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[実践編] 商談タブの設定と登録

Lesson 5では、SFAツールをカスタマイズして、自社に合った顧客情報を登録する流れを学びました。
本レッスンでは、SFAツール活用の本丸ともいうべき、商談(案件)管理を行うために、商談管理を行うためのステージ設計、商談タブの設定方法とデータの登録方法を学んでいきます。
本レッスンを参考として自社のビジネスモデルに合ったタブや項目をカスタマイズしデータを登録することで、商談管理の準備を進めながらSFAの基本的なデータ構造や利用方法を学べます。

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[実践編] 商談タブの設定と登録

カスタマイズの前提シナリオ

このレッスンでは、Lesson 5に引き続き、「システム構築の開発・運用サービスを提供する企業(B社)の営業部」での利用を例に、Zoho CRM のSFA機能の導入・カスタマイズ手順を解説していきます。操作方法を見ながら、自社のビジネスモデルや実際の営業活動に合ったカスタマイズを行ってください。

最初から最適な環境を作ることができればベストですが、まずはカスタマイズは最小限に抑えて上で活用することをお勧めします。

企業のプロフィール

B社は、顧客からIT化やDXに関する相談を受けて、システム開発や運用についてのサービスを提供する100人規模のシステム会社です。ホームページからの問い合わせや展示会、セミナーから見込み客を獲得することがほとんどで、今回、獲得した見込み客から発生する商談を確実に受注に結び付けることを目的としてSFAを導入することになりました。(組織図の青マークの部署で利用します)

企業のプロフィール

商談管理の現状

これまでは、Excelの商談管理表を使って、営業担当者が個別に抱えている営業案件を整理し、2週に1回行われる営業会議で、個別の案件の進捗確認を行ったり、今後の受注見込みに基づいた方針を共有したりを行っていました。

商談管理表はクラウド上のファイル共有サービスに保存されていますが、複数人が同時に編集を行うため、ファイルが上書きされてしまうなどの問題が頻繁に発生しています。さらに、商談管理表の更新や進捗状況を説明するための資料の準備に時間がかかり、営業担当者の負荷となってしまっている、営業担当者ごとに進捗状況の認識の違いから受注見込みにブレが発生するなどの問題が発生していました。

Zoho CRM に格納される商談情報

すでに顧客に関する情報はZoho CRM に格納されていることを前提として、次のステップでは商談情報を管理するタブを準備します。ここからは、タブをカスタマイズして必要なデータの入力に対応する準備とデータの登録を行っていきます。

Zoho CRM に格納される商談情報

B社が商談管理を行うために利用するのは、[商談」タブです。

Zoho CRM の環境を準備した際に[サンプルデータを読み込む]を選択しておくと、最初からサンプルデータが準備されますので、[商談]タブについて、サンプルデータの内容を確認しておくとカスタマイズのイメージが湧きやすくなります。

商談タブのカスタマイズとインポート

[商談]タブは、商談に関わる情報を入力するタブであり、商談の受注予想金額である[総額]や受注予測日である[完了予定日]、進捗状況を管理するための[ステージ]など、商談管理を行うための基本的な項目が最初から設定されています。[取引先]タブや[連絡先]タブとひも付き、後のレッスンで設定を行う[予定]や[タスク]タブとも関わりが深いので、しっかりと理解してから活用を始めましょう。

それでは、実際に利用するタブを選択ましょう。[設定]の[タブと項目]から[タブ]を選択します。

[設定]の[タブと項目]から[タブ]を選択

表示されたタブの名称の中から[商談]をクリックします。

[標準]レイアウトをクリック

続いて、[標準]レイアウトをクリックしてカスタマイズ画面に移動します。

レイアウトはビジネスモデルに合わせて複数設定可能ですが、まずは最初から用意されている標準タブを利用します。

商談の標準項目

画面左側には設置できる項目のオプションが表示され、右側には現在設定されている実際のタブのレイアウト(項目の配置)が表示されています。

商談の標準項目

[商談]タブに最初から用意されている標準項目は以下の通りです。

項目名

項目の種類

必須

説明と選択値

商談の担当者

ルックアップ

-

社内の営業担当者をZoho CRM のユーザーとして指定します

総額

通貨

-

商談の総額を入力します。商談初期では予測金額を入力し、受注時には確定した総額を入力します

商談名

一行

商談の名称を入力します。他の商談と区別がつくような名称のルールを定めて入力するのがお勧めです

完了予定日

日付

商談の受注予定日を入力します

取引先名

ルックアップ

商談の対象企業を取引先タブの中から選択します。商談作成時に商談タブから新しい取引先を作成することもできますが、重複登録などには注意しましょう

ステージ

選択リスト(単一)

-

商談の進捗状況を入力する選択項目です。商談管理の要の項目ですので、基準を決めてリアルタイムに更新するように運用しましょう

  • 初期値
  • 条件確認
  • ニーズの分析
  • 提案
  • 意思決定
  • 見積もりの提示
  • 交渉
  • 受注
  • 失注
  • 競合選択による失注

種類

選択リスト(単一)

-

商談の種類を入力します

  • 初期値
  • 既存ビジネス
  • 新規ビジネス

失注理由

選択リスト(単一)

-

商談が失注した際の失注理由を入力します

  • 初期値
  • 要件に合わなかった
  • 料金
  • 不適当なお客様だった
  • 反応がなかった
  • フォローアップしなかった

    など

次のステップ

一行

-

営業プロセスにおける次のステップやアクション(次の段階で行う活動)を入力します。タスクなど別の情報で代用できるので、無理に使う必要はありません

確度

数値(自動入力)

-

設定されたステージに紐づいた商談の受注確率をパーセンテージで自動入力します

見込み客のデータ元

選択リスト(単一)

-

商談を獲得した経路を入力します

  • 初期値
  • 広告
  • 電話営業(コールドコール)
  • 従業員からの紹介
  • 外部からの紹介
  • オンラインショップ
  • パートナー

    など

売上の期待値

通貨(自動入力)

-

商談の[総額]と[確度]を掛けた金額を期待値として自動で計算して表示します。売上予測の集計に利用される項目です

連絡先名

ルックアップ

-

商談の顧客側の主担当者を連絡先タブの中から選択します。商談作成時に商談タブから新しい連絡先を作成することもできますが、重複登録などには注意しましょう

関連キャンペーン

ルックアップ

-

商談に関連するキャンペーンタブを一つだけ選択します。複数のキャンペーンが関わっている場合の入力ルールを定めておきましょう

作成者

一行(自動入力)

-

商談を作成したユーザーが自動で入力されます

更新者

一行(自動入力)

-

商談を最後に更新したユーザーが自動で入力されます

詳細情報

複数行

-

商談に関する詳細な情報を文章として入力します

※実際の環境での項目や配置、選択肢の内容は更新されることがあります。

商談タブの重要項目の解説

標準項目はさまざまな国や企業で使われることを想定して設定されているため、日本企業にとっては不要と思える項目や配置の順番に違和感を覚えるものもあるかもしれません。

[取引先]や[連絡先]と同じように不要だと思う項目はできるだけ削除して、SFAを利用をする営業担当者が無駄な入力を行ったり、入力が大変そうだなといった印象を持たれないようにしておきましょう。

逆に普段組織内で利用している情報が足りないと感じることもあるかと思いますが、特に初期段階では最低限の項目のみ用意して、必要に応じて項目を追加していくことをお勧めします。

また、[商談]タブの項目は一見すると分かりづらかったり、その名称から誤解をしてしまう項目もあるため、いくつかの重要な項目について解説していきます。

ステージ

[商談]タブの最重要項目の一つです。

Lesson 4の「商談管理項目の定義」で各ステージの位置付けも含めて解説していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

商談の進捗状況

[ステージ]は、営業活動の進捗状況を確認するための項目ですが、単に進捗確認を行うだけの項目ではなく、営業組織ごとにルールを定め、全員に周知することで、営業活動の標準化を推し進めることができる重要な考え方を含みます。

Zoho CRM の標準項目は、分かりやすいように自社視点の営業活動を中心としたステージ設計となっているので、ビジネスモデルによっては顧客の購買行動(課題や解決策の合意、予算の確保など)も意識したステージ設計を行う必要があります。

完了予定日

営業活動を終えて、受注に至る見込みの未来の日付を入力するのが[完了予定日]です。

営業活動においては、[完了予定日]までに受注するために、逆算でスケジュールを仮決めし、いつまでに各ステージを終えていく必要があるのかを意識して活動を行っていきます。

顧客の抱える課題や提案する商品、予算規模、顧客の規模などによって商談にかかる期間は異なります。提案内容によっておおよその商談期間を想定して入力していきましょう。

SFAの活用が進み、データが蓄積されると、商談の平均期間などを算出できるようになりますので、徐々に精度を上げていくイメージで活用していきましょう。

種類

[商談]を分類するための項目です。

標準項目では、[既存ビジネス]と[新規ビジネス]というシンプルな種類が設定されていますが、他にも顧客の抱える課題による分類、商品やサービスといった観点での分類、顧客の規模といった分類などさまざまな分類が考えられるので、データ分析に必要な視点を設定しましょう。

複数の視点が必要な場合は、追加の分類項目をカスタマイズで追加していきますが、入力項目が多くなりすぎないように注意しましょう。

見込み客のデータ元

[連絡先]や[見込み客]にも設定されている項目です。

その商談がどのような経路から発生したものかを入力します。新規商談であれば、[連絡先]や[見込み客]の内容をそのまま引き継ぐ形で問題ありませんが、リピート商談の場合には、営業フォローで生まれた商談であることを明確にするなどして、分析などに活用できるデータを入力するようにします。

確度

[確度]はその商談の受注確率を表す項目です。

一般的にいわれる「ヨミ」(営業担当者の主観的な受注確率)とは少し位置付けが異なります。[確度]は、ステージにひも付いている項目で、商談に至ったステージに応じて、受注確率が自動で割り当てられます。つまり、このステージにまで進んだら、おおよそ受注確率はこのくらいになるという統計的な確率を設定する項目といえます。

SFA利用当初は、感覚的に決めざるを得ませんが、SFAの活用が進めば、ステージごとの受注率を測定することも可能です。(ツールの機能としては提供されていないので、自身で計算する必要があります)

売上の期待値

[売上の期待値]は[総額]と[確度]を掛け合わせて、その時点で計算される売上の期待値です。ステージが先に進めば期待値の金額も上がっていきます。

一つ一つの商談における[売上の期待値]にはあまり意味がなく、組織全体や担当者が抱える商談の期待値の合計を利用して、売上予測を行っていきます。

[確度]の設定が実際の営業活動を反映しており、[総額]の予測精度が高ければ売上予測の精度も上がります。

項目のカスタマイズ(追加・削除・配置の変更)

標準項目をおおよそ把握したとことで、選択項目の選択肢の整理をしたり、不要な項目を削除するカスタマイズを行っていきます。

まずはステージの設定からです。

ステージの設定は、[商談]タブのレイアウトのカスタマイズ画面から実施でききます。

[商談]タブのレイアウトのカスタマイズ画面

[ステージ]項目の右にある[…]を押下すると、[ステージと確度の関連付け]メニューが表示されますので、選択しましょう。

[ステージと確度の関連付け]メニュー

上記のようなステージ設定の画面が表示されますので、自社の組織にあわせてカスタマイズを行っていきます。

設定すべき項目は以下の通りです。

  • ステージ名:ステージの名称。誰が見ても誤解を生まない名称を付けましょう
  • 確度:そのステージにひも付く確度です。わからない場合はそのままとしても問題ありません
  • 商談のカテゴリー:レポートなどで使われる項目です。営業活動中は[未完了]、受注に該当するものは[受注]、失注に該当するものは[失注]を選択します。ステージほど細かくない粒度で分類するための項目です
  • 売上予測のカテゴリー:Zoho CRM の売上予測機能で使われる項目です。[パイプライン]もしくは[完了]に該当するステージの[総額]と[確度]をもとに売上予測金額を集計します

最初から設定されている[ステージ]カスタマイズする例をサンプル動画でご覧ください。
ステージ名の変更・ステージの変更・確度の変更・選択肢の色分けを行います。

[ステージ]をカスタマイズする例

次に、[種類][見込み客のデータ元]について、自社のビジネスに合った項目にカスタマイズしていきます。

[種類]を商品視点での項目にカスタマイズする例をサンプル動画でご覧ください。

[種類]を商品視点での項目にカスタマイズする例

[見込み客のデータ元]についても選択肢のカスタマイズが必要です。[連絡先]や[見込み客]で設定した項目を同じ項目を設定し、[商談]独自の[失注後フォロー]などの項目を追加することも検討しましょう。

[商談]タブについては、標準項目をほぼそのまま使う形からスタートするのがお勧めです。

実際に必要な項目や選択肢の内容は組織によって異なりますので、上記はあくまで参考としてください。

商談データの登録

カスタマイズが完了したら、実際に商談データを登録していきます。

Excelにまとめた商談管理表からまとめてインポートしてもよいですが、仕掛中の商談データについては、各営業担当者が操作に慣れる目的で、自身の担当案件を手動で入力するのがお勧めです。

ただし、各担当者が抱えている商談数が多い場合はまとめてインポートするようにしてください。

また、過去案件の入力はまとめてインポートするのがよいでしょう。

それでは、すでに取引先と連絡先は登録済みである前提で、商談の登録を行っていきます。

商談の作成

商談の登録は、[商談]タブを開き、[商談を作成]ボタンを押下し、作成画面を開くことから始めます。

商談の登録方法

なお、商談の登録方法は複数あり、[取引先]や[連絡先]タブから作成すると、作成時点で[取引先]や[連絡先]とひも付いた状態で作成が始められるので、効率的なデータ入力が可能です。

商談の他の登録方法

[連絡先]タブから入力する場合、左側の[関連リスト]から[商談]にカーソルを合わせ[+]ボタンをクリックします。

作成画面

作成画面を開いた時点で、[取引先]と[連絡先]が入力されていることが分かります。

ここからは、展示会から獲得したアプリ開発の1,000万円規模の商談を登録する例をサンプル動画で紹介します。登録後にステージを変更する操作も行っています。

登録後にステージを変更
登録後にステージを変更する画像

データの準備とインポート

仕掛中の商談の登録を終えたら必要に応じて過去の商談データのインポートも行います。

インポートする際には、先ほど作成した項目のフォーマットに応じて以下のようなExcelファイルを用意するとスムーズでしょう。

商談のサンプルExcelファイルのダウンロードはこちら

商談のサンプルExcelファイル

データ準備の注意点としては以下のようなものがありますので、データの準備を行う際に意識しておきましょう。

  • 必須項目:レイアウト上で必須となっている項目(例:商談名、取引先名、完了予定日、ステージ)にデータが入っていないとインポートがエラーとなります
  • 取引先名:取引先名は名称でひも付けられますが、同名の会社の有無や表記の揺れに注意しましょう
  • 連絡先名:連絡先名は氏名をそのまま入力してもひも付きません。連絡先に登録されているメールアドレスか連絡先IDを入力しましょう
  • データの種類の誤り:設定された項目のデータの種類と実際のデータに違いがあるとインポートがエラーとなります。例えば、総額(金額)や完了予定日(日付)などです。日付の項目は2024/5/31のような形式で入力しておきましょう
  • 選択項目:レイアウトのカスタマイズで設定済みの選択肢だけが入力されるように注意が必要です
  • 商談の担当者:Zoho CRM 上のユーザーIDもしくはメールアドレスを入力する必要があります。指定しないとインポート作業を行ったユーザーの担当者名が設定されます

インポート作業の手順は、レッスン5で説明した「取引先」と同様です。

これで商談管理を行うためのデータ項目の設定と、仕掛中の商談、過去の商談が登録されました。

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