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[基礎学習] CRMによる具体的な課題解決

中小企業にとって、CRM(Customer Relationship Management)の導入は、顧客との接点となる、マーケティング、営業、そしてサポートの各部門の活動を効率化し、業績向上を図るための強力なツールとなりえます。しかし、CRMをどのように活用すれば部門ごとの課題を解決できるのかを明確に理解せずに導入している企業も多く、失敗に繋がることも少なくありません。ここでは、CRMを活用することで、それぞれの部門でどのような課題解決が可能なのかを事例を交えながら解説します。これからCRM導入を検討している方々にとって、有益なヒントとなることでしょう。

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[基礎学習] CRMによる具体的な課題解決

マーケティング部門の課題解決

企業においてマーケティング部門は、自社や自社の製品やサービスの認知向上やブランディング、新規顧客獲得のための施策の実行、既存顧客との長期的な関係構築を促進する活動を行う部門です。

カスタマージャーニーと部門の関係性

カスタマージャーニーにおいては、マーケティング部門は、最初の顧客接点となり、展示会や広告、SNS、コンテンツマーケティング、メールなどのチャネルを活用して見込み客の獲得と育成を担うことが多くなります。

営業活動を伴うビジネスモデルの場合、マーケティング部門は営業部門と連携を行うことも求められ、営業が求める顧客像を定義し、適切な状態の見込み客を営業部門に引き渡すことが重要なミッションです。

マーケティング部門の一般的な課題の例

マーケティング部門では、一般的に以下のような課題を抱えています。

1.目標達成に必要な数の見込み客を獲得できない

企業が売り上げ目標を達成し、継続的な業績向上を行う上で、顧客数は重要な要素です。せっかく受注に至り、関係性を築くことが出来た既存顧客も、ニーズの変化や競合からの新たな提案など様々な要因で徐々に減少していきます。目標達成に必要な顧客数を維持するためには、継続的な新規顧客獲得活動が求められます。

マーケティング部門では、広告やコンテンツマーケティングなど様々な施策を活用して、新規見込み客の獲得を目指しますが、限られた予算や人的リソースの中で目標を達成することは困難を極めます。また、テクノロジーの進化や市場環境の変化などにキャッチアップし、効率的な施策を常に実行することにも大変な労力が必要で、特に専任の担当者を置くことの難しい中小企業ではその傾向が顕著です。

十分な見込み客を獲得できずに売上目標未達が続く組織は多くあります。見込み顧客の獲得数の維持・拡大は、後のプロセスにおいて様々な問題を解決できる可能性もあり、企業にとっては優先度の高い課題といえるでしょう。

2.営業部門が求める状態の見込み客を引き渡せない

獲得した見込み客(リード)は、一定の割合で具体的な商談が始まり、受注に至りますが、放置していては運任せとなりすぎるため、定期的な接触による見込み客の状態の見極めが行われます。

しかし、多くの競合サービスが市場に存在する現在、見込み客は自身で情報を収集して検討を行うため、サービスの提供企業に具体的な相談を行うタイミングでは、少なくともある程度対象となるサービスを絞り込んでいることが多く、商談機会を確実に補足することは困難です。

そのため、マーケティング部門では、いわゆるリードナーチャリング(見込み客の育成)、リードクオリフィケーション(見込み客の見極め)を行います。多くの見込み客の中から、自社にとって顧客となりえる見込み客を見つけ出し、適切な情報提供で信頼関係を構築し、見込み客の状態を追跡し続けることで商談発生のタイミングを見逃さないような活動を行います。

適切なマーケティング活動が行われていないと、十分に購入意欲があったり、組織として本格的に検討を始めている状態の見込み客を営業部門に引き渡すことが出来ません。そのような状況では、営業リソースを無駄にしないために、適切なタイミングとは言えない見込み客への営業活動を行うこととなり、押し売りによる信頼関係の棄損や営業生産性の低下を招くこととなります。

3.各施策の投資対効果が分からず、適切なリソース配分が行えない

マーケティング部門では、ここまで説明したような課題を解決するために、さまざまな施策を実行しますが、どの施策が受注などの成果に貢献したのかを適切に評価するためには、多くのハードルがあります。

まずは最低限、どの見込み客や既存客にどのような施策で、いつ、どんな行動を実施したかの履歴を残すことが必要です。また、さまざまなチャネルで施策を実行することも多く、例えば、SNSのキャンペーンに反応があった顧客が、名刺管理データベースではどの顧客に該当するのかなどを紐づける、いわゆる名寄せ処理も必要で、このような作業を人手で行うには、多大な労力がかかります。

マーケティング部門と営業部門でデータ分断されている場合、営業に引き渡した見込み客が適切にフォローされているのか、どの程度の商談発生率や受注率となっているのかなどが共有されない問題も発生します。このような状態では、本当の意味での投資対効果の高い施策を選択することはできません。

これらの課題は、適切な顧客関連データの管理の欠如から生じている場合が多く、結果として効率的なマーケティング戦略の立案・実行が妨げられます。

CRMによる課題解決方法

CRMを導入することで、マーケティング部門では次のような手段でこれまで説明してきたような課題を解決できます。

1.顧客関連データの一元管理

マーケティング部門の課題の多くは、さまざまな施策で実行された活動や顧客の反応を履歴として残せていないこと、データが分断し紐づけられないこと、営業部門に引き渡したあとの状況が見えないことなどが原因で起こります。

CRMでは、顧客が組織に認識されてから、受注に至るまでの一連の活動をデータとして残し、メールやSNS、問い合わせ状況や、商談状況などあらゆるデータを顧客情報に紐づけて保存・管理・活用が可能です。

2.部門横断での情報共有とコラボレーション

CRMによりデータが一元管理されることで、マーケティング部門として管理しているデータと営業部門が管理しているデータが繋がり、情報共有が簡単になります。

営業に引き渡した見込み客がフォローされているのかがわかれば、営業リソースに余裕がない状況を察知して、優先度の高い見込み客に重点を置いた引き渡しも可能となります。情報が適切に共有されることで、決められた役割を単に実行するだけでなく、組織全体の状況を把握し、成果に向けた行動を柔軟に選択できるようになるでしょう。また、場合によってはマーケティング部門が営業活動のフォローを行うといった協力体制も築きやすくなります。

3.レポートやダッシュボードによる各施策の効果測定の実施

せっかくデータが一元管理されていても、必要な数値情報や指標を計算するのに結局Excelに落とさないとわからないようでは、投資対効果をもとにした施策の絞り込みや実施は実現できません。

CRMでは、一元管理された各種データをさまざまな形で紐づけたり、集計することで、各マーケティング施策の効果測定を簡易に実現し、データにもどつく意思決定を効率的に行う環境を提供します。

営業部門の課題解決

企業において営業部門は、顧客との接点・深いコミュニケーションを通じて製品やサービスを販売する役割を担い、企業の収益を直接的に支える重要な部門です。

カスタマージャーニーと部門の関係性

カスタマージャーニーにおいては、顧客の検討段階などから接触が始まり、適切な情報提供、顧客の課題や要件の整理、疑問点の解消、稟議申請のサポートなどを通じて、受注や顧客との信頼関係性を深める役割を担うことが多くなります。

マーケティングや製品・サービス開発部門、カスタマーサポート部門とも密接に連携し、顧客ニーズをもとにした企業活動に貢献することも重要なミッションです。

営業部門の一般的な課題の例

営業部門では、一般的に以下のような課題を抱えています。

1.顧客情報の管理が属人的で、組織的な活用ができない

顧客と継続的な信頼関係を構築するためには、顧客の状況を把握し、都度適切なフォローアップを行う必要があります。しかし、組織においては、組織変更や担当者の配置換え、営業担当者の退職など、さまざまな要員で担当者の変更を行う場面が発生します。

このような場面で、適切な引継ぎがされていれば、顧客と組織の関係性が形作られ、より長期的なパートナーシップを生むことに繋がります。しかし、重要な情報どころか、顧客の抱えている課題、顧客提供している製品やサービスなどの基本的な情報さえ改めて顧客側に確認してくるような担当者が出てきたらどうでしょうか。

引継ぎ期間がしっかりあればこのような問題は回避できますが、実際には急な退職に伴う引継ぎなども発生するため、顧客に水準以上のサービスを提供するためには、顧客情報を個人としてではなく、組織として管理する仕組みが必要です。

多くの企業では顧客情報が管理されることなく名刺情報すら個人の持ち物として扱われることもあり、顧客情報を活かせる形で管理することに課題を持っています。

2.業務量が営業組織のキャパシティを超えている

営業部門では、仕掛中の商談の対応だけではなく、見込み客からの問い合わせ対応、製品やサービスのデモンストレーション、セミナーフォローの実施、マーケティングからトスアップされた見込み客のフォロー、見積書や提案書の作成、契約手続きや請求書の送付、既存客のフォローなど、行うべき業務を大量に抱えがちです。

そのため、目の前の業務をこなすことで手一杯となり、今すぐ行わなくても問題とはなりづらい、特にトラブルなどが発生していない既存顧客のフォローなどが後回しになりがちです。同様に商談に繋がるかどうか見えづらい新規の見込み客のフォローなども優先順位が下がりがちな業務といえるでしょう。

しかし、実際には既存顧客のフォロー、見込み客のフォローは継続的な売上や利益を確保するのに欠かせない活動であり、常に一定のリソースを割いて活動すべき業務です。手の空いた時にフォローを行ったら、タッチの差で競合に負けてしまったということも起こりえるため、適切なタイミングを見極めて行動を起こすことが重要です。

限られたリソースの中で、常に適切な行動を取ることが出来ていないと感じている営業組織は多いといえます。

3.受注予測の精度が低い

営業組織では、受注・売上の目標達成が重要なミッションとして課されています。目標を達成するためには、その時点での計画と実績の差異を明らかにし、また、受注予測などの数字に基づいて、定期的な活動の見直しを行うことが求められます。

しかし、多くの組織では営業担当者の感覚による、いわゆる「ヨミ」と呼ばれる受注時期と金額の予想値に基づいた予測が行われ、希望的観測による甘さから目標未達につながる状況が発生しがちです。

属人性の高い「ヨミ」ではなく、過去のデータに基づいた精度の高い受注予測を行うことが課題となっています。

これらの課題は、属人的な管理を許してしまっているマネジメントの問題、顧客関連データの管理の仕組みの欠如から生じている場合が多く、結果として効率的な営業活動の計画・実行・見直しが妨げられます。

CRMによる課題解決方法

CRMを導入することで、営業部門では次のような手段でこれまで説明してきたような課題を解決できます。

1.顧客関連データの一元管理と入力の仕組み

営業部門の課題の多くは、顧客に関連した情報が属人的な管理に任され、組織内で活用できる形でデータが残らないことが原因で起こります。また、忙しい営業担当者は、自分が分かっていれば業務に支障が出ないことや、情報を開示することで、マネージャ―から多大な期待を背負わされたり、細かい指示を受けることを嫌うことなどを理由に、仕組みがあっても、情報共有の手間を惜しむ傾向があります。

CRMでは、顧客に関する情報を管理する機能だけでなく、SFA(営業支援)機能を同時に持つことがあります。SFA機能により、商談情報や商談の進捗状況を把握するための仕組みを組織に導入することができ、入力の簡易化や自動化、商談の進捗状況に応じた適切なアドバイスを受けるきっかけをすることが可能です。

マーケティング部門と比べて担当者が手入力を行う範囲が広い営業部門においては、顧客情報の管理の仕組みとともに、データを入力・活用する意義やメリットを伝えることも同時に必要とされます。

2.顧客や活動の優先順付け

多くの業務を抱え顧客の繁忙期や期末などにさらに業務が集中しがちな営業担当者にとっては、有限な時間などのリソースを最適化するために、活動の優先順位付けが重要です。

CRMでは、あらゆる情報や活動が顧客に紐づく、過去の傾向や取引実績などから、顧客の優先順位付けを簡単に実施することが可能です。また、顧客の予算編成時期や異動が発生する時期などを情報として残し、その時期前後には必ずフォローするようにするなどの業務の仕組み化も可能なため、すべての顧客をなんとなくフォローするような形ではなく、メリハリをつけた活動を実施できるようになります。

3.受注予測の精度向上

受注予測の精度を上げるためには、属人性を排除し、標準的な営業プロセスとその進捗状況、さらには扱っている製品・サービス、企業規模や業界などの顧客属性による違いを考慮して予測を立てる必要があります。

CRMでは、受注予測を行う機能を持つものもあり、また、自社独自の予測を行うためにカスタマイズを行うことができるものもあります。最初のうちは営業プロセスの進捗状況に沿った基本的な受注予測を活用し、徐々に自社の予測モデルを作り上げて、予測の精度を高めることが可能です。

受注予測機能は、SFA側の機能といえる部分もあるため、CRMツールの選定の際には、SFA機能および受注予測機能を持っているか、または予算管理機能を持つ別のツールと連携が可能かなども考慮するとよいでしょう。

サポート部門の課題解決

企業におけるサポート部門は、顧客満足度を高め、企業のブランド価値向上に貢献する重要な役割を担います。主なミッションは、製品やサービスの利用中に顧客が直面する課題や問題を迅速かつ的確に解決し、ポジティブな顧客体験を提供することです。

カスタマージャーニーと部門の関係性

カスタマージャーニーにおいては、主に受注後の顧客接点を担い、顧客からの問い合わせや苦情に対応するだけでなく、トラブルシューティングや技術的な支援、利用方法の提案など、多岐にわたる業務を行います。

また、近年はより積極的に顧客の成功を支援を行うカスタマーサクセス部門として組織が再編成されることもあり、単なる問い合わせ窓口としての位置づけを超えて、より活動の範囲が広がりつつある部門といえるでしょう。

サポート部門の一般的な課題の例

サポート部門では、一般的に以下のような課題を抱えています。

1.顧客状況に応じた適切なサポート対応ができない

顧客に自社の製品やサービスを利用し続けてもらうためには、受注前のマーケティング活動や営業活動だけでなく、利用開始後によりよい顧客体験を提供し、顧客ニーズを満たし続ける必要があります。

サポート部門では、顧客からの問い合わせに対応する際に、顧客の状況を適切に把握して上で、効率的に顧客の問題や課題を解決する回答を行う必要があります。そして、顧客の状況を把適切に握するためには、製品・サービスの購入・利用履歴、問い合わせをしてきた担当者の業務範囲、過去の問い合わせ対応履歴などを参照して、状況判断を行うことが求められます。

多くの企業では、サポート部門と他部門の情報が分断され、過去の履歴もメールサーバー上にしかなく、なんども同じ確認を顧客に対して行い、信頼を損ねてしまったり、解決までに時間がかかる状況が発生します。

2.問い合わせ対応の属人化の解消

サポート部門に届く問い合わせ内容は、特殊な条件下で起こる問題もまれに発生しますが、ほとんどは過去の対応したことのある質問等です。そのため、同じような質問に対しては、確認すべき項目や回答内容は共通化することが可能ですが、担当者が対応すべき件数が多かったり、他の業務と兼任しているために、問い合わせ対応の標準化などが後回しにされがちです。

また、複数の担当者でメールでの問い合わせ対応を行っている場合、どこまでの回答が終わっているのかなどの基本的なステータスを管理・共有することが困難なことも多く、属人的なミスの発生も問題になります。

3.他部門への情報のフィードバックができない

サポート部門に届く問い合わせ内容は、顧客の課題そのものであったり、顧客が躓きやすいポイントであり、顧客の課題解決につながる重要な情報です。このような情報をマーケティング部門や営業部門、製品開発部門と適切にフィードバックできれば、組織全体の課題解決力の向上につながります。

しかし、多くの場合、サポートに関連する情報は、メール内で構造化されていないテキスト情報として保存されており、また、顧客情報とも紐づいていないため、他部門で活用できる形で情報を共有できないという課題が発生します。

サポート部門のこれらの課題は、顧客情報のサポート部門への連携と、サポート情報の構造的な管理手法の欠如から生じている場合が多く、顧客満足度の低下や顧客の離反、解約率の増加に繋がります。

CRMによる課題解決方法

CRMを導入することで、サポート部門では以下のような課題を解決できます。

1.顧客関連データと対応履歴の紐づけと管理

サポート部門の課題の多くは、サポート部門への不十分な顧客情報の共有、顧客へのサポート履歴が残せていないことなどが原因で起こります。

CRMでは、基本的な問い合わせ管理を行う機能を持っていることが多く、受注前の顧客とのコミュニケーション履歴、購入履歴、企業や担当者の所属や役割など、さまざまな情報をサポート部門に共有可能す。

さらに顧客サポートに特化したサービスと連携する機能を持っていることもあり、そのようなサービスを導入した場合にも、顧客情報と対応履歴を紐づけることが容易になります。

2.よくある問い合わせ内容の標準化

CRMには、メールテンプレートなど、繰り返し同じ内容を送る場合の効率化に繋がる機能があり、また、データの一元化により、キーワードで組織内の対応履歴を簡単に検索することも可能です。

このような機能により、回答のテンプレート化による標準化と解決までの時間短縮を実現します。

3.問い合わせ内容等による他部門への情報共有

CRMには、レポート機能やダッシュボード機能を持つことが多く、企業規模別や導入う製品別にどのような問い合わせが来ることが多いのかなどを数値情報やグラフなどによる分かりやすくまとめることが可能です。

情報をまとめる際には、問い合わせ内容のカテゴリ情報を入力するなど、問い合わせ情報を構造化する必要もありますが、カスタマイズ可能なCRMでは、カテゴリを複数保存して様々な視点から分析、レポート出力することで、人手での集計などを行うことなく、他部門へ必要な情報を届けることができるようになります。

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