2024年が始まり数ヶ月が経ちましたが、Zoho CRMは新たなアップデートを実施しました。これにより、皆様のビジネス獲得および提供されるカスタマーエクスペリエンスが一層向上することでしょう。
目次
- 他ツールへの自動処理がさらにスムーズに
- 営業の勝ち筋フローを構築するキオスク機能
- 営業フォローをもっとパワフルにするケイデンス
- 見積支援ツール(CPQ)を強化
- 会計年度の管理を強化
- 売上 予測で担当者が自分で目標を設定できるボトムアップ予測を提供
- 項目へのデータ入力でリッチテキストが使用可能に
- 複数通貨の機能をアップデート
- Webフォームの公開方法や送信後の処理を強化
- ポータルへの登録フォームを作成できるように
- サブフォームの集計項目で使用できる処理を強化
- メールストレージの管理がよりスムーズに
- メール到達率の改善と監視
- 複数の連絡先とのメールを取引先で確認できるように
- [仕入先タブ]からメール送信が可能に
- メールリレーにOAuth認証を追加
- 安全にサポートへアクセスを付与できるように
- データ移行で[サービス]と[予約]タブが利用可能に
- 解約予測がGoogle Analytics 連携に対応
- 活動の異常を通知
- 顧客の声分析(VOC)を強化
- 目標達成要因分析がより分かりやすく
- Zia の画像検証を強化
- データの相互関係を可視化するデータモデル機能
- 複雑なプロセスを整理する - サーキット
- Zoho CRMから必要なデータを取得する新たな手法 - GraphQL
- Zia(AI機能)を強化
- カレンダー機能を強化
- その他、一般的な機能アップデート
- 最後に
他ツールへの自動処理がさらにスムーズに
他ツールとの連携は、プラグアンドプレイ型*1と開発型*2の2種類があります。
*1 プラグアンドプレイ型:コンピューターやシステムと他のシステムや機器などが自動的に接続されて、すぐ使えること。
*2 開発型:開発者が連携を設計し、プログラムすること。APIを使用して、連携を構築する。
Zoho CRM で提供しているプラグアンドプレイ型の連携は限定的であり、すべてのニーズにお応えすることができていません。そこで、開発者でなくてもご自身で簡単に連携を作れるようにしました。
自動処理の設定が簡単に行えるワークフロー機能に[Zoho Flow による処理]を追加することで、プログラムを行わずに連携することを実現しました。
ご利用方法:[設定]から[ワークフロールール]に移動し[ルールを作成する]からワークフローを作成できます。ワークフローで[日時]と [条件]を設定すると、処理を設定するメニューが表示され、ここから[Zoho Flow による処理]を選択します。
営業の勝ち筋フローを構築するキオスク機能
CRMの操作を効率化し、より使いやすくする新機能「キオスク」が登場しました。現場でのデータ入力を簡素化し、頻繁にアクセスする情報を手軽に取得できるようになるなど、業務の効率化に大きく貢献します。
キオスク機能は、Zoho CRMのタブや項目の設計に影響を与えることなく活用できます。また、タブを跨いでデータを登録するフォームのフローを設計したり、ワークフローのようにメールの送信やタスクの作成などの自動処理を設定することも可能です。さらに、作成したキオスクはホーム画面に設置することもできるため、手軽に利用できて非常に便利です。
ご利用方法:[設定]から[キオスク機能]に移動し[キオスクを作成する]を選択します。
営業フォローをもっとパワフルにするケイデンス
リード育成、顧客フィードバック収集、製品やサービスの提供など、さまざまな状況で顧客フォローアップが必要です。このような継続的なエンゲージメントを実現するためには、前回のフォローアップに顧客がどのように反応したかなどに基づいて、それぞれのフォローアップを構築する必要があります。
これを実現するケイデンス機能が提供されました。ケイデンスの主要な機能を以下にてご紹介します。
- 顧客の反応に基づいてトリガーされる処理を自動化し、一人ひとりのジャーニーに応じてフォローアップが実行されるように設定できます。
- 結果に達したデータを自動的に削除し、フォローアップに必要なデータに集中できるようにします。
- メール、電話、タスクなど、複数のコミュニケーションチャネルを使ったフォローアップに対応しています。
- 動的・静的にオーディエンスリストを更新。さまざまな顧客セグメントにも対応しています。
注)この機能は早期アクセス段階にあり、段階的に展開されます。
見積支援ツール(CPQ)を強化
昨年、見積支援ツール(CPQ)がリリースされました。この見積支援ツール(CPQ)を使用すると、見積りに追加する付属商品やサービスを自動的に追加/提案し、異なる条件に基づいて価格や割引を定義することができます。
今回、見積支援ツールに以下のアップデートが実施されました。
カスタムタブとサブフォームに対応
カスタムタブを含むすべてのタブで見積支援ツール(CPQ)を利用できるようになりました。また、見積書タブのサブフォーム以外でも見積支援ツール(CPQ)利用可能になりました。
販売ガイド
見積りの作成に必要な一定の質問事項を事前に定義できる販売ガイドの機能が追加されました。
会計年度の管理を強化
Zoho CRM では、開始月を設定してビジネスの会計年度を設定できるようになっていましたが、より柔軟に設定ができるようになりました。
Zoho CRMでは、会計年度を定義する際に以下7つの会計年度モデルから選択できるようになりました。
- 4-4-5: 4週間・4週間・5週間の3つの期間に分けます。
- 4-5-4: 4週間・5週間・4週間の3つの期間に分けます。
- 5-4-4: 5週間・4週間・4週間の3つの期間に分けます。
この新しいフォーマットは、製造業や小売業などのビジネスに適しています。ここでは、前月だけでなく前年の同じ期間との比較が行われます。会計年度に関連するCRMのその他の側面も、定義した新しい会計年度に合わせて更新されています。カスタム会計年度は364日間しかありませんので、6年間で蓄積された余剰週を選択した会計年度の任意の期間に追加することができます。
新しい会計年度が設定されると、レポート、ダッシュボード、カスタムビューなどは再計算され、データが新しい会計年度に合致するようになります。ただし、会計年度を変更すると予測が削除されます。
売上 予測で担当者が自分で目標を設定できるボトムアップ予測を提供
予測の柔軟性と正確性を向上するため、「ボトムアップ予測モデル」を提供しました。
個々のユーザーが自身で現実的な目標を定義し、マネージャーまたはCRM管理者に承認、拒否、または修正をしてもらう方法で予測を構築できるようになりました。ここで設定された目標は、組織全体の予測を定義するためにまとめられます。目標の設定や更新を個々の担当者に割り当てることができ、承認されるとロックされ、その金額は全体の予測データにまとめられます。
項目へのデータ入力でリッチテキストが使用可能に
強力な書式設定オプションを活用して、フィールドを強化する
フォントスタイル、色など、リッチテキスト書式を使用できるようになりました。箇条書きや番号付きリストを使用して読みやすさを向上させたり、テキストを太字、斜体、下線付きで強調したり、打ち消し線を使用して変更点や更新点を簡単に示すこともできるようになりました。
注)この機能は早期アクセス段階にあり、段階的に展開されます。
複数通貨の機能をアップデート
通貨の管理に以下のアップデートが実施されました。
- 複数通貨が無料トライアルでも利用可能に
Zoho CRM の無料トライアルではこれまで複数通貨の機能をご利用いただけませんでしたが、今回のアップデートにより利用できるようになりました。 - 権限に応じた通貨管理
管理者に限定せず、特定のユーザーにも複数通貨を設定する権限を付与できるようになりました。 - ステータスで通貨をフィルターできるように
ステータスで通貨をフィルタリングできるようになりました。 - 通貨の詳細とログ
Zoho CRMに設定されている最新の通貨や変更履歴のログを追跡できるようになりました。 - 無効化された通貨の制限
通貨を無効化すると、データを登録する時にその通貨が利用できないこと、お気に入りの通貨が置き換えられること、およびすべての記録作成アクションがホーム通貨に置き換わることについて通知されるようになりました。
Webフォームの公開方法や送信後の処理を強化
これまでにも貴社のWebサイトにはWebフォームを埋め込んで利用することができましたが、今回のアップデートによって、以下の公開方法に対応しました。
- Webフォームリンクの発行
Webフォームが完成したら、メール、ブログ投稿、ソーシャルメディア投稿、その他のメッセージングツールを介して共有できるリンクを生成できます。これにより、ウェブページにフォームをホストせずに顧客データを収集できます。
- QRコードの発行
WebフォームのQRコードを生成して、顧客がOOH広告、印刷広告、会議、イベントなどを通じて簡単に対話できるようにしました。顧客は単にコードをスキャンしてフォームにアクセスし、データを提出できます。
これらに加えて、送信後のアクションにもアップデートが行われました。これまでは、フォーム送信後に特定のURLにリダイレクトする設定のみが行えましたが、送信後に御礼ページへ案内したり、メッセージを表示したりすることができるようになりました。
ポータルへの登録フォームを作成できるように
ポータルは、パートナーやベンダーなどの外部メンバーがZoho CRMの特定情報にアクセスできるように招待する機能です。最近のアップデートにより、ポータル機能が大幅に強化されました。
ポータル用の専用サインアップフォームを作成し、Webページにホストすることができるようになりました。また、サインアップ時にウェルカムメールを自動で配信することも可能です。もちろん、セキュリティを確保するために、顧客はポータルにアクセスする前にOTPでアクセスを認証する必要があります。
また、A/Bテストなどフォームのパフォーマンスに関する詳細な分析を表示することもできます。組織がポータルユーザーの最大割り当てに達した場合、新しいサインアップを別のビューで追跡することができます。これにより、どの顧客がどれだけのポータルアクセスを待っているかを監視できます。
ご利用方法:[設定]に移動し、[チャネル]セクションの[ポータル]に移動し、登録フォームを作成したいポータルを選択します。画面右中央のアイコンから[ポータルへの登録フォームの管理]を選択し、[ポータルへの登録フォームを作成する]ボタンを押下します。
サブフォームの集計項目で使用できる処理を強化
サブフォームの集計項目では、以下3つを利用できました。
- 標準的な集計処理 - SUM(合計)、AVERAGE(平均)MAXIMUM(最大値)、MINIMUM(最小値)など、一般的な関数を適用します。
- 数式による集計処理 - ご自身で数式を設定します。
- 手動入力 - 値を手動で入力します。
今回のアップデートにより、集計項目で上記に加えて以下の2つが利用できるようになりました。
- 条件に基づく集計処理 - 特定の条件や基準を設定して、最も関連性のあるデータをフィルタリングして優先的に集計できます。システムはこれらの条件を満たすデータのみを集計します。
- 異なるデータビュー - データの種類に応じて集計を実行します。
メールストレージの管理がよりスムーズに
メールストレージは現在、組織ごとに500 GBまたはユーザーごとに5 GBの上限が設定されています。このストレージには、CRM内から送信されたすべてのメールが含まれます。ユーザーのメールボックスから送信されたメールの場合、ストレージはPOPユーザーの場合、メールの内容と添付ファイルが考慮されます。一方でIMAPユーザーの場合、メールの内容のみが総合ストレージにカウントされます。
このストレージ管理を効率化するため、2つの新しいビューが追加されました。
- 管理者ビュー
組織の管理者は、組織全体のメールストレージを使用とユーザー個人の使用を確認できます。このダッシュボードから、不要なメールを削除したり、ユーザーにメールを削除するよう通知を送信したりできます。
- ユーザービュー
ユーザーは、割り当てられたストレージスペースの使用状況を確認し、Zoho CRMから送信したメールや設定したメールボックスからの送信メールを削除するためにこのビューを使用できます。
注)この機能は早期アクセス段階にあり、段階的に展開されます。早期アクセスをご希望の場合は、こちらよりリクエストを送信ください。
メール到達率の改善と監視
Google / Yahoo! の一括メール配信に関するガイドラインの更新に準拠するため、Zoho CRM のメール配信機能に以下のアップデートを実施しました。
- ドメイン認証を必須化
Zoho CRMから送信されるすべてのメールは、認証されたドメインに関連付けられたメールアドレスから送信されます。ドメインのDNS設定に必要なSPFとDKIMファイルを追加すると、メール送信ドメインが正常に認証されます。
バウンス管理を強化
バウンス管理のプロセスを効率化しました。これまでのソフトバウンスやハードバウンスの分類ではなく、一時的なバウンスと永続的なバウンスに分類されます。また、バウンスによって一時的にブロックされたメールアドレスを直接解除することもできます。(永続的にブロックされたメールアドレスを解除するには、Zoho CRMのサポートチームに連絡する必要があります。)
- メールの信頼性に関するダッシュボード
迷惑メールの苦情やバウンス率を監視し、Zohoの推奨事項を利用してメール送信プラクティスを改善することもできるダッシュボードを提供しました。アカウントには、一定期間に蓄積された迷惑メールまたはバウンスの苦情に基づいてスコアが割り当てられます。これにより、信頼性が低いアカウントも特定できます。
複数の連絡先とのメールを取引先で確認できるように
これまで、1つの取引に対して1人の主要な連絡先を関連付けることしかできず、この連絡先とのメールやり取りのみを追跡することができました。
今回のアップデートにより、取引先に関連付けられた複数の連絡先でもメールをマッピングできるようになりました。これにより、取引先に関連付けられた連絡先とのすべてのメールややり取りを一元管理できます。メールをフィルタリングすることも可能です。
[仕入先タブ]からメール送信が可能に
Zoho CRMの仕入先タブがメール機能に対応しました。これにより、仕入先タブからのメール送信や受信など管理できるようになりました。
関連リストで仕入先とのメールを確認するしたり、一括メールや送信結果のレポートを表示することも可能です。もちろん、仕入れ先のメール配信オプトアウトも管理できます。
メールリレーにOAuth認証を追加
OAuthを使用した高速で安全な電子メールリレーの認証
メールリレーを利用することで、メールを自社のサーバーを経由して送信することができるようになります。これにより、Zoho CRMから送信するメールが誤ってラベル付けされたり、迷惑メールとされることなく、顧客に送信できます。
今回のアップデートにより、メールリレーの設定が簡素化され、かつOAuth認証を導入しました。これにより、メールサービスプロバイダーのOAuthにログインして、直接リレーサーバーを設定できるようになりました。
サービスプロバイダーオプションも追加されています。このオプションを選択すると、OAuthの資格情報またはパスワードを使用してログインするように求められます。
ご利用方法:[設定]に移動し、[チャネル]セクションの[メール]から[メール到達率の向上]を選択し[メールリレー]を押下します。
安全にサポートへアクセスを付与できるように
トラブルシューティングプロセス全体を効率化するために、サポートアクセスという新しい機能を導入しました。これを有効にすると、Zohoの開発者やサポート担当者に、一時的かつ安全なアクセスを提供できます。
一時的なアクセスを付与する期間を定義できます。サポートアクセス機能を有効にすると、その瞬間から期間が開始されます。いつでもアクセスを取り消すことができます。
(注)割り当てられたZohoの開発者やサポート担当者は、ライセンス数に影響を与えないように隠れたユーザーとして追加されます。サポートユーザーのアクションには様々な制限がありますが、詳細はこちらで確認できます。また、操作の履歴は監査ログに記録されます。
ご利用方法:[設定]に移動し、[セキュリティ管理]セクションの[サポート用アクセス]を選択します。
データ移行で[サービス]と[予約]タブが利用可能に
データの移行オプションで[サービス]と[予約]タブが利用できるようになりました。このアップデートは2つのZoho CRMアカウント間でデータ移行を行う際に役立ちます。
移行を行う際に確認すべきポイントや設定について、詳細はこちらを参照ください。
解約予測がGoogle Analytics 連携に対応
Zia の解約予測がGoogle Analyticsと連携できるようになりました。これにより、Ziaが顧客のオンライン行動を分析・学習し、リスク要因を特定し、離脱の可能性がある顧客をより正確に予測して、顧客の行動をより包括的に分析して判断できるようになりました。
活動の異常を通知
Zoho CRMは通常の傾向と異なる状態を検知して通知します。例えば、リード数が減少していたり、フォローアップの遅滞なども検出して通知します。
今回のアップデートにより、Zia が設定をしなくてもこうした重要な以上を自動的に識別して通知します。
顧客の声分析(VOC)を強化
顧客の声分析(VOC)は、顧客をより深く理解するのに役立つ機能です。CRM内の受信メールや通話、さらにはアンケート結果(Zoho Survey)やカスタマーサポートチケット(Zoho Desk)を分析して顧客の声(VOC)を抽出します。具体的には感情、意図、キーワード、競合他社の言及、RFM分析に基づく顧客セグメント、予測分析などを提示します。
今回、Zoho CRM の顧客の声分析(VOC)機能に以下のアップデートが実施されました。
- ソーシャルメディアやメモから取得
ソーシャルメディアやメモからも顧客の声を取得できるようになりました。
- ダッシュボードを作成
グラフを編集したり、既存のダッシュボードをカスタマイズすることはもちろん、カスタムダッシュボードを作成できるようになりました。
- ワークフローの処理を実行する条件に指定
顧客の声分析で取得したキーワードに基づいてワークフローを実行できるようになりました。これにより、顧客が会話で特定のトピックやキーワードを持ち出した場合に、それに反応するアクションを実行できます。
ご利用方法:顧客の声分析を利用するには、あらかじめこの機能を有効にする必要があります。[設定]に移動し[セキュリティ管理]セクションの[権限]で、目標達成要因分析を利用するユーザーの権限を選択します。 [顧客の声分析]に表示されたメニューを有効にします。
※ 顧客の声分析のダッシュボードは、Zoho CRMのエンタープライズプランまたはアルティメットプラン、Zoho CRM Plus、Zoho One のいずれかを利用中で、かつユーザーライセンス数が20以上の組織でのみ利用できます。
目標達成要因分析がより分かりやすく
Zia の目標達成要因分析は、ビジネスの成長を支える担当者など成長要因を詳細に把握できる機能です。また、この機能は成長を妨げている要因を特定することもできます。
ここで提示される成長/妨げの要因は個別にリスト化され、1つずつ選択して確認する必要がありました。
今回のアップデートにより、Ziaがパターンを特定し、目標への貢献と異常検出に分類して表示されるようになりました。これにより、より分かりやすく成長/妨げの要因を特定できるようになります。
ご利用方法:目標達成要因分析を利用するには、あらかじめこの機能を有効にする必要があります。[設定]に移動し[セキュリティ管理]セクションの[権限]で、目標達成要因分析を利用するユーザーの権限を選択します。 [Zia]の[目標達成要因分析]を有効にします。有効にするとタブに[目標達成要因分析]が追加されます。
※ 目標達成要因分析は、Zoho CRMのエンタープライズプランまたはアルティメットプランを利用中であり、かつ21以上のユーザーライセンスを購入している組織でのみ利用できます。
※ 組織の目標を評価するためには、最低でも1年間に5000件の記録が必要です。
Zia の画像検証を強化
これまでの画像検証では[照合]と[検出]が行えました。[照合]では、画像の色、デザイン、品質などに一致するかを確認します。また、[検出]では、関連する画像を自動的にAIが探します。
今回のアップデートにより、この[照合]と[検出]の両方を実行する検証オプションが追加されました。
これらの両方を単一のルールで行うオプションを追加しました。これにより、参照画像と完全に一致し、かつ検出(または未検出)された画像を検出できるようになりました。
これにより例えば、ノートパソコンの画像で照合を行い、かつウェブカメラ、トラックパッドが備わっている商品の画像を検出することも可能になりました。
ご利用方法:[設定]に移動し、[Zia]セクションの[画像検証]を選択します。[利用を開始する]ボタンを押下し、[検証の種類]から照合のみ/検出のみ/照合と検出の検証オプションを選択できます。
データの相互関係を可視化するデータモデル機能
Zoho CRM に設定したタブ、項目、サブフォーム、選択リストなどがどのように相互に関係しているかを明示するデータモデル機能をリリースしました。
すべての相互関係を表示するだけでなく、その関連性を詳しく確認したり、強調表示することもできます。線の表示で一対多・一対一などの相互関係も確認できます。
また、開発者モードでは、タブと項目のAPI名、項目のデータ形式なども確認できます。詳しい情報はこちら(英語のみ)を参照ください。
ご利用方法:[設定]から[開発者向け情報]の[データモデル]にアクセスします。[生成する]ボタンを押下すると、自動的にデータモデルが生成されます。
複雑なプロセスを整理する - サーキット
現在のカスタム関数の課題は、それらがモノリシックである(がっしりとかたまっている)ことです。つまり、複数の操作を行う1つの壮大なカスタム関数を作成することになりますが、メンテナンス、再利用、デバッグが困難になる可能性があります。
この課題を解決し、CRMでのカスタム関数を使用した複雑な操作を簡単に構築および調整できるようにするためにサーキット機能を提供しました。これは、開発者が状態遷移(ステートマシン)の形式でカスタム関数を実行したり、これをマイクロサービスやカスタムアプリケーションに拡張したりすることができるようにします。 サーキットには以下のような機能が含まれています。
- カスタム関数の調整
サーキットで状態遷移(ステートマシン)にカスタム関数を利用することができます。これにより、複雑なビジネスシーンでの利用ニーズに柔軟に対応することができます。 - 問題のデバックを容易に
各状態の実行/エラーのログを詳細に表示。失敗の原因が特定しやすいため、問題のデバックがスムーズに行えます。 - エンジニアも使いやすい
サーキットでは、基本的なJSONも利用できます。 - 既存の自動化との連携に対応
作成したサーキットは、ワークフロー、カスタムボタン、ブループリントと関連付けて実行することができます。
Zoho CRMから必要なデータを取得する新たな手法 - GraphQL
Zoho CRMからデータを取得する際にREST APIを使用するだけでなく、GraphQLを使用できるようになりました。
GraphQLを使用する最大の利点の1つは、取得したいデータを具体的に指定できることです。これにより、転送されるデータ量が大幅に減少し、帯域幅を効率的に利用できます。また、単一のクエリで複数のリソースを取得できるため、必要なデータを取得するためのAPI呼び出し数を減らすことができます。
もう1つの利点は、CRMデータのスキーマを取得できることです。これにより、必要なデータを取得するために実行する正確なクエリを特定できます。クエリ内で条件を定義したり、データを必要に応じて並べ替えたりすることもできます。
注)GraphQL は、Zoho CRMのアルティメットプランで利用ができます。
Zia(AI機能)を強化
- データ補完の対応範囲が拡充
すべての標準・カスタムタブでZohoのAI機能Zia によるデータ補完が利用できるようになり、利用できる項目数も拡充されました。 - 競合ウィジェット
顧客とのコミュニケーションで競合に関する言及を追跡できる競合ウィジェットが提供されました。タブで競合ウィジェットを利用したスマートフィルターを利用し、競合に関する言及をしている顧客を抽出することもできます。 - 競合に関するワークフロー
顧客が競合に対して言及をしたことをトリガーとして、メールを送信したりキャンペーンを適用するなどのワークフロー処理が行えるようになりました。 - [Zia に質問]での検索サジェスト
検索キーワードを入力すると、Zia がCRMが使用されている状況などに応じて適切なクエリを提案します。 - Zia アナリティクスのプレゼンテーション機能を強化
Ziaは、CRMの使用状況を理解し、プレゼンテーション用の要素を追加することができます。具体的には、特定のダッシュボードチャートやKPI(主要業績評価指標)、VoC(顧客の声)の予測チャート、アナリティクス(分析結果)などをプレゼンテーションに組み込みます。 - 通話のハイライト
Zia は通話の会話内容から重要なポイントをハイライトして強調できるようになりましt。人物、企業、競合名、キーワード、フレーズなどの情報が抽出されます。 - 活動抽出の強化
受信したメールに含まれた活動(通話、会議、タスクなど)や顧客との約束事を判別して抽出できるようになりました。 - メール分析へのフィードバックメカニズム
メールやりとりに対するZIa の判断や提案を改善するフィードバックメカニズムを導入しました。これを利用してZia の分析アルゴリズムを自社に合わせてトレーニングすることができます。 - 分析に対するZia からの提案
Zia はカスタムビューやダッシュボードへのアクセス、市場状況なども分析し、最適な分析を行えるように提案をします。この機能は、新しく追加されたKPIやチャートでも利用できます。 - Zia の戦略インフルエンサー機能を強化
インフルエンサーコンポーネントを作成する際に複数の基準を追加できるようになりました。また、Ziaのインフルエンサーダッシュボードへのアクセスを組織内の他のユーザーに拡張できるようになりました。ユーザーは自分が作成したダッシュボードの基本構成も表示できます。さらに、Ziaの戦略インフルエンサーは複数言語に対応しました。これにより、この戦略インフルエンサー機能はZoho CRMで選択している言語に応じて利用できるようになりました。
カレンダー機能を強化
- Zoho Calendar とZoho Recruit カレンダーとの同期に対応
Zoho CRM のカレンダー機能がZoho Calendar とZoho Recruit カレンダーとの同期に対応しました。 これらのカレンダーで登録された予定がZoho CRMのカレンダーに自動的に反映されます。これにより、予定が入っている状況がZoho CRMにも反映されるようになります。 - タスクの追跡
Zoho CRM のカレンダーでタスクの進捗状況をトラッキングできるようになりました。
その他、一般的な機能アップデート
- コミュニケーションの最適モード
最適な連絡時間帯の提案に加えて、顧客とのコミュニケーションを最適化する案の提示も提供されます。 - 数式項目
数式項目で利用できる関数が追加されました。利用できるすべての関数リストはこちらをご確認ください。
最後に
2024年1月から3月にかけて追加されたZoho CRMの機能アップデートをご紹介しました。現在も、皆様に近日中にお届けする予定の革新的な機能を開発中です。今後もZoho CRM のアップデートにご期待ください。