカイト合同会社(以下、カイト社)の支援を受けられています。彼らへの率直な評価はいかがでしょうか。
芦澤氏:今でこそ私たちでもある程度Zoho CRM の機能を使いこなしていますが、当初はまったくわからない状態でした。
我々から「こんな機能を実装したいのですが…」という相談を藤川さんに投げかけると、「それはZoho CRM の標準機能で可能です」であったり、「カスタマイズすればできます」といったように要件定義の段階から非常に頼りにさせていただきました。
藤川さんはいろいろなZoho製品の機能について、実に細かなところまで熟知されていますし、フットワークも軽い。何かわからないことがあった場合は藤川さんへ問い合わせれば、すぐに調べてくれ、的確なアドバイスをいただけるので本当に助かっています。
このように非常に信頼できる導入パートナーであるカイト社の存在がなければ、Zoho CRMを選ばなかったのではないでしょうか。
― 最後に、Zoho CRMの導入を検討している方へメッセージをお願いします。
芦澤氏:お話しした通り、我々はZoho CRM を商談管理や営業活動としてではなく、パートナーとのコラボレーションを実現するための「ポータル」として使用しています。
Zoho CRMには「CRM」という名前は付いていますが、我々のケースのように使う側のニーズに合わせて柔軟なカスタマイズができるのは、Zoho CRMならではなのではないでしょうか。また、安く、簡単に使えるという点もポイントですね。
Zoho CRMというITツールを導入することで社内の情報をひとつに統合できた。それは、大きな成果だと感じています。
宇杉氏:私が部長として着任したのが2020年の7月で、ちょうどITツールの導入を検討していた時期でした。当時を振り返るとパートナーとのコンタクトが非常に薄い状態で、何をやるのにも時間がかかるという印象がありました。
しかし、Zoho CRM を導入してからは、お知らせを高頻度で配信したり、いろいろなアンケートでパートナーの情報を吸い上げる…ということが手軽にできるようになったので、我々としてもフットワークは良くなったと思います。
また、アンケートを取る際も、以前であればエクセルで集計をしないと全体像さえ見えなかったのですが、Zoho Survey を使えば集計途中でも傾向が分かりますし、スピード感も格段に増したと感じています。
TIS株式会社
- 所在地:東京都新宿区西新宿8丁目17番1号
- 業種:システムインテグレータ
- 従業員数:従業員数:連結:21,709名 単体:5,469名(2022年3月31日現在)
- ビジネス:BtoB
- 事業内容:コンサルティングサービス、システムインテグレーションサービス、アウトソーシングサービス、IT基盤構築サービス、先端技術の研究と提供
- 創業:1971年
- URL :https://www.tis.co.jp
導入支援パートナーについて
カイト合同会社(KITE, LLC)
Zoho CRM を中心としたクラウドテクノロジーの活用を通じ、クライアント各社のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
提供サービスは全て「生産性向上のための仕組みづくり」を主眼として設計されており、2014年の創業以来、延べ100社以上の企業様にご利用いただいております。
- 本社所在地:東京都千代田区一番町13−2 2F
- 設立:2014年
- 従業員数: 5名(契約社員含む)
- 業種:コンサルティング
- パートナー認定: プレミアムパートナー
- ビデオ会議対応: 可
- 対応地域: 全国
- 対応サービス: 全サービス
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