近年、急速に普及しつつあるのがWebチャットやSNSを用いたオンライン接客。それでもなお、顧客から選ばれ続けるコミュニケーション手段の一つに「電話」があります。
事実、チャットボットや自動送信されるメールは、コミュニケーションを容易にはするものの、電話がもたらす人間味のあるコミュニケーションには及びません。
売上拡大には、まだまだ「人間」の力が必要なのです。
コミュニケーション手段に電話が選ばれる理由
リードとのファーストコンタクトが発生した後、電話連絡はセールスサイクルを好調にスタートさせるまたとない方法です。
Brevet の調査によると、営業担当者の80%が商談後5回のフォローアップコールを行う一方、44%の営業担当者は1回のフォローアップで諦めてしまっているそうです。人々は毎日自動生成されたメールを受け取ることに慣れているので、パーソナライズされた電話は新鮮な空気のようなもので、記憶に残る体験を提供する優れた戦術なのです。
とはいえ、すべての電話による会話が効果的なわけではありません。手短なやりとりは、メールやメッセンジャーアプリで十分です。ただし、じっくりと話をするのであれば、やはり電話です。
このような背景において、電話機がなくても通話を可能にした「クラウドPBX」の登場は画期的と言えるでしょう。
クラウドPBXとは?
これまでオフィス内に設置してあった電話交換機(Private Branch eXchange)を、クラウドで代用するサービスのこと。インターネット環境さえあれば、ブラウザを通して内線・外線通話や転送などが行えるのが特徴です。
従来、オフィスの中に設置していたPBXが必要なくなるため、設置工事にかかるコストや時間だけでなく、設置スペースもいらなくなるなど、さまざまなメリットがあります。
クラウドPBXの主な機能
アナログの電話交換機が備えていた機能に、クラウドならではの柔軟性を加えたクラウドPBX。主な機能として次のようなものがあります。
▼IVR(Interactive Voice Response)
コンピューターによる音声自動応答システムを意味する、Interactive Voice Responseの略称。業務時間外への対応や、定型パターンの問い合わせなどへの対応が自動化できるため業務を効率化できます。
▼ACD(Automatic Call Distribution)
電話の着信を複数いるオペレーターへ割り振る機能。事前に設定したルールに従って、オペレーターに着信を振り分けられるため、顧客の待ち時間を減らす、問い合わせ内容に適したオペレーターを充てられるといったメリットがあります。
▼内線機能
クラウドPBXは、電話回線ではなくインターネット回線を使うため、オフィス内だけでなくオフィス外からも無料で社員間の内線通話が可能。外出が多い営業マンの場合、出先から内線を使って社内のメンバーと内線通話が行えます。
▼外線機能
内線通話だけでなく、外線通話もOK。その際、会社の固定電話の番号を使用して発信・着信が可能です。会社の番号のまま、外出先でも顧客からの着信を受電できるので、折り返し連絡が不要になるというメリットもあります。
▼転送機能
オフィスにいるメンバーが顧客からの電話を受け取った際、外出先の営業担当者へそのまま転送が可能。保留ボタンを押すと通話が保留状態となり、営業担当者の内線番号を押すだけで電話をつなげます。
▼通話録音機能
相手との通話内容を音声データとして記録。顧客とのやりとりを記録することで、会話内容の正確なメモとして活用できるため、後々のトラブルなども回避できます。
▼CRMとの連携機能
クラウドPBXとCRMツールを連携することで、着信した際に相手の名前や企業名などを表示できるだけでなく、相手への発信もCRM上で可能。業務効率化を実現できるため、クラウドPBXを利用する際はCRMとセットで考えるのが一般的です。
営業部門にクラウドPBXを導入するメリット
クラウドPBXは、CRMと統合することで、営業のセールスコールの質をより高められます。営業部門に導入することで得られるメリットは以下のとおりです。
➤ パーソナライズされた顧客対応の実現
リードと通話する際に知っておくべき情報、たとえば氏名や対応中の担当者名、取引状況、過去の対応履歴などをすべて表示。これにより、より説得力を持った会話が可能になります。
➤ 通話履歴を自動記録
手書きや表計算ソフトで対応履歴を残すのはもうやめましょう。
クラウドPBXソフトウェアは、すべての通話履歴を自動でデジタル化。これにより、社内の誰もが各通話に関する詳細情報にアクセスできるようになり、営業担当者が異動や退職する場合にもスムーズに引き継げます。
➤ 通話管理が容易に
通話発信、他部署への転送、通話録音、通話切り替え、保留など、さまざまな操作を数回のクリックで可能に。電話機のボタンを押したり、目を細めて小さな画面を見る必要はありません。
また、通話ログはすべてデジタル化され、アナリティクスによって通話の品質やリードの質を把握。品質評価のための詳細なレポートを簡単に作成でき、長期的に通話を適切に管理できます。
➤ どこにいても、通話の発着信ができる
クラウドPBXがあれば、電話対応のためにオフィスにいる必要はありません。すべての発着信はアカウントにマッピングされるので、スマートフォン、自宅の電話、ノートパソコン、タブレットといったどのデバイスからでも相手に連絡できます。
モバイルを必要とする営業マンにとって、クラウドPBXはいわば救世主。VoIP を利用すれば、どこにいても簡単に営業電話をかけられます。
➤ 拡張性が高い
事業成長に伴い規模を拡大した場合でも、営業担当者はノートパソコンから電話をかけることができるので、電話機等の設備を購入する必要がありません。
➤ 経費を削減できる
クラウドPBXは、従来の電話ネットワークよりも安価に提供されています。
ハードウェアの設置費用、初期費用、保守・修理費用は、サーバー側で処理されるため、ほとんど発生しません。通常、VoIPに切り替えると、企業は平均50〜70%の節約可能に。これらのサービスは通常、従量制のサブスクリプション・モデルで提供されるので、予算が限られている企業にとってはありがたいことです。
まとめ
CRMとシームレスに連携するクラウドPBXをお探しなら、Zoho CRM の電話連携サービスをお試しください。電話をかけてきた相手情報を即座に確認できるだけなく、CRM上での電話の発着信など、必要な機能をもれなく搭載。80以上のPBXプロバイダーとシームレスに連携できるZoho CRM が、貴社の業務効率化をサポートします。