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[実践編] CRMをカスタマイズしてデータをインポートする

このレッスンでは、CRM上に自社のデータを記録する準備としてカスタマイズを行い、実際にデータをインポートしていきます。実際にタブや項目を編集し、入力のルールも設定しながらCRMのカスタマイズについて基本を押さえることができます。

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[実践編] CRMをカスタマイズしてデータをインポートする

カスタマイズの前提シナリオ

このレッスンでは、「不動産企業の注文住宅の販売を行う部署」での利用を例に、Zoho CRM のカスタマイズ手順を解説していきます。操作方法を見ながら、自社に合ったCRMにアレンジしてもいいでしょう。

企業のプロフィール

A社は、注文住宅のリクエストを受けて施工会社を手配し引き渡しやアフターサポートの対応を行う不動産会社です。ホームページや紹介から案件が発生することもありますが、営業チームはマーケティングチームと協力して、積極的に「失敗しない、夢のマイホーム」というセミナーや「ママが笑顔になるマイホーム」などの冊子をダウンロードする広告も出して、新規顧客を獲得しています。今回、営業部署を中心に新規顧客を伸ばす事業でCRMを導入することになりました。(組織図の青マークの部署で利用します)

シナリオ作成のための組織図

- 簡易RFP(提案依頼書) - CRMに求めること

A社では、以下3つの改善をCRMに求めています。

  • 広告やセミナー、ホームページ、紹介など獲得してからすぐ営業フォローを実施したい。営業フォローの活動や実績も追跡して営業フォローの課題解消に取り組みたい。
  • 商談(打ち合わせ)が開始してからも受注に向けて営業フォローを強化したい。
  • リード獲得経路ごとに、受注率や売り上げ単価を把握して獲得元を最適化したい。
簡易RFP(提案依頼書)CRMに求めること

タブを準備して、必要な項目をタブに配置する

まず、Zoho CRM にデータを格納していくタブ※を作成します。ここでは、タブをカスタマイズして必要なデータの入力に対応するよう準備していくことが基本的な操作です。

A社がまず利用するタブは、「見込み客」「商談」「連絡先」の3つです。それぞれをカスタマイズしていきましょう。

※ タブとは?

データを登録するデータベースを「タブ」といいます。エクセルでデータを保存する際には、データをタブに分類します。これと同じく、CRMもデータをタブで分類すると理解すると分かりやすいでしょう。

エクセルにおけるタブ

利用するタブを選択する

まずはじめに、[タブグループ]を作成して、注文住宅を取り扱うチームで利用するタブが限定して表示されるように設定します。タブグループとは、Zoho CRM に表示するタブをユーザーに応じて制限する機能です。CRMはユーザーに表示されるメニューがシンプルになるほど、使う快適さは向上します。

[設定]に移動し[カスタマイズ]セクションの[タブと項目]を選択します。[タブグループ]のタブを選択して、[+新しいタブグループ]ボタンを押下します。

新しいタブグループの作成

タブグループを作成するポップアップが表示されるので、[名前]に"注文住宅"と記載します。A社で必要な[見込み客][連絡先][商談]を選択します。他にも、[レポート][アナリティクス][ドキュメント]をここでは利用できるように選択して進めますが、必要に応じて選択をするようにしてください。この設定はいつでも変更ができます。このタブグループが利用できるユーザーは、Lesson 7で学習したCRMの権限に応じて行われます。ここでは一旦、[権限]に[標準]を設定しておきます。設定が完了したら[保存する]ボタンを押下します。

新しいタブグループの保存

※ 管理者権限は、すべてのタブにアクセスをすることができます。これは、CRMを管理する役割の方がアクセスできないデータが存在しないようにすることで、管理者が適切・快適にアカウントを管理できるようにするためです。

※ 複数のタブグループにアクセスできる場合には、ヘッダーに表示された下図部分を選択することで、表示を切り替えることができます。

ヘッダーのタブグループ

見込み客タブのカスタマイズ

次に、実際に利用するタブを選択しましょう。設定メニューの[タブと項目]から[タブ]を選択します。

見込み客タブのカスタマイズ

[見込み客]のタブにカーソルを合わせると (詳細メニュー)アイコンが表示されますので、そこから[レイアウト]を選択します。[標準]のレイアウトの名称を"注文住宅"に変更し[保存する]ボタンを押下します。(将来的に賃貸・売買など他のチームがCRMを利用して見込み客などのタブを利用したい時に、今回カスタイズを行う注文住宅用の見込み客タブに影響を与えないため、レイアウトは分けて管理しておくことをおすすめします。)

レイアウト名の入力

続いて、注文住宅のレイアウトを選択してこのタブのカスタマイズ画面に移動します。画面左側には設置できる項目のオプションが表示され、右側には実際のCRMのレイアウトが表示されています。

タブのカスタマイズ

設置したい項目を以下のように整理します。

項目名

項目の種類

必須

選択肢

一行(デフォルト)

-

一行(デフォルト)

-

姓(フリガナ)

一行

-

名(フリガナ)

一行

-

当社を知ったきっかけ

選択リスト(複数可)

-

Yahoo不動産
スーモ
アットホーム
Google検索
Yahoo検索
その他インターネット広告
チラシ(新聞・ポスト投函)
雑誌
ご紹介
現地看板
テレビ
ラジオ
その他

見込み客のステータス

選択リスト(単一)

フォローアップ前
架電済み(未到達)
架電済み(再架電)
興味あり(今すぐ)
興味あり(将来的)
興味なし

郵便番号

一行

-

-

住所(県・市区町村)

一行

-

-

住所(以降の住所)

一行

-

-

希望商品の種類

選択リスト(複数可)

-

リフォーム
土地探し
家づくりのみ
その他

建設予定エリア

一行

-

-

返信のご希望方法

選択リスト(単一)

-

メール
電話

電話番号

電話番号

-

-

電話番号(その他)

電話番号

-

-

メールアドレス

メールアドレス

-

-

メールアドレス(その他)

メールアドレス

-

-

メール対象外

真偽値

-

-

電話対象外

真偽値

-

-

担当者

ルックアップ

-

-

作成者

一行(自動入力)

-

-

更新者

一行(自動入力)

-

-

実際にまず、不要な項目を削除していきましょう。不要な項目を選択すると、[項目を削除する]メニューが表示されます。これを選択すると、「本当に削除しますか」と確認する画面が表示されるので[はい、項目を削除します]ボタンを押下します。この方法でどんどん、不要な項目を削除していきます。

不要な項目の削除

Zoho CRM のアカウントを作成したばかりでまだ項目の追加などを行なっていなかった場合には、不要な項目を削除すると以下のようになります。

不要な項目の削除後

この時、[会社]が必須になっているため削除ができないと気付かれるかと思います。この場合は、[必須にする]メニューを選択してチェックを外すと、削除できるようになります。

必須項目の設定方法

削除している際に、他の機能で利用しているため削除ができない項目であるとエラーが表示される場合があります。その場合は、エラーに表示されたリンクを選択し、それぞれの設定を削除します。※ ブループリントやワークフローでは実際のフロー図の画面にリンクが遷移するので、[キャンセルする]を選択して設定の一覧画面に戻り、一覧から該当する設定を削除することができます。

必須項目による削除制御

次に、以下のように表示される項目を並び替えます。移動したい項目を選択してドラッグ&ドロップ操作で移動させることができます。見やすい並べ方の例を以下に設置しました。

見込タブ項目の並び替え

次に、追加したい項目を左メニューから選んで設置していきます。

項目の追加

[選択リスト]を配置すれば、設置する選択肢も入力することができます。

複数選択リストの追加

[見込み客のステータス]は、フォローアップのフローを設置しますので、以下のように設定します。ここのポイントは未完了/精査済み(対象外)/無効というステータスに対する判定の基準です。未完了はまだフォロー中の有効な見込み客となり、精査済み(対象外)は商談に移行する有効な人が対象となります。そして、無効は興味がなかったり電話がつながらないなどの無効な見込み客のステータスが当たるように設定します。

選択リストの詳細

※ ステータスの項目では、[値の色分けを有効にする]オプションがあります。これにチェックを入れると、設定したステータスの値に色が指定されます。これにより、ステータスがさっと分かりやすくなります。

値の色分けを有効にするオプション

表示する項目をセクションで分けるには、[新しいセクション]を利用します。完成形の例は以下です。カスタマイズが完了したら[保存する]ボタンを押下します。

新しいセクションの作成

同じ手順で、商談や連絡先などのタブもカスタマイズしていきます。

データをインポートする

カスタマイズが完了したら、実際に自社のデータをCRMにインポートします。

インポートをする際には、先ほど作成した項目のフォーマットに応じて以下のようなEXCELファイルを用意するとスムーズでしょう。

自社データのインポート1/エクセルファイル

データをインポートしたいタブを選択して、画面右上の作成ボタンからインポートメニューを選択します。

自社データのインポート2/インポートの操作

インポート画面に移動するので、ファイルを参照する[参照]ボタンを押下し、インポートしたいファイルを選択します。インポートするファイルは、[サンプルファイルからダウンロードする]からフォーマットを取得することもできますので、活用ください。

自社データのインポート3/インポートファイルの選択

インポートが完了したら、[次へ]ボタンを押下します。

※ インポートできるファイル形式は、.xls、 .xlsx、 .vcf 、.csvです。
※ インポートするファイルに含まれるデータ数(行)が5001件以上の場合は.csv形式を使用します。
※ サンプルデータの文字コードはUTF-8です。ダウンロードしてMicrosoft Excel などで開いたときに、文字化けが発生することがあります。これは文字コードを変換すれば解消します。

自社データのインポート4/ファイルアップロード完了

次に、インポートしたファイルをどのように処理するか、以下の3つから選択します。

  • 新しいデータのみをインポートする
  • すでにCRMに登録されているデータのみ更新する
  • 両方(新しいデータとしてすべてインポートし、すでに登録されている顧客データが存在する場合には、新しくデータを登録せずに既存データを更新する)

既にCRMに登録されているデータと重複していると判断する基準は、見込み客IDかメールアドレスから選択します。

インポートするファイルで判断すべき基準となる値が入力されていない(空白)の場合には、登録せずにスキップするオプションもここで選択ができます。指定が完了したら[次へ]ボタンを押下します。

自社データのインポート5/重複データの処理

次の画面では、インポートファイルの一番上の行に記載された値とCRMでインポートされる項目のマッピング(突き合せ)が正しいかを確認します。インポートする先の項目がない場合には、[+ 新しい項目を作成する]ボタンから作成することができます。CRMにインポートしない項目があれば選択をしなくて大丈夫です。また、見込み客IDなどは自動で登録されますので、設定しなくても問題ありません。マッピングが完了したら[次へ]ボタンを押下します。

自社データのインポート6インポートしたファイルのマッピング(付け合わせ)1
自社データのインポート6インポートしたファイルのマッピング(付け合わせ)2

関連付けが行われていない項目の件数が表示されますが、問題がなければ[続ける]ボタンを押下します。

関連付けが行われていない項目の件数の確認

最後にインポートするデータに行う以下3つの処理を選択します。ここで解説する処理はいずれも、選択しなくてもインポートができます。

 1 担当者の割り当て処理

インポートするデータに一定の割り当てルールを適用させ、自動的に担当者のアサインが行われるようにする場合には、この割り当てルールに✔︎(チェック)を付けます。
割り当てルールはすでにCRMに設定しているものを利用することができますが、新しくルールを作成することも可能です。新しくルールを作成する場合には[割り当てルールを作成する]を選択します。

担当者の割り当て処理

 2 自動化・プロセス管理の処理またはタスクの割り当て

ワークフロー機能(処理の自動化)などを自動で適用するか、またはタスクの割り当てを自動で適用するかを選択します。自動化を適用させる場合には、✔︎を付ければあらかじめ設定しているワークフローの条件に応じて処理が行われます。タスクだけを自動でセットされるようにする場合には、自動化のプロセスにはチェックを付けずに、割り当てたいタスクを選択します。割り当てたいタスクを新規で作成するには[ワークフロータスクを作成する]を選択します。

自動化・プロセス管理の処理またはタスクの割り当て

 3 データ登録を手動で承認する

データが自動で登録される前に、一つづつチェックをして承認したい場合には、これに✔︎を入れます。

手動承認の有効

処理の設定が完了したら[完了する]ボタンを押下します。インポートは数秒〜数分で完了し、CRMにデータが登録されます。

[設定]から[データ管理]セクションの[インポート]に移動し、[インポート履歴]のタブを開くと、ここからインポートの結果や取り消しが行えます。

インポート履歴

他のCRMツールからデータをインポートしたい場合

EXCELファイルからではなく、他のCRMからZoho CRM にデータを直接移行することができます。移行の方法は解説動画を参照ください。

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