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BIツールを活用するメリットとデメリット、活用例を解説

公開日:

2023年10月6日

この記事は12分で読めます

執筆者 Zoho マーケティングブログ 編集部

BIツールを活用するメリットとデメリット、活用例を解説

大量のデジタルデータの収集・蓄積が可能となっている現在、多くの企業がデータの力を効果的に引き出し、経営やビジネスに有効活用しようとしています。そのデータ分析やわかりやすい情報提供のためのツールとして注目されているのが、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールです。

この記事では、BIツールを活用するとどのようなメリットが得られるのか、デメリットはあるのか、そして有効な活用例について解説します。

ビジネスインテリジェンス(BI)とは企業の意思決定のための情報

BIとは、ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)の頭文字を取ったもので、元々「企業の意思決定のための情報」を意味する言葉です。そこから、ビジネス上の意思決定のために情報(データ)を分析して得られる知見や仕組みを指すようになりました。

現在では、データを取得・蓄積・分析・報告するための手法や活動、あるいは技術全体を意味する言葉として広く使われています。

BIツールとはビジネスの意思決定に関連するデータを収集・分析・可視化するためのソフトウェア

BIツールは、BIの考え方に基づいて、ビジネスの意思決定に関連するデータを収集・分析・可視化するためのソフトウェアです。BIツールを用いると、企業は大量かつ複雑なデータから価値ある情報を引き出し、それを参考にビジネスの戦略や方針を効率的に策定することができます。

BIツールの主な機能

それでは、BIツールとは具体的にどのようなことが実現できるツールなのでしょうか。BIツールの主な機能は、以下の通りです。

ダッシュボード・レポーティング

ビジネスのキーとなる指標やデータを表あるいは各種のグラフで視覚的に表示します。ダッシュボードはそれらをリアルタイムまたは定期的に画面上に一覧表示する機能、レポーティングは過去のデータや活動に基づく詳細な情報を詳しく提供する機能です。

多次元OLAP

多次元OLAPは、「多次元データモデル」を用いて多角的な視点からデータを切り取り、分析する機能です。日々蓄積される大量のデータベースから多次元的に分析を行い、データから迅速に深い洞察を得ることができます。

データマイニング

データマイニングは、大量のデータから統計的手法を使って有意な関係性やパターンを見つけ出す機能です。バスケット分析、クラスター分析、回帰分析などの分析手法を用いて、大量のデータから隠れたパターンや関連性を探し出し、未来の予測やビジネスの可能性を探ることができます。

データマイニングとは? 分析手法や活用シーン、ツールを解説

シミュレーション・プランニング

シミュレーション・プランニングは、過去の実績データに基づいてこの先の数値の変化を予測し、仮定やシナリオに沿った予測分析を行う機能です。将来の売り上げ予測や予算計画、経営計画などを立案するための情報をまとめることができます。

BIツールを活用するメリット

BIツールを導入して活用するとどんなことが可能になるのでしょうか。以下で、企業が得られるメリットを紹介します。

データに基づいた意思決定ができる

BIツールの導入により、個人の感覚や経験だけでなく、データという事実に基づいた意思決定を行えることがメリットです。これにより、属人化を排し、ビジネスの方向性をより確実に定めることが可能となります。

可視化されたデータが理解を助ける

BIツールの活用メリットは、大量で複雑なデータもグラフなどの視覚的な形式でわかりやすく表示して確認できることです。このデータの可視化により、情報の把握や理解が大幅に迅速化され、素早く適切な行動を取れるようになります。

専門家でなくても高度な分析ができる

BIツールの活用メリットは、大量で複雑なデータもグラフなどの視覚的な形式でわかりやすく表示して確認できることです。このデータの可視化により、情報の把握や理解が大幅に迅速化され、素早く適切な行動を取れるようになります。

専門家でなくても高度な分析ができる

BIツールには、さまざまな実践的な分析手法が組み込まれています。専門的なスキルを持たないユーザーでも、高度なデータ分析を比較的簡単な操作で行えることは、BIツールを活用するメリットです。多くの従業員がBIツールを使いこなせるようになれば、企業全体のデータ活用能力が向上するでしょう。

リアルタイムでスピーディーな分析ができる

次々と新しいデータが生成される環境下でも、BIツールに取得・集約することで、ほぼリアルタイムにそのデータを分析できます。そのため変化の激しいビジネス環境でも、素早く的確に対応することが可能となります。

パフォーマンスのモニタリングを行える

BIツールを使えば、KPIやその他のビジネス指標を追跡・モニタリングできるのもメリットのひとつです。これにより、異常や不正行為などのリスクを早期に発見することもできます。

予測分析が可能になる

BIツールのシミュレーション機能を用いれば、過去のデータを分析して今後のビジネス動向や市場トレンドを予測できることも活用するメリットです。この予測分析により、将来のリスク、あるいはチャンスを事前に把握し、その対策を立てることが可能となります。

BIツールを活用するデメリットや課題

一方、BIツールを活用するデメリットや課題はあるのでしょうか。導入する前に、デメリットや課題も知っておきましょう。

コストがかかる

BIツールの導入には、初期導入費用やライセンス費用といったコストがデメリットとなることもあります。それ以外にも、企業内の各種ツールやデータベース内のデータを、BIツールで利用可能な形に整備するためのコストも必要です。さらに、異なるチームや部門間での調整を行うための人的コストも考慮すべきでしょう。

操作の難しさ

BIツールの中には、操作や設定に特定のスキルや知識を要求されるものも存在します。特に多機能・高機能なBIツールは多彩な分析が可能な半面、一部のユーザーにとっては難度が高いと感じられることがデメリットかもしれません。操作をマスターするためには一定の期間が必要になります。

データの信頼性や正確性に欠ける

BIツールの出力結果は、収集・供給されるデータの品質に大きく依存します。不正確・不完全なデータが供給されると、BIツールによる分析結果も信頼性や正確性に欠ける結果となってしまうリスクがあるのが課題でもあります。高品質なデータの整備と維持が、BIツールを効果的に活用するための重要なポイントとなります。

BIツールの活用例

導入や運用に関するハードルがあったとしても、それらをクリアすればBIツールはさまざまなビジネスの現場で活用できます。代表的な活用シーンを見てみましょう。

販売分析

BIツールの活用により、製品やサービスの売り上げトレンドを継続的に追跡し、その変化や原因を把握することができます。また、地域別、店舗別、時期別の売り上げデータを分析し、具体的な販売の動きや成功要因を明確にすることも可能です。これらの分析結果は、売り上げの予測や将来の販売戦略の策定に役立ちます。

在庫管理

BIツールを在庫管理に活用することもできます。在庫データを取得・分析しながらモニタリングすれば、「在庫」ないし「保有在庫」の最適化が容易になります。売れ筋商品に関しては、在庫不足になるリスクを予測して適切な対策を講じ、一方で過剰在庫の商品に関してはそれを早めに特定し、原因を分析することが可能です。

マーケティング最適化

広告やプロモーション活動の投資対効果の分析にもBIツールは有用です。マーケティングキャンペーンの効果を具体的に評価し、最適化のための情報も得られます。また、マーケティング・オートメーション(MA)ツールや顧客情報管理(CRM)ツールと組み合わせれば、ターゲットのニーズや興味に基づいて、パーソナライズ化された最適な情報・コンテンツを提供する戦略を策定することもできます。

顧客分析

BIツールを用いて顧客分析を行えば、顧客の属性データや行動データに基づいた顧客セグメンテーションやターゲティングを行うことができます。こちらもMAツールやCRMツールと組み合わせて、顧客の購買パターンや行動を分析し、購入の動機やバリアを理解することが可能です。これらにより、効果的なマーケティング戦略の展開、顧客満足度の向上、効果的なサービス提供のための改善策の提案などが可能になります。

BIツールの活用成功事例

実際にBIツールを活用した成功事例を見てみましょう。巨大なデータを集約し、さまざまな角度から分析・可視化するためのBIツールである「Zoho Analytics」 の事例から紹介します。

サラヤ株式会社: データ収集の手間が大幅減

国内で初めて殺菌消毒ができる手洗い石鹸液と専用容器を考案、開発、事業化し、現在は世界22カ国に事業を展開する、衛生用品メーカー「サラヤ株式会社」では、データ収集と分析が中心的な課題でした。海外拠点からの効率的なデータ収集と、それを一元化して集計する作業が必須でしたが、遠隔地でのコミュニケーションの手間、言語や事業環境の違いなどがハードルとなっていました。

それがZoho Analytics の導入を通じて、これらの課題は大きく解消されたのです。海外拠点では、GoogleスプレッドシートやCSV、エクセルなど、国や地域によって使用するデータ形式が異なるため、多種多様なデータソースからデータをインポートできる柔軟性は極めて重要でした。また、各スタッフが必要なデータを自分で抽出し分析できるようになり、コラボレーション機能も活用して営業推進に役立っています。

結果、海外拠点のデータをスピーディーかつ視覚的に把握・分析できるようになり、業務効率が大幅に向上しました。特に、経営層へのレポーティングも容易になりました。Zoho Analytics が提供するレポートは、不確実性が高まる現在の経営環境で迅速な判断を下すための貴重な材料となっています。

サラヤ株式会社データフロー

詳しくは、こちらのZoho Analytics の導入事例をご覧ください。Zoho Analytics の導入で海外拠点の営業の見える化を実現 効率的なデータ分析と経営判断の迅速化にも貢献

IMV株式会社: 会議用の資料作成工数はほぼゼロに

振動試験装置をはじめとする製造業向けの産業機械メーカー「IMV株式会社」では、毎月の営業会議で報告する、海外事業の売り上げ、受注、出荷データなどの資料作成にエクセルを使用しており、多大な手間がかかっていました。基幹システムからエクセル形式でデータを出力し、マクロで集計した上で、さらにそのデータをグラフ化するといった一連の作業が必要であり、数千行にも及ぶデータ量によっては、マクロがフリーズする事態も日常的に発生していました。さらに、データを深掘りする分析が困難で、売り上げの変動などの背後にある要因を特定するには限界があるという課題がありました。

それがBIツール導入によって、報告資料作成の手間がほぼゼロに削減されたのです。自動更新機能により、毎日正確なデータが利用可能になり、営業会議での報告もスムーズに行えるようになりました。また、「ドリルダウン機能」を活用することで、売り上げの急増など、特定の現象についてその背後の要因を容易に探ることが可能になりました。この機能は、生産計画の適正化など、より精緻な経営判断を下すために非常に役立っています。さらに、以前はエクセルで手間がかかっていた省エネルギー装置の性能指標なども、容易に数値化し、報告することができるようになりました。

結果、報告資料作成の効率が大幅に向上し、データ分析が容易になりました。これにより、生産計画の適正化、売り上げの正確な予測など、精緻な経営判断が可能になっています。さらに、環境性能指標の数値化も実現し、これが会社のCSR活動やSDGsへの対応にも貢献しました。

実際に作成したダッシュボード

詳しくは、こちらのZoho Analytics の導入事例をご覧ください。「経営の羅針盤」として、海外事業の戦略立案や生産計画の適正化に活用

Zoho Analytics を含む統合パッケージ「Zoho CRM Plus」

BIツールは、システムを使うことで蓄積されていくトランザクションデータなどの大量のデータを持っている企業、あるいは複数の部署や業務間でのデータ共有や一元管理を進めている企業にとって非常に有用なツールです。特に商品の動きが早く、顧客のニーズ・行動が多様なケースなどでその本領を発揮します。

CRM、MA、SFAの統合パッケージである「Zoho CRM Plus」には、「Zoho Analytics(ゾーホー・アナリティクス)」というBIツールが含まれています。CRMなどのITツールと統合されているため、それらで収集し蓄積したデータを即座に分析し、可視化してダッシュボードやレポートに変換して確認することができます。さまざまなビジネスニーズに活用できるBIツールをお探しなら、「Zoho CRM Plus」の導入をご検討ください。

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