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CRM/SFA用語集ロングテールとは?

公開日:

2023年3月30日

この記事は6分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

CRM/SFA用語集

ロングテール (Long Tail) とは、インターネット上で商品やサービスが販売される際に、多くのニッチな商品の売上が、いくつかの人気商品に迫る現象のこと。具体的には、AmazonやNetflixのような大手オンラインストアやストリーミングサービスにおいて、大きい売り上げを出す人気の高い商品や配信コンテンツ以外の、一つ一つの売り上げはそれほど多くないものの、多数の種類が存在することで売り上げを積み上げることが特徴です。
この現象が起きるのは、インターネット上の商品販売や情報提供が、物理的な店舗やメディアに比べて格段にコストが低く、多様な品揃えを実現できることが理由として挙げられます。また、ロングテールの商品やサービスは、多様性や個性的なニーズに応えることができるため、需要がある一方で、大手の企業には敵わないため、小規模な企業や個人が有利にビジネスを展開できることもあります。

ロングテール現象が生まれた背景と仕組み

ロングテール現象が生まれた背景として、インターネットの普及やデジタル技術の進化、そして多様な消費者ニーズへの対応が求められるようになったことが主な要因として挙げられます。
インターネットが普及する以前は、実店舗での商品売買が主流で、店舗スペースや在庫などの制限から、売れ筋の商品にってしまい、売れ筋ではない商品が提供されることはほとんどありませんでした。
しかし、インターネット上では物理的な制限がなく、多様な商品を提供することが可能です。さらに、デジタル技術の進化により、コストを抑えながら多種多様な品揃えを実現することができるようになったことも、ロングテール現象を生み出した一因となっています。

ロングテール現象は、需要の多い商品に注力する「ヒット重視の戦略」と、多様な商品を提供し、需要の少ない商品からも収益を得る「ニッチ戦略」とが対比されることによって生まれます。
一般的に、大手企業はヒット重視の戦略を取り、需要の高い商品に力を入れます。一方で、多種多様な消費者ニーズに応えるためには、小規模な企業や個人が提供する多様な商品も必要となります。
そのため、需要の少ない商品でも長期的な観点で累積することにより、多様な商品が存在することでロングテール現象が生まれ総合的な売り上げが向上する仕組みとなっています。

ロングテール現象のメリットとデメリット

メリット

・需要の多様化が可能

ロングテール現象により、需要の少ない商品でも売り上げが積み上がるため、多様な商品を提供することができます。このことが、より多くの消費者ニーズに対応できるため、顧客のリピーター化や着実な売上の確保にも期待できます。

・新しい市場の創出

需要の多様化により、新しい市場を創出することができます。需要の多い商品に注力することが難しい中小企業や個人でも、特定のニッチな市場での需要に応えることができるため、市場の拡大につながる可能性があります。

・売上の向上

需要の少ない商品でも低コストで積み上げることができるため、総合的な売上アップが期待できます。

デメリット

・商品の品質保証

大手企業が提供するような、高品質な商品の提供ができない場合があります。そのため、消費者にとっては、商品の品質が保証されないというリスクがあり、信頼の確保が求められます。

・需要予測が困難

需要が少ない商品は、その需要予測もまた困難な面があります。見込みと大幅にズレが生じると、在庫管理や生産計画にも問題が生じる可能性があります。

・コストの増加

多種多様な商品を保持するため、在庫管理や生産ラインの維持などでコストが増加することがあります。また、必然的に小規模な企業や個人の提供が多いため、認知度が低く、マーケティング関連のコストが高くなることがあります。

顧客管理ツールでかんたんロングテール戦略

ロングテール現象を活用するには、ニッチ市場に的確にアプローチし、そこでの需要を拡大することに焦点を当てたマーケティング戦略が必要不可欠。まずは、顧客情報の管理と合わせて低コストな商品管理が可能なツールの導入をおすすめします。ここでは、顧客管理ツールを使用したロングテール現象の活用法を4つ解説します。

  1. 商品やサービスの購入履歴や興味関心を収集

    顧客管理ツールを利用して、顧客の購入履歴や興味関心のある商品やサービスの情報を収集・管理します。これにより、顧客の嗜好性や嗜好に合わせた商品やサービスを提供することができます。
    ロングテール市場は、ヒット商品よりも需要が少なく在庫の回転率は決してよくありません。在庫過剰にも陥りやすいため、単位あたりの利益を確保しながら、在庫を最適化し、ニッチ市場への的確なアプローチを実現します。

  2. 商品やサービスラインナップの拡充

    顧客管理ツールで収集した情報をもとに、よりニッチなロングテール商品やサービスをラインナップに追加し、顧客のニーズに合わせた商品やサービスを提供することができます。
    ニッチな商品やサービスは、少ないとはいえ確実な需要が見込めることが大きなポイント。これらの積み重ねで、売上アップが期待できます。

  3. SEO対策・商品やサービスのプロモーション

    ニッチな商品やサービスも、顧客管理ツールで収集した情報を活用すれば、適切なプロモーションを行い、需要を喚起することができます。需要の少ないロングテール商品でも、自社の商品やサービスを検索結果の上位に表示したり、適切なターゲットに広告を表示できれば、着実に集客を伸ばし、売上につなげることも可能です。

  4. 商品・サービスの在庫最適化

    顧客管理ツールを利用して、ロングテール商品やサービスの在庫を最適化します。在庫が過剰にならないように、顧客の購買履歴や嗜好性をもとに、在庫量の調整も可能にします。

顧客管理ツール在庫管理ツールサーベイツールを連携できれば、さらに細かく、顧客の嗜好やニーズに合わせた商品やサービスを提供し、顧客満足度の向上や顧客ロイヤルティの向上を実現することができます。

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