潜在顧客とは?顕在顧客と見込み顧客との違い
潜在顧客とは
潜在顧客とは、まだ商品・サービスが必要であると感じていない顧客のことです。商品・サービスを知らない場合も、知っている場合もあります。彼らは商品・サービスについて直接的な行動を起こしていませんが、自社の商品・サービスにつながる何らかの課題を感じているため、自社の顧客となりうる可能性を「潜在的に秘めている」といえます。例えば、企業への弁当配達事業を展開する企業にとって、社員食堂がない企業は潜在顧客です。
顕在顧客とは
顕在顧客とは、潜在顧客と対照的に、商品・サービスを購入・利用したことがある顧客のことです。さらに、まだ購入・利用したことがなくても、その商品・サービスについて自分の課題を満たすものだと知っている状態も含みます。例えば、企業への弁当配達事業を展開する企業にとって、社員食堂に代わる福利厚生として弁当配達会社を調べている企業は顕在顧客です。
見込み顧客(見込み客)とは
潜在顧客・顕在顧客と関連してよく使われる「見込み顧客」とは、企業にとって購入や利用について「見込みがある」顧客です。どの段階から見込みがあるかは企業がどう定義するかによって異なりますが、潜在顧客も一部含むことがあります。例えば、弁当配達事業の会社が弁当の展示会に出店したとき、展示会場が近くにあるというだけで試食に来て名刺を置いて行った人も「見込み顧客」とみなすこともあります。
潜在顧客を獲得するメリット
販路を拡大できる
潜在顧客を発掘することで、販路の拡大が可能です。見込み客は、既に自社の製品やサービスに関心があるため、契約に至る可能性が高いです。しかし見込み客だけに絞って営業をかけることは、将来の売り上げが枯渇する可能性があります。そのために、見込み客だけではなくニーズが顕在化していない潜在顧客にもアプローチをして継続した販路拡大を目指す必要があります。
長期的な信頼関係の構築につながる
顧客の潜在的なニーズや課題に合った製品・サービスを提供することは顧客にとって有益になります。自社製品・サービスを利用することで顧客の日常生活が改善されることは、企業と顧客との長期的な信頼関係の構築につながります。またその後のリピート購入にもつながるなど好循環を生み出すでしょう。
潜在顧客獲得に取り組むデメリット
コストがかかる
潜在顧客は、自分にとって商品・サービスが必要だと思っていない段階のため、ニーズに気づきをもたらし、さらに商品・サービスを理解してもらうという労力がかかります。その上、アプローチした潜在顧客の全員が顕在顧客に変化するわけではないので、投じるコストは大きくなりがちです。顕在顧客に変化するまで時間もかかります。
効果測定がしづらい
潜在顧客は、顕在顧客に変化するまで時間がかかり、その間にもさまざまな行動をするため施策の効果の測定が比較的難しいです。例えば、商品の資料請求をしたような顕在顧客に商談を持ちかける架電をして商談を獲得したら架電の成果、といえますが、商品を知ってもらうために駅に広告を掲出してそれがいつ何件の商談に影響を与えたか判別するのは難しいです。
潜在顧客を定義する方法
自社にとってどんな顧客が潜在顧客になりうるか、STP分析とカスタマージャーニーマップというフレームワークを使って定義することができます。3つのステップで紹介します。この順序に沿って整理することで、自社にとって顧客がどのような流れで顕在顧客に変化するか共通認識を持つことができ、潜在顧客を見出すことができます。
- ステップ1
- ステップ2
- ステップ3
ステップ1STP分析を実施する
潜在顧客を獲得するためにはまず自社製品・サービスを分析し、それがどのようなニーズを持つ人に最適なのかを明確にしていくことが大切です。自社の市場価値を把握し、どのようなターゲットが潜在顧客となるのかを見極めるために有効なのがSTP分析です。
STP分析とはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字をとったマーケティング用語です。それぞれの実施内容を簡単に示します。
- セグメンテーション市場全体の中から企業の規模など、セグメントごとに分類します。
- ターゲティングセグメントで細分化した市場の中からターゲットを絞っていきます。
- ポジショニング競合他社との差別化をどのように実施していくかを決めていきます。
STP分析は、企業が最適なターゲットを定めていくための第一歩となる重要なステップです。チーム全体でできるだけ具体的な意見交換を行いながら、時間をかけて実施していきましょう。
ステップ2ペルソナを設定する
STP分析が終わったら、次はターゲットを絞ってペルソナ設定を行いましょう。ペルソナ設定とは、自社製品・サービスを必要としている1人の架空の人物像を定めることです。具体的にはその人の年齢や性別、居住地、雇用形態、家族構成、年収、趣味、一日のルーティーンなどを明確に設定していきます。ペルソナ設定は広告やマーケティングの効果を高めるだけでなく、チーム内で共通認識を持てるようになるなど様々なメリットがあります。
ステップ3カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップとは、ペルソナが実際に自社製品・サービスを利用するまでの流れを示したものです。カスタマージャーニーマップを作成することでペルソナの心理の変化が理解できるようになるため、効果的なアプローチ方法を考案する上でも役立ちます。
カスタマージャーニーとは?詳細はこちら潜在顧客へのアプローチ方法
潜在顧客にアプローチするには、SNSやオウンドメディアといった幅広い層が使っているチャネルでアプローチすることが一般的です。というのも、課題はあるけれど商品・サービスを知らない状態という人は、知っている人よりもかなり分母が大きくなるためです。獲得チャネルとアプローチ方法の例を紹介します。
潜在顧客の獲得チャネル:マス広告
潜在顧客に広くアプローチする最も伝統的なチャネルは、テレビやラジオ、新聞といったマス広告です。コストは比較的高いですが、認知獲得には一定の効果があります。無関心層や顕在顧客にも届いてしまうことが特徴です。
潜在顧客の獲得チャネル:Web広告
マス広告よりもターゲットの調整がしやすく、潜在顧客にアプローチできるチャネルがWeb広告です。YouTube広告をテレビCMの代替として使う企業も増えてきました。ターゲットの調整がしやすいため、顕在顧客へのアプローチにも使えます。
潜在顧客の獲得チャネル:SNS
SNSは、公式アカウントや社員の発信・リプライでコミュニケーションが広がっていくチャネルです。SNSのDM機能を販促に使う例も増えてきており、自社を知ってもらい、好感を抱いてもらえる手段として浸透しています。広告配信メディアとしても活用できます。
潜在顧客の獲得チャネル:オウンドメディア
自社の商品・サービスにかかわりのあるトピックをテーマにした自社メディアをつくることは、自社を知らない人が意識せずに流入してくれるきっかけを作ります。記事に好感を持ってもらえれば、商品・サービスへの橋渡しとなる可能性があります。
潜在顧客の獲得チャネル:展示会・セミナー
顧客の課題に焦点を当てた展示会やセミナーは、潜在顧客を顕在顧客に転換する可能性を大きく秘めています。マス広告やSNSのように幅広いアプローチはできませんが、参加者は自社スタッフと接触するため、より強い印象を持ってもらえる可能性があります。
潜在顧客の獲得チャネル:プレスリリース
プレスリリースを含めたPR活動は、SNSと似ていて大きな話題を獲得できれば一気に商品・サービスの理解を広げることができます。ただ、SNSよりも時季を捉えたトピックが必要になることが多く、労力がかかります。
顕在顧客へのアプローチ方法
顕在顧客は、商品・サービスを知っている状態のため、よりお得感を伝えたりメリットを伝えたりして購入・利用に向けて段階を進める行動を促すアプローチが適切です。すぐに購入・利用につながらなくても、メールアドレスや電話番号などを獲得し、見込み顧客(リード)という形でコミュニケーションを続けられるようにアプローチします。
顕在顧客の獲得チャネル:Web広告
顕在顧客の場合、Webで商品や会社名を検索する行動を取ります。このような場合には、検索広告や追跡型の広告でアプローチし、より深い情報を掲載したランディングページに誘導してリード情報獲得を目指します。その後はメールや架電をしていきます。
顕在顧客の獲得チャネル:展示会・セミナー
展示会やセミナーには潜在顧客だけでなくかなり具体的に検討する層も参加します。そのような顧客の場合はスタッフが積極的にコミュニケーションを取り、場合によってはすぐに営業担当者から連絡を取ってもよいでしょう。
顕在顧客の獲得チャネル:店舗
顕在顧客と物理的に接点を持つ機会を増やすには、店舗増も手段の一つです。コンビニがいい例で、弁当を買いたい顕在顧客をとらえるためには、近くにあることが最も強力です。ただし、かなりの投資が必要であるため企業によっては現実的ではない選択肢でしょう。
潜在顧客や顕在顧客へのアプローチにはCRMが最適
潜在顧客、顕在顧客にそれぞれのチャネルでアプローチし、その成果をきっちりと管理していくには、CRM(顧客管理)ツールが最適です。というのも、CRMはターゲットとなるリード情報を一カ所に集約しつつ、CRM上で施策ごとに分類できるためです。さらに、リード情報は最終的に契約・購入・利用をしたかどうかも記録することになるため、明確な効果測定もできます。これは、エクセルExcelで管理するよりも確実で、Web広告やマーケティングツールのような断片的な情報ではありません。
手動/エクセルで管理する場合
- リストがバラバラで管理が大変。
アプローチを開始するまでに時間がかかる - 収集する際の情報形式が異なるため、
分類できないケースが発生する - アプローチによって変化する顧客の興味レベルを
モ ニタリングできない
CRMで管理する場合
- リード情報を一か所に集約できる
- 膨大なリストを一定の基準で自動的に分類できる
- 「現在」のリードの状況を常に把握。
適切なアプローチを実施できる
Zoho CRM を活用したアプローチの流れ
ステップ1顧客情報を集約
企業は、さまざまな経路からリードを獲得し、エクセルや名刺など異なる形式で管理しています。
これらを一元的に管理するためには、すべてのリード情報をデータ化し、一つのフォーマットにまとめる必要があります。
リードを獲得する形式では、主に「名刺」「紙媒体」「エクセル」「他アプリケーション(オンラインセミナーツールなど)」が挙げられます。
「名刺」や「紙媒体」はエクセルなどに一度変換できます。ここで変換する際には、入力する項目を統一することが重要です。
また、オンラインでの活動が一般化する昨今において、さまざまなアプリケーション自体にリード情報が蓄積される場合もあるでしょう。
この場合、アプリケーションからリード情報をCSV形式などでエクスポートして管理することもできますが、リアルタイムにリード情報
が追加されていくことを考慮し、APIを利用して自動でデータベースに蓄積させることがより有効です。
名刺のデータ化とインポート
無料で使える名刺スキャンアプリ「Card Scanner」を利用して、
名刺をデータ化し、Zoho CRM へインポートすることが可能です。
「Card Scanner」アプリはモバイル(iPhone/Android)、
タブレット端末でご利用いただけるOCR処理による名刺スキャンアプリです。
名刺をカメラで撮影するだけで、記載された文字を自動でテキスト化。
姓・名・メールアドレス・電話番号などを自動で識別します。
テキスト化された名刺データは、Zoho CRM の「連絡先」「見込み客」
「取引先」として登録することはもとより、端末の連絡先やGoogle 連絡先やその他ご利用中のツールに登録することもできます。
エクセルからのインポート
紙媒体でのリード情報などを定型的なエクセルフォーマットにまとめた顧客リストをZoho CRM に一括インポートします。
インポートでは、顧客の各情報がどの項目に該当するかを指定するだけで、
簡単に登録できます。
また、すでに既存の顧客データとしてCRMに登録されている場合には、
データが重複しないよう上書き/スキップの処理を指定することもできます。
他アプリケーション連携による自動インポート
拡張機能やAPI連携により、他のアプリケーションにある顧客リストを
Zoho CRM にインポートします。
Zoho CRM は豊富なアプリケーションとの拡張機能が実装されています。
設定画面から他アプリケーションを認証し、クリック操作程度で他アプリケーションに蓄積されているリード情報をZoho CRM へ簡単に同期できます。
またAPI連携機能を利用して、他サービスアカウントからZoho CRM へ
リード情報を自動で蓄積させることも可能です。
ステップ2顧客を分類
Zoho CRM は、興味レベルに応じた潜在顧客/見込み顧客の棲み分けを実現します。
棲み分けには、「スコアリングルール」を利用します。「スコアリングルール」は、顧客の属性やアクションに応じて、
顧客情報をスコア化し、顧客の興味・関心度合いを定量的に把握できる機能です。得点は自動的に集計され、合計得点として記録されます。
行動に基づく評価
メールの開封/返信、電話への応答顧客などの顧客アクションに基づいて、
スコアを設定します。
たとえば、電話への応答、メールへの返信、アンケートへの回答や、
Webフォームでの問い合わせ送信など、ポジティブなアクションには加点し、
メールの未達、電話への不応答に対しては、減点します。顧客の行動に基づいて得点を設定することで、優先すべきターゲットがすぐにわかります。
基本情報に基づく評価
メールアドレス、会社規模、業種、住所などの基本情報に対して、スコアを設定します。
たとえば、「東京都」にある「不動産関連業界」が注力すべきターゲットである場合、「業界」が不動産業界であれば+10点、「都道府県」が東京都であれば+5点とするなど、顧客の属性に基づき、得点ルールを設定できます。
詳細情報に基づく評価
獲得経路などの詳細情報に対して、スコアを設定します。
たとえば、獲得経路が「展示会」であれば+3点、「Webフォームからの問い合わせ」であれば+10点、「紹介」であれば+15点など、顧客の経路に対して、得点ルールを設定できます。
ステップ3分類した層に適切なアプローチを実施
顧客には、セミナー誘導やお得情報をはじめとした、メールでのインバウンドアプローチが有効です。潜在顧客には同じ内容のメールを送付するのではなく、顧客の属性をはじめとした情報に基づいて、その情報に合ったメールの案内を送りましょう。
ZohoCRM は、顧客の属性やスコアに応じたメール配信により、効率的なアプローチを支援します。
見込み顧客には、ニーズのヒアリングを開始し、アウトバンドコールによる積極的なアプローチを実施します。
見込み顧客には、適切な営業を担当者に顧客を割り当て、スピーディーかつ漏れなく、対応を開始しましょう。
Zoho CRM は、担当者やタスクの自動割り当てなどにより、営業担当者がアウトバウンドコールをスムーズに開始できるよう支援します。
潜在顧客へのアプローチ
リード情報を獲得してからの日数や属性に基づき、自動的にメールを配信します。
興味レベルを育てる施策(ナーチャリング)のステップメールを配信する場合、経過日数に応じて自動でメールが配信されるようワークフローを設定します。
また、ニュースレターの一括配信や、セミナー誘導、お得情報を送る場合は、リード情報に基づいて、地域や興味対象に応じてメールを一括配信することもできます。
顕在顧客へのアプローチ
「割り当てルール」では、地域や興味対象などのリード情報に基づいて営業担当を割り当てます。この時、対応タスクを自動で作成することも可能であり、対応開始までのリードタイムを短縮します。営業担当者は、自分が割り当てられた見込み顧客をビューで確認できます。
架電アプローチを実施する際に直面する、担当者不在などの課題もZoho CRMは解消できます。AI機能「Zia(ジア)」により、見込み顧客のこれまでの反応傾向(メールの開封・クリック、受電の時間帯)から連絡に最適な時間帯を提示します。
まずは、お気軽にZoho CRM をお試しください
Zoho CRM は、潜在顧客/見込み客をスムーズに分類して、
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取締役 COO 椿 奈緒子氏