CRM/SFA 導入事例大手地銀発のコンサル会社が営業プロセスを根本から変革するDX。
Zoho 製品ノウハウを中小企業経営支援にも活用へ。
- 株式会社 京都総研コンサルティング
- 所在地京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町700番地
- 業種コンサルティング
- 従業員数45名(2024年10月時点)
- ビジネスBtoB
- 創業1987年4月1日
伝統的な業界や組織において、新しい何かを取り入れることはそう簡単ではない。SaaSツールの導入もそうだ。京都フィナンシャルグループ(以下京都FG)の株式会社 京都総研コンサルティングは、関西圏を地盤とする大手地銀グループのコンサルティングファームであり、今回Zoho CRM の導入に踏み切った。それだけではなく、営業プロセスの在り方そのものを変革させ、CRM(顧客関係管理)/SFA(営業支援)ツールを活用して商談を効率的に管理するDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現。経営陣もその変革を後押しした。Zoho 製品を使いこなし、そのノウハウを中小企業のコンサルティングにも活用していく、と意気込む山中亮佑氏、中嶋紗弥氏に話を聞いた。
「企業の最大資産である顧客情報を共有できるZoho CRM は、
営業活動の在り方を変革できる強力なツールです」
山中亮佑氏
― はじめに、株式会社 京都総研コンサルティングについて教えてください。
山中氏:当社は元々、京都総合経済研究所の名称で、35年以上にわたり京都銀行のシンクタンクとして活動してきましたが、昨年10月、京都総研コンサルティングに商号を変更し、総合コンサルティング業務に参入しました。京都銀行で取り組んできたコンサルティング機能を集約した上で、新たなコンサルティング分野を立ち上げ、より専門的かつ総合的なコンサルティングファームとして生まれ変わりました。
私たちのコンサルティング領域は幅広く、私が関わっているIT・DXをはじめ、経営戦略、SDGs、事業承継、人材マネジメント、海外進出、まちづくりなどさまざまな分野で最適なソリューションを提供し、京都銀行を中核とした京都FGの1社として、企業や地域の“ありたい姿”をお客さまと一緒に実現することを目指しています。
Zoho CRM の使いやすさと、設計・設定のしやすさ、高いコスパが決め手
― Zoho CRM の導入に至った経緯を教えてください。
山中氏:顧客情報などの管理について、京都銀行内にコンサルティング機能を集約していた頃は、京都銀行独自のシステムを使用していたのですが、当社ではそのシステムの一部が利用できず、各チームの計数管理や案件進捗管理等に課題認識がありました。つまり、社内において営業活動が見える化できていないという大きな課題があったということです。
それらの課題を解決するためにさまざまな選択肢を考える中で、グローバル標準になりつつあるクラウド型のCRM/SFAツールを導入することを決定いたしました。私自身は、IT・DXコンサルティングチームのリーダーを務める一方で、ツールの選定も任され、現在もZoho CRM の設定や運用を担当しています。
中嶋氏:私もIT・DXコンサルティングチームの一員で、現場のコンサルティング営業を行いながら、Zoho CRM のカスタマイズなどを、山中と二人で進めてきました。
― さまざまな製品があるなかで、Zoho CRM を選んだ決め手は何ですか?
山中氏:実は、私と中嶋は2023年4月から半年間、東京のIT企業へ出向していたのですが、その企業は顧客管理に大手CRMを導入していました。このような経験から、当社も新たなCRMを検討する中で、大手を中心にCRM製品は一通りリサーチしました。
そこで、なぜ数あるCRMからZoho CRM を選んだのかと言えば、シンプルに「使いやすい」と感じたからです。私たちのようにプログラミングなどの詳しい知識が無くても、直感的に操作や設定ができました。しかも、これだけの豊富な機能があるにも関わらずコストは他の大手CRMと比較しても、大きく抑えることができます。当社は、自社で使用するだけでなく、お客さまのDXの課題解決にも本ツールを活かそうと思っていましたので、中小企業でも導入しやすいように、コストパフォーマンスの観点でもZoho CRM が最適だと判断いたしました。
さらに、Zoho CRM は、製品単体だけでなく、他のZoho 製品と連携することができます。私たちはZoho One というパッケージ製品を使用していますが、それには50以上のZoho 製品が含まれています。Zoho CRM は拡張性が高く、あらゆる業務をZoho 製品だけで完結できる可能性があることが決め手となり、導入を決定いたしました。
― 伝統ある地方銀行を母体とする御社がZoho CRM というクラウドサービスを選択したのは少し意外に感じます。
山中氏:2023年10月の京都FG誕生が大きな転機でした。FG化に伴い、グループ全体が「新しい波を起こせ。」というブランドメッセージを掲げ、新しいことに積極果敢に挑戦していく意思統一が図られました。Zoho のようなクラウドサービスを選んだことも「京都総研コンサルティングがグループ全体をリードするんだ」という意気込みで、新しいことを積極的に取り入れていこうと考えた結果です。当社がZoho CRM を使用し、その知見やノウハウをグループ会社に展開することも見据えています。
― Zoho CRM の導入はどのように進めましたか?
山中氏:検討を本格的に開始したのが2023年11月で、導入を決定したのが同年12月でした。その後、2024年の年始から1月中旬までに社内の要件定義を完了し、1月下旬から2月末まで環境構築を行いました。ここまでで社内のオーソライズはある程度取れたため、2月末に社員を集めて導入のための説明会を開きました。設定はすべて、われわれ二人で行うことができました。
「見極め」から「受注」まで、8つのステージで商談を管理して営業活動を可視化
― Zoho CRM をどのように活用されていますか?
中嶋氏:現在は、主にコンサルティング事業部の約30名がZoho CRM を使用しています。商談開始から受注まで、8つのステージで区切るという営業プロセス管理を取り入れました。「商談の見極め」、「課題の把握」、「要件整理」、「解決策の提案」といった形で、管理しています。最初の「商談の見極め」では、お客さまのありたい姿がどのようなものであるのか、また、それに対して現状がどうかヒアリングを行うことで課題を把握し、そこから、「何から改善すべきか?」という課題の優先順位付けなどを行っています。各ステージの定義についても、社員によってずれが生じないよう明確にしました。
山中氏:従来までは、案件の進捗は各担当者の日報から推察していました。しかし、現在はZoho CRM と、データの可視化ツールであるZoho Analytics を連携させることで、当月の「新規顧客数」、「商談化の件数」、「受注金額」、「受注見込み金額」、「進捗中の商談件数」、「期中目標に対する進捗率」などをリアルタイムで把握できるようになりました。また、コンサルティングの各チームが現状どのようなステージにいて、どの程度の受注見込金額があるのかについても可視化されました。さらに、その数字を担当者別に分解し、「今、誰がどの程度の案件を抱えているのか」や「受注しているのか」といった詳細も把握できるようになりました。
経営陣から「これが銀行で実現したかった営業の形だ」と支持と理解
― 営業プロセスを変えることに苦労する企業も多い中、なぜ御社はスムーズに実行できたのでしょうか?
山中氏:当初、「ステージ管理」という概念について正確に理解していた社員が多くはなかったと思います。そこで、社内に向けた導入説明会では「これから導入するZoho CRM は単なる案件管理ツールではありません」と伝えました。その後、SFAツールとして使うことで、受注率を向上させたり、お客さまへの支援体制を強化することが重要であると順を追って説明しました。
コンサルティングの手法・進め方はチームごとに異なりますが、共通点は多いです。そのため、普遍的な部分を落とし込んでしっかりと説明しました。社長をはじめとする経営陣からも「これが銀行で実現したかった営業の形だ」と支持と理解を得られ「言語化してくれてありがとう」という反応もありました。社員への丁寧な説明に努めた結果、社員から理解を得られただけでなく、経営陣からも号令が出たことが、スムーズな導入を実現できた要因だと考えています。
キャンバス機能を使って画面をカスタマイズ
― 使いやすくするために、ユーザーインターフェースも工夫されていますね。
山中氏:はい、「見込み客」、「取引先」、「連絡先」、「商談」の四つのタブを、すべてキャンバス機能で構築しています。その際に意識したのは、「できるだけ画面をスクロールせずに使える」ことです。アクセス頻度の高い項目は、画面の上部に見やすくグルーピングしています。上部にはメニューバーがあり、1ページの中で全体の案件概要を確認できます。メニューバーにはメモのタブも設置しており、メモのページにすぐにアクセスできるようになっています。さらに、見積書や商談ページもタブで整理しており、入金予定などの情報もタブで分けています。
案件の状況を見える化することで、営業メンバーの働き方の“質”まで大きく変化
― Zoho CRM を導入して半年近く経ちますが、社内にはどのような変化がありましたか?
山中氏:私たちも含めて、Zoho CRM 導入までは、エクセルを使って地道に集計を行っていました。それが、Zoho CRM を導入することで最新の状況がリアルタイムで可視化できるようになり、社員の働き方の質そのものが変化してきたと感じています。
例えば、今チームが抱えている案件の状況をステージごとに確認するとします。その際、ステージの後半に案件が溜まっていて、新規案件が少ないことが分かれば、「新規獲得を増やそう」という指示を出せます。以前は、商談のステージを可視化できなかったため、指示が難しかったのですが、Zoho CRM を導入したことで、より戦略的に動けるようになりました。
また、初期ステージの案件が多い場合には、それらの案件を次のステージに進めるために、マネージャーが関与すべき点や、ボトルネックを取り除くなどの対応ができるようになりました。こうした組織的な動きができるようになったのは大きな変化です。
その他にも、成功体験を積み重ねていくことで、社員全員が「CRMにデータを入力するとこんなメリットがあるんだ」と自然に理解していくようになり、CRMへのデータ入力が進む、という好循環が生まれています。以前はエクセルベースで作成していた会議資料も、Zoho Analytics を使うことで簡単に作成できるようになっています。
― 今後の展望をお聞かせください。
山中氏:現状、Zoho CRM とZoho Analytics をメインで使っている状況で、その他のツールはこれからです。
例えば社内SNSツールであるZoho Connect には目下、各コンサルティングチームが持つノウハウを蓄積している状況なので、これを社内で共有できるプラットフォームにしたいと思っています。さらに当社はコンサルティングという、顧客と契約してから数か月~1年という長いスパンで関わるサービスを提供しているため、その長い取り組みをしっかり管理するためにZoho Projects の利用も全社的に進めていきたいと考えています。
― 今、Zoho CRM の導入を検討している企業へメッセージをお願いします。
中嶋氏:営業担当者にとっては、いかに商談を受注まで進めていくかという部分がとても重要です。そのためには、商談をいくつかのステージで区切って細かく管理していくのが理想的です。現状を把握して、着実に次のステージへ進める、という営業活動をサポートしてくれる点でZoho CRM はとても頼もしいツールです。
山中氏:Zoho CRM は企業が保有する最大の資産である「顧客情報」を管理して、全員で共有・有効活用できるシステムです。日々の営業活動で獲得した顧客情報をZoho CRM に入力することで営業活動の在り方そのものを一変させることができます。その実力は、当社が身をもって体験していますし、非常に強力なツールと言えますね。
株式会社 京都総研コンサルティング
- 所在地:京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町700番地
- 業種:コンサルティング
- 従業員数:45名(2024年10月時点)
- ビジネス:BtoB
- 事業内容:・企業、国、地方自治体などを対象としたコンサルティング業務
・地域経済、産業、金融、企業に関する各種研究調査
・「京銀プレジデントアソシエーション(KPA)」会員事業 他 - 創業:1987年4月1日
- URL :https://www.kyotosoken.co.jp/
導入支援パートナーについて
ONiWA株式会社
弊社は、中小企業のデジタルマーケティングとDXに強いコンサルティング会社です。弊社が得意とするのは、中小企業に特化したデジタルマーケティング戦略とZohoを活用した売れる仕組みの構築です。
中小企業に必要なのは、大掛かりなDXによる改革ではなく、より早く売上を作り経営基盤を強固にすること。その次にDXによる業務効率向上で収益改善を図るという段階的な取り組みです。マーケティング戦略の立案だけでなく、ITやシステム開発にも強いコンサルタントが、御社の業務の課題解決のために最適な戦略と導入後の運用面まで考慮したZohoの導入提案を行います。
【弊社の具体的なサービス】デジタルマーケティング及びDXのコンサルティング、Zohoを活用したシステム提案・導入(含むカスタマイズ)、Webサイト制作、デジタル広告運用、Shopifyを使ったECサイトの構築、CMS(a-blog cms, WordPress)の実装等。
- 本社所在地:愛知県名古屋市西区那古野2-14-1
- 設立: 2020年7月
- 従業員数: 8名
- 業種:IT(デジタルマーケティングコンサルティング、DXコンサルティング、Zoho導入・カスタマイズ支援、Webサイト制作、EC構築、アクセス解析、デジタル広告など)
- パートナー認定: 認定パートナー
- ビデオ会議対応: 可能
- 対応地域: 全国
- 対応サービス: 全サービス
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