CRM/SFA 導入事例急成長企業の舞台裏。
創業と同時に導入したZoho CRM により、
少人数で効率的かつほぼ漏れゼロの業務オペレーションが実現
- 株式会社 and mark
- 所在地愛知県安城市東栄町6丁目5番地7
- 業種製造業
- 設立2021年12月
- 従業員数3名
- ビジネスBtoB
事業の規模にかかわらず、資金や人員が限られる創業時。起業家は限られたリソースで営業からバックオフィス業務まで幅広く対応せざるを得ない。「個人」に依存した属人的で非効率な業務オペレーションや、それに伴う商機の逸失といった、さまざまな問題を抱えがちだ。
もちろん、Zoho CRM はそんな創業時においても大いに力を発揮する。本事例で紹介する株式会社 and markは、愛知県安城市に位置する小規模事業者。金属加工の現場で欠かせない「切削液」の販売などを行っている同社では、2021年の設立時に、スマートな案件管理を目指してZoho CRM を導入し、順調に事業を成長させている。
わずか3年足らずで事業を軌道に乗せた背景で、Zoho CRM がどのような役割を果たしたのか――。今回は代表取締役の渡辺 徹氏、営業を担当する渡辺 旭氏、そして導入パートナーとしてZoho CRM の導入をサポートした株式会社ONiWAの稲葉 智宏氏に話を聞いた。
会社設立にあたっては、できるだけ早い段階で
顧客管理システムを導入することが重要だと考えています。
Zoho CRM は初心者でも理解しやすく、直感的に操作できるシンプルさが非常に印象的でした。
代表取締役 渡辺 徹氏
――まず初めに、株式会社 and markについて教えてください。
渡辺 徹氏:当社は、愛知県安城市に所在する株式会社安城トラックセンターの新規事業として、2021年に設立された工業用切削液の販売会社です。
当社が取り扱う「切削液」とは、工場などで金属やその他の材料を加工する際に、加工効率や品質を向上させるために使用される液体です。主に金属の切削、研削、穴あけ、フライス加工など、切削工具を用いた加工において利用されます。切削液は、工具や加工品の冷却、潤滑、洗浄、防錆といった効果を発揮し、金属加工において欠かせない存在となっています。
しかし、従来の切削液は鉱物由来であるため、人体に悪影響を及ぼすリスクが存在しました。また、バクテリアが繁殖して悪臭を発生させることがあり、その対策として塩素を添加すると、今度は使用者の肌に悪影響を及ぼすこともありました。このように、切削液にはさまざまなデメリットが存在していました。
その点において、当社が提供する切削液は「第3の切削液」として知られ、人体や地球環境に優しい製品です。アルカリ電解水を使用しているため、健康リスクがほとんどなく、さまざまな利点があります。実際に、従来の切削液による悪臭が原因で外国人従業員からクレームが寄せられていたお客様が、当社の切削液を導入することでその問題を解決した事例もあります。
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汎用性とカスタマイズ性の高さを評価して、創業と同時にZoho CRM を導入
――貴社がZoho CRM を導入するにいたった経緯はどのようなものだったのでしょう?
渡辺 旭氏:and markを立ち上げる前は、品質試験を行う企業で勤務していました。
その企業は岐阜県に本社を置いていましたが、営業所が愛知県、神奈川県、大阪府など日本各地に分散していたため、顧客情報の一元管理や業務の効率化を図るために「kintone」を導入していました。
私自身もkintoneを利用して案件管理を行っていたため、顧客管理システムの利点を深く実感していました。そのため、and markを立ち上げる際には、顧客管理システムの導入が必須であると強く感じていました。
渡辺 徹氏:では、なぜZoho CRM を選んだのかというと、実はand markを立ち上げる前から、ランディングページの制作を依頼した際のつながりでONiWAの稲葉さんと知り合っていたからです。and markを創業する際に稲葉さんに相談したところ、Zoho CRM をおすすめされたのがきっかけです。
渡辺 旭氏:最初に稲葉さんから「こういったシステムがあります」とZoho CRM を紹介していただきましたが、非常に汎用性が高く、カスタマイズも柔軟にできる印象を受けました。そのため、顧客管理システムについては、他の製品と比較することなく、最初からZoho CRM 一択でした。
――ここからは、実際にZoho CRM の導入をサポートした株式会社ONiWAの稲葉さんにもご参加いただき、お話を伺います。まずは、導入の流れについて教えていただけますか?
渡辺 旭氏:先ほどお話しした私の経験から、会社設立にあたっては、できるだけ早い段階で顧客管理システムを導入することが重要だと考えていました。
初期段階で案件や顧客情報をエクセルなどで管理してしまうと、遅かれ早かれ管理の限界が訪れます。さらに、そのような状況に陥ってから顧客管理システムを導入しようとすると、大量に蓄積された情報を整理し、取り込む必要が出てきます。したがって、比較的早い段階で顧客管理システムを導入することが最善の選択だと考えています。
当社は創業時に顧客管理システムの導入を始め、約半年でその作業を完了しました。
ONiWA 稲葉氏:はじめに、旭様から「Zoho CRM を使って、こういったことを実現したい」という仕様書の草案をいただき、それに基づいてシステムの実装を進めました。当然、事業を開始する中で新たなニーズが生じることもありますので、その点については実際に事業を始めてから並行して進めていったという状況です。
渡辺 旭氏:当社が展開している二つの事業、「加工の受託」と「切削液の販売」は、それぞれ異なる分野ですが、業務フロー自体はそれほど複雑ではありません。そのため、実際に業務を進める中で、「このようなことは可能ですか?」と都度、稲葉さんに相談しながら、現在の形に整えていきました。
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――実際にZoho CRM はどのように活用されていますか?
渡辺 旭氏:当社は主に「加工品の受託サービス」と「切削液の販売」の2つを事業の柱としており、どちらもZoho CRM を活用して管理しています。
Zoho CRM では、「加工品の受託」や「切削液」などのタブを使って、各事業を管理しています。
「加工品の受託サービス」では、お客様からご相談を受けた際に、Zoho CRM 上で「案件」を作成します。この段階で、案件の内容や要件を登録し、見積書を作成してお客様に提出します。その後、発注を受けた時点で案件を「受注」として登録します。受注が確定した後は、取引先の外部協力会社に加工を依頼します。この際、Zoho CRMを活用して外注先の情報を管理し、登録しながら商談を進めます。外注先から納品物が届いた後、最終的に発注元であるお客様に加工品を納品します。納品が完了した時点で、案件を「納品」としてZoho CRM 上でクローズします。
切削液の販売は、基本的にお客様からの発注を受けて業務が開始されることが多く、こちらから積極的に営業を行うことはありません。まずは、お客様からご相談をいただいた際に、Zoho CRM 上で「案件」を作成し、詳細な情報を入力します。その後、受注が確定し、お客様への納品が完了した段階で案件をクローズする流れとなっています。また、容器代や溶剤の購入などの外注費が発生した場合も、Zoho CRM で外注の管理を行い、商品を仕入れて納品を受けた時点で同様に案件をクローズするイメージです。
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Zoho CRM を活用することで、創業以来現在に至るまで、請求書の出し忘れを95~98%の精度で抑制
――Zoho CRM をご利用いただく中で、特に便利だと感じる点は何でしょうか?
渡辺 旭氏:クラウド上で管理できるというのが大きなポイントですね。
以前勤めていた会社ではMicrosoft Outlook を使用していたため、別のパソコンから操作することができず、毎回ミラーリングを行わなければならないという不便さを感じていました。しかし、Zoho CRM はブラウザ上で動作するクラウドサービスなので、場所を選ばずに利用できます。メールアドレスとパスワードさえあれば、いつでもどこでもアクセスでき、メールの内容や案件の情報、フォルダ内のファイルも確認することができます。この点は非常に便利だと感じています。
さらに、自社のニーズに応じて使いやすくカスタマイズできる点も非常に便利です。
例えば、弊社では「納品書」と「見積書」をタブ一つで簡単に切り替えられるようにカスタマイズしています。また、「納品書」や「見積書」の発行日を記録する専用の欄を設け、それぞれの発行日を明確に管理するなど、さまざまな工夫を行っています。一般的なシステムでは書類の固定フォーマットが変更できないことが多いですが、Zoho CRM では必要に応じて柔軟に項目を追加・編集できる点が非常に便利です。さらに、発注書の印刷や電子化といった業務にも対応しやすく、細かな業務上のニーズにも応えることができます。
――Zoho CRM を導入することで、具体的にどのような効果が得られましたか?
渡辺 旭氏:創業時にZoho CRM を導入したため、「ここがこう変わった」という具体的な変化は特に感じていません。ただし、創業以来、請求書の漏れがほとんどないのは、Zoho CRM を導入したおかげだと思います。多少の金額の差異は生じたこともありますが、この3年間で95%から98%の精度で出し忘れや記入漏れが抑えられており、大変助かっています。
渡辺 徹氏:私はZoho CRM をあまり操作する機会はありませんが、ダッシュボードを通じて売上や粗利を瞬時に把握できる点は非常に助かっています。「加工品の受託」と「切削液」の各事業の状況をリアルタイムで確認できるため、今後の経営方針を立てる上で大いに役立っています。
このダッシュボードをはじめ、Zoho CRM は情報を可視化し、数値として把握できるため、今後は受発注予測なども行えるようにしたいと考えています。
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――今回、パートナーとして導入をサポートしてくださった株式会社ONiWAの稲葉さんについての評価をお聞かせいただけますか。
渡辺 旭氏:私自身、ITに関しては得意ではないため、ここまでのことを自力で成し遂げることは到底できなかったと思います。実際、今回のZoho CRM の導入にあたっても、最初に稲葉さんからマニュアルを通じて基本的な使い方を教えていただくことから始めました。
その際、「こうしたい」と思ったことがあれば、その都度要望をお伝えし、対応していただくという流れになります。大規模な設定やカスタマイズについては、まず稲葉さんに相談させていただいています。説明が丁寧でわかりやすく、常に親身になってサポートしていただけるので、本当に助かっています。
――導入パートナーを活用することのメリットについて、どのようにお考えですか?
渡辺 旭氏:導入したばかりの頃は、「このボタンは何だろう?」や「Zoho CRM を使って、こういうことはできるのかな?」といった疑問がたくさん浮かんでくると思います。
その際、導入パートナーに頼らずに自分だけで進めようとした場合、マニュアルを読んでも理解できず、最終的にはZOHO に問い合わせることになり、解決までに非常に時間がかかっていたことでしょう。導入パートナーを活用することで、こうした時間のロスを避け、効率的に導入を進めることができます。
さらに、クラウドシステムの特性により、設定やカスタマイズをお願いした際にも、遠隔で作業を完了してもらえるのは大変便利な点です。
Zoho CRM の導入により、業務のペーパーレス化や人件費の削減といった副次的なメリットも
――オールインワンパッケージ「Zoho One」を導入いただいていますが、今後、Zoho CRM をはじめとするZoho ツールをどのように活用していく予定ですか?
渡辺 旭氏:最初に稲葉さんから「まずはZoho CRM とZoho Mail をある程度使いこなしてから、他のツールも順次使っていきましょう」とアドバイスをいただきました。私も社長も、ようやくZoho CRM とZoho Mail に慣れてきたところです。
次に、メールマーケティングツールのZoho Campaigns やウェブ会議ツールのZoho Meetingを活用していきたいと考えています。
ONiWA 稲葉氏:現時点で既にZoho CRM 、Zoho Mail 、Zoho WorkDrive 、Zoho Sites を利用されています。今後、従業員が増加する際には、社内コミュニケーションのためにZoho Cliq を導入するのも良いかもしれませんね。
――最後に、Zoho CRM の導入を検討している企業の皆様へメッセージをお願いします。
渡辺 徹氏:Zoho CRM を導入することで人件費の削減が期待できると思います。
具体的には、事務作業にかかるコストについてです。例えば、伝票の作成や受注管理など、これまで事務スタッフが行っていた業務が、ほぼZoho CRM で対応可能になります。実際、当社でもこの点において大きな恩恵を受けています。
さらに、これまで手間がかかっていた伝票や納品書の発行が簡単に行える点も大きな魅力です。また、従業員が増えた際にも、出先からミーティングを行えるのは非常に便利だと思います。例えば、車で移動中でも15~20分程度の短いミーティングができれば、業務がより効率的に進むのではないでしょうか。
渡辺 旭氏:SDGsの流れの中でペーパーレス化が進む中、多くの企業が紙媒体をスキャンして管理していることでしょう。しかし、Zoho WorkDrive を活用すれば、PDFを簡単に保存・共有でき、管理がさらに効率的になります。
特に、外出先で図面を確認する必要がある場合、紙の資料を持ち運ぶ手間を省き、スマートフォンで必要な情報にすぐにアクセスできるのは非常に便利です。急な対応が求められる場面でも柔軟に対応でき、共有機能を活用すれば、顧客や社内でのやり取りもスムーズに行えます。
顧客情報をエクセルで管理している企業においては、Zoho CRM を導入することで管理作業が一層簡素化され、業務の効率化が図れることを強くお勧めいたします。
実は、私もZoho CRM を導入する前は「ZOHO」というベンダーを知りませんでした。しかし、実際に使ってみると、初心者でも理解しやすく、直感的に操作できるシンプルさが非常に印象的でした。
Zoho CRM は、ITに不慣れな世代の方々にも使いやすい設計がされているため、幅広い年齢層に適していると感じています。ペーパーレス化やデジタル管理を検討している方には、ぜひお試しいただきたいツールです。
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株式会社 and mark
- 所在地:愛知県安城市東栄町6丁目5番地7
- 業種:製造業
- 従業員数:3名
- ビジネス:BtoB
- 事業内容:第3の切削液の販売提供、加工品の受託サービス、各種評価試験の受託サービス、掃除用除菌水の販売
- 設立:2021年12月
- URL :https://andmark.ltd/
導入支援パートナーについて
ONiWA株式会社
中小企業のデジタルマーケティングとDXに強いコンサルティング会社です。得意とするのは、中小企業に特化したデジタルマーケティング戦略とZoho を活用した売れる仕組みの構築です。
中小企業に必要なのは、大掛かりなDXによる改革ではなく、より早く売上を作り経営基盤を強固にすること。その次にDXによる業務効率向上で収益改善を図るという段階的な取り組みです。マーケティング戦略の立案だけでなく、ITやシステム開発にも強いコンサルタントが、御社の業務の課題解決のために最適な戦略と導入後の運用面まで考慮したZoho の導入提案を行います。
- 本社所在地:愛知県名古屋市西区那古野2-14-1
- 設立:2020年7月
- 従業員数: 8名(2022年10月末時点)
- 業種:IT(デジタルマーケティングコンサルティング、DXコンサルティング、Zoho導入・カスタマイズ支援、Webサイト制作、EC構築、アクセス解析、デジタル広告など)
- パートナー認定: 認定パートナー
- ビデオ会議対応: 可
- 対応地域: 全国
- 対応サービス: 全サービス
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