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マーケティング・オートメーション(MA)を導入すれば、効率的なマーケティング施策の展開に役立ち、顧客満足度の向上や購入率・成約率のアップを期待できます。しかし、MAの導入には、しっかり準備をした上で、適切なステップで行わなければなりません。
この記事では、MAをスムーズに導入するための事前準備や、7つの導入ステップに沿った失敗しないためのポイントなどについて紹介します。
MAは、マーケティングを効率化するシステム
MAは、マーケティング活動を自動化・効率化する仕組み、またはそれを実現するツールです。メールやソーシャルメディア、ウェブサイトなどのオンラインチャネルを通じて、リード(見込み客)の獲得や育成をサポートすることができます。
具体的には、コンテンツやキャンペーンを配信してリード情報を自動収集したり、獲得したリードを属性や行動にもとづいてセグメンテーションしたりするだけでなく、メールの自動応答によりリードとコミュニケーションをとりつつ育成したりすることも可能です。
マーケティングチームは、MAツールを使用することで購入や成約に至る確率が高いリードを選別し、営業チームに受け渡すことが可能になります。また、MAツール単体だけではなく、CRM(顧客情報管理)ツールやSFA(営業支援)ツールと連携させて、顧客情報を共有して運用していくのが一般的な形といえるでしょう。
MAツールを導入する前にやっておきたいこと
事前準備をしておかなければ、MAツールをスムーズに導入して効果を上げることが難しくなります。自社の目標設定やニーズの分析など、導入前にやるべきことについて説明します。
MAツールの導入目的と目標の明確化
MAツール導入前に行いたいのは、MAツールを導入する目的の明確化、目標の設定です。MAツール導入の目的としては、顧客管理の効率化やリード獲得の最適化、メールマーケティングの自動化、スコアリング機能を使った優先顧客特定プロセスの効率化の実現などが挙げられます。
また、設定する目標としては、リード獲得数や成約率、メールマーケティングにおける開封率やクリック率、コンバージョン率、マーケティングROI(費用対効果)の向上などが考えられるでしょう。
自社の課題・ニーズ分析
自社の課題を把握したり、ニーズ分析を行ったりすることも、MAツール導入前に対応しておきましょう。現状を把握して課題と要望が明らかになれば、MAツールの導入で実現したいことも明確にできます。
予算の設定
MAツール導入と運用の予算設定も、MAツール導入前にやっておくべきことです。MAツール導入のコストとしては、システムのセットアップや既存データの移行、社員への研修などのコストがかかります。加えて、運用コストとしては、MAツールのライセンス費用が月額または年額で発生します。ライセンス費用は、機能やユーザー数によっていくつかのプランの中から選ぶことが一般的です。
組織体制の整備
MAツールを運用していく組織体制も、導入前に整備しておく必要があります。マーケティングチームを中心に、MAツールの導入・運用を担う人員をアサインします。導入時には、プロジェクトチームを立ち上げるとスムーズです。営業などほかのチームとの情報共有や協力体制も確立しておきましょう。
データの整理
MAツールの導入前には、MAツールで取り扱うリードデータの分別・統合といった、データの整理もしておかなくてはなりません。例えば、データをMAツールで取り扱える形式に整形したり、加工したりすることで、最適化する必要があります。
ほかのツールやシステムとの連携の準備
ほかのマーケティングツールや顧客管理(CRM)ツール、営業支援(SFA)ツールなどと連携させたい場合は、その準備も進めておきます。MAとCRMやSFAなどのツールと連携させることで顧客情報をリアルタイムで共有できるようになり、マーケティング活動と営業活動のスムーズな連携が実現します。
なお、ほかのツールとの連携にはAPIの開発やカスタマイズが必要な場合もあるため、注意が必要です。
【関連記事】MAとSFA、CRMとの違いは?各ツールの特徴や連携のポイントを解説
MAツール導入の7ステップと失敗しないポイント
実際にMAツールを導入する際の流れを、ステップに沿って紹介します。それぞれのステップでのポイントも併せて確認しておきましょう。
Step1. MAツールの選定
MAツールの選定は、自社のマーケティング戦略や課題、ニーズ、導入する目的と目標、予算を考えた上で行います。MAツール各種を比較検討するには、取引先のウェブサイトから製品カタログを入手するほか、無料トライアルや無料相談を利用することもおすすめです。
Step2. 導入スケジュールを策定する
MAツールを選定しつつ、導入プロセスのタイムラインを設定し、マイルストーンを決めて策定します。MAツールの導入にはツールの選定やリードライフサイクルの定義、マーケティング施策の整理、スコアリングの検討、ペルソナの整理というようなプロセスがあり、それぞれマイルストーンを決めることが失敗なく進めていく上で重要です。
導入スケジュールは、トラブルやアクシデントの発生も想定して、余裕を持った時間を確保するようにしましょう。導入進行状況をモニタリングし、必要に応じてスケジュールの調整も求められます。
Step3. 操作方法のトレーニング
導入スケジュールを策定したら、社内のメンバーに対して操作方法のトレーニングを行います。トレーニング担当者には、マーケティングチームのメンバーを選任しすることをおすすめします。実際の稼働を想定した適切なトレーニングを行うことが大切です。
Step4. マーケティングシナリオの設定
続いて、全体的なマーケティングプロセスのシナリオも作成しましょう。具体的には、リードを獲得し、エンゲージメントを高めることで購入や成約に結び付け、さらにリピートを促進するといった、購入までのステージごとにリードに配信するコンテンツを設定します。
Step5. 各種設定作業
さらに、MAツールを使用する上で必要な設定を行います。具体的には、アカウント設定やデータのインポート、メール送信用のドメイン・SMTPサーバーの設定、CRMやSFAなどほかのツールとのシステム連携のための作業などです。
Step6. テストと評価
MAツール導入後は、運用テストを実施して問題がないことを確認します。また、定期的なモニタリングと評価を通じて、MAツールの効果や改善点を把握し、運用を最適化していくことも必要です。運用が軌道に乗れば、設定した目標の達成度などもチェックしていきましょう。
Step7. 成果の共有と改善
MAツールを導入したらそれで終わりではなく、成果を組織内で共有して改善につなげることも大切です。マーケティングチームだけでなく、サポートや営業などほかのチームにもMAツールで行った施策を情報共有し、目標と照らし合わせて効果検証を行います。もし結果が出ていなければ、ほかのチームからも意見を募ることで、より効果的な改善施策が実施できるでしょう。
CRMやSFAなどほかのツールと連携しやすい「Zoho CRM Plus」という選択も
近年では、MAツールはCRMやSFAなどほかのツールと統合され一体化したものも登場しており、マーケティングと営業、サポートなどほかのチームとの連携を考えるのであれば、こうしたツールを使うとより簡単に導入が進められます。
全世界1億人以上のユーザーに利用されるZohoが提供する統合パッケージ「Zoho CRM Plus」には、リード情報の収集・分類、リードナーチャリング、メール配信、Web訪問者のトラッキング、施策管理・分析、マーケティングアトリビューション(マーケティング施策が成約にどのように貢献したかを把握する分析手法)、Google広告連携といったMA機能が搭載されています。
「Zoho CRM Plus」は、導入計画を立てる、無料トライアルで機能を試す、必要に応じてZohoスタッフに相談するという3ステップでの導入が可能です。MAの導入をお考えなら、「Zoho CRM Plus」もぜひご検討ください。