Zoho CRM は、常に製品をアップデートし、ツール全体の機能向上とCRM市場の最先端であり続けるために、日々努力しています。最新機能を通じて、すべてのユーザーに便利な機能と快適なユーザビリティを提供すべく、Zoho CRM は2022年 秋冬にもアップデート。今回はZoho CRM に新たに加わる数々の新機能を簡潔にご紹介します。
Zoho CRM の新機能の変遷(リリースノート)詳細はこちら。
オムニチャネルコミュニケーション
標準の電話連携における通話メニュー機能を強化
(この機能は、2023年1月現在日本での提供は行われていません。)
Zoho CRM は電話連携の機能をさらに強化。電話メニューに2つの機能を追加しました。
新機能は以下の通りです。
- 進行中の通話の表示 - 「通話時間」、「通話を開始した人」、「電話番号がCRMアカウントの見込み客または顧客に関連付けられているか」といった追加情報とあわせて、進行中のすべての通話の一覧を表示します。
- 対応待ちの通話一覧 (キュー) の表示 - すべての着信通話と、キュー内にある着信の待機時間を確認可能に。誰からの電話を着信しているのかいつでも把握できます。
Zoho CRM と WhatsApp Businessの連携
月間アクティブユーザー数20億人を誇るWhats App。そのうち約1億7500万人のユーザーが、このアプリケーションを通じて企業とのコンタクトに利用しています。この無数の顧客が利用するプラットフォーム上でより良い顧客体験を提供することにより、企業はビジネスを広く展開していくことができます。
Zoho CRM とWhatsApp Business との連携により、ビジネスに新たな突破口が開かれました。既存のFacebook ビジネスマネージャアカウントを使うか、新規アカウントを作成して、Zoho CRM と直接 WhatsApp Business を連携することができます。
- 受信メッセージを常時把握 - 興味を持った見込み客や顧客が Whats App を通してコンタクトを取ると、Zoho CRM の セールスシグナル を通してリアルタイムに通知します。
- 便利な会話管理 - 顧客からのよくある質問に対して定型文を設定。状況に応じてパーソナライズされた返信を送信したりするなど、会話を効率的に処理できます。
- 重要資料をワンクリックで共有 - 見積書、注文書、請求書など頻繁に共有が行われる資料を使用しているデバイス、Zoho CRMの他、さまざまなクラウドドライブから直接共有できます。
メール用テンプレート
社内や顧客とのやりとりだけでなく、マーケティングにも活用できる最もポピュラーなコミュニケーションツールであるメール。“モバイルファースト”が進む現在は、スマホユーザーを意識したメールを活用することが重要です。
Zoho CRM はこのニーズに応えるためのメール用テンプレートはモバイル端末に対応。Zoho CRM から送信するすべてのメールは、顧客のデバイスに合わせて自動で最適化されるようになりました。
セールスフォースオートメーション
CPQ(コンフィギュア・プライス・クォート)の試験運用を開始
今やブランドと顧客とのコミュニケーションの質は、パーソナライズ化のレベルによって判断されます。これは、ナーチャリングや顧客とのコミュニケーション、さらには見積書などの重要な資料を作成・提供する方法など、顧客とのエンゲージメントプロセスのあらゆる側面に当てはまります。
営業プロセスの幅広い自動化を支援するZoho CRM ですが、これまで物足りなかったものがあったことでしょう。それこそ、パーソナライズされた見積書をすばやく作成・提供する機能です。
そこで、Zoho CRM では新たに、CPQを運用開始。正確かつパーソナライズされた見積もりを顧客に提供することで、販売サイクルを加速し、商談成立のチャンスを最大化します。
- 構成 - 商品リストと組み合わせることで、顧客のニーズに合わせて簡単に見積書に取り込めます。
- 価格 - 提供するさまざまな製品の価格設定ルールを定義。フラットまたはスラブベースの価格設定、直接または数量ベースの割引、さらには見積書に追加された製品に基づいて含める必要のある無料サービスなどです。
- 見積書 - システムで設定した商品と価格に基づき、パーソナライズした見積書をすばやく正確に作成します。
Zoho CRM の CPQ は、試験的に導入されています。最初のフェーズでは、Zoho CRM エンタープライズプラン、または標準の在庫タブを使用しているお客様がご利用いただけます。
この機能を試される場合は、 忌憚のないご意見をお聞かせください。この機能を継続的に改良し、お客様のニーズに対応できるよう改善していきます。
スコアリングルールのカスタムタブ対応
複数のスコアリングルールを作成できるようになったことで、企業は見込み客や連絡先に対して複数の独自のスコアリングモデルを自由に構築可能に。これにより、異なる部門でも簡単にエンゲージメントのスコアリングと優先順位付けを行えるようになりました。さらに、カスタムタブのサポートにより、独自のスコアリングモデルをカスタムタブにも利用できます。
選択リスト値の並び替えの優先順位
選択リスト値は、顧客から特定の情報を収集したり、CRMで重要な情報を記録するための優れた選択肢です。
選択リスト値を最大限に活用するために、選択リスト値に基づいて、入力順とアルファベット順の2つの方法でデータを並べ替えられるようになりました。
この並び替えオプションは、データの作成と編集、リストビュー、レポート、およびダッシュボードで使用できます。
ブループリントの並行推移のサポート
特定のプロセスを一貫して繰り返し行うことは、優れた顧客体験とビジネスの成功に不可欠です。ブループリントは、拡張性のあるプロセスを構築し、プロセスの各ステップで見込み客や顧客に十分な注意を払い、全ユーザーのタスク遂行を保証するためのツールです。
より包括的で効率的なプロセスを実現するために、ブループリントに並行推移を導入しました。
2つのステータスの間に、ユーザーまたはチームが実行する異なる複数の遷移を並行して設定可能に。すべての並列遷移が完了したときのみ、データは定義した新しいステージに移動します。これにより、より包括的なプロセスを構築し、プロセスの異なるステージ間でのアクションをよりよく制御できます。
注:
この機能は、段階的に利用可能になる予定です。ルックアップ項目のフィルター対応
異なるタブ間のデータを簡単にリンクできるZoho CRM のルックアップ項目。今回のアップデートでは、さらにコントロール性を高め、より簡単にリンク可能にするために、ルックアップ値を選択する際のポップアップメニューにフィルターを導入しました。
これにより、ルックアップ値を用いて関連付けをしたいデータを選択する場合、特定の値または値の組み合わせを使ってフィルタリング。要件に一致する関連データをすべて見つけてから適切なデータと関連付けることが可能になりました。ユーザーは調べるべきデータを簡単に見つけることができ、データを関連付ける際の手間を大きく省けます。
より細かいセグメンテーションのための基準をサポート
購入後の顧客との一貫性があり、パーソナライズされたやり取りを管理することは、長期的な顧客維持のカギ。Zoho CRM のRFM 分析機能を利用したセグメンテーションを行うことで、最も価値のある顧客から最もリスクのある顧客まで特定できるようになりました。
この情報をもとに、パーソナライズしたキャンペーンやオファーを作成。満足度の高い顧客にはより多く購入してもらえるように、休眠顧客や離反の可能性がある顧客にはもう一度利用してもらえるよう誘導できます。
さらに、顧客を絞り込むためのセグメント機能も追加。Zoho CRM の集計対象タブの情報をセグメントの基準として使用可能になりました。顧客セグメントをより細かくコントロールすることで、購入後の顧客へより効果的なアプローチを行える機会や手段を増やします。
Zoho Finance タブによるセグメンテーションのサポート
顧客のセグメントでの集計対象タブのサポートに加え、集計対象タブ使用時にさらに自由度の高いコントロールを行えます。
CRM の多くのタブに加え、Zoho Finance スイートと連携することで作成されたZoho Finance タブの情報もセグメント作成時の集計対象タブで使用可能に。顧客の購入履歴や決済履歴を直接利用して、より適切なグループに顧客を分割し、各セグメントに対して高度にパーソナライズされたクロスセル、アップセル、再エンゲージメントのキャンペーンを行えます。
Apple とAndroid 各タブレット端末用ブラウザでの差し込み文章機能
移動が多い営業にとって、パワフルな機能を手元で利用できることは重要です。特に重要なのが、見積書、請求書、契約書、その他の重要文書を、クリックひとつで見込み客や顧客へパーソナライズされた文書で送信できることです。
これらの機能が、今回のアップデートにより携帯電話やタブレット端末などのデバイスで可能になりました。Zoho CRM では、差し込み文章テンプレートの作成と管理、文書の差し込み、差し込み後の必要な操作の設定を、モバイルデバイスのブラウザでも同じく手軽に実現。
パーソナライゼーションを手のひらで楽しめます。
失注の原因フィールド
「人生とは、どれだけ打たれ強いかではなく、どれだけ立ち直れるかだ」とはある賢者の言葉。たしかに、人生にもビジネスにも間違いや失敗はつきものですが、最も重要なのは、何が悪かったのかを見極め、その失敗から学べるかどうかです。
ビジネスでは、商談ごとに勝ち負けがありますが、商談を失敗させるさまざまな理由を特定し、文書化することが重要です。今回のアップデートでは、Zoho CRM に従来から備わっていた「失注の原因」項目が選択リスト項目へ。これにより、商談に影響を与えたと思われる理由を幅広くリストアップし、選択することができます。
これにより、どの要素が他よりも多いかを体系的に測定・分析し、対策を行えるように。この項目を選択リストにすることで、失注の原因に基づいてデータをフィルタリングして、より詳しく調べたり、それぞれの失注の背景にある原因を理解することもできます。
データ共有の強化
コラボレーション、重要な情報へのアクセス、チームの最新情報の維持など、さまざまな理由で、CRM のデータを他の役職や、ユーザーグループ全体で共有しなければならないことがあります。
- 条件ベースのデータ共有ルール - 条件ベースの共有ルールでは、特定の条件に基づいて共有ルールを作成でき、特定の条件またはデータの所有者に基づいて、CRM 内の他の役職またはグループと必要なデータを正確に共有するルールをより柔軟に設定可能に。より自動化することで、業務の精度を高めるだけでなく、業務効率も上げられます。
- 役職やユーザーグループとのデータの共有 - 機能が強化された最新版では、特定の役職や大きなグループと共有したい特定のデータがある場合、共有することも可能。これにより、Zoho CRM アカウントに定義されている異なる役職やユーザーグループと共有するデータを個別に選択できます。
ユーザーエクスペリエンス
キャンバスパレットの拡張
企業がZoho CRM を使いこなせるようサポートする画期的な機能「キャンバス 」。これにより、Zoho CRM の外観と雰囲気をさまざまな役割や業界のニーズに合うようにカスタマイズ可能に。よりパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを提供でき、組織全体により浸透しやすくなりました。
私たちは、この画期的な取り組みを改良するために、常に機能拡張や改良に取り組んでいます。
- キャンバスの画像サポート - 専用の画像要素が追加され、単にURL経由ではなく、デバイスから直接画像をアップロードできるように。また、「マイイメージ」タブからは、キャンバスに追加したすべての画像にアクセスできるので、異なるタブでの再利用も可能です。
- キャンバスでのコンポーネントの追加と再利用 - 異なるタブ間の似たようなセクションのために気に入ったデザインを再作成するのは大きな手間。そこで、特定の要素デザインを「再利用する要素」として保存し、異なるタブやテンプレートで再利用できるようになりました。
- キャンバスのプリセットにスタイルを追加 - この機能を拡張して、キャンバスのさまざまな要素を追加。異なる要素に対して好みのスタイルを作成した場合、これをプリセットとして保存し、異なるタブ間で同じ要素に使用可能に。
ボタンひとつでカスタマイズできます!
メール作成 UI の強化
Zoho CRM でのメールの書き方や送り方に劇的な変化がもたらした、2021年のメール機能のアップデート。メール作成ウィンドウのフローティング、フォントスタイルとサイズのプリセット、メールアドレスや署名、Zia のスペルチェックとオートコンプリートなどは、この1年間で追加された最新の機能の一部です。
今回のアップデートでは、上記に加えてメール作成ウィンドウのサイズを自由に変更・移動して、CRM のデータを参照しながら簡単にメールを作成することができるようになりました。さらに、添付ファイルセクションを折りたためられるため、メール作成ウィンドウに余裕を持たせて作業できます。
ここまでお読みいただきありがとうございました
ビジネスのやり方を変えるような新機能や、よく使う機能の拡張で、楽しみにしていたものがありましたでしょうか。今回のアップデートで、皆さんが探していたものが見つかれば幸いです。
以上で今回の発表を終了します。Zoho CRM のこれらの新機能を、皆様にお試しいただくことを期待しています。ブログのコメント欄やソーシャルメディアを通じて、皆様のご意見をお聞かせください!