データダッシュボードとは、企業や組織内のデータを一元的に可視化するためのツールのことです。
いわゆるBI(ビジネスインテリジェンス)ツールのうちの1つで、様々なデータソースから収集された情報を、グラフや表、指標などの形でわかりやすくまとめ、リアルタイムで可視化することができます。データダッシュボードにより、ビジネスの重要な指標を瞬時に把握することができ、迅速な意思決定や業務改善に役立てることができます。また、データダッシュボードは、データを自動的に更新するため、従来の手動のレポート作成に比べ、時間や手間を大幅に削減することができます。ビジネスの成長や競争力を高めるために、データドリブンな意思決定をするためには、データダッシュボードは欠かせないツールの一つと言えます。
データダッシュボードが重要な理由
データダッシュボードが取り扱えるデータ量は紙やExcelシートよりも膨大。これをもとにグラフや表などに変換して、複雑な前後関係や市場傾向も簡潔に見極めることができます。また、加速化する市場情勢で競争するためには、意思決定スピードの速さが大きな影響を与えます。データダッシュボードは、ビジネスの現状をリアルタイムで可視化するため、企業や組織の重要な指標を瞬時に把握し、迅速な意思決定を可能に。
データ基準で主観的な判断を避け、より客観的かつ正確なビジネスの効果、課題や傾向の特定に役立ちます。
さらに、データダッシュボードは手動でデータを収集して分析する必要がなく、自動的にデータを更新することができます。そのため、レポートや報告書の作成などにかかっていた時間や手間を大幅に削減することができます。
データダッシュボードを使うメリット、デメリット
データダッシュボードもメリットばかりではありません。特徴を理解して、うまくビジネスに取り入れましょう。
できること
1. 重要指標やKPIの視覚化
データダッシュボードは、企業や組織の目標に関連するKPIなどの指標をグラフ・表などの視覚的な形で表示することができます。
2. リアルタイムのデータ
データダッシュボードはリアルタイムのデータを表示する機能があるので、企業や組織の現在の状況を即座に把握することができます。
3. 複数のデータソースを統合
データダッシュボードは、複数のデータソースからのデータを自動で統合して表示することができます。手動でデータの集約や更新をすることなく、より全体的な視点でデータを比較・分析することができます。
4. 作業効率アップ
データダッシュボードを利用すると、データの分析やレポート作成にかかる時間やコストを節約可能。また、自動更新機能がある場合は、手動で更新する必要がなく、作業の効率化が図れます。
5. 円滑なコミュニケーション
ビジネスの状況や課題、改善点などが視覚的に共有されるため、良好なチームワークも実現。チーム内での情報共有やコミュニケーションをスムーズにする効果が期待できます。
できないこと
1. 詳細な分析
データダッシュボードは、企業や組織の概況を把握することには適していますが、1つ1つの詳細なデータ分析には適していません。
2. 原因や背景の把握
データダッシュボードでデータの原因や背景を特定することはできません。可視化されたデータから読み解く必要があります。
3. データの品質
データダッシュボードは、入力されたデータの正確性や完全性について判断することはできません。データの品質管理は、別途行う必要があります。
データダッシュボードの作り方と活用方法
ダッシュボードをどのように作成すれば良いか、Zoho CRM の機能を例にご紹介します。Zoho CRM のダッシュボード機能について詳しく知りたい方はこちら。
・特定期間の売上傾向を表すグラフ
必要に応じて日別や年間で簡単に表示期間を切り替えられるため、特定の期間を比較して、繁忙期・閑散期の把握や、リソースの調整に活用できます。
・地域別、商品カテゴリー別の売上高を表すグラフ
地域別、商品カテゴリー別の売上高を表示するダッシュボードがあれば、目標やKPIとの乖離、改善すべきポイントなどの洗い出しが容易になり、意思決定や戦略立案にかかる時間を大幅に短縮できるようになります。
・ステージ別の案件状況
管理者だけでなく、営業担当者
これらの例はあくまでも一例であり、データダッシュボードはビジネスのニーズに合わせてカスタマイズすることができます。マーケティングデータでも、広告費用やコンバージョン率、マーケティングキャンペーンの成果などを表示することができます。
データダッシュボードを利用する際の注意点
データダッシュボードを利用する際には、以下のような注意点があります。
1. 目的を明確にする
どのような情報をダッシュボードで表示する必要があるか、事前に目的を明確にしましょう。無意味な情報を表示することになるため、利用者の理解度が低下する可能性があります。
2. データの品質確認
ダッシュボードに表示されるデータの信頼性を確保しましょう。不正確なデータを参照したダッシュボードであった場合、業務にマイナスの影響を与えかねません。
3. ユーザーに合わせた設計
ダッシュボードは利用者ごとに必要なデータが異なります。利用者に合わせて適切なグラフやチャートを使用し、表示する情報量、種類を適切に調整しましょう。
4. プライバシーとセキュリティ
表示される情報が個人情報や機密情報に関連する場合、アクセス権限の管理などの対策をする必要があります。