OODAループとは?
「OODA(ウーダ) ループ」とはObserve-Orient-Decide-Act Loopの略語で、米国の空軍軍人であるジョン
・ボルチモアによって考案された意思決定アプローチを指します。
Observe(観察)=状況を観察すること
Orient(状況判断)=状況から情報を分析して行動の方向性を考えること
Decide(意思決定)=情報から行動を決定すること
Act(行動)=決定した行動を実行すること
PDCAは時代遅れ?OODAループが注目される背景
「OODAループ」は、変化する環境下での行動の流れを表したものであり、状況に対してスムーズかつ迅速に対応することを可能にするとされています。このため、戦闘やビジネスなど、多様な分野で採用されています。「PDCAが時代遅れ」という文脈で「OODAループ」が挙げられるのは、PDCAよりも変化に対応しやすいため、現代のビジネス環境により適しているとされています。
OODAループとPDCAの違い
PDCAとOODAループは、それぞれ異なるアプローチをとっていますが、両者とも行動や流れを改善するために用いられます。PDCAはシステムやプロセスの改善に用いられ、OODA ループは状況変化に対しての迅速な対応に用いられます。
PDCA
OODA
目的
システムやプロセスの改善
迅速かつ正確な判断・意思決定を行う
利用シーン
品質管理やプロセス改善に最適。比較的穏やかな状況下での問題解決に適している。
外部環境の変化が激しい状況下で、迅速かつ正確な判断と決定を下し、素早く行動に移す必要がある場面に適している。
OODAループを実行する4つの手順
01
Observe(観察)
現実の状況を観察します。この段階では、情報を収集し、分析することが重要です。企業では例えば、競合他社のマーケットシェアを観察し、自社のポジションを評価することが挙げられます。
02
Orient(状況判断)
観察された情報を使用して、状況を理解することができます。この段階では、情報が現在の戦略や目標とどのように関連しているかを考慮する必要があります。例えば、自身の戦略の実現可能性を分析したり、手元にあるリソース(人的、物的、財的リソース)を分析します。
03
Decide(意思決定)
観察された情報を元に、最良の決定を行います。この段階では、状況に応じて戦略を調整し、行動計画を立てます。具体的には、最善な戦略、人材配置などを判断します。
04
Act(行動)
決定された計画に従って、行動を実行します。この段階では、計画を実行し、結果を観察することが重要です。
*And loop from Observe
営業におけるOODAループ活用の具体例
- Observe「顧客の動向を把握」
- Orient「データから新しい営業手法を考案」
- Decide「新しい営業手法を決定」
- Act「新しい営業手法を実行」
Observe「顧客の動向を把握」
顧客の属性やサイトの訪問数、展示会参加、ウェビナー予約といった顧客の動向を把握します。この段階では、仮説や分析をもちこまず、ありのままの状況を受け入れます。
Orient「データから新しい営業手法を考案」
Observe(観察)で「都内のスタートアップ企業からの問い合わせ増加」という事実がわかった場合、スタートアップにとっての自社製品の価値が高まっていると判断し、売上につなげる手段として以下のような営業手法が考えられます。
判断が難しい場合、Observeに戻ることもありえます。
- 都内のスタートアップに飛び込み営業
- 都内全域に広告プロモーションを展開
- スタートアップに特化したインサイドセールスのトークスクリプト作成
- スタートアップ向けの展示会への出展
- スタートアップが自社製品を活用した事例を含む営業資料を作成
Decide「新しい営業手法を決定」
Orient(状況判断)で考えられた複数の選択肢のうち、現状を鑑みて意思決定します。例えば、Orientの例の場合、営業部員のリソースや予算を考慮して以下の3点のみを意思決定することを決めます。
- スタートアップに特化したインサイドセールスのトークスクリプト作成
- スタートアップ向けの展示会への出展
- スタートアップが自社製品を活用した事例を含む営業資料を作成
Act「新しい営業手法を実行」
Decide(意思決定)で決めたものを実行に移します。ここで重要なのは、次のObserve(観察)を意識しながら実行することです。
- スタートアップに特化したインサイドセールスのトークスクリプトを使って商談化率が上がるか観察する
- スタートアップ向けの展示会に出展し、来場者数でスタートアップからのニーズが高まっているか把握する
- スタートアップが自社製品を活用した事例を含む営業資料を作成し、成約率が上がったか観察する
PDCAと比較したOODAループのメリット
OODAループは、変化が激しく、即座の判断が求められる戦場という環境で開発されたため、変化の大きい
環境で大きなメリットを発揮します。
状況に対して即応できる
OODAループは意思決定のアプローチです。PDCAのようにじっくり計画したり分析したりするプロセスは無く、状況を把握してから選択肢を考えて決めて実行するのみです。刻々と状況が変わっても対応していけます。
柔軟性が増す
状況が変わることを前提に判断していくため、柔軟性が増します。状況が大きく変わったら対応も大きく変える必要があり、イノベーションを生むことにもつながりやすいでしょう。
決定力が増す
状況が変わったら意思決定を都度もする、ということが前提のため、準備したり調整したりというプロセスはありません。必然的に、状況に応じて意思決定する力が付きます。
PDCAと比較したOODAループのデメリット
OODAループは意思決定、一方、PDCAサイクルはプロセス改善を得意としています。得意ではない部分を「デメ
リット」というべきではないかもしれませんが、PDCAサイクルと比べた時の特徴は次の通りです。
目指すべき結果が明確でない
OODAループはObserve(観察)からはじまるように、大きな目的のための行動ではなく目の前の状況の対応を得意としています。このため、大きな目的には使いづらいです。
評価のプロセスがない
OODAループは状況に即応することを前提としているため、じっくりと腰を据えて評価するプロセスを設けていません。このため、情報が多く複雑な状況を理解することにはあまり向いていません。
中長期的改善や定型作業
の改善には向かないOODAループは意思決定のアプローチであるがゆえに、中長期的改善や定型作業の改善には適していません。目的が明確で、一方通行に計画や評価もしていくPDCAサイクルのほうが中長期的改善には向いています。
OODAループ実践に最適なZoho CRM
Zoho CRM は世界で25万社が利用するCRM(顧客管理)ツールです。SFA(営業支援)機能も備えています。現状を正確
に可視化するレポートからワークフロー機能による自動化やAIによる助言まで、OODAループの各プロセスを強力にサ
ポートします。さらに、スモールスタートを可能にする柔軟な料金プランのため、変化に強い組織の構築に最適です。
「Observe(観察)」に役立つレポート機能
CRM内のデータを自動で収集・集計し、自動でレポート化します。仮説を立てる際に必要となるさまざまな検証を、スピーディーに行うことが可能です。特に、レポートの詳細データを分析するドリルダウン機能は、仮説の具体化に役立ちます。
レポート機能について詳細はこちら「Observe(観察)」を日常化するダッシュボ ード機能
ダッシュボードとは、レポートをグラフやサマリー化したものを、パネル形式で画面に配置する機能です。さまざまな指標が可視化され、マーケティング・営業活動全体の状況をリアルタイムかつスピーディに把握できるため、観察するためのデータの収集・集計作業を省略します。
ダッシュボード機能の詳細はこちら「Orient(状況判断)」を下支えする予測レポート機能
仮説と一定の予測を踏まえた上で、意思決定を行う必要があります。Zoho CRM のレポートには、現状から今後の数値を予測する「予測レポート」が含まれており、「次の一手」を見極める際の貴重な判断材料になります。
予測レポートを含むレポート・ ダッシュボードの活用例はこちら「Orient(状況判断)」を後押しするAI機能
Zoho CRM のAI「Zia(ジア)」は、顧客情報や活動ログからパターンを学習し営業プロセスを提案します。顧客に架電する時間、勧めるべき商品、案件の確度も予測します。状況判断の力強い味方です。
AI機能について詳細はこちら「Decide(意思決定)」を明確にする承認プロセ ス機能
誰が意思決定するのか、承認するのか、Zoho CRM の情報へのアクセスやデータの操作にひも付けて交通整理できます。
役職と権限のコントロールについて詳細はこちら「Action(実行)」を高速化するブループリン トとワークフロー機能
営業プロセスを視覚的に定義・構築できる「ブループリント機能」と、一定の条件下でタスクを自動的に実行する「ワークフロー」を駆使すれば、「Action(実行)」の高速化が可能になります。
ブループリントやワークフローを含むSFA機能の詳細はこちらZoho CRM 活用事例
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