会計事務所の急成長を支えるZoho CRM
柔軟なカスタマイズ性と拡張性で業務に革命をもたらす
- Accountants and Business Advisors, LLC
- 業種金融
- 従業員数100人以上
- 事業の形態株式非公開
- ビジネスBtoB
「Zoho は、想像もしなかったような方法で私たちのビジネス、及びクライアントへのサービス提供に革命をもたらしました。Zoho は私たちのビジネスに欠かせないものとなっており、もう以前のやり方には戻れません」
Accountants and Business Advisors, LLC
COO ロバート・クレイグ 氏
導入効果
- 利用率100%
- 導入期間6カ月
- 削減コスト年間30万ドル
企業概要
Accountants and Business Advisors, LLC(以下、ABA社)は、2011年にウィリアム・D・キング 氏が立ち上げた会計事務所です。"米国医師の活躍を支援する"というビジョンを掲げ、9名のメンバーで創業しました。現在は133名の従業員を抱え、全米で3,000社以上のクライアントにサービスを提供するまでに成長しました。
ABA社は、主に医師、歯科医師、獣医師、および中小企業向けに、税負担率の最小化と独自のキャッシュ・フロー計算書を提供しています。そのキャッシュフロー計算書は、他の米国内の会計事務所とは一線を画しています。ABA社は、クライアントとのコミュニケーションを重視しており、事業の経営をサポートする方法についてクライアントが理解しやすいように心がけています。そこで、従来の分かりにくい財務諸表を使わずに、独自のキャッシュ・フロー計算書を開発しました。
導入前の課題
年月が経つにつれ、ABA社は予想をはるかに上回るスピードで成長を遂げました。自社のビジネスプロセスを処理するには、データがサイロ化(組織や情報が孤立し共有できていない状態)された時代遅れのレガシーシステムにはもはや頼ることはできないと考えました。ABA社は、同社がこれまで経験してきた成長および今後予想される成長に対応できるようにするために、従来のシステムに取って代わるような、社内で迅速に情報共有できるソリューションを求めていました。
この課題に取り組むため、ABA社はCOOとしてロバート・クレイグ氏を採用しました。ソフトウェアの導入経験が豊富なクレイグ氏は、まずチームと協力して課題を特定することが重要だと考えました。既存の業務プロセスを整理したクレイグ氏は、会計事務所を対象としたソフトウェアソリューションは機能が不十分で、経営陣の期待には応えられないという結論に達しました。
ソリューション
ABA社の課題が明確になった時点で、Zoho CRM が最適な選択肢だということは明らかでした。
クレイグ氏は、導入プロセスを円滑に進めるために、優秀なZoho 導入支援パートナー陣に連絡を取りました。Zoho パートナーのNavigate CRMとNimbis Designsは、両社で協力しあい、ABA社が必要としていた情報を提供し、かつZoho CRM をABA社のビジネスニーズに合わせてカスタマイズできることを確約しました。
「Navigate CRMのミッシェル氏は、Zoho を導入するのに力を貸してくれました。彼女はまた、Nimbis Designsを紹介してくれましたが、両社とも Zoho のシステムの細部に至るまで熟知していました。そのため、レガシーシステムでは実現できなかったことに対する解決策として、Zoho がふさわしいと確信を持てました。多少の開発と軽微なカスタマイズにより、課題を解決できました。次第に活用の幅が広がった結果、Zoho CRM を通じて何百ものプロセスが改善され、より効率的でスムーズにプロセスを処理できるようになりました」
ロバート・クレイグ氏
ABA社 COO
運用を開始するまでに6カ月、その後クレイグ氏がさらに6カ月間トレーニングを実施しました。
複雑なプロセスを単一のプラットフォームで管理
ABA社の圧倒的な成功と成長は、他に類を見ません。ABA社は、主に口コミによる紹介で見込み客を獲得していました。
Zoho CRMとオンラインフォーム作成サービス「Zoho Forms」を連携させて、Webサイトのフォームからもリードを獲得できるようにして、フォームを通じて送信されたリード情報が、CRMに自動で登録されるようにしました。さらに、CRMに情報が登録されたら、リードに自動で契約書が送信されるワークフローが起動します。電子署名サービス「Zoho Sign」とも連携させることで、ABA社は全国の見込み客と迅速に電子契約できるようになり、ビジネスプロセスを加速できました。
さらに、電話連携を行い、CRMに電話機能を追加しました。ビジネスアドバイザーは、見込み客を電話でフォローアップし、顧客に転換するためのプロセスに則って業務を進めます。必要書類を集める前に、Zoho Sign を利用して委任契約書を送付するのもその一環です。
Zoho CRM を導入する前は、PDFや署名入りの文書をスキャンし、FAXで送信するという煩雑な処理を行っていました。しかし、Zoho CRM の導入により、これらの煩雑な処理が解消されました。
ABA社のような独自性の高い会計事務所には、柔軟にカスタマイズできるソリューションが必要です。Zoho CRM のカスタマイズ性を活かして、通常のタブに加えてクライアントサービスタブを新たに作成し、クライアントに提供するサービスの追跡を簡単に行えるようになりました。クライアントが追加サービスを希望した場合、ABA社はこのタブから委任契約書を作成し、送信します。
さらに商談タブをジョブタブとして使用するようにカスタマイズし、商談に進捗状況も把握しやすくなりました。
ABA社はビジネス要件に合わせ、約10件のカスタムタブを構築しました。例えば、役職と権限に基づき、特定の担当者だけがアクセスできるPCIコンプライアンスを管理するタブ、クライアント情報を活用して、クライアントと正式に取引を開始するまでの社内コミュニケーションの流れを管理するオンボーディングタブなどがあります。
連携を促進し、サイロ化を回避
Zoho CRM とプロジェクト管理ツール「Zoho Projects」を連携させて、商談タブにデータが追加されると自動的にプロジェクトが立ち上がり、適切な人材がアサインできるようになりました。このシームレスな連携により、クライアントとプロジェクトの情報が可視化され、社内のコミュニケーションミスがなくなりました。
現在、ABA社は Zoho で、1万件の稼働中のプロジェクトを管理しており、3万件のプロジェクトを完了させています。
プロジェクトが完了すると、その後は請求チームが引き継ぎます。ABA社は、サブスクリプション管理ツール「Zoho Billing」をZohoCRM やZoho Projects と連携させ、ビジネスプロセスの最終段階である定期請求の発生するクライアントや月次請求が必要なクライアントへの請求を行っています。現在ABA社は 会計ソフト「QuickBooks」 を使用しており、QuickBooks を通じて年間7,500社以上のクライアントに請求書を発行しています。Zoho CRM との連携を通じて、ABA社はクライアントのプロジェクトの全体像を可視化しています。
このようなさまざまな連携における包括的かつ複雑な自動化プロセスは、Zoho Flow よって実現されています。
一体型顧客ポータルで顧客満足度を向上
ライアントとの効率的なコミュニケーションを実現するため、ABA社はクライアントの情報や文書を安全に転送できる手段を求めていました。Zoho のプレミアムパートナーであるCatalyst Connectは、クライアント自身が会社のWebサイトから直接、かつ安全にログインできる一体型クライアントポータルソリューションを導入しました。クライアントはこのポータルを通じてABAの企業情報や連絡先情報の管理、サポートチケットの送信と管理を行い、さらに納税シーズンには、すべての書類を提出できるようになりました。このポータルを通じて、ABA社では年間15万件を超える文書を円滑に転送できるようになりました。
ビジネスの全体像を理解
Zoho CRM と Zoho Analytics の連携により、ABA社 はKPIの進捗状況を視覚的に把握・分析できるようになりました。チームは、SLAを締結しているクライアント数、月次報告書、作成中の税務申告書、それぞれのステータス、日々の完了したレビュー数、IRSの期限などのトラッキングに活用しています。
要件を満たすために、さらに一歩先へ
ABA社は、抱えていた課題を解決し、必要な成果を得られましたが、それだけに留まりません。Zoho の機能と連携性を積極的に活用してシステムを強化し、課題を見つけてはその解決策をシステム内で見いだす努力を続けました。
カスタムアプリ開発プラットフォーム「Zoho Creator」を使用して、ABA社は複数のアプリケーションを作成してビジネスプロセスを運用しています。たとえば、クライアントミーティングアプリです。ビジネスアドバイザーたちは四半期ごとにクライアントと面談し、税負担率の最小化が順調に進んでいるかどうかを確認します。ABA社はこのミーティングを年間約4,000回行っているため、ミーティング日程の調整とクライアントレポートの準備が円滑に行われる必要があります。Zoho Creator とZoho CRM 、Zoho Projects を連携させることで、これらの情報は社内で共有されています。
また、社内だけでなく社外とのコミュニケーションも非常に重要です。クライアントには、税金の変更やアップデート情報を送る必要があり、特に変更通知を送信する歳は、サービスの委任契約書も併せて送信する必要があります。この変更通知を即座に送信する仕組みが必要でしたが、Microsoft Outlook との連携により、メールテンプレートを使って情報をとりまとめ、3時間以内にクライアントに一斉メールを自動送信しています。「これは会計事務所としては前例のないことです」とクレイグ氏は語ります。
「Zoho CRM の導入で人件費を削減でき、これまで不可能だったレベルで組織を可視化できるようになりました」
ロバート・クレイグ氏
ABA社 COO
Zoho CRM の導入効果
Zoho CRM を導入してから 1 年も経たないうちに、ABA社はこのシステムの導入効果を実感しました。結果、チーム内の利用が促進し、Zoho CRM の利用率は100%に達しました。また、Zoho CRM と連携サービスを使い続けることで、ROI(投資利益率)も大幅に向上させることができました。クレイグ氏は、パンデミックにもかかわらず、ABA社が最高の顧客体験を提供できるようになったのは、Zoho のおかげだと高く評価しています。
「Zoho は、想像もしなかったような方法で私たちのビジネス、及びクライアントへのサービス提供に革命をもたらしました。Zoho は私たちのビジネスに欠かせないものとなっており、もう以前のやり方には戻れません」
ロバート・クレイグ氏
ABA社 COO
今後の展望
現在、ABA社は Zoho One に含まれる23のアプリケーションを利用しています。Zoho によって業務の自動化とシステム統合のメリットを実感した今、クレイグ氏は会社の成長に伴ってZoho の利用を拡大し、全体最適化していくという壮大な計画を立てています。
Accountants and Business Advisors, LLC
- 業種: 金融
- 従業員数: 100人以上
- 事業の形態: 株式非公開
- ビジネス: BtoB
- URL :https://aba-advisors.com/