アンケートと顧客管理のニーズから、統合パッケージ
「Zoho CRM Plus」を導入。見込み客へのアプローチと顧客対応の強化を実現

「地元をもっと好きになってもらいたい」「もっとわくわくできるような場所をつくりたい」と、数年前にコミュニティスペースを開業したMIGACTの濵田代表。会員制のコミュニティを提供しながら、幅広く広報・コンサルティング業務を行う。商材はモノではなく、「人と人とのつながり」だ。現在、社会的に増えつつあるコミュニティ事業や、toC事業におけるマーケティング活動について、どのようにZohoサービスを取り入れ、活用しているのか、MIGACT代表の濵田規史氏に話をうかがった。

「Zoho 導入後は見込み客向けの打ち手が見えるようになり、成約にもつながるようになりました」

MIGACT
代表 濵田 規史氏

―MIGACTを立ち上げられた経緯、事業内容について教えてください。

濵田氏: 大学卒業後、金融機関に勤めながら、家業である農園のプロモーションやWebマガジンの編集、ライターとして活動を広げました。ふるさとの愛媛県八幡浜市で地域活性化などのプロジェクトに携わったり、事業支援を行っていた経験から、アイデアベースから事業化を支援したいと考えて起業しました。2017年「MIGACT」を立ち上げ、「ひらめきを、人と地域の未来に」をコーポレートスローガンにさまざまな事業を行っています。コンサルティング事業やソーシャルプロジェクト事業、そして、コダテル事業という主に3つの事業を行っており、Zoho サービスについては主にコダテル事業で活用しています。

宿泊できるコワーキングスペース「コダテル」

―コダテル事業について詳しく教えていただけますか。

濵田氏:2018年1月に古民家を活用したヒミツキチ「コダテル」をオープンしました。宿泊ができるコワーキングスペースとして、働く場、学び場、交流の場を提供しています。また、同時に、利用者同士で知識や経験、仕事を共有する取り組みなどにも力を入れています。会員さんや利用者の方の「こうしたい」「これに困っています」を、「くわだて」や「おこまりごと」として見える化し、実現を支援しています。

実際のくわだてやおこまりごと

見込み客に対してしっかりアプローチしていくためにCRMの活用に踏み切る

― Zoho サービス導入の背景について

濵田氏:弊社の事業はフォーム経由の申し込みや問い合わせから始まることが多く、それまでGoogleフォームを長い間使っていました。しかし、だんだん物足りなく感じるようになり、プラスアルファの機能がほしいなと考え、他のサービスを検討しました。なかなか理想のフォームが作れず、機能を満たすサービスを探したところ、Googleフォームから、 Tayori 、 formrun 、 Asana を経て、Zoho Survey にたどり着きました。

そのため、私たちが最初に利用したZoho サービスは、オンラインアンケートツール「Zoho Survey」でした。当初は無料プランで始めましたが、より活用するために上位プランである有料のプロにアップグレードしました。

他社製品では見込み客との関連づけができなかったり、ファイル添付ができないなどの制限がありました。Zoho Survey では自動メールの条件分岐や変数を含めたりなどでき、総合的に見て導入を決めました。

―CRMも導入されていますが、その理由はどのようなものがありましたか?

濵田氏:「コダテル」事業は当初、紹介だけで利用者を獲得していたため、名刺や申し込みなどの顧客情報を管理していませんでした。しかしある時、紹介が途絶えたらどうなるだろうと思い、また逆に、ビジネスを拡大していくためにはどうすべきかを考えました。そして、「見込み客にしっかりアプローチする必要がある」ということに気づき、CRMの導入に踏み切りました。

Zoho サービス導入前の主な課題

Googleフォームからの移行・理想のフォームが作れず、機能を満たすサービスを探していた
顧客対応の強化
(ヘルプセンター、ナレッジ、フォーラム など)
・問い合わせを増やしたい
・代表が蓄積したナレッジをスタッフに共有したい
顧客/見込み顧客情報の管理。アプローチ不足の解消・見込み客の情報を管理しておらず、アプローチを適切にしていなかった
・来館、イベント参加、体験、資料請求をされた方に積極的にアプローチしていく必要性を感じた

―Zoho サービスを選んだ理由について教えていただけますか?

Zoho サービスの多彩なラインナップの一部

濵田氏:まず、私自身、ミーハーなところがあり(笑)、Zoho サービスの多彩なラインナップを見たときに“アプリがたくさんあるなぁ”とワクワクしました。最初からひとつひとつの機能をみていたわけではなかったのですが、「これは連携して何かできそうだ」と思いました。

また、Zoho サービス同士はもちろんですが、Slack やGoogle など外部サービスとの連携がしっかりできる、サービスに連続性があるのがよいなと思いました。たとえば、Zoho CRM とGoogle の連携機能を利用すれば、営業やマーケティングの連絡先とカレンダーの同期ができます。

無料で試したところ、Zoho Survey とZoho CRM 、どちらも導入したいと感じました。その場合、単体で契約するよりも統合パッケージの「Zoho CRM Plus」を使った方が価格が圧倒的にお得だったので、パッケージを契約しました。拡張性を考えた時に、すべてZoho でまとめられるといいよね、と考えました。

手を出しやすく、はじめやすい価格帯ということも大きかったですね。私たちのような中小企業やスタートアップ企業にも優しい、とても導入しやすいパッケージになっていました。

独自の活用方法でお客さまのフィードバック情報に基づいた意思決定が可能に

―メインで活用されているサービスは何でしょうか?

濵田氏: まずはCRMですね。顧客管理と、見込み客へのアプローチに使用しています。管理画面で私が使っているタブは、「顧客タブ」「見込み客タブ」「カスタムタブ(くわだて)」の3つです。顧客のタブは、すでに持っていた顧客情報をCSV形式でアップロードしました。

Zoho CRM はZoho Survey と連携させ、ヒアリング内容を自動で追加しています。会員さんや利用者の方に「こうしたい」「これに困っている」というものを順次フォームで送ってもらい、会員情報に関連付けて管理し、個別サポートしているという状況です。また、接点があった見込み客はすべて「見込み客タブ」へ入力しています。

Zoho CRM とZoho Survey を連携させ、ヒアリング内容をCRMに追加

くわだてやお困りごとを一元管理

―独自にカスタマイズされているところについて教えてください。

濵田氏:本来、Zoho Survey はアンケートツールなのですが、私はフォームとして認識していて、問い合わせや申し込みを受け付けるフォームとして活用しています。例えば、学習事業の「体験の申し込み」や「満足度アンケート」、コダテルの「利用申し込み」や「イベント参加の申し込み」、「退会届」などさまざまな用途に使っています。

QRコードを読み取っていただいて、質問にお答えいただくこともできるので便利です。

Zoho Survey を使ったアンケート例

濵田氏:アンケート結果はビジュアルでもわかりやすく表示されるので、回答状況や回答内容がいつでも確認できます。「個別回答」に関しては、来館される際に印刷したり、また、リンクを生成してスタッフに事前共有しています。

また、Zoho Survey のアンケートでは、条件分岐ができます。当社では、この機能を利用し、お知らせの受け取りに関して「はい」にチェックされた場合は、お客さまのお名前やメールアドレスを記入するフォームを表示し、顧客情報を入れていただく設定にしています。

Zoho Survey の特徴のひとつが他サービスと連携させやすいことで、私はよく「Zoho CRM」と連携しています。外から送信される情報に関しては、フォームを通じてすべて見込み客として「同期」して、「データを追加」しています。「メール配信」が有効なメール(連絡先)には、案内を自動処理(自動送信)にしているため、イベントの運営がとても効率よくなりました。

Zoho Survey : 回答結果をビジュアルでも確認できて傾向をつかみやすい

メール送信の連携(回答送信後、メールを自動配信)により効率化

ヘルプセンターとしてお問い合わせツールをさまざまな用途で活用

―問い合わせ管理ツール「Zoho Desk」の活用について教えてください。

濵田氏:お問い合わせのメールごとに担当者を割り当て、完了なのか未完了なのか、対応の状況を確認できるようにしています。また、Zoho Desk では「問い合わせ」「ナレッジ」「フォーラム」に分けて活用していて、ナレッジは3つの閲覧権限、公開範囲を設定して「ヘルプセンター」として運用しています。ナレッジのタブは、ゲストと会員向け、その会員の中でも特別な会員向けのページを提供しています。ナレッジでよくある使い方としては、一般的なカスタマーサポートの視点で「コダテル」をご利用される際の「よくある質問」を随時追加して公開しています。また、「お役立ち情報」などを発信しています。

―フォーラムとしてはどのように活用されていますか?

濵田氏:「フォーラム」では特別な会員限定の「くわだてフォーラム」を運営し、お悩みごとの相談、アイディア募集などもその中で行うようにしています。スタッフはもちろんですが、会員同士がコメントしあったりもしています。

Zoho Desk を利用したお問い合わせ管理画面

Zoho Desk を利用してコダテルヘルプセンターの運用

「見込み客を顧客化していく取り組み」としてメールを配信。その後の効率的なフォローで入会を獲得

―見込み客向けのアプローチとしてどのようにメールを活用していますか?

濵田氏:おもに「見込み客を顧客化していくための取り組み」として、Zoho Campaigns(メールマーケティングツール)を活用し、メールを配信しています。いろんなコンテンツを作っているのですが、例えば、「体験教室」や「新規受講生の募集」などのご案内をHTMLメールやテキストメールで配信しています。

Zoho Campaigns で実際に配信したメール

―Zoho Campaigns を活用されていかがでしょうか。

濵田氏:Zoho Campaigns の良いところは、「配信した後の結果が見える」ところです。管理画面では、「どれくらい開封されたのか」や「どこをどれくらいクリックされたのか」がわかります。また、顧客のメールアドレスごとにクリック数の合計が算出されるので、クリック数が多い方には個別に電話をしたり、ソーシャルアカウントを知っている方であればメッセージを送ったりすることもあります。このようにメールの反応が把握できるので、個別アプローチがしやすく、成約などにもつなげやすくなります。

これまで約770件の連絡先に対してどこを当たればいいのかわからなかった状態から、どこを当たればよいのかがわかってきました。クリック数の多いところからアプローチすると反応が良く、実際にクリック数上位の方の中から2名が入会されています。これはとても良い機能だと思っています。

受け手の関心度が把握できるZoho Campaigns の配信結果画面

―他社サービスとの連携については、具体的にはどのように使われていますか?

濵田氏:私は、よくSlackとGoogleスプレッドシートを連携させて使っています。Slackに関しては、アンケートの情報を飛ばしてそのままSlackで見ることができます。Googleスプレッドシートは利用者の受付管理表として使ったり、Zoho Survey の回答情報をGoogleスプレッドシートに変換して外部委託者と情報を共有する際に使ったりしています。リアルタイムに更新できるのでとても便利です。

また、Facebook やTwitter などのSNSアカウントをZoho CRM と連携させて、 「いいね!」やコメントをくださった方を見込み客として入力したり、見込み客情報に関連づけたりというようなことも行なっています。ここは今まで管理できなかったところだったので、どのような方が反応してくれているかなども把握できるようになりました。

Zoho 導入により、「見込み客を収集する仕組み」と「見込み客への効率的なアプローチ」を実現

―Zoho 導入後にどのような効果や変化がありましたか?

濵田氏:Zoho 導入後、まず1番目に挙げられる成果としては、ようやく「見込み客情報を収集する仕組みができた」ことです。導入前はまったく情報として活用できていませんでしたが、導入後は月15件ほどの見込み客を獲得できています。

2番目としては「見込み客情報の活用」です。ようやく見込み客にアプローチができるようになりました。眠っていた850件の名刺をスキャナで取り込み「見込み客化」したことで、多数の契約につながりました。

3番目ですが、Zoho Survey を使ったイベントの「申し込みフローの自動化」によって効率化が進みました。自動返信のメールを使うことで1件ずつのメール返信が不要になり、1イベントあたり1.5時間の工数が0時間に削減されました。

4番目は、Zoho CRM を活用することで自然と顧客情報が集まってくるので「顧客情報の統合・更新、個別のアプローチ」ができるようになりました。根拠のない手当たり次第の状態から、「この人はどんなことを考えているのか」とか、「確度の高い人だな」など、明確に打ち手がわかるようになりました。限られたリソースの中で「この3人にあたっていきましょう」ということができるようになり、とてもよかったと思います。

5番目は、「スタッフのマインドの変化」ですね。私が「こうしたい、こうやりたいと思う」だけではなく、スタッフにもZoho のサービスを伝えたところ、「それならこういう風に活用すれば便利に使えるんじゃないですか?」など、スタッフの方から提案してくれ、「このデータを使ってこんな風にアプローチしてみました」など内製事例も生まれてきています。限られた人材の中ですけれども、運用していく上で手ごたえを感じています。

よりZoho サービスを活用するため、認定パートナーに支援依頼

―Zoho One にアップグレードされた際、パートナー経由で導入された経緯を教えていただけますか。

濵田氏:Zoho サービス単体とZoho CRM Plus を使ったときには「自分で触って試してみる」で良かったんです。しかし、ほぼすべてのZoho アプリケーションが使えるZoho One に移行した時には、やりたいことが多くて、それを自分ひとりで調べてやっていくには時間がかかり過ぎてしまうと思いました。自分が注力すべきことに集中するためには、知見を持っている経験豊富な方にお願いしたほうが絶対早いよね、と思ったんです。

―インプルーブ社に依頼された理由はどのようなところでしたか。

濵田氏:Zohoのホームページにはいくつかのパートナー会社が紹介されています。その当時、僕らの事業の中では「ファン作り」を意識していて、「顧客に参加していただく」ことを考えていました。インプルーブさんのホームページにもそのような言葉が並んでいたので共感を覚えました。あとは、中小企業の事業に伴走することも打ち出されていて心強いなと思いました。

もう1つは、「売上」「利益を上げていく」ということをしっかり掲げていたことです。僕のようなミーハーな人は触っているだけで楽しくなってしまうのですが(笑)、遊びではなくお仕事にZoho を使うのであれば、そこには売上が伸びる、利益が残る、ということを意識しないといけないと思いました。インプルーブさんは、そういったところをきちんと掲げていて、「Zoho サービスをこういう風に使っていくといいですよね」と提案していただけたのもとても良いなと思いました。

―最後に、Zoho サービスの導入を検討されている方に、導入前の検討段階から実際の導入段階において注意すべき点がありましたらお願いします。

濵田氏:私が実際にZoho サービスを導入する際に感じた注意すべき点についてまとめましたので、参考にしていただけたら幸いです。

【導入前~導入までで注意すべき点】

1欲張らないで、最初に使うアプリ・機能を絞るZoho Survey/Zoho Deskからのスタートがおすすめ
2既存で使っているサービスの1つをZohoで置き換えてみるメール、チャット、フォーム、WEBミーティング、決済、請求 など
3売上増・収益増の視点を忘れないいろんなことができるが、自己満足に陥ってしまうと、何のためのカスタマイズがわからなくなるので注意
4システム連携・スタッフ等の連動を考えるZoho 内でも、Zoho 外でも通知を出すなどして使ってもらえる工夫を。運用方針・ルールも大切
5導入担当者が使えるようになってから、他スタッフにも触ってもらう使い勝手をフィードバックしてもらう。活動を見える化、数値化する良さも伝える。より良いサービスづくりを一緒に目指していく

MIGACT(ミガクト)

  • 社名:MIGACT
  • 所在地:愛媛県八幡浜市向灘2187
  • 創業:2017年
  • 業種:レンタルスペース、コンサルティング、ソーシャルプロジェクト、教育支援業、宿泊業
  • 社員数:3名(業務委託等含む)
  • ビジネス:主にB2C
  • サイト :https://codateru.com/

導入支援パートナーについて

株式会社インプルーブ

名古屋を中心に導入支援コンサルティングを展開。Zoho One を自社導入/運用しているからこその、活きた仕組み作りをご提案。グループ会社インフィニティのインフラサポートと共に、中小企業の売上を上げていく仕組みを強力にサポートします。経営者/技術者、両側面の視点から導入から運用サポートまでお気軽ご相談ください。

  • 電話番号:052-228-0624
  • メール:sales@improve.co.jp
  • 本社所在地:〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内 3丁目 17-29 丸の内 iaビル 7F
  • 設立:1998年1月
  • 従業員数:4
  • 業種:コンサルティング
  • パートナー認定:認定パートナー
  • ビデオ会議対応:
  • 対応地域:全国
  • 対応サービス:全サービス
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