メールによるアプローチを成功させるために
メールマーケティングの成果を高めるには、適切な内容のメールを作成すると同時に、見込み客やお客さまの受信トレイに確実にメールが到達する必要があります。そのため、メールマーケティング担当者はメールの内容だけではなく、メールの到達率にも注意を払わねばなりません。
メールの到達率とは
メールの到達率とは、配信したメールのうち実際に受信トレイに到達したメールの割合のことです。配信したメールの成果は、メールの到達率によっても左右されます。ここでは、メールの到達率について解説するとともに、
Zoho Campaigns のメール配信機能や仕組みについてもお伝えします。
メールの配信機能と仕組み
Zoho Campaigns をはじめとするメルマガ配信・メールマーケティングツールには、
メールの到達率を向上させる高度な配信機能が用意されています。
主に重視されるものとしては
- 01
配信元ドメインの信頼性
- 02
迷惑メール防止に関する法令遵守
- 03
迷惑メール対策エンジン
- 04
IPアドレス
などがあります。これにより、キャンペーンメールをスムーズに配信し、配信先の
受信トレイに到達させることができます。それぞれ詳しくみていきましょう。
配信元ドメインの信頼性
配信元ドメインの信頼性は、メールを顧客の受信トレイに到達させるためにとても重要です。配信したメールは、受信者側の利用するメールサービスに到達すると、受信トレイにメールが振り分けられる前に配信元ドメインの信頼性が検証されます。配信元ドメインの信頼性が高い場合、メールが受信トレイに到達する可能性は高くなりますが、配信元ドメインの信頼性が低いとされた場合には、メールはスパムとして迷惑メールフォルダーに振り分けられる可能性が高くなります。
ドメイン認証と迷惑メール対策
メールマーケティングを行う組織にとって、迷惑メール(スパム)対策は必要不可欠です。今日、必要なメールは保護しつつ迷惑メールを排除するために、さまざまなセキュリティ対策が行われています。そのセキュリティ対策の1つが、ドメイン認証です。ドメイン認証とは、配信元ドメイン(***.jpや******.comなど@以降の部分)が偽装されておらず、正しいドメインであることを証明するための認証プロセスです。ドメイン認証で最も利用される認証方法には、SPF、DKIM、DMARCなどがあります。
ドメイン認証の重要性
ドメイン認証されていない状態で配信されたメールは、受信者側ではメール冒頭に「未認証のドメインからのメールである(=なりすましの可能性がある)」という以下のような警告が表示される場合があります。
セキュリティに対する意識がますます高まっている昨今、以下のような警告が表示された時点で、受信者の多くは届いたメールがスパムであると認識し、ゴミ箱に移動したり、警告に従いメール内のリンクのクリックを控えることでしょう。ドメイン認証をしないことは、到達率はもちろんのこと、開封率やクリック率を下げ、メールマーケティングの効果を大きく損なうことにつながります。
迷惑メール防止に関する法令遵守
Zoho Campaigns は、商用電子メールメッセージを規制するカナダのアンチスパム法(Canadian Anti-Spam Law:CASL)および米国の迷惑メール防止法(CAN-SPAM Act: A Compliance Guide for Business)の2つを厳守しています。この規制は、適用対象の幅が広く、受取人の同意(オプトイン)なしにはメッセージが送れないオプトイン方式を採用しています。これにより、配信メールは、受信者の同意による配信リストにのみ送信されます。顧客の承認により、メールの到達率は各段に向上します。
また、Zoho Campaigns は、日本国内における「特定電子メール法(迷惑メール防止法)」にも対応・遵守できる機能を備えており、ユーザーの皆さまに安心してお使いいただいています。
迷惑メール対策エンジン
Zoho Campaigns には、高度な迷惑メール対策エンジンが用意されており、迷惑メールを特定し、対処します。ユーザーによって作成されたキャンペーンメールは、配信される前にZoho Campaigns チームによってレビュー(確認)が行われます。このレビューでは、最新の迷惑メールフィルターとアルゴリズムを備えた迷惑メール対策エンジンによって、キャンペーンメールの配信元ドメイン、メール本文、本文内URLに迷惑メールと思われる点がないか、などの高度な検証が行われます。迷惑メールと判定された場合、キャンペーンメールは承認されず配信もされません。また、該当ユーザーのアカウントはブロックされます。
IPアドレス
IPアドレスとは、ネットワーク上で送信元や受信先など相手を識別するための住所のようなものです。なりすましを防止する技術のひとつとして、メール受信の判断に大きな影響を与えます。IPアドレスには、IPアドレスの信頼性を評価する「IPレピュテーション」というスコアがあり、これを低下させないことが重要です。一般的には、ドメイン認証することや、配信リストのクリーニング(配信エラーとなったメールアドレスの除去)などを行うことでIPレピュテーションを高めることができます。Zoho Campaigns は、要件に応じて使用するIPアドレスを選択することができ、共有IPアドレス、または、専用IPアドレスのいずれかを指定することができます。
配信リストの管理
Zoho Campaigns では、新しい配信元ドメインの取得後すぐに大量のメール送信をしないことをお勧めしています。通常、新しい配信元ドメインには、メールサービスからの信頼性がなく、信頼性のない配信元ドメインからのメールは、受信者にメールが届けられるまでの間にメールサービスによって迷惑メール(スパム)に判定される可能性があります。そのため、新しい配信元ドメインを利用する場合は、配信元ドメインをウォームアップ*することから始めます。
注: ウォームアップとは、新しい配信元ドメインを信頼してもらうために大量のメールを配信する際に配信数を分割する、メール配信に十分な時間感覚を空けるなどのプロセスをとることです。ドメインの信頼性を高めることは簡単ではありませんが、小量のメール配信から始めて、受信者の反応を確認しながら配信するメールの量を増やしていくひと手間をかけることで、メールの到達率や反応率(エンゲージメント率)を向上させることにつながります。
確実にメールを届けるために
キャンペーンメールを作成するにあたって、配信リストはとても重要な要素です。そのため、配信リストを適切に管理し、定期的に整理することをお勧めします。メールキャンペーンの成果を高めるための最も重要な要素が配信リストの質の高さと言っても過言ではありません。配信リスト内に無効なメールアドレスや迷惑メールアドレスが含まれている場合、メールを配信しても不達(ハードバウンス、ソフトバウンス)、迷惑メール判定、登録解除、苦情などを招く恐れがあります。
質の高い配信リストを作成するにあたっては、ダブルオプトイン方式*を採用することをお勧めします。これにより、無効なメールアドレスや迷惑メールアドレスが配信リストに登録されるのを防ぐことができます。
注: ダブルオプトイン方式とは、オプトインの意思を2段階で確認する方法です。一例として、利用者が最初に会員登録の申し込みした時点を仮登録とした時を1段階目のオプトインとし、利用者のメールアドレスに配信された会員登録用URLに自身でアクセス、正式な会員登録を2段階目のオプトインとすることで、確実に意思確認することができます。
会員登録に手間がかかる一方で、間違って会員登録してしまった登録者からの苦情を無くしたり、登録メールを送信することで無効なメールアドレスや迷惑メールアドレスの登録を防ぐことができ、配信リストをクリーンに保つことができます。
購読登録者による
メール受信中止
顧客に送ったメールが顧客のメール機能によって迷惑メールとしてマークされた場合、受信拒否リストに移されます。Zoho Campaigns では、メールのフッターにデフォルトで登録解除リンクが表示されていますので、購読登録者がメールの受信を中止したい場合には、いつでも自分のアドレスをリストから削除することができます。メールの受信を希望しない人への送信を速やかに停止することができ、苦情を減らすことができます。
メールの到達率を高める
メルマガ配信ツール
どんなに魅力的なコンテンツを作成しても、受信者の元に届かなければ意味がありません。メルマガの作成→配信→効果測定・レポーティングのプロセスが整うことによって、はじめて効果的なメールマーケティング運用が可能となるのです。メルマガ配信・メールマーケティングツールは、手軽にメルマガを作成し大量の送信先に送ることができるだけではありません。メルマガ作成機能や効果測定・レポート機能だけでなく、到達率を高める配信機能について兼ね備えているツールを選び、ドメイン認証などを活用することが重要です。