このレッスンで学べること
CRM/SFAツールを使ったKPI管理について、「準備」「進捗管理」という2段階で理解しましょう。このレッスンでは、「進捗管理」に焦点を当てます。
このレッスンで学べること | |
準備 | - CRM/SFAツールの概要を理解する |
進捗管理 | - リード(見込み客)に関するKPIの進捗を記録する |
KPIの進捗をCRMに記録する
CRMに、リードや商談の情報、架電やアポイントなどの活動情報を記録します。入力し忘れがないように、慣れるまでは必要に応じてリマインドされるようにカレンダーに登録しておきましょう。CRMに記録した情報は自動で集計され、Lesson6で作成したKPIダッシュボードに自動で反映されます。
リード(見込み客)に関する進捗を記録する
新規リード獲得数や商談化数、リードのフォロー件数など、リードに関連するKPIを管理する場合は、CRMにリード情報を記録します。リード情報は、「リード情報の登録」「フォローアップ内容の記録」「ステータスの更新」の順に記録していきます。
リード情報の登録
まずは、CRMにリード情報を登録します。
リード情報を登録する方法は、「手動登録」「リストのインポート」「名刺スキャンアプリから取り込み」「Webフォームからの自動登録」の4種類があります。
手動で登録する
ホーム、見込み客、連絡先、などと画面上部に並ぶカテゴリを「タブ」と呼びます。見込み客の情報を登録する場合は、[見込み客]タブの[見込み客を作成]を押下します。表示された画面で見込み客のそれぞれの項目を入力し、[保存する]でデータを保存します。


見込み客リストをインポートする
エクセルファイルなどで保存している見込み客リストを一気に登録したいときは、インポートが便利です。CRM/SFAツールは、エクセル形式やCSV形式のデータをシンプルな操作で読み込む(インポートする)ことができるため、面倒なデータの加工は不要です。[見込み客を作成]ボタン横[▼]から[見込み客をインポート]を押下します。

インポートするファイルを、ドラッグ&ドロップ操作またはローカルフォルダを参照してアップロードします。新しい見込み客データとしてCRM/SFAツールに登録するのか、既存の見込み客と重複するデータがあった場合にどのような処理を行うか、などを選択します。[既存の見込み客と重複するデータをスキップする条件:メール]を選択しておくと、データの重複を防げます。

CRM/SFAツールの各項目に対して、ファイルのどの列のデータを読み込むかを指定し、結びつける作業を行います。例えば、csvファイルの「電話番号]の列の値を、CRM/SFAツールの「電話番号」または「携帯電話」にマッピング(結びつける)ことができます。画面下部の[自動関連付けを適用する]から自動でマッピングすることも可能です。

インポートが完了すると、数分以内に通知メールとポップアップでインポート完了の通知が来ます。

誤ってインポートしてしまったデータは、[設定]→[インポート]→[インポート履歴]で[インポートを取り消す]から削除することもできます。インポートから30日が経過するとインポート処理を取り消すことができなくなりますので注意しましょう。

名刺をスキャンして情報を登録する
受け取った名刺をスキャンしてデータ化し、CRM/SFAツールに登録することもできます。CRM/SFAツールと連携できる名刺スキャンアプリを使って、担当者のスマートフォンでCRMに情報を登録できます。Zoho CRM の名刺スキャンアプリ「Card Scanner」で名刺をスキャンし、データの保存先として[Zoho CRM の見込み客](または連絡先)を選択すると、CRMに情報が入ります。
Webフォームから自動で登録する
CRMの「Webフォーム」という機能を使って、Webサイトで問い合わせや資料請求した見込み客の情報を、自動で取り込むこともできます。
[設定]→[開発者向け情報]→[Webフォーム]→[新しいフォーム]から作成します。

〈動画:Webフォームの設定手順〉
- ポップアップ画面が表示されたら、入力を進めます。フォーム名は任意ですが、ここでは「資料請求フォーム」とします。タブは[見込み客]を選択し[作成する]を押下します。
- フォームの編集画面に遷移したら、左側のメニューから必要な項目をドラッグ&ドロップで中央のフォームのプレビュー画面に配置しましょう。個人情報保護方針への同意を得るための項目も忘れず設置します。
- フォームには、入力欄以外の情報を持たせることができます。例えば、このフォームからCRMに登録される人を、Webサイト経由で獲得した見込み客として区別したい場合、[見込み客のデータ元]の項目をフォームに持たせて[Webからのダウンロード]としつつ、その入力欄自体を非表示設定とします。こうすれば、お客様には余計な情報を見せずに、CRMには入力項目以外の情報を登録することができます。フォームの入力項目を設定し終わったら[次へ]を押下します。
- 次に表示される[フォームの詳細画面]では、以下を参考に入力してみてください。入力し終えたら[保存する]を押下します。
項目 | 入力する内容 | 補足 |
フォームを設置するURL | フォームを設置するページのURL(「http://」 または「https://」から始まるURL)を入力し、[追加する]を押下します。 | 設置するURLを指定すると、指定したURLを経由して送信されたデータだけを有効なデータとして取得するように制限できます。複数のURLを指定することもできます。まだ設置URLが決まっていない場合は、「*」を入力します。(不正なデータ送信を防止するため、「*」の設定は一時的な措置とすることをお勧めします)。 |
送信後の処理 | フォームを送信した後に、移動するページのURL(「http://」 または「https://」から始まるURL)を入力します。 | 特定のページへの遷移を必要としない場合は、お礼ページまたは画面に表示するメッセージを選択し、表示するテキストを入力します。 |
担当者の割り当て | フォームから送信されたデータを管理する担当者を選択します。標準ではフォームの作成者にデータが割り当たります。 | 特定のユーザーに割り当てたい場合や、入力された内容に応じて担当者を変更したい場合は、見込み客の割り当てルールを選択するを押下し、ルールを指定します。 |
見込み客の担当者に通知する | チェックを入れます。 | 任意ですが、新しい見込み客の登録を認識できるよう、通知した方がよいでしょう。メール通知も選択できます。 |
自動返信 | チェックを入れます。 | 任意ですが、お客様に登録を受け付けたことを知らせるため、設定しておきましょう。ここでは、自動返信ルール([設定]→[チャネル]→[Webフォーム]→[自動返信ルール])を選択することができます。自動返信ルールは、フォームの入力情報を基に自動返信を設定できます。もちろん、テンプレートを使うこともできます。 |
訪問者の追跡 (Powered by Zoho SalesIQ) | チェックを入れません。 | フォームを送信した顧客のWebサイトへのアクセス有無や閲覧ページなどのさまざまな記録を、Zoho CRM内で閲覧することができる機能です。 |
登録の承認 | チェックを入れません。 | フォームを送信した見込み客のデータの内容を個別に確認した上で、Zoho CRMに追加することができる機能です。 |
5. 最後に[埋め込み設定]の画面が表示され、作成したフォームのソースコードをコピーできます。このコードを自社のWebサイトに埋め込むことで、Zoho CRM で作成した問い合わせフォームが完成します。
見込み客へのフォローアップ活動を記録する
Zoho CRMには、見込み客や顧客に対するフォローアップ活動(通話やメール送信など)を記録できます。架電数やメール送信数など、営業活動のKPIを管理する場合は、活動内容を記録しましょう。
フォローアップコールの記録を残す
見込み客に架電したら、CRMの見込み客情報に記録を残しましょう。[未完了の活動]→[新しく追加する]→[通話]→[通話を記録する]で表示される画面に、通話時間や内容を記録します。企業の課題や予算といった重要な情報(BANT条件)をヒアリングできた際は、ここに忘れずに記録します。この記録を見るだけで、誰がいつどのような会話を行ったのか把握できるため、チーム内の情報共有がスムーズです。お客様にとっても、何度も同じことをヒアリングされないというメリットがあります。
メールの送信履歴を記録する
営業活動では、架電だけでなく、メールも多用します。CRM/SFAツールはツール上からメールを送信でき、その履歴をツールに残すことができます。


送信したメールについて、見込み客情報の一覧画面で確認できます。送受信には、ログインに使用するメール以外も使えます。[設定]→[チャネル]→[メール]→[組織のメールアドレス]から設定します。

リードステータスを更新する
通話やメールによるフォローアップを行ったら、[見込み客ステータス]を忘れずに変更しましょう。初期設定では、[連絡済み(不在)][連絡済み(到達)][無効]といったステータスが用意されています。フォローアップに進捗があった際にステータスを随時更新していくことで、フォローアップ履歴をいちいち確認しなくても状態が分かります。さらに、このステータスのデータがあることで、あとで集計するときにも役立ちます。

[見込み客ステータス]の選択肢自体を変えることもできます。[設定](ホーム画面右上の歯車マーク)→[カスタマイズ]→[タブと項目]→[レイアウト]→[標準]にある[見込み客ステータス]の[プロパティの編集]で変えられます。[見込み客ステータス]に限らず、CRM/SFAツールは自社のビジネスに合わせて表示や選択肢などさまざまなカスタマイズができます。プログラミングやシステムに関する専門知識は不要です。

商談化した見込み客を変換する
見込み客に対して架電とメールでアプローチを行い、商談を設定できたら、ステージを変更しましょう。ステージを変更したい見込み客の詳細画面で、上部の[次のステップへ]を押下します。続く画面で[この取引先に新しい商談を作成する]にチェックを入れて商談の概要を入力し、[次のステップへ]を押下します。
Zoho CRM では、商談に移るこのタイミングで[見込み客]から[連絡先]と[取引先]というタブにデータが引き継がれます([取引先]は連絡先の法人名をまとめるタブ)。

商談(案件)の進捗を記録する
商談や売上に関連するKPIの進捗を記録します。
商談情報の記録は、「商談情報の登録」「営業フォローの記録」「商談ステージの更新」「受注内容の記録」の流れで行います。
商談情報を登録する
ここでは、見込み客の変換を使わずに商談を登録する方法を紹介します。
[商談タブ]→[商談を作成]で表示される画面に、商談情報を記録します。総額や完了予定日、ステージ、次のアクションなどの重要な情報は、ここに忘れずに記録しましょう。この記録は自動的に集計されて、KPIのダッシュボードに反映されます。また、この記録を見るだけで、商談の概要と進捗を把握できるようになるため、情報共有がスムーズになるというメリットもあります。
営業フォローの活動を記録する
商談を受注するために行ったアポイントや架電、メールなどの活動内容をCRMに記録します。
CRMに記録することで、活動KPIの実績に反映されます。KPIの振り返りや改善を行う際にも役立てられます。
営業コールの記録を残す
商談相手の顧客に架電したら、CRMの商談情報に記録を残しましょう。[未完了の活動]→[新しく追加する]→[通話]→[通話を記録する]で表示される画面に、通話時間や内容を記録します。
メールの送信履歴を記録する
商談を進める際は、架電だけでなく、メールも多用します。CRM/SFAツールはツール上からメールを送信でき、その履歴をツールに残すことができます。


送信したメールについて、商談情報の詳細画面で確認できます。送受信には、ログインに使用するメール以外も使えます。[設定]→[チャネル]→[メール]→[組織のメールアドレス]から設定します。

商談ステージを更新する
商談の進捗に変化があったら、商談ステージを忘れずに更新します。商談の詳細画面の最上部にステージの一覧が表示されています。該当するステージをクリックするだけでステージを更新できます。

[ステージ履歴]から、各ステージの経過日数を確認することもできます。

受注内容を記録する
商談を受注したら、受注情報を記録します。[ステージ]を受注にすると、[総額]と[完了予定日]」を更新できます。受注内容に合わせて情報を更新しましょう。

Point!
失注した場合は、理由も忘れず記録する
商談を失注した場合は、ステージを更新する際に失注理由を記録する画面が表示されます。失注理由を正確に記録しておくことで、今後の営業活動や受注率の改善のヒントにつながります。

KPIの進捗をリアルタイムで確認する
Lesson6で用意したダッシュボードで、KPIの進捗状況を確認しましょう。
[アナリティクス]タブから、作成したダッシュボードを開きます。ダッシュボード上の表やグラフに、記録されたデータが実績として反映されていることが分かります。

進捗に関する詳細情報を取得する
表やグラフに対して、詳細レポートを確認したい場合もあるでしょう。CRMのダッシュボードのうち、以下の形式の表/グラフについては詳細レポートを表示できます。
詳細レポートを表示できる表/グラフ |
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確認したい表/グラフにカーソルを合わせて、クリックするとレポートが表示されます。

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