KPIとは、重要目標指標(Key Performance Indicator)を意味します。
KPIはバランス・スコアカード(BSC)のフレームワークによって誕生した指標です。市場競争において勝ち抜くために使われる一般的なビジネスフレームワークであるバランス・スコアカードはビジネスを評価したい場合や目標達成までの道筋を整理したい場合に利用されます。
バランス・スコアカードとは、1992年にハーバードビジネススクールの教授 ロバート・S・キャプランとコンサルタント会社社長 デビット・ノーマンが発表した財務、顧客、業務プロセス、学習、成長の4つの視点から戦略を立て、どのように実行できているかを評価するフレームワークであり、多くの企業で利用しています。
バランス・スコアカード(BSC)では、財務、顧客、業務プロセス、学習、成長の4つの視点から課題や目標への道筋を立て、それらが達成されたかをチェックすることで戦略の実現可能性や状況を評価します。
KGI、CSF、KPIの違い
バランス・スコアカードで埋める4つのポイントは以下の通りです。
- KGI(重要目標達成指標|Key Goal Indicator):企業が目指す最終的な定量(数値)目標のこと。例えば、2023年の下半期に事業の利益額 23億円を目指すという場合、利益額23億円がKGIになります。
- CSF(重要成功要因|Crutical Susscess Factor):経営目標を達成するために重要な役割を果たす要因のこと。例えば、売り上げの拡大を戦略目標とする場合、「商品・サービスへの高い満足度(競合・優位性)」「ブランド認知度の競合優位性」などがCSFになります。
- CSF(重要成功要因|Crutical Susscess Factor):経営目標を達成するために重要な役割を果たす要因のこと。例えば、売り上げの拡大を戦略目標とする場合、「商品・サービスへの高い満足度(競合・優位性)」「ブランド認知度の競合優位性」などがCSFになります。
KPIの設定例をわかりやすく解説
KPIを設定するためには、以下のように経営目標を設定してアクションプランにまで落とし込む必要があります。
KPIを設定すべき指標は業界・職種によってケースバイケースです。
たとえばシステム開発の現場において「バグ発生件数」や、「テスト消化件数」をKPIとして設定すれば、納品品質の確保に繋がります。
EC事業者のWebマーケティングでは、「PV数」や「新規登録ユーザー数」がKPIとして設定されやすい指標です。
営業組織においてもKPIはさまざまで、BtoCのアウトバンドコールをしている会社では「テレアポのアポ獲得数」が、十分なインバウンドリードが獲得できている営業部隊・商材の場合は「初回アポイントメント数」や「成約率」がKPIとして選択されることが多いのではないでしょうか。
KPIの設定方法
KPIは以下の方法で設定します。
- KGI(重要目標達成指標)を設定します。
- KGIを実現するための手段を逆算し、必要なアクションプランを洗い出します。
- それぞれのアクションプランで求められる定量(数値目標)を算出し、KPIとして設定します。
- 算定されたKPIを実現するための詳細なアクション内容を洗い出し、実現可能性を確認します。
- 実現可能性に基づき、KPIで定めた数値を調整します。
ITツールを利用したKPIの計測
KPI を設定することは、経営戦略に関わるすべてのスタッフに戦略と日々の活動の意味を示し、組織が一丸となって成長を目指す基本になります。KPIは設定するだけでなくリアルタイムの状況に基づいて計測する必要があります。そのため、その計測にツールを利用することも一般的です。例えば、商品開発部門の対応アクションをプロジェクトで管理して進捗をトラッキングしたり、 CRMツールを利用して営業担当者のKPIをトラッキング することも可能です。また、ヘルプデスクツールを利用して、サポートの応対品質評価を自動で収集したり応対状況を追跡することも可能です。