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「BANT」とは?営業が絶対知っておくべきヒアリング手法

公開日:

2023年6月2日

この記事は6分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

「BANT」とは?営業が絶対知っておくべきヒアリング手法

BANTとは?

BANTとは、「Budget(予算)」、「Authority(権限)」、「Needs(ニーズ)」、「Timing(時期)」の頭文字をとった略語のこと。法人営業で、リードの購買意欲を評価するために用いられる営業フレームワークの一つです。「BANT」は、1960年代にIBMが提唱したと言われています。

BANT管理の概要とBANT条件をヒアリングする実際の質問例は以下の通りです。

Noカテゴリー概要質問の例
1Budget(予算)製品・サービスを導入するための予算の金額のこと。予算と検討製品の価格が大きく異なる場合、製品を購入しない可能性が高いため、できるだけ早い段階で確認する必要があります。
  • これ以上費用がかかる場合は検討が難しい、という予算の上限額の目安があれば教えていただけますか?
2Authority
(権限)
決裁権を持つ人物のこと。商談を行う相手が、自社での導入を承認する立場にない場合、営業リードタイムが長引く可能性があります。
  • 御社の意思決定プロセスはどのようなものですか?
  • 次回お打ち合わせの際に、◯◯様(決済者)にもご同席いただくことは可能でしょうか?
3Needs
(ニーズ)
顧客のニーズのこと。どのような課題を抱えていて、製品・サービスの導入でどのように解決したいのかを正確に把握する必要があります。
  • 現在はどのように◯◯を行っていますか?また、行う際に感じている課題感があればぜひ伺いたいです。
4Timing
(時期)
製品・サービスの導入時期のこと。数週間から1ヶ月以内など、直近の導入を予定しているリードもいれば、導入時期が未定のリードも。導入時期を正確に把握することで、リード対応の優先度を適切に設定できます。
  • いつ頃までには運用を開始したい、という目安はありますか?そこから逆算して、今後のスケジュールについてご提案に含めさせていただきます。
  • 現在利用中の他サービスはありますか?(ある場合)契約終了時期はいつ頃でしょうか?

「BANT」を取り入れる際に企業が直面する共通の課題

「BANT」はフォローアップやアプローチの優先度を判断する上で有効なフレームワークですが、複雑な販売サイクルを持つ企業や、組織内に適切な管理環境がない企業では、BANTの導入がやや困難です。
BANTのフレームワークを組織に取り入れる際に問題となる理由は、以下の通りです。

  1. 担当者が顧客にヒアリングしない
    運用開始時に特に起こりやすい課題として、営業担当者がBANTに関するヒアリングを行わない点が挙げられます。トークスクリプトが用意されていない場合や、ヒアリング後のプロセスが曖昧な状態でスタートすると発生しがちです。営業プロセスの各ステージで、何をどのようにヒアリングし、かつどのようにその情報を管理するのかを明確にすることで、課題は解消されやすくなります。
  2. 初回打合せ時に予算が決まっていない
    リードとの初回打ち合わせの段階では、予算取りはこれからで、まだ決まっていないというケースも多々あります。一方、BANTのフレームワークでは、リードから予算を聞き出し、それに基づいて計画を立てることが求められるため、自社の営業活動にはそぐわないケースも。
  3. 条件が厳しすぎる
    BANTでは、4つの条件すべてを満たすことで次のステージに進めるため、柔軟性に欠ける部分も。一方、条件を満たさない状態で無理やり商談を進めても、失注した際にこれまで費やした時間が無駄になってしまうため、慎重に対応することが求められます。

BANTの具体的な活用シーン

insidesales.comが公表したレポートによると、BANTの営業フレームワークを用いて営業活動を行ったチームは、BANTを用いなかったチームと比較して受注率が2.5倍高かったと述べられています。以下は、特に成果につながりやすいBANTの活用シーンです。

  1. より価値のあるリードの特定
    BANTの営業フレームワークを使用すると、予算と承認権限を持つ人物が誰なのかを特定することができます。これにより、営業チームはより早く受注できる可能性の高いリードを見つけ出し、効率的な営業プロセスを実現することができます。
  2. 製品ローンチ時の活用
    BANTのフレームワークは、新製品に興味を持ちそうなリードを特定することにも役立ちます。BANTフレームワークで収集した情報を活用し、ターゲット層にマッチするリードに優先順位をつけることができます。
  3. マーケティングキャンペーンのターゲット設定
    BANTフレームワークで収集したデータを活用することで、企業はキャンペーンに参加しそうなリードを抽出し、アプローチを行えます。これにより、最適なクリエイティブな戦略を用いて、効果的なキャンペーンを展開することができます。
  4. インサイドセールスのヒアリング項目
    インサイドセールスのヒアリング項目としてBANTがのフレームワークを活用することで、どの見込み客に重点的にアプローチすべきかを明確にすることができます。これにより、インサイドセールスにおける効率化と成果の向上が期待できます。

BANTはもう古い?CHAMPやFAINTとの違いとは

BANTのフレームワークは、1960年代に提唱されて以来、数十年にわたって使用されてきました。しかし、近年の販売環境の変化により、その有用性に疑問を持つ人も。特に、現代の顧客行動やビジネス環境は複雑化しており、単純な購買要件だけでは顧客を十分に評価することができない場合があります。

また、近年では、より包括的で総合的なアプローチを提供するフレームワークが登場しています。例えば、CHAMPやFAINTなどがあります。これらのフレームワークでは、顧客の課題や関心、資金も考慮に入れることで、より深い理解と評価が可能となります。

ただし、BANTのフレームワークは依然として一部の企業や業界で有用なツールとして使用されています。特に、単純な購買プロセスや小規模な取引においては、BANTの要素が有効な判断基準となることがあります。

総じて言えば、BANTのフレームワークは古くなったわけではありませんが、より包括的な視点を持つ新たなフレームワークが登場しているため、状況やニーズに応じて適切なフレームワークを選択することが重要です。

BANT管理には「Zoho CRM 」がおすすめ

BANTをより効果的に活用するためには、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)などの導入がおすすめです。CRM/SFAを導入すると、顧客からヒアリングしたBANT情報を集約して一元管理できます。また、「BANT」は欧米で生まれた手法であり、欧米ではSFAやCRMを使った「BANT」管理が一般的です。そのため、CRMやSFAを初めて導入する企業には、世界中で25万社以上が利用している『Zoho CRM』をおすすめします。

『Zoho CRM』は、CRM、SFA、MA(マーケティングオートメーション)の3つの機能が統合されたCRMツールです。Zoho CRM を活用することで、BANT管理を効率化できるだけでなく、業務自動化やレポート分析などの営業活動全体の効率化が期待できます。

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