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マーケティングを成功させる上で、スコアリングは欠かすことができません。しかし、「重要と聞いているが、本当に必要?」「自社にも導入したいけど、どうしたら良いの?」という声を耳にすることもあります。この記事では、スコアリングのメリット・デメリットや、有効活用するためのポイントについて解説します。
スコアリングとはリード(見込み顧客)の意欲や関心度を数値化する手法
スコアリングとは、マーケティングにおいては「リード(見込み顧客)の意欲や関心を数値化する手法」を指します。属性や行動ごとに設定されたポイントを足し引きして、各リードを採点します。自社の商品・サービスへの興味関心を可視化することで、リードに対するアプローチをより適切なものにします。なお、マーケティングにおいて見込み顧客は「リード」と呼ぶことから、スコアリングは「リードスコアリング」といわれることもあります。
スコアリングの5つのメリット
スコアリングの導入は、自社のマーケティングに大きな効果をもたらします。その具体的な5つのメリットを解説します。
1. 客観的評価し優先順位をつけられる
スコアリングのメリットは、スコアリングによってリードの意欲を数値化し、リードの優先順位を決められることです。統一された基準で見比べることで、どのリードが自社の商品・サービスを成約しやすい状態にあるかを客観的に判断できます。つまり、購入・契約しやすいリードを抽出する施策である「リードクオリフィケーション」も容易になるのです。
2. セールスサイクルを効率化できる
スコアリングのメリットには、営業リソースを意欲が高いリードに集中できるようになるため、セールスサイクルを効率化できることもあります。例えば、営業部にスコアが高いリードの情報を共有することで成約率を高められるだけでなく、成約までの時間も短縮できます。
<3. 機会損失を低減できる
スコアリングによってリードの状態を可視化することで、機会損失を低減することができます。リードのスコアから購入・契約に対する意欲を把握することで、最適なアプローチをタイムリーに行うことが可能になることもメリットです。ビジネスチャンスの見逃し防止にも役立つと同時に、獲得したリードを育成する「リードナーチャリング」の効果を最大限に引き出すことができます。
4. マーケティング部と営業部の連携を強化できる
スコアリングを導入するメリットとして、マーケティング部と営業部といった部署間の連携を強化できることも挙げられます。例えば「マーケティング部はスコアの低いリードを育成、営業部はスコアの高い顧客にアプローチ」といった具合に、両部門がアプローチすべき客層を明確化できます。さらに、スコアの共有によって両部門のコミュニケーションが活性化され、意思疎通も改善されるでしょう。
5. 効果測定や分析、改善がしやすくなる
スコアリングによってリードの意欲を数値化することで、マーケティングや営業の効果測定や分析、改善がしやすくなることもメリットです。データにもとづいた改善策を講じ、その改善策の効果もフィードバック可能なので、PDCAを効率的に回すことができます。また、客観的な指標によってアプローチの有効性を見極めることができるため、マーケティングや営業の属人化を抑えられます。
スコアリングの4つのデメリット
マーケティング効果の最大化に有効なスコアリングですが、一方でデメリットも4つ存在します。導入を検討する際の判断材料として活用ください。
1. スコアリングモデルの設定が難しい
スコアの元となるスコアリングモデルの最適化には専門的な知識が必要であるため、設定が難しいのがデメリットとしてあげられます。リードの特性や自社のビジネスモデルを理解し、顧客やマーケットの変化に対応した設定の更新も求められます。
2. データの量と質を確保する必要がある
スコアリングには、リードに関するデータの量と質を確保する必要があります。データの量を十分に集められなければスコアリングの導入自体が困難というデメリットがあり、データの質はスコアリングの精度に影響を及ぼします。つまり、スコアリングを活用するには少なくないコストとリソースの投入が不可欠であり、きちんと運用するためには事前準備が肝心です。
3. 過度な依存を引き起こす危険がある
スコアリングは営業やマーケティングの強化に有効ですが、それ故に過度な依存を引き起こすというデメリットがあります。スコアリングに偏重すると特殊なケースを見落としたり、データでは捉えにくい有望なリードを逃したりするリスクがあります。スコアリングはあくまでアプローチの一手段として捉えて、適切に運用していくことが重要です。
4. 人間の判断が排除される
属人化を防ぐ効果がある反面、スコアリングのデメリットには、マーケターや営業の直感や経験にもとづいた判断が排除されてしまうことがあります。特に、リードとの関係構築が重要となるビジネスなどでは注意が必要でしょう。スコアリングを導入する場合でも、マーケターや営業の経験則やリードへの定性データを活かしながら、アプローチすることが大切です。
スコアリングを自動化・効率化するMA(マーケティング・オートメーション)ツール
リード一人ひとりの属性や行動をチェックするのは現実的ではないため、スコアリングの自動化が求められます。スコアリングの自動化と効率化を図れるMAツールと、そのスコアリング機能について解説します。
マーケティング・オートメーション(MA)ツールとは、その名のとおり、マーケティングを自動化するツールです。新規顧客の獲得やリードの育成、既存顧客の管理などを一元的に行い、マーケティングの効率を最大化してくれます。豊富な機能が備わっており、多くのMAツールにはスコアリング機能も搭載されています。
MAツールのスコアリング機能は、サイト内での行動履歴やメール配信の開封率などツール内に蓄積されたデータを活用し、自動的にスコアを算出する機能です。MAツールを通じて行ったマーケティングの結果を即座に反映するので、スコアの変化をリアルタイムで知ることが可能です。また、営業部など各部署がMAツールにアクセスできるように設定すれば、スコアが高いリードの情報をスムーズに共有できるようになるでしょう。
【関連記事】リードナーチャリングとは? 見込み顧客の育成を効率化する手法を解説【関連記事】リードジェネレーションとは? 見込み顧客を獲得するための10の手法
スコアリング機能を有効に活用する4つのポイント
MAツールのスコアリング機能は便利ですが、ただ漫然と導入するだけでは効果を発揮しません。そこで、MAツールのスコアリング機能を有効に活用するためのポイントを紹介します。
ポイント1. スコアリングの設定のために情報収集を徹底する
スコアリングを適切に設定するためには情報収集を徹底する必要があります。商談につながったリードの行動を営業部にヒアリングして、リードに影響を与える行動を分析することが大切です。
ポイント2. トライアンドエラーでスコアの条件と数値を調整する
スコアリングはトライアンドエラーを繰り返しながら、スコアの条件と数値を調整することが必須です。最初は既存の数値を当てはめて、試験運用した結果を見て改良を重ねていくことで、より詳細な条件と適切な数値を設定できるようになります。改善を定期的に積み重ねることで、スコアリングの精度が向上します。
ポイント3. 営業部門との共通理解を持つ
スコアリングの適切な運用には、マーケティング部と営業部で共通理解を持つことが不可欠です。スコアリングの基準や利用方法だけでなく、スコアリングの重要性や注意点を両部門がきちんと把握しておくことが重要です。両部署の協力体制が構築されれば、スコアの活用法やリードの情報収集などを強力に推進できます。
ポイント4. CRMとSFAの活用で効率化を促進する
MAツールのスコアリング機能は、顧客関係管理(CRM)ツールや営業支援(SFA)ツールと連携することで、さらに効率化が促進されます。例えば、営業するべきスコアが高いリード、マーケティングによる育成を続けるべきスコアが低いリードを自動的に振り分けることが可能となります。複数のシステムを利用していても一元的に管理できるため、業務全体が効率化されるのです。
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スコアリングは、リードの育成・獲得に有効です。一方で、人の手で運用するとなると、多大なコストやリソースが掛かります。スコアリングの真価を発揮しながら、効率的に運用するにはMAツールの導入がベストでしょう。自社のマーケティングや営業を強化したいなら、MAツールのスコアリング機能を活用するのがおすすめです。
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