営業会議とは?議題例やネタ、効果的な会議の進め方

営業会議とは、営業部門のメンバーが集まる会議のことで、原則「売上目標の達成」をメインの議題として定期的に実施するものです。ただし、進め方次第では時間を浪費しただけで終わってしまうこともあるので、会議の進め方や注意点を解説します。

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営業会議とは?議題例やネタ、効果的な会議の進め方
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営業会議とは

営業会議とは、企業や組織内で行われる営業部門のメンバーが集まる会議のことです。主催者・進行役は営業部門の管理職やリーダークラスの営業担当者が担うことが多いです。

通常は週次や月次に行われ、売上目標に対する進捗の確認と課題に対する打ち手の決定、合意形成などが議題となります。

営業会議は売上目標達成のためのアクションを決める貴重な機会ですが、進め方次第では思うような効果を得られず、営業活動のための時間を浪費しただけで終わってしまう可能性もあります。

営業会議を意味のあるものにするためには、主催者が開催の意義や効果的な進行方法を理解して運用する必要があります。

営業会議の議題は原則「売上目標」に焦点を当てる

そもそも営業担当者全員が毎月目標を達成できているのであれば営業会議は不要です。
しかしもちろんそのような事はほとんどありえません。(その場合は売上目標が低すぎる可能性が高いので、ストレッチした目標への修正が必要です)

したがって、営業会議は原則「売上目標の達成」をメインの議題として定期的に実施するものです。管理職やリーダーから共有したい議題がある場合は目標達成に関する議論が終了した後に副次的なトピックとして取り上げましょう。
よく取り上げられる議題例・ネタは以下の通りです。

その他の議題例・ネタ

  • 競合他社の動向や市場トレンドの共有
  • 顧客からのフィードバックの共有
  • 営業チームのモチベーション向上のための取り組み

営業会議の目的

営業会議を開催する目的は以下の4つです。

  • 売上目標に対する進捗の確認と今後の予測
  • 目標とのギャップに対するボトルネックの特定と打ち手の策定
  • 営業ノウハウの共有
  • チームの一体感、モチベーションの向上

それぞれ、詳細を見ていきましょう。

売上目標に対する進捗の確認と今後の予測

営業会議では、売上目標と実績を比較し、進捗状況を確認します。
週次もしくは月次で実施され、当該期間の予実進捗を営業担当者個別に発表していく形式が一般的で、それを元に取り組みの評価が行われます。また、多くの場合現在商談中の見込み客も合わせて共有し、商談それぞれに見込み度(俗に「ヨミ」と言われます)を付けることで、このままいくと月末の売上がどの程度になりそうかを予想します。

担当者別の成績だけでなく、営業部門全体での進捗状況を把握することにより、各自が今後とるべきアクションを再検討するきっかけとなります。

目標とのギャップに対するボトルネックの特定と打ち手の策定

目標達成に向けて課題となる要因やボトルネックを特定し、それらに対処するための具体的なアクションプランを策定します。
この段階では、営業プロセスや顧客対応などさまざまな側面が検討されます。

例えば現状抱えている商談だけでは月末時点での達成が難しいと判断される場合には、提案につながるアポイントメントを増やすためにテレアポ架電数を増やしたり、過去に失注した見込み客をリストアップして掘り起こしを実施したり、といったアクションプランを検討します。

これは営業会議において非常に重要なやり取りですが、多くの場合、このフィードバックは営業担当者個別に実施されるので、営業会議が長時間化しやすい原因となります。

営業ノウハウの共有

営業担当者はそれぞれ経験も能力も異なります。

チーム全体の能力向上のために、成功例や失敗例およびその対応を共有するのも営業会議の役割です。

成功事例やベストプラクティスを共有することで、チームメンバー間の学びやノウハウの共有を促進します。見込み客の反応が良かったプレゼン資料の共有などは典型です。

失敗事例の共有も重要です。特定の業界に対するタブーや契約前の説明漏れで失注になってしまった事例などを周知しておけば、他の営業担当者が同様の事案に対して予防線を張ることができるようになります。

また、営業会議は現在進行系で問題になっている商談や受注後に発生しているトラブルに関する受け皿となり得ます。若手営業担当者がひとりで抱え込んでいた障害に対して、ベテラン担当者が過去の経験をふまえてアドバイスする場面は、営業会議でよく見られる光景です。

チームの一体感、モチベーションの向上

多忙な上に客先で冷遇されることも少なくない営業担当者にとっては、同じ苦労を共有できるだけでも安心するものです。
営業会議を通じて目標達成に向けて協力し議論することは、各自がチームの一員であることを自覚し、モチベーションを高めることにつながります。

また、上長やリーダーから個人の成果や努力を承認されることで、メンバーのモチベーション向上も期待できます。

営業会議の失敗例

次に、営業会議にありがちな失敗例について以下に紹介します。

会議が長時間化する

営業会議では営業担当者に対して個別に予実の状況報告を求める上、達成に向けたアクションプランの策定まで含めると会議に要する時間が2時間を超えることも珍しくありません。

長時間の営業会議は、

  • 貴重な営業時間が浪費される
  • 営業ノウハウの共有にかける時間が取りにくい
  • 本来モチベーションアップにつなげたいはずの営業会議なのに担当者のやる気を削ぐ

など、多くのデメリットがあります。

スムーズな営業会議の進行のためには、事前に各営業担当者の予実状況や行動計画を(資料やデータで)可視化して、報告の時間を節約する工夫が重要です。

行動目標が定まっておらず、改善案が議論されない

営業担当者に対して売上の目標は定めているが、行動目標まで落とし込んでいない場合に発生する失敗です。

定量的な行動目標が設定されていないと、未達の場合の要因分析ができません。
上長からのアドバイスも「もっと売上を上げろ!」という理不尽な叱責になりがちです。

対策として、100万円の売上目標に対して商談は20件必要、商談20件に対してテレアポ架電500回必要、という具合に行動目標をしっかり定めて営業会議を実施する必要があります。

行動目標が設定されていれば、未達予想の場合の打開策も建設的なものになります。

例えば上記の例ですでにテレアポを500架電実施しているにもかかわらず商談が20件に満たない営業担当者がいた場合、

  • テレアポリストを見直す
  • トークスクリプトを改善する
  • テレアポのロールプレイを実施する

といった改善策を発案することができます。

このように営業会議では、売上目標だけでなく行動目標の進捗とその改善策に焦点をあてるべきです。

成果の予測が不正確

営業会議の重要な目的のひとつに「成果の予測」があります。
しかし多くの場合、営業担当者は自身の案件に対して希望的観測を抱きます。
そのため第三者から見て受注確度が50%に満たない案件に対して90%の評価を付けてしまうという事もしばしばです。

個人で活動することの多い営業組織の特性上、管理職としては基本的に見込み客と直接商談している担当者の予測を信用せざるを得ないのですが、月末になってやはり失注に終わった、という場合に取り返しがつきません。

また、成果予測の正確性が担保されていなければ、行動プランの改善も妥当なものになりません。(甘い受注予測のまま活動量を停滞させ、未達に終わる営業担当者が発生しやすくなります)

営業会議を機能させるためには、客観的な受注予測の仕組みが必要です。

効果的な営業会議の進め方と注意点

資料の事前共有と時間設定

営業会議は、当該期間の予実進捗を営業担当者個別に発表していき、それを元に取り組みの評価を行う形式が一般的ですが、この形式は会議時間が長くなりやすいとお伝えしました。

本来、各担当者が取引先への訪問やフォローに使う貴重な時間を営業会議に使っているのですから、できる限り短時間で有意義な会議にしなければなりません。

そのためには、各営業担当者の予実状況や行動計画を資料等で可視化して事前に共有することが有効です。

これによって報告の時間を節約することができますし、営業担当者が自分なりの意見を事前にまとめたうえで参加することもできます。

また、担当者による状況報告の発表に制限時間を設定しておくことも効果的です。
時間制限を設けることで事前準備が促されると共に話題の脱線を防ぎ、参加者の集中力を高めることができます。

会議資料の必須項目

資料を配布する目的は、事前に会議の目的と議題、営業成績などの実績を共有することにあります。

会議資料は、先述の「会議が長時間化する」「行動目標が定まっておらず、改善案が議論されない」「成果の予測が不正確」という3つの失敗を防止します。

そのために資料に記載すべき内容は以下の通りです。

  • 目標達成に必要な行動数(KPI)
  • 各担当者の実績(売上だけでなく行動数も含む)
  • 実績を基にした各担当者の課題
  • 進行中の案件の受注確度

これらの情報は、グラフやチャートを使って視覚的に示すと効果的です。

少なくともこれらを盛り込むことで、会議内で各担当者の実績報告の時間が節約され、具体的な行動目標に関する議論に時間を割くことができるようになります。
商談数やテレアポ架電数など行動に関するKPIと行動実績を数値で可視化することで、「このままの行動量で売上目標を達成できるのか」を明確にするのがポイントです。

双方向のコミュニケーションを中心にする

インプットは資料を用いて事前にすませ、営業会議の場ではアウトプットを増やすことを意識しましょう。

事前に資料を共有することで、単なる実績の確認や資料の読み上げの時間を削減し、議論の時間が中心になるようにします。

そして、議論の際は役職に関係なく、双方向に話し合いができる環境にすることが重要です。

トップダウンの会議では、部下は話を聞くだけになってしまい、議論が発生しません。営業会議を通して、部下を意見が出せるビジネスマンに育てることも上司の重要な仕事です。

また、担当者がしっかりと検討と議論に参加することで、会議の内容に納得しやすくなるという効果もあります。

功績を評価する

営業担当者が大きな契約を獲得した、目標を数か月連続で達成した、というように優れた功績を挙げた際は、チーム全体で称賛するようにします。

本人はもちろんチームメンバーのモチベーション向上につながりますし、営業会議を「マイナス要素について叱責される場」ではなく、「プラス要素を評価される場」にしていくことで、会議への参加意欲と集中力を高めることもできます。

決定事項の実践を徹底

営業活動で決まったことは、その後の営業活動で着実に実践していくよう徹底させましょう。

会議で決まったことを守らなくても良いという認識が担当間に蔓延すると、営業会議そのものが形骸化しかねません。

会議の価値を担保するために、決定事項の実践を徹底させる必要があります。

ただし、会議での決定内容が営業担当者にとって納得いかない場合あります。
そうした担当者を出さないために、会議はトップダウンで行うのではなく、担当者を交えた検討・議論を経て決定する形をとる必要もあります。

議事録の作成

営業会議では議事録の作成を習慣化しましょう。

議事録は欠席者への情報共有や、意思決定プロセスの記録、決定事項の実施徹底のために必要なものです。

議事録は営業会議が終了した当日または翌日までに作成し、参加者の記憶が新しいうちに共有することが大切です。

作成の際には、文字起こしや要約のためにAIを活用するのもよいでしょう。

ただし、議事録には誰が何を言ったか、どのような決定が下されたかを文書化することで、責任の所在が明確化するという役割があります。

作成作業のすべてをAIに任せるのではなく、デリケートな部分は必ず作成者が確認するようにしましょう。

適切な頻度

営業会議のタイミングと頻度は重要です。月次か週次で行うのが適切と言われています。

「こんな話ならメールで済んだよね」という声をよく聞きますが、たしかに、社内連絡や計画の変更などを伝えるだけなら、メールやチャットの方がシンプルで効率的です。

会議の分だけ営業担当者の時間が消費されるということを念頭に、定期的に開催している場合でも、あまり重要なトピックがないようならば、頻度を減らすことも視野に入れましょう。

実績の共有を効率化

会議をできるだけスムーズに進行するために、実績の共有は可能な限り効率化する必要があります。

一般的に、実績の共有の手段としては「レジュメ」「スプレッドシートまたはエクセル」「CRM/SFA」を用いられます。

レジュメ

最も一般的なデータ共有の方法です。

営業会議では、議題リスト、前回会議での決定事項、進捗報告、実績データ、次回会議の予定などの内容を記載します。

ただし、会議のたびに資料を作成するとなると相応の手間と時間がかかる点には注意しましょう。

スプレッドシートまたはエクセル

スプレッドシートやエクセルを用いてデータ共有を行う場合、各営業担当者やチームの売上目標に対する進捗の可視化や比較が容易になります。

データの可視化やグラフ化なども行いやすく、オンラインで共有できるという手軽さもあります。

CRM/SFA

営業会議の実績共有にCRM(顧客関係管理システム)やSFA(営業支援システム)を用いることで、資料作成の時間を大幅に削減することができます。

CRM/SFAは企業の営業活動における情報をデータ化して蓄積し、分析することができるツールです。

CRM/SFAには、営業の実績を集計しレポートを作成する機能があります。
チームや組織全体の集計はもちろん、個人の営業活動についても詳細に分析できるため、営業担当者ごとの活動実績や目標達成率も確認できます。

CRM/SFAを活用すれば、商談の進捗、見積もり発行数などがリアルタイムで可視化されることになるため、事前に資料を作成することなく会議の場で詳細なデータをもとにした議論を行うことができます。

また、実績の予測値を算出してくれるのもスプレッドシートやエクセルには無い利点です。

高機能なCRM/SFAには営業の行動数(テレアポ数、商談数、見積もり提出数など)を記録しそれをもとに実績(売上)予測値を算出する機能が備わっています。

営業担当者はその予測値を参照して、達成が見込めないようであれば現在の行動量を増やさなければなりませんし、すでに十分な行動量が担保できていると判断できた場合は次月に備えた活動に比重を移す事も可能です。営業担当者本人による受注確度の予測とは異なり、過去の実績を根拠として客観的な視点で売上を予想してもらえるのもポイントです。

また、変化させるべき行動(ボトルネックとなっている部分)もCRM/SFAのデータをもとに割り出すことができます。

営業活動に対するフィードバックは、会議の場で上司や同僚から詰問されるよりも、ツールからデータとして提示されるほうが心理的に受け入れやすい点も見逃せません。