エクセルを使ったタスク管理のメリット
タスク管理には、紙やカレンダーツール、生成AI、CRM(顧客関係管理ツール)などを活用する方法があります。表計算シートであるエクセルも以下のメリットを理由に、一般的に多くの人が利用しています。
- 操作に慣れているため、簡単に始められる
- テンプレートを活用すれば、簡単にToDoリストやガントチャートを作成できる
- 特定の取引先やタスクの検索ができる
- 他の人と共有できる
- オフラインでもアクセスできる
ToDoリスト型を活用したエクセルでのタスク管理
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エクセルでのタスク管理にはいくつかの型がありますが、ここではToDoリスト型のタスク管理表の作成方法や活用のポイントを紹介します。
ToDoリスト型の特徴
- タスクを一覧で管理できる
- 優先度・ステータス・開始日と期限日・完了率などを設定できる
- 簡単にタスクの追加・削除・並び替えができる
- 個人でのタスク管理に適している
ToDoリスト型のテンプレートをダウンロードする方法
ToDoリスト型のタスク管理表は自分で作成することもできますが、Microsoft が提供しているテンプレートを活用するのがおすすめです。
テンプレートをダウンロードするには、ToDoリストのテンプレートを開き、ダウンロードのボタンをクリックしてください。
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ダウンロードが完了したらエクセルが開き、すぐにToDoリストのテンプレートを利用できます。
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ToDoリスト型でタスク管理をする方法
ダウンロードが完了したら、実際にタスクを入力してみましょう。Lesson 3で紹介した営業プロセスのうち、「オンライン商談第1回に向けた準備」のタスクを例とします。
<「オンライン商談第1回に向けた準備」のタスク>
タスク |
第1回オンライン商談の日程を決める |
ミーティングURLを発行する |
ミーティングURLをお客様に知らせる |
事前にヒアリングしたBANT条件などを確認する |
お客様企業の基本情報を調べる |
商談のゴールを設定する |
当日の資料を準備する |
お客様へリマインドする |
6月21日を商談日と仮定して、細分化したタスクや優先度、進捗ステータス、開始日と終了日を入力したのが下記です。なお、テンプレートでは終了日が支払い期限となっていたため修正しました。
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全て入力したら、タスクを処理していきましょう。状態や完了率を進捗に応じて更新すると、以下のようになります。
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ToDoリスト型でタスク管理をするときのポイント
優先度や期限日を設定する
ToDoリスト型でタスク管理をするときのポイントは、優先度や期限を設定することです。
今回の例では、受注・失注に大きく影響するタスクと、顧客をはじめ他の人が関わるタスクを優先度「高」に設定しました。優先度を1〜5段階に分ける方法もありますが、細分化するとタスク管理も複雑になります。そのため、優先度はシンプルに高/低でつける方がおすすめです。
セルに入力規則を設定する
エクセルでToDoリスト型のタスク管理をするときは、セルに入力規則を設定しておくと便利です。例えば、開始日と期限に日付の入力設定をすることで、日付の入力ミスを減らせます。
ここでは、日付の入力規則を設定すると仮定して、設定方法を紹介します。
- 入力規則を設定するセルを選択する
- 上部の「データ」メニューから「データの入力規則」を選択する
- 日付を許可とし、開始日と終了日を設定する
今回の例では、日付が入力されれば問題ないため、開始日と終了日を広く設定しました。入力規則に違反するデータが入力されるとエラーが表示されます。
ガントチャート型を活用したエクセルでの管理
次に、ガントチャート型のタスク管理表の作成方法や活用のポイントを紹介していきます。
ガントチャート型の特徴

- 特定のタスクにかけられる時間が一目で分かる
- タスク同士が関連していたりリソースを管理したりする際に分かりやすい
- チームでのタスク管理に向いている
ガントチャート型のテンプレートをダウンロードする方法
ガントチャート型のタスク管理表を一から作成するのは大変なため、Microsoftが提供するテンプレートを活用してみましょう。
テンプレートをダウンロードするには、ガントチャートのテンプレートを開き、ダウンロードのボタンをクリックしてください。
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ダウンロードが完了したらエクセルが開き、ガントチャート型のテンプレートを利用できるようになります。
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ガントチャート型でタスク管理をする方法
ダウンロードが完了したら、実際にタスクを入力してみましょう。ToDoリスト型と同様に、Lesson 3で紹介した営業プロセスのうち、「オンライン商談第1回に向けた準備」のタスクを例とします。
6月21日を商談日と仮定して、タスクや進捗状況、開始・完了日を記入したのが下記です。
また、ガントチャート型はタスクをグループ化できます。グループ化ごとにマイルストーンを設定することで、効果的に管理できます。
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このように入力が完了したら、タスクを処理していきます。タスクが完了した際や一日の作業が終わる際に、進捗状況を更新することが重要です。進捗状況を更新すると、以下のようになります。
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ガントチャート型でタスク管理をするときのポイント
タスクの開始日と終了日を設定する
タスクの開始日と終了日を設定することで、タスクの遅れを把握しやすくなります。例えば、終了日だけ入力していると、終了日ギリギリにタスクに着手する恐れがあるでしょう。開始日も設定することで、タスクを始めるタイミングを遅らせず、スムーズに遂行できるでしょう。
条件付き書式を活用する
ToDo型のタスク管理表と同様に、条件付き書式を活用します。また、タスクの進行状況を色で視覚的に表現すると良いでしょう。例えば、進捗率が50%以上のタスクを緑色、50%未満のタスクを黄色にすると、一目で進み具合がわかります。
進捗率に応じた色の適用方法は、以下を参照ください。
- 入力規則を設定するセルを選択する
- 上部の「ホーム」メニューから「条件付き書式」を選択する
- 「セルの強調表示ルール」から「指定の値より大きい」を選択する
- 50%以上のセルを対象とする
- 書式を「ユーザー設定の書式」とし、「塗りつぶし」メニューの背景色から緑を選ぶ
50%未満のタスクに関しても、同様に設定します。
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タスク管理に使えるエクセルの便利機能
フィルター
フィルターとは、データを絞り込んだり、検索したりする機能です。例えば、優先度が高いタスクのみを表示することができます。
タスク管理をしていると、優先度に注目しすぎて期限を見落とすことがあります。期限日でフィルターをかけ、期限が近いまたは期限を過ぎたタスクを見落とさないようにしましょう。
ピボットテーブル
ピボットテーブルとは、データを項目別に自動集計する機能です。タスクごとに作業時間を記録すれば、各タスクにかかっている時間を集計できます。
これにより、時間がかかるタスクを把握でき、対策できるようになります。
マクロ
マクロとは、操作を自動で行うように設定できる機能です。例えば、Outlookと連携して、タスクの期限が近づいたときにメール通知を送るように設定できます。
マクロを活用することで、作業を自動化し、より効率的にタスクをこなせるようになるでしょう。
エクセルを使ったタスク管理の注意点
エクセルを使ってタスク管理をする際には、データの一貫性と正確性に注意が必要です。エクセルのデータと顧客情報が連動していないため、異なるシステムやシート間で手動でデータを更新する必要があります。このプロセスで、人為的なミスが発生しやすく、例えばタスクの担当者、期限、進捗状況などに誤った情報が記載される恐れがあります。その結果、重複したタスクの発生や重要な期限の見落とし、担当者の混乱などが生じる可能性があります。
例えば、以下のような問題が発生する可能性があります。
- エクセルに見積もり金額を誤って記載し、それを参考に見積もりを作成してしまう
- メモした期限が間違っており、オンライン商談の予定を誤った時間に設定してしまう
- カレンダー情報と一元管理するのが難しいため、タスク管理表に予定を入れたものの、商談に同席する上長の予定を押さえるのを忘れてしまう
これらの問題を防ぐためには、エクセルのタスク管理表と顧客情報、カレンダー情報に誤りがないかを定期的に確認することが重要です。
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