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営業力の伸びをCRM/SFAで確認する

このレッスンでは、CRM(顧客関係管理)/SFA(営業支援)ツールに登録したデータをレポート機能を活用して営業担当者の状況を可視化します。管理職と各担当者が数字(エビデンス)を基に会話を深めることを目指し、営業担当者の育成に役立てます。※CRM/SFAツールの例として、Zoho CRM の画面を使用します。

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営業力の伸びをCRM/SFAで確認する

このレッスンで学べること

前のレッスンに続いて、A社という架空の企業を例に、営業担当者の実績をCRM/SFAで把握し、営業担当者に助言し育成していくイメージをつかみます。CRM/SFAを使う流れを「営業データをCRM/SFAに記録する」「営業力の伸びをCRM/SFAで確認する」の2つに分け、このレッスンでは、後半の「営業力の伸びをCRM/SFAで確認する」を扱います。営業エキスパート育成に必要なデータは何か、データをどう確認するかを学びましょう。

このレッスンで学べること

営業データをCRM/SFAに記録する※Lesson 6

CRM/SFAを使う理由とは
CRM/SFAツールを用意する
商談などのデータを登録する

営業力の伸びをCRM/SFAで確認する※Lesson 7

担当者別に商談金額と件数を確認する
商談の進捗状況を確認するレポートを作成する
失注案件のレポートを作成する
担当者別の活動量を確認する

このレッスンの想定シナリオを把握する

このレッスンでは、「システム構築の開発・運用サービスを提供するA社の営業部」を例に、CRM/SFAを使った営業管理と営業担当者の育成について解説していきます。

A社のプロフィール

  • 業種: システム会社
  • 規模: 30人
  • 提供サービス: システム開発および運用サービスの提供、IT化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の相談対応
  • 特徴:
    ①Webサイトから問い合わせ、展示会、セミナーから見込み客を獲得
    ②展示会やセミナーの対応は営業部が担当
  • 営業担当者の実績: 担当者は2名。実績は以下の表

担当者

商談件数

商談金額

平均商談金額

山内純一

11

¥95,000,000

¥8,636,364

渋沢優也

8

¥80,000,000

¥10,000,000

A社の営業部門の課題

  • 商談、それに伴うタスクの管理は各担当者に任されており、定量的な数字を算出する際に手間がかかる
  • 商談、それに伴うタスクの管理は各担当者に任されており、定性的な状況把握がしにくい
  • 商談、それに伴うタスクを統合的に管理していないため、営業活動のボトルネックを把握し、担当者を適切に育成できない
  • 感覚に頼る部分が大きく、管理職と担当者の認識のずれが発生している

営業担当者育成の課題

  • 案件数や商談金額は均等に調整されており、山内さんは目標を常に達成している一方、渋沢さんは売上目標に対して毎回未達である
  • 渋沢さんと1on1のヒアリングを実施しているが、データに基づいた指導ができていない
  • チーム全体のパフォーマンス向上に向け、CRM / SFAの活用を検討しているが、現状のままでは効果的な施策が見つかっていない
  • 営業育成のためのフレームワーク導入を検討している。ただ、営業への負担になる可能性もあるため、まずはオーソドックスなものから試しに導入してみたい

CRM/SFAのレポート機能とは

CRM/SFAは、顧客情報や営業情報をビジネスに役立てることを想定して設計されています。そのため、CRM/SFA内のデータを集計して見える化するためのレポート機能やアナリティクス機能が充実しています。データはリアルタイムで反映されるため、最新の状況をいつでも確認できます。ここでは、Zoho CRM のレポート機能を活用して、前のレッスンでインポートしたA社のデータを見える化し、営業担当者の実態を把握していきます。

標準レポートで担当者別の成果を確認する

CRM/SFAに蓄積された膨大なデータは、そのままでは個々の事象の記録に過ぎません。それを整理し、営業育成のために価値ある情報に変えるのがレポート機能です。Zoho CRM では、よく使われる集計方法が標準レポートという形であらかじめ用意されており、すぐにデータ分析を開始できます。

まずは、標準レポートの[担当者別の成果のレポート]を使って、Lesson 6でインポートしたデータがどのように表示されるか確認してみましょう。

上部メニューの[レポート]→[商談レポート]→[担当者別の成果のレポート]を押下します。

担当者別の成果のレポートを確認する

レポート画面は以下の状態です。表示の説明は以下の通りです。

  • ①フィルター:特定の条件で表を絞り込む際に利用します

  • ②編集する:レポートの表示項目や構成を編集できます

  • ③行グループ:行項目をグルーピングするための項目です

  • ④行項目:レポートに表示する項目です

レポート画面の表示の説明

標準レポートを編集してみる

この[担当者別の成果のレポート]を、A社の営業部門の管理職になったつもりで編集してみましょう。列項目から、重複表示になっている担当者名を非表示にしたり、どこから見込み客を獲得したか分かる[見込み客のデータ元]を追加するなどします。現場の担当者の活動状況の確認が目的なので、管理者である自分自身の情報はフィルタで非表示にします。ここでの追加、削除はCRM/SFAの元データを編集しているものではなく、あくまでレポート表示の編集です。

  • 列項目から[総額][商談の担当者][年間売上]を非表示にし、[見込み客のデータ元]を追加
  • 行項目に[売上の期待値][総額の合計]を追加
  • フィルターで[商談の担当者]を渋沢優也、山内純一のみに絞り込み

操作を動画で確認してみましょう。画面では姓名の表示順がZoho CRM の初期設定の名姓になっていますが、[設定]から編集できます。ここでは詳細を割愛します。

担当者別の成果のレポートの編集デモ動画

標準レポートを編集して担当者別の商談金額と件数を確認する

[担当者別の成果のレポート]をさらに編集して、担当者別の商談数と商談金額を確認しやすくします。先ほどの表示では情報がやや多かったため、表示項目を絞るイメージです。レポート機能は、このようにさまざまな切り口で表示を変えながら、実態を把握することに適しています。

[詳細を表示する]→[詳細の行]のチェックを外します。

レポートの詳細を非表示にする

以下の状態になり、詳細情報が非表示になりました。

詳細を非表示にしたレポート

右端の商談の「件数」を見ると、渋沢さんが8件、山内さんが11件です。このデータはA社の6カ月間のデータですので、1カ月あたりの平均商談件数を計算すると、渋沢さんが約1.3件、山内さんが約1.8件ということになります。渋沢さんは、売上目標に対して毎回未達という状況ですが、商談の数自体が少ないことが分かります。

[売上の期待値の合計]を見ると、渋沢さんが約1,500万円に対して、山内さんが約6,000万円と、4倍もの差があることが分かります。一方で、中央の[総額の合計]、つまり売上は、渋沢さんが8,000万円、山内さんが9,500万円でそれほど大きな差はありません。Zoho CRM の[売上の期待値]とは、Lesson 6で説明した通り、商談のステージと確度から算出されるものです。[売上の期待値の合計]で、2人にこのような大きな差がなぜ生まれているのか、もう少し掘り下げて見てみましょう。

さらに編集して商談の進捗状況を確認する

先ほどのレポートをさらに編集して、渋沢さんの[売上の期待値]がなぜここまで低いのかを確認します。列項目に[ステージ]と[確度]を追加します。

操作は動画の通りです。

さらに編集して商談の進捗状況を確認するデモ動画

項目を追加し、ステージ項目で昇順に並べ替えたレポートがこちらです。

項目を追加し、ステージ項目で昇順に並べ替えたレポート

これを見ると、渋沢さんはすでに失注が3件あり、その他の商談ステージも山内さんと比べて進んでいないことが分かります。さらに分かりやすくするために、商談のステージごとにグルーピングを行います。

  • 行グループに[ステージ][完了予定日]を追加します
  • [詳細を表示する]から[小計]のチェックを外します

さらにレポートを編集する操作は動画の通りです。

レポートを商談のステージごとにグルーピングするデモ動画

編集後の[担当者別の成果レポート]の画面はこちらです。

編集後の担当者別の成果レポート

視認性をさらに向上させ、直感的に理解できるようにレポートにグラフを追加します。

担当者別の成果レポートにグラフを追加するデモ動画

グラフの設定項目は以下の通りです。

  • 軸(Y軸):データ数
  • グループ化:ステージ-商談
    商談の担当者- 商談
  • グループ化の条件:75
グラフを編集する

グラフを追加した[担当者別の成果レポート]の画面はこちらです。

グラフを追加した担当者別の成果レポート

これを見ると、渋沢さんが担当する商談が「見積もりの提示」のステージに全くないことが分かります。レポートを作成したタイミングの問題、という可能性も考えられますが、一旦ここを掘り下げます。[見積もりの提示]まで進んでいないということは、それ以前の営業プロセスに問題がある可能性があるためです。A社の商談データのうち、BANT情報がどう記録されているか、を確認します。

現在のレポートにさらにBANT情報項目を追加することはできますが、項目が多すぎて視認性が悪くなります。そのため、[担当者別の成果レポート]のレポートを複製し、新しいレポートを作成します。

  • レポートの[編集する]→[複製する]
  • レポート名を「担当者別の成果レポート(BANT)」に変更
  • 列項目から[取引先名][見込み客のデータ元][ステージ][確度]を削除
  • 行項目から[完了予定日] を削除
  • 列項目に[Budget(予算)][Authority(決裁権)][Need(ニーズ)][Timeline(タイミング)]を追加

操作は以下の動画の通りです。

担当者別の成果レポートにBANT情報項目を追加するデモ動画

作成したレポートは以下の通りです。ただ、「BANT」の項目に全くデータが入力されていませんでした。

担当者別の成果レポートでBANT情報を確認する

渋沢さんだけでなく、山内さんも全く入力していない状態だということが分かります。A社の管理職は、営業活動の負担になるのは良くないと考え、BANTの項目を必須にせず、入力の依頼だけにしていたことが裏目に出ました。

これでは状況が全く把握できません。これは、CRM/SFAツールを導入した企業によく見られる現象です。データが入力されていないため、可視化できず、活用もできません。これらの項目の入力については、社内で再度調整する必要がありそうです。これにより、課題が1つ明らかになりました。ただ、このレポートで原因を深掘りするのは難しいので、失注案件に限定してさらに掘り下げていきます。

標準レポートを編集して失注案件を把握する

次に失注した商談に着目します。Zoho CRM の標準レポートで用意されている[失注した商談]のレポートを活用します。[レポート] → [商談のレポート] → [失注した商談] を押下します。

失注した商談レポートを確認する

[失注した商談] レポートは以下の通りです。

失注した商談レポート

このレポートを編集し、[失注の理由]の列項目を表示させて詳細を把握できるようにします。今回は単純な項目変更だけなので、チャレンジしてみてください。併せて[作成日時]の列項目は非表示にしてください。

  • 列から[作成日時]を削除(非表示に)
  • 列に[失注の理由]を追加

変更が完了すると、以下の画面になります。

失注した商談レポートを編集する

レポートに[失注の理由]を表示させられましたが、これだけでは具体的な内容が不明です。気になる失注があった際に担当者に営業会議で発表させるようにするとよさそうです。

カスタムレポートを作り担当者別の活動量を確認する

A社の渋沢さんの不調を確認するため、営業活動に着目したレポートを作ります。山内さん、渋沢さんのタスクがどのように実施されているか、CRM/SFA内のデータを見える化していきます。Zoho CRM では、タスクは「活動」というくくりです。活動に関しては標準レポートが用意されていないため、「カスタムレポート」を作成します。

[レポート]タブ→[レポートを作成する]で新しいレポートを作成します。

レポートに使うデータがある場所を示す「基準タブ」は[商談]を選択してください。

新しいレポートを作成する

子タブは[タスク]で、 [関連データのみ]にチェックを付けて完了を押下します。

関連タブを選択する
  • 列から[商談名][Budget(予算)][Authority(決裁権)][Need(ニーズ)][Timeline(タイミング)][件名]を削除
  • 列に[取引先名][ステージ]を追加
  • 行グループに[商談名][商談の担当者][件名]を追加
  • フィルターで[商談の担当者]→[次の値と等しい]で山内純一、渋沢優也を選択

操作は以下の動画の通りです。

カスタムレポートを作成するデモ動画

完成したレポート画面がこちらです。

商談とタスクレポート

同じ期間において、渋沢さんと山内さんは商談件数はほぼ同じにもかかわらず、活動量が渋沢さん9件に対して山内さんは27件と3倍の差があります。これほどの活動量の差があれば、結果に差が生まれるのは必然と言えます。

活動量が少ないということは、顧客とのコミュニケーションが少ないのと同じ意味になります。その結果、「Lesson 1 営業人材の育成」の「営業力強化に必要なスキル」の「信頼構築力」が不足しており、それが数字に影響を与えている可能性は否定できません。

さらに、渋沢さんは顧客とのコミュニケーションに架電が全くありません。Web会議やメール送信も山内さんより少ないですが、活動量に3倍もの差がついているのは、架電が全くないためです。

個人間のコミュニケーションではチャットやメールが主な連絡手段となっていますが、ビジネスの現場では電話は依然として多く使われています。データを念頭に起きながら、渋沢さんに直接1on1で理由を尋ねてみるのが良いでしょう。

CRM/SFAツールを活用することで、これまで見えにくかった営業活動の詳細が可視化されました。メンバーとの1on1では、感覚に頼らず、共通の数字を基に会話を心掛けることが重要です。逆に山内さんのタイムマネジメントが上手過ぎる可能性もあり、それを営業部門全体に浸透させる契機になるかもしれません。CRM/SFAを使いこなし、営業エキスパートの育成に役立ててみましょう。

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