さまざまなテンプレートを見てイメージを膨らませる
KPI管理のためのエクセルファイルは、Web上にさまざまなテンプレートが存在します。毎日担当者ごとの実績を入力するもの、月の成果を記録して全体像をつかむものなど、そのスタイルはさまざまで正解はありません。複数のテンプレートから自社の理想とマッチした進捗管理シートに近いものを探しながらイメージを膨らませましょう。またこの時、現場への負担を配慮して現実的に運用できるかも考慮しましょう。
イメージするポイント | 考え方 |
工数はどれくらい取れるか | 入力項目の量はどれくらいが適切か。 |
本当に見たい数字は何か | 進捗として管理すべき情報は網羅しているか。また、不要な情報は含まれていないか。 |
PDCAの頻度は | 日次、週次、月次など、どの頻度での集計を大事にするか |
KPI管理に必要な要素を考える
イメージの大枠が決まったら、具体的に、行や列の項目名となる必要な要素を決めましょう。例えば、営業担当者別の実績をこのエクセルファイルにそれぞれ入力させて管理するならば、担当者別の入力場所が必要です。また、顧客情報や売上実績などを別の場所で管理している場合は、集計した数字だけの入力で十分でしょう。
必要な要素 | 例 |
KPI | 架電数、商談数、商談化率、受注数 |
集計の単位(頻度) | 日次、週次、月次、四半期、半期、年 |
集計の単位(人) | 担当者別、組織別 |
エクセルファイルを準備する
必要な要素をベースに、実際にエクセルファイルを作成しましょう。ゼロから作成してもよいですが、テンプレートから自社仕様に加工する方が時間を短縮できます。KPI進捗管理テンプレート(Excel形式)を用意しましたので、これをベースに以下のステップで自社仕様に加工していきましょう。
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KPI進捗管理テンプレート(Excel形式)の特徴
わかりやすく、シンプル
このテンプレートは入力する項目のレベルを分けてわかりやすく分類しています。また、入力欄を色分けすることで、一目で何の情報が記載されるべきか分かるようになっています。
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用語の定義を記載
架電数、商談数などの定義について、認識のずれがないように説明をシートに書いておきます。例えば架電数には1リードに対して何回電話をかけたのかを基準にカウントをするのか、何回架電しても1リードは"1"とカウントするのか、といった人によって数え方がことなるものなどを記載します。これにより、担当者に応じて入力される基準が違うという問題を回避します。
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年次の集計シートに自動で反映
月次をシートを入力すれば、年次の集計シートに自動で反映されます。必要に応じて、四半期や半期の集計を加えても良いでしょう。
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エクセルの便利な機能でKPI管理のトラブルを回避
実際にエクセルを使ってKPIの進捗を管理する際には、さまざまな注意が必要です。ここでは、エクセルならではの便利な機能を利用して、想定できる問題を回避する方法を学習しましょう。
※ この画面は2023年12月時点のOffice 365 です。エクセルのバージョンによっては、デザインなどが異なる場合があります。
保護
フォーマットが完成したら、日々入力するセル以外はよほどのことが無い限り編集することはありません。そのため、KPIの進捗を記録する人が入力するセル以外は「保護」しておくと勝手にフォーマットを変更されるといったトラブルを防ぐことができます。保護したいセルの範囲を選択し、右クリックして表示されるメニューから[セルの書式設定] →[保護]を選択し、[ロック]にチェックをします。
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次に、[校閲]タブから[シートの保護]をクリックします。こうすると、ロックされたセルは編集できなくなります。
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シート自体をの保護するには、[シートの保護]メニューからパスワードを設定することもできます。
条件付き書式
数字が無機質に並んでいると、注目すべき傾向の変化を見逃してしまう可能性があります。それを防止するのに役立つのが「条件付き書式」です。例えば、商談化が「●.●%未満」になった場合はセルの色を赤色にする、など自動的に書式を変える設定ができます。[ホーム]タブの条件付き書式から、マークする条件を設定します。
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定期的に集計・評価する
定期的にシートにデータを入力し、集計します。入力し忘れがないように、慣れるまでは必要に応じてリマインドされるようにカレンダーに登録しておきましょう。
進捗に問題がないか定期的に確認し、必要に応じてKPIやプロセスを調整していくことで、最終目標(KGI)の達成につながります。
エクセルでKPI管理する際の注意点を知る
エクセルは本質的に、表計算用のソフトウェアとして設計されています。このため、KPIの進捗管理に使用する際には、いくつかの注意点があります。
これらの点を念頭に置きつつ、エクセルを効果的に活用し、KPIの進捗管理を行うことで、ビジネスの成果を最大化しましょう。
データの破損
エクセルファイルは、不適切な操作やファイルの破損などにより、すべてのデータが消失する可能性があります。エクセルの修復機能を利用してデータを復元できますが、データの損傷を避けるためには身長な作業を行と定期的なバックアップの取得が重要です。
データの上書き
エクセルはファイルをコピーが可能であるため、最新版の管理に注意が必要です。原則としてコピーは避け、最新版が分からなくなるリスクを回避する対策が求められます。同時に複数のユーザーでの編集が必要な場合は、「共有ブック」機能を有効にし、複数のユーザーが同時に1つのファイルを開いて編集できるようにしましょう。ただし、共有設定を有効にするとデータの入力規則の追加をはじめ、一部の機能が制限されることに留意が必要です。
セキュリティ
実績と目標を記載したファイルは機密性が高く、適切なセキュリティ対策が必要です。エクセルファイル自体に強力なパスワードを設定し、保存先のフォルダのアクセス権限を厳格に管理することも重要です。インターネット上のドライブにむやみにアップロードすることは避けましょう。
虚偽の報告
エクセルでは、担当者の入力情報を信じるしかありません。しかし、成績が芳しくない営業担当者が、数字を操作して成績を良く見せる可能性があります。また、意図が無かったとしても、誤った数字を報告することや同僚の成果を誤って報告することも考えられます。KPIシートを更新する場合は、管理職はこういった虚偽報告のリスクも念頭に置く必要があります。
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