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顧客理解・データドリブンのためのCRM/SFA活用②

Lesson 9では、DX(デジタルトランスフォーメーション)への第一歩として、CRM(顧客関係管理)/SFA(営業支援)ツールの環境設定や見込み客管理、項目カスタマイズ、レポート作成について学びました。このレッスンでは、まずCRM/SFAツールの標準機能である「見込み客の変換」について、その意味や具体的な操作、データの変換方法を解説します。その後、マーケティングや営業などの部門をまたいだ業務プロセスの管理方法についても学んでいきます。
※CRM/SFAツールの例としてZoho CRM が登場します。

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顧客理解・データドリブンのためのCRM/SFA活用②

見込み客と連絡先による顧客情報の管理

Lesson 9では、顧客の候補となる顧客未満の個人情報である見込み客について、Zoho CRM の環境でのデータ管理方法と併せて解説しました。

海外でも利用されているCRM/SFAツールにおいては、多くのツールで、見込み客と、商談が始まった顧客を別のデータとして管理しています。

これは、米国をはじめとした海外では、マーケティング部門と営業部門の分業体制が敷かれていることが多く、見込み客情報の管理を行うのはマーケティング部門、商談が始まったり、契約済みの顧客情報は営業部門やサポート部門が管理を行う形となっているためです。

日本市場においては、伝統的にマーケティング部門と営業部門が明確に分かれていないことが多く、営業部門が顧客情報の管理を行い、顧客未満の情報もまとめて管理をしてきました。

そのため、CRM/SFAツールで見込み客と連絡先を別のタブ(テーブル)として管理し、一定の条件を満たしたら、見込み客から連絡先に変換するという管理方法に馴染みがなく、ツールの利用法がなかなか理解されづらいという背景があります。

必ずしも見込み客と連絡先の管理、見込み客の変換を行う必要はありませんが、多くのCRM/SFAツールでは、見込み客と連絡先を分けて管理することを前提としてしています。データ管理・活用を行う機能もその前提の下に開発されているため、自社でどのような管理を行うかを検討する上でも、見込み客の変換の概念をしっかりと理解しておく必要があります。

CRM/SFAツールのデータモデル

CRM/SFAツールのデータモデル

上記は、CRM/SFAツールの例として、Zoho CRM をベースとしてデータモデル(データのテーブル構造を抽象化したもの)の一部を抜粋したものです。

これまで紹介してきた通り、最初に獲得した顧客未満の個人情報は「見込み客」として管理されます。その後、例えばマーケティング担当者やインサイドセールスの担当者が顧客をフォローし、適切な情報提供を行うことで、見込み客は自社の商材・サービスに興味・関心を持つ可能性があります。

見込み客が商材・サービスについて、「自身や自身の組織が持つ課題を解決できそうだ」と認識すると、情報収集活動や具体的な商談が始まり、商材を提供する側は、詳細な情報提供や見積もりや提案活動などを行う必要がでてきます。

この段階では、営業担当者が見込み客への対応を行うこととなり、より深いコミュニケーションや案件状況の管理を行うことになります。

このような顧客側の商材・サービスを認知してから購入に至るたまでの一連の活動はカスタマージャーニー(BtoBの場合は、バイヤージャーニー)と呼ばれ、マーケティング・営業活動はこの顧客の活動をスムーズに進めるためのものといえます。

カスタマージャーニーとデータモデルの関係性

先ほど説明したデータモデルとBtoBにおけるカスタマージャーニーの関係性を示したのが、上の図です。

見込み客が商材・サービスに強い関心を持った段階で、カタログや事例の入手、セミナーへの参加により、個人情報が入手され、その後具体的な検討が始まった段階で、商談が始まるイメージです。

見込み客の変換

見込み客は、商談が始まる段階で連絡先と取引先(法人取引の場合)に変換され、そのタイミングで案件情報である商談も作成されます。

顧客の状態を見極め、CRM/SFAツールで変換するタイミングは、組織によってさまざまですし、マーケティング部門と営業部門が分かれているのかなどにもよるため、自社の組織の活動に沿ったタイミングで変換を行う運用を決定しましょう。

例えば、マーケティング・インサイドセールス担当者が、顧客が本格検討を始めたと判断したタイミングで、営業担当者にその見込み客の情報を受け渡し、営業担当者が商談が始まると判断した段階で見込み客の変換と商談の作成を行うようなイメージです。

見込み客の変換の設定

見込み客の変換では、法人取引の場合には、見込み客のデータから、連絡先・取引先・商談に必要な情報を引き継ぐことができます。

初期設定の段階で、引き継ぐ項目は設定されていますが、見込み客に新たなデータを追加している場合や未設定の項目も、[見込み客の変換の関連付け]を行えばそれぞれのデータに引き継ぐことができます。

見込み客の変換の関連付け

以下の動画では、[見込み客の変換の関連付け]の設定で、[業界]のデータを引き継ぐために、[連絡先]と[商談]に業界項目を作成し、関連付けを行っています。あわせて設定変更後に見込み客の変換作業を行っていますので、参考としてください。

見込み客の変換の関連付けデモ動画

このような作業を行って、顧客の個人情報を獲得してから、契約に至るまでの情報を適切に関連付けることで、業務・部門横断でのデータ活用を行えるようになります。

カスタマージャーニーに基づく業務プロセス管理

ここまで設定してきた管理項目を利用し、各担当者がそれぞれの項目を正しく入力・管理していくことで、顧客がカスタマージャーニーのどのフェーズにいるのかを把握することができるようになり、顧客の状況に応じた適切な活動を行えます。

CRM/SFAツールによっては、このカスタマージャーニーに応じた業務プロセスの管理を行うための機能を持っていることがあり、その機能を活用することで、属人的な運用に頼らない効率的で正しい運用を行えます。

ここからは顧客の状況を把握し、適切に業務プロセスを管理するためのZoho CRM の [ジャーニー設定]機能を例として設定と活用方法について解説を行います。

ジャーニー設定

Zoho CRM の[ジャーニー設計]機能では、カスタマージャーニーに関する業務プロセスを「ジャーニー」として設定し、関連データと進捗を管理できます。顧客対応に複数の部門が関わり、さまざまな種類の業務が行われるような組織において、部門横断で業務プロセスを管理するのに役立ちます。

[ジャーニー設計]機能においては、状態と遷移という二つの情報を設定する必要がありますが、[見込み客]の作成や変換、[商談]の[ステージ]の変更を遷移のトリガーとして状態を管理する設定を行います。

では、実際にジャーニー設定を行っていきましょう。[設定]の[顧客体験管理]から[ジャーニー設計]を選択します。

ジャーニー設定

表示された画面で、[ジャーニーを作成する]をクリックします。

新規ジャーニーを作成する

ジャーニー設定の状態と遷移条件の詳細な設定手順は、以下の動画を参考としてください。

ジャーニー設定の状態と遷移条件のデモ動画

ジャーニー設定のレポートによるプロセス把握

ジャーニー設定が完了すると、設定した内容に基づいてレポートを参照できるようになります。

ジャーニー設定のレポートによるプロセス把握

ジャーニー設定の管理画面でレポート表示させたいジャーニーの[レポートを表示する]をクリックするとレポートが表示されます。

ジャーニーをレポートで表示する①
ジャーニーをレポートで表示する②

ジャーニー設定を行った段階では、どのデータもひも付いていない状態ですが、条件に合致するデータが発生すると、自動でジャーニーにひも付けられ、どの状態に何件の顧客が存在するのかなどを把握できるようになります。

今回の設定では、新たに見込み客が作成されると、状態[見込み客の獲得]にデータがカウントされ、見込み客の評価が終り、[見込み客のステータス]が[見込みあり]になると、状態[見込み客の評価]にデータがカウントされます。

設定後に条件に合致する見込み客が作成され、レポートに数値がカウントされる流れは、以下の動画で確認してください。

ジャーニー設定のプロセス把握のデモ動画

ジャーニー設定に基づくタスク管理

ここまでの設定で、[ジャーニー設計]に基づいて、組織内の顧客の状態把握ができるようになりました。

実際の活動では、特定の状態に至った顧客に対して、何らかのフォローなどを行っていくことになりますが、対応すべき活動を明確にする場合には、その状態に対するタスクを自動で生成すると便利です。各担当者は、割り振られたタスクに基づき行動すればよいため、いま自分が対応すべき顧客と活動内容をCRM/SFAの画面上で常に確認できる状態を作れます。

例えば、状態[見込み客の獲得]に至った場合、マーケティング担当者やインサイドセールス担当者がフォローを行い、見込み客の評価を行う必要があります。

このような場合、データの一覧で条件に合致する見込み客を探し、担当者が属人的に対応することもできますが、行うべきタスクを自動で生成する設定をしておけば、いま自身が対応すべき見込み客が誰なのか、本日中に何件対応しなければならないのかをデータ・数字として把握することが可能です。

担当者ごとに行うべき業務を数字として把握できるようになると、マネージャ―が業務負荷を判断して割り振り直すようなことも可能で、マネジメントにも活かすことができるようになります。

[ジャーニー設計]にタスクを追加する設定方法については、以下の動画を参考としてください。

ジャーニー設計でタスクを追加する設定方法のデモ動画

本レッスンでは、業務・部門横断でのデータ管理の例として見込み客の変換、ジャーニー設計機能を使って、業務プロセスを標準化し、プロセスの把握やタスク管理を行える環境を作る方法を学んできました。

このような機能を使うことで、組織内でDXを進めていく中で、名刺のデータ化のような単純な情報のデジタル化だけでなく、業務プロセスを標準化して、属人性を排除し誰でも同じ品質で作業を行うことができる下地を作っていくことができます。

業務・部門横断でデータを適切に管理し、業務プロセスの管理機能を持つCRM/SFAツールを利用して、業務標準化、対応漏れや重複などを防いで生産性を向上させ、本来の目的である業務の変革を目指してDXを推進していきましょう。

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