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タスク管理とは?
タスク管理とは、仕事を効率的に進めるにあたって業務(タスク)を細分化し、重要度や緊急度を考慮しながら、優先度や量を決定して進捗を管理することです。
個人やチーム単位のタスク管理を行うことで、誰がいつまでにどのタスクを完了させなければならないのかを明確化し、やるべきことを適切な順番で対処できるように、そして忘れないようにすることができるようになります。
タスク管理とプロジェクト管理の違い
タスク管理とプロジェクト管理は、どちらも時間とリソースを効果的に管理するための手法です。
タスクは個人が担う業務における最小単位の作業を指しますが、プロジェクトはある目的を達成するための計画を意味する言葉です。
タスク管理とプロジェクト管理の違いもここにあり、タスク管理が個人のタスクの実行に焦点を当てているのに対し、プロジェクト管理は複数のタスクを組み合わせて目標を達成するための計画と管理に焦点を当てています。
そのためプロジェクト管理においては、リソースの配分、リスク管理、コミュニケーション、スケジュール管理など、タスク以外にもさまざまな項目を管理する必要があります。
タスク管理を行う目的
タスク管理の目的は「対応漏れの防止」「コア業務に集中できる」「進行状況の可視化」にあります。
タスクを洗い出してリスト化しておけば、対応漏れを防ぐことができます。同時にスケジュールを組むことで、期日に間に合わないということもなくなります。
また、リスト化することでやるべきことが明確になり、優先順位付けすることで重要な業務により多くの時間を費やすことができるようになります。
そして、個々のタスクの進行状況の可視化できれば、プロジェクトをスケジュール通りに終わらせること下できるか判断できます。
とはいえ、タスク管理は案外難しいものです。
適切なスケジューリングをしたはずなのに、納期ぎりぎりになってしまったり、抜け漏れが生じてしまったりと、タスク管理に失敗した経験がある人もいるのではないでしょうか。
タスク管理が上手い人と下手な人にはどのような違いがあるのでしょうか。
タスク管理がうまい人のタスク管理のコツ
タスク管理が上手い人が意識しているのは下記のような内容です。
- 重要度と緊急度から優先度をつける
- タスクのボリュームを把握する
- スケジュールに余裕を持たせる
- タスクを細分化する
重要度と緊急度から優先度をつける
タスク管理で最も重要なのはタスクの優先度付けです。
重要度と緊急度からタスクを評価すると、タスクの優先度は以下の4段階になります。
緊急度・高 | 緊急度・低 | |
重要度・高 | 優先度1 | 優先度2 |
重要度・低 | 優先度3 | 優先度4 |
はじめに重要度が高いものを優先し、そのなかで期限が迫っているものから順位を付けます。期限が近くても重要度が低いタスクは得られる対価が小さいため、あまり注力しすぎるべきではありません。
タスクのボリュームを把握する
タスク管理が上手い人は、タスクを終えるためにどれだけの時間や工数が必要かを把握しています。
タスクのボリュームが分からなければ、スケジュールを立てることができません。
タスクのボリュームは過去の類似タスクのボリュームから判断することになりますので、今まで自身がおこなってきたタスクの所要時間を書き出すなどしておき、タスクにかかる時間を明確にしておきましょう。
初めてのタスクは、前任の担当者にポイントをヒアリングしたり、目標作業時間を設定したりするのも方法の一つです。
スケジュールに余裕を持たせる
スケジュール管理もタスク管理には欠かせませんが、重要性・緊急性の高いタスクが途中で追加されるなどで、スケジュール通りには進まないものです。
どのような業務であっても、不測の事態というのは起こりえます。何かしらのトラブルが発生すればスケジュールの変更は必要ですし、タスクの優先順位も変わります。
タスクを詰め込み過ぎると、トラブルが発生したときに対応する余裕がなくなってしまいます。
スケジューリングをおこなう際は、必ず余裕を持たせるようにしましょう。
タスクを細分化する
タスクの抽象度が高いままでは「何をすれば良いのか」「何をもってタスクを完了したと言えるのか」が分からず行動に移れませんし、作業時間の見積もりも曖昧になりスケジュールを立てることもできません。
タスクはある程度まで細かく分割する必要があります。
例えば「新製品の宣伝」などの大雑把なタスクではなく「広告の媒体の選定」「ターゲット層の絞り込み」「広告文の作成」のように、一目で何をすべきかがわかるようにタスクを具体的に設定し直しましょう。
どんな管理方法があるのか?
ノート・ホワイトボード・付箋など物理的に書き出す
ノート・ホワイトボード・付箋などに実際に書き出して管理する方法は、アナログな方法ではありますがコストをかけずに気軽に始めることができます。
ノートならば携帯性、ホワイトボードならば共有性、付箋ならば並べ替えのしやすさが長所です。
また、いずれも書き方の自由度が高い点、情報にアクセスするまでが早い点などアナログな方法ならではのメリットもあります。
一方で、共有性の低さ、セキュリティ、検索性能など、どうしても実現できない問題もあります。
共有性に関してはホワイトボードのメリットではあるのですが、実際にオフィスに集まらなければ利用できないためリモートワークなどでは活用しづらくなってしまいます。
Excel・スプレッドシートなど表計算ソフトで管理する
Excel・スプレッドシートなど表計算ソフトでタスク管理をするという方法もあります。
Excelやスプレッドシートなどは使い慣れていることが多く、すぐにタスク管理を始めることができます。
また、マイクロソフト公式サイトで無料ダウンロードできるエクセルテンプレートを利用すれば、誰でもタスクリストやガントチャート、スケジュールなどを用意することができます。
その他、特定の取引先や業務に関連するタスクを検索することも用意です。
個人でのタスク管理なら問題は少ないですし、リモートワークの社員や取引先との情報共有も行えるというのもメリットです。
Excelやスプレッドシートを使ったタスク管理の詳しい方法は「Lesson4 営業のタスク管理をExcelでやってみよう」で解説しますが、もちろんデメリットもあります。
複数のチームが関与するような大規模なプロジェクトのタスク管理は難しいですし、Excelを複数人で利用する場合は、同時編集やバージョン管理も問題になってきます。
スプレッドシートならば、内容はリアルタイムで自動更新されるのですが、変更の追跡や過去のバージョンの復元が難しいので、必要なデータが他のユーザーに上書きされてしまうことも多く、トラブルになりがちです。
カレンダーツールを使う
カレンダーツールでタスク管理をするという方法もあります。
日付や時間ごとにタスクを入力するだけのシンプルな管理方法ですが、納期までの日数を可視化しやすいというメリットがあります。
Googleカレンダーを使う場合は、様々な端末から利用でき、アカウント間でのスケジュール共有を簡単に行えますし、Google ToDoリストと連携させることで進捗状況を登録できるようにもなります。
ただし、複数の日程にまたがるタスクを登録する場合は、リピート機能を利用して繰り返し表示するようにするなどの工夫が必要で、進捗状況の登録も難しくなるなどのデメリットもあります。
また、複数人でGoogleカレンダーを共有できても、タスクを他のメンバーに割り当てたり、「重要」かつ「未着手」のような複数の状態をタスクに登録できなかったりと、「チームでのスケジュールの共有」以外の部分には使いにくさが残ります。
タスク管理ツールを使う
個人のタスクだけでなく、チームでのタスク管理やプロジェクト管理も行うならば、タスク管理ツールがおすすめです。
セキュリティや共有性が高く、大規模なプロジェクトのタスク管理も行えます。
また、タスク通知、検索機能も備えていますし、タスクへのコメントやファイルの添付、詳細情報の記入、データ変更の記録、ガントチャートやカンバン方式での管理、なども行えるため、他の管理手法でできることはほぼすべて実現できます。
スマホから利用できるツールも多く、デメリットといえるのは、導入にコストがかかることと、ツールの仕様感に慣れるまでにある程度時間が掛かることくらいでしょう。
おすすめタスク管理ツール
Zoho Projects
Zoho Projectsには、手頃な料金で利用できるプロジェクト管理ツールです。
個人としてのタスク管理だけでなく、チームとしてプロジェクト管理をするためにタスク管理を行いたいなら、全体の進捗やリソースの管理、タイムラインの表示など、タスク管理ツールよりも包括的な機能を備えたプロジェクト管理ツールを選ぶのがおすすめです。
Zoho Projectsは、ガントチャート、リマインダー、タスクタイマー、レポートなど個人でのタスク管理に行うための機能に加えて、タスク自動化、プロジェクトカレンダー、ステータスタイムライン、カンバンビュー、レポートなど、チームでの管理の際に必要な機能を豊富に備えています。
また、上記のような強力な機能が多数含まれていながら直感的に使えるのも魅力です。
主な機能 | 料金(月額) |
| 無料プラン |
Asana
Asanaは、多機能ながらも直感的に使えるUIが特徴のタスク管理ツールです。チームメンバーのタスク状況を俯瞰して確認できる機能が充実しています。
主な機能 | 料金(月額) |
| 無料プラン |
Backlog
Backlogは、多機能でUIが優れている国産ツールです。本来はウェブやソフトウェア開発のプロジェクト管理を意図したツールですが、使いやすさから多くの業種・職種でタスク管理にも活用されています。
主な機能 | 料金(月額) |
| スタータープラン 2,970円 |
Notion
Notionは、個人やチームでタスク管理、プロジェクト管理を行うための柔軟で多機能なプラットフォームです。
主な機能 | 料金(月額) |
| Basic 無料 |
Trello
Trelloはカンバン方式によるタスク管理をメインにした定番のタスク管理ツールです。
主な機能 | 料金(月額) |
| Free 無料 |
Google ToDoリスト
Google ToDoリストは、Googleが提供するタスク管理ツールです。
非常にシンプルで機能はToDoリストの管理に特化しています。
タスク管理ツールとして使う場合は、Googleカレンダーと連携させて、スケジュール管理も行えるようにするのがよいでしょう。
主な機能 | 料金(月額) |
| 無料 |
そもそも部門や業務内容によって最適なタスク管理の仕方は違う
部門や業務内容によって最適なタスク管理の仕方は異なります。
部門別にどのような内容が重要になるかを紹介します。
営業部門
営業担当者は、多くの顧客とのコミュニケーションや商談を行うため、時間の制約があります。また、顧客とのコミュニケーション、見積もりの作成、営業活動の追跡など、さまざまなタスクが発生します。そのため、タスクの優先順位付けが非常に重要です。
商談や顧客対応の優先度を決めるためには、顧客との関係や商談・取引内容、商談の進行状況といった情報が必要です。
また、週次や月次での目標を設定されている場合も多いので、目標達成に向けた計画をもとにタスクとスケジュールを管理する必要もあります。
そのため営業部門においては、単なるタスク管理やプロジェクト管理ツールではなく、顧客情報や商談の進行状況を登録・管理できる「CRM(顧客関係管理システム)」もしくは「SFA(営業支援ツール)」のうち、タスク管理機能を備えたものを利用するのがおすすめです。
マーケティング部門
マーケティング部門では、デザイナーやコピーライター、デジタルマーケティング担当者など、さまざまな担当者チームが協力してプロジェクトを進めます。
特定のタスクの進捗が他のメンバーのタスクに大きく影響するため、タスク管理ではチームメンバー間の情報共有のしやすさが重要です。
そのため、ガントチャートやカンバンボードなどのビジュアルツールを使用して、タスクの優先順位付けやスケジュール管理を行うことが多いです。
人事部門
人事部門では、採用プロセスの管理、従業員のトレーニングや評価の管理、組織の方針や規則の遵守など、多くのタスクが発生します。
特に、採用プロセスの進行状況や面接スケジュールをタスク管理ツールで追跡することが多いです。
また、採用候補者の経歴や従業員の契約、給与、福利厚生といった個人情報を管理する責任がありますので、プライバシーとセキュリティを確保できるシステムが必要です。
経理部門
経理部門では、会計処理のためにタスク管理が重要になります。
例えば、請求書の処理、支払いの処理は適切な時期に行わなければなりません。また、税務申告の期限や法的義務の実行状況の確認も欠かせません。
内容と時期の正確性が要求される業務が多いのでタスクの通知機能を持ったツールを用いてタスク管理を行うのが推奨されます。