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データドリブンの意思決定と分析ツールの活用

営業会議は見るべきデータを全員が共有し、データに基づいた意思決定がなされるべき場所です。本レッスンでは、データドリブンの意思決定をするために必要な営業データとは何か、意思決定に役立つフォーマットとは何か、どのような分析ツールが意思決定に役立つかを学びます。

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データドリブンの意思決定と分析ツールの活用

データドリブンの意思決定が重要な理由

営業会議においてデータドリブンの意思決定が営業マネージャーにとって重要な理由は3つあります。

  • 実態に即した効果的な対策を検討できる
  • 打ち手のリソースを適切に配分できる
  • 打ち手の効果測定ができる

実態に即した効果的な対策を検討できる

営業会議において、営業活動の実態把握は非常に重要です。営業活動を評価するためのKPIは多岐にわたりますが、例として商談の進捗を示す「商談フェーズ」と「成約確度」を取り上げてみます。
営業活動は設定したKPI通りに進捗が進むとは限りません。目標を達成するためには、遅れている進捗を早期に発見し、適切な対策を講じる必要があります。しかし、営業データがないと実態を把握できず、誰の案件がどこまで進んでいて、どのような状況になっているのかが分かりません。

例えば、残り10営業日で目標に対してあと2件の契約が必要な場合を考えてみましょう。
まずは複数案件の商談フェーズを以下の表のように整理してみます。B社以外に成約可能性のある案件がありますが、確度が低いため確実な目標達成のためには新たな案件の掘り起こしが必要と考えられます。案件を掘り起こすには、訪問先やテレアポ先のリストアップしたり架電数を増やして商談数を確保したりすると良いでしょう。また追加契約が期待できそうな既存顧客のリストアップも効果的です。このような対策にもデータが必要です。

案件

商談フェーズ

成約確度(%)

A社

失注

0

B社

稟議の承認待ち

90

C社

検討

50

D社

失注

0

E社

現場担当者合意

60

商談フェーズを把握していない営業部門は進捗を管理できません。当然適切なフォローアップはできませんし、営業会議や担当者との面談において目標達成に向けた具体的な施策を話し合えず、思いつきの営業活動になりがちです。

また、データ駆動の営業においては競合他社の動きも把握し、担当者と共有します。他社のキャンペーンや料金改定などを把握しておけば、知らないうちに顧客が競合他社と契約を結んでしまう前に先手を打てる可能性も生まれます。営業データを把握せず安易に活動量の増加を指示すると、現場の営業担当者は闇雲に行動し、成果に結びつきづらいため疲弊します。経験や勘に頼らず、論理的に活動の方向性を示せる点がデータ駆動の意思決定を行うメリットです。

打ち手のリソースを適切に配分できる

営業時間は限られているため、データを確認して目標達成のためのリソース配分を検討しましょう。適切なリソースを配分するときは以下のような営業データが参考になります。

  • 見込み客の成約確度
  • 商談フェーズ
  • 顧客のライフタイムバリュー(LTV)
  • 営業担当者の商談成約率

見込み客の成約確度の検証と商談フェーズの確認は、営業リソースの配分において非常に重要です。

例えば短期的な営業目標を追いかける状況において、商談フェーズが浅く確度の低い見込み客にリソースを割くのは良策ではありません。当然のように思えますが、焦っていたりデータを把握していなかったりすると優先順位を誤って判断してしまう可能性があります。

また、ある営業担当者の営業データからテレアポが苦手である一方でクロージングが得意だと判明した場合、短期目標を追いかける状況においてはテレアポよりも商談に時間を割くよう指示をするべきです。他にも、顧客データによって顧客の嗜好や具体的なニーズを把握できれば、売り込む商品やサービスを適切に選択できますし、既存顧客のリピートや追加契約の可能性を探れるでしょう。

以上のように、データ駆動による意思決定は効率的な打ち手のリソース配分などにおいて、重要な役割を果たします。

打ち手の効果測定ができる

営業施策の効果測定は、その施策を継続するか修正・変更するかの判断において必須事項です。

例えば、ある事業において新規開拓をする際に、インサイドセールスとフィールドセールスを併用したとします。フィールドセールスは人件費がかかる上に営業担当者の負担も大きいですが、見込み客に直接働きかける機会があり売り込みやすい手法です。一方、インサイドセールスは比較的少い人件費で多くの見込み客にリーチできますが、直接的な働きかけができず、商品やサービスの理解を得づらいと考えられます。

このような場合、データを活用すればどちらの打ち手が効果的かを測定できます。打ち手の効果は商品やターゲットなどによっても異なるはずです。細かくデータを分析し営業活動に反映させることで、活動のコストパフォーマンスは向上するでしょう。

常に打ち手の効果を測定してデータを積み重ね、より効果的な選択ができれば営業担当者も納得でき、意欲的に活動できるはずです。その他、複数のトークスクリプトや営業時間帯、営業地域などをそれぞれデータで比較すると、興味深いデータが取れるでしょう。

営業データの収集と整理

営業データを分析して意思決定するためには、データの収集と整理が必要です。正確な営業データを収集しておかないと、不適切な情報による誤った意思決定がなされてしまうリスクがあります。また営業活動における課題の発見が遅れ、問題が深刻化してしまう可能性もあります。営業活動の生産性を上げて成果を出すためにも、商談内容や成約件数などのデータを記録し、必要な時に活用できるように整理しましょう。

営業会議で必ず押さえるデータ

営業会議で必ず押さえるデータは以下の4つです。

  • 売上データ
  • 売上の目標対実績
  • KPIデータ
  • KPIの目標対実績

各データを押さえることで、営業活動の全体像を把握し、効率的かつ効果的な意思決定を行うことが可能になります。また、データに基づくアプローチは、営業プロセスのボトルネックを把握できるだけでなく、早期に問題を発見し対策が可能です。

カテゴリ

項目

売上データ

総売上

各商品やサービスの売上

売上の月次・四半期・年間推移

売上の目標対実績

売上目標対実績

達成率

各営業担当者の目標達成状況

KPIデータ

商談数や訪問数などのKPI実績

KPIの月次・四半期・年間推移

KPIの目標対実績

KPI目標対実績

達成率

各営業担当者のKPI達成状況

このようなデータは、表やグラフにして分かりやすく提示しましょう。目標を達成した項目と未達の項目がひと目で分かり、意識を向けやすくなります。

売上データと目標対実績

営業部門は常に数字を追いかけて活動しています。目標と現状の差を認識し、次にとるべきアクションを共有することで、明確な行動指針を持てるようになるでしょう。

売上データと目標対実績表の例

期間

総売上
(万円)

商品A
(万円)

商品B
(万円)

商品C
(万円)

目標売上
(万円)

達成率
(%)

担当者A
(万円)

担当者B
(万円)

担当者C
(万円)

1月

500

200

150

150

550

90.91

180

160

160

2月

600

250

180

170

650

92.31

220

190

190

3月

700

300

210

190

750

93.33

250

210

240

Q1

1800

750

540

510

1950

92.31

650

560

590

売上データと目標対実績表の例

出典:Excelで顧客管理する方法。データベースの作り方を解説

各月、各クオーターといった節目の会議において、設定した売上目標に対する進捗や商品・担当者ごとの売上を確認します。
営業部門や担当者は「この商品は売れ行きが悪いな」「だいぶ進捗しているな」といった感覚を持っているはずですが、数字として認識することで課題に対する意識が高まり、次のアクションに踏み出しやすくなるでしょう。
商品ごとや担当者別の売上、目標に対する達成率は、その後の営業戦略を検討するための基礎的なデータです。課題のある商品や担当者を明確に把握したら、次に説明する細かいKPIをもとに具体的な対策に落とし込みます。

KPIデータと目標対実績

KPIデータの確認によって、売上や目標対実績が未達の原因を推測できます。「なぜ商品Aの売れ行きは悪いのか?」「担当者Bの業績が上がらない理由はなにか?」といったように、課題が生まれている理由をデータから探ってみましょう。

KPIデータと目標対実績表の例

KPI

目標値

実績値

達成率(%)

見込み客数

500

450

90.00

商談数

200

190

95.00

成約率

20

18

90.00

訪問数

300

280

93.33

顧客単価

10

9.5

95.00

顧客維持率

80

75

93.75

顧客満足度

8

7.6

95.00

KPIの目標値と実績値

売上に直結する主要業績評価指標(商談数や訪問数など)の実績を確認するために必要です。このようなKPIデータは、担当者別あるいは商品別、施策別など細かく収集し、業績が振るわないセクションがあればその原因を特定します。また、業績の良い担当者や施策のデータも分析すれば、再現性のある活動の共有や効果的な打ち手の特定につながるでしょう。

例として、担当者BのKPIデータ例を取り上げます。

担当者BのKPI表

KPI

目標値

実績値

達成率(%)

見込み客数

150

160

107.00

商談数

60

50

83.33

訪問数

90

70

77.78

成約率
(%)

25.00

22.00

88.00

顧客単価
(万円)

10

9.2

92.00

顧客維持率
(%)

80

78

97.50

顧客満足度

8.0/10

7.8/10

97.50

高く評価できる点は以下の項目です。

  • 見込み客数
  • 顧客維持率
  • 顧客満足度

一方、課題以下の点は課題として挙げられます。

  • 商談数
  • 訪問数
  • 成約率
  • 顧客単価

担当者Bは、見込み客を獲得する活動は十分に行っており、顧客からの評価も高いといえるでしょう。一方で訪問数が少なく、商談・成約に進捗させる活動が弱いようです。また、顧客単価が低いことからアップセル・クロスセルの機会を逸している可能性も考えられます。

このようなデータを踏まえて、営業会議や普段の面談において担当者本人から活動実態をヒアリングし、今後の具体的な対策を検討しましょう。

営業会議であると便利なデータ

営業会議であると便利なデータは以下の8つです。

  • 顧客データ
  • 利益データ
  • マーケットシェア
  • 販売チャネルデータ
  • 製品別・地域別データ
  • 在庫データ
  • キャンペーン・プロモーション結果
  • 将来予測データ

上記のデータを総合的に活用することで、営業会議では現状の問題点を洗い出し、具体的な改善策を議論し、営業活動の効率化と売上向上を図ることができます。また、データに基づいた意思決定を行うことで、戦略の精度が高まるだけでなく、主観に頼らない営業を実現できるでしょう。

カテゴリ

項目

効果

顧客データ

新規顧客数

  • 顧客理解向上
  • ターゲティング力向上
  • 顧客単価向上

など

既存顧客のリピート率

顧客満足度(アンケート結果など)

利益データ

総利益

  • 収益性把握
  • コスト管理
  • 投資判断

など

各商品やサービスの利益率

営業費用対利益

マーケットシェア

自社製品の市場シェア

  • 競争力の評価
  • 戦略調整
  • 成長機会やリスクの特定

など

競合他社との比較

販売チャネルデータ

各チャネル(オンライン、店舗など)の売上

  • リソースの効果的な配分
  • 顧客リーチの最適化
  • コスト効率の向上

など

チャネルごとの利益率

製品別・地域別データ

各製品やサービスごとの売上・利益

  • 強化エリアや製品の特定
  • エリアごとの戦略最適化

など

地域別の売上・利益

在庫データ

現在の在庫レベル

  • 在庫コストの削減
  • 在庫不足による機会損失防止
  • 効果的な生産計画策定

など

在庫回転率

キャンペーン・プロモーション結果

各キャンペーンの売上効果

  • キャンペーン効果検証
  • プロモーション効果最大化

など

キャンペーンごとの費用対効果

将来予測データ

次月、次四半期、次年度の売上予測

  • 長期戦略策定
  • 長期リスクマネジメント
  • ビジネスチャンス発掘

など

マーケットトレンドの予測

例えば、ある化粧品販売におけるチャネルごとのデータを以下の表のようにまとめてみます。

チャネル名

売上(円)

売上比率
(%)

注文件数

平均注文額
(円)

顧客数

顧客維持率
(%)

備考
(万円)

オンラインショップ

5,000,000

50

200

25,000

150

70

主力チャネル

実店舗

3,000,000

30

100

30,000

90

65

顧客体験が強み

代理店

1,500,000

15

50

30,000

40

60

地域密着型

電話

500,000

5

20

25,000

18

55

高齢者向け

オンラインショップによる売上が最も大きく、顧客数、顧客維持率も最も良いため主力の販売チャネルといえるでしょう。

実店舗と代理店はオンラインほどの売上ではありませんが、平均注文額が大きくオンラインではリーチできない客層に販売できている可能性が考えられます。一方、電話は売上が小さく、顧客維持率も低いため効果的な販売チャネルとはいえません。

更に深堀りするなら、各販売チャネルの顧客層と投資対効果(ROI)も重要です。もし電話販売以外に高齢者層にリーチできている販売チャネルがあれば、電話は廃止して他のチャネへのリソース配分を検討できます。また、実店舗や代理店販売の平均注文額は魅力ですが、店舗を構えるためのテナント料や代理店に支払う手数料も含めた投資対効果(ROI)を確認せずに正確な評価できません。

このように、各カテゴリごとにデータを収集して営業会議において適切に活用できれば、今後の具体的な対策を論理的かつ合理的に検討・決定できます。

営業会議で利用する際のフォーマット

営業会議で利用するフォーマットは、以下の3つです。

  • 一覧表示
  • サマリー形式
  • グラフ化

各フォーマットを利用することで、営業データを可視化しやすくするだけでなく、部門内での共有も容易になります。

議論をしやすくするためにも、各フォーマットの特徴を把握し、必要な営業データを共有できるようにしましょう。

一覧表示

営業活動のデータを詳細に記載する方法で、各項目の情報を一目で把握したいときに利用します。エクセルなどでデータ共有する際は、ソートやフィルタリング機能を利用することで特定期間や販売エリア、プロダクト別に数値を整理できるので、伝えたいポイントに焦点を当てた議論を進めやすい点がメリットです。
例えば、営業マネージャーが予算や各営業担当者の提案状況を把握したい場合、一覧から情報を確認できるだけでなく、上層部に対して部門の進捗状況や成果を報告する際にも利用できるでしょう。

覧表示

また、営業担当者同士が案件状況を共有することで、部門全体の活動が透明化されます。一覧形式なら誰がどの程度目標を達成しているのか、どの商談フェーズにあるのかを全員が把握できるため必要な協力体制を整備しやすく、問題点の早期発見や担当者同士のアドバイスも可能になるでしょう。担当者同士のつながりが生まれることにより、モチベーションの維持や進捗スピードの向上も期待できます。
ただし紙媒体で一覧表示を利用する場合、データが多すぎると重要な情報が埋もれて理解しづらい資料になってしまうため注意しましょう。

サマリー形式

重要なポイントを簡潔にまとめて共有したいときは、サマリー形式が適しています。この形式により、全体の概要を分かりやすく伝えることができ、忙しく時間が限られている経営層の負担軽減や会議時間の短縮も期待できるでしょう。

サマリー形式の資料を作成する際は「ソラ・アメ・カサ」を意識しましょう。「ソラ・アメ・カサ」とは、マッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社が開発した課題解決のフレームワークで、状況を整理し論理的に要点を伝えたいときに有効です。

  • ソラ「空を見ると曇ってきた(事実)」
  • アメ「雨が降りそうだ(解釈)」
  • カサ「傘を持っていこう(判断)

出典:マッキンゼー式「ソラ・アメ・カサ」は報連相を超える

営業会議では、下記のように事実と解釈、打ち手を明確に1枚の資料で表現します。

サマリー形式

グラフ化

データをグラフ化することで、視覚的に分かりやすくデータの傾向や異常値を直感的に把握するのに役立ちます。例えば、売上目標をグラフ化することで、残りいくら必要なのかを表と比べて可視化しやすくなり、記憶にも残りやすくなるでしょう。

グラフ化

また、担当者別の売上を比較すると、滝本さんの売上が群を抜いて高いことが分かります。「どの提案が受注に至ったのか」や「なぜ契約に至ったのか」をヒアリングし、データを共有しておくことで、他の担当者の売上が上がった場合に営業データをグラフに反映させると効果を確認しやすくなります。
データをグラフ化して提示する際はデータの種類や提示意図とグラフの種類を工夫してインパクトのある資料作りを心がけると良いでしょう。グラフの種類の特徴や相性の良いデータの組み合わせ例は以下のとおりです。

グラフの種類

特徴

適したデータ

棒グラフ

複数のカテゴリデータを比較しやすい。

売上データの月次比較
商品別売上
地域別パフォーマンス

折れ線グラフ

時系列データの変化を把握しやすい。

売上の月次推移
KPIの達成状況
成約率の推移

円グラフ

全体に対する各部分の割合を把握しやすい。

売上のチャネル別割合
顧客セグメントの割合
費用の内訳

ヒストグラム

データの分布を示すのに適している。

顧客の年齢分布
購入頻度の分布

散布図

2つの変数間の関係を把握しやすい。

売上とマーケティング費用の関係
顧客満足度とリピート購入率

目的に応じて最適なグラフを作成し、効果的に情報を伝えましょう。

意思決定に役立つデータ管理ツール

各ツールを活用して営業会議に臨むための営業データの準備をしましょう。

正確な営業データがないと、誤った判断をしてしまうリスクがあるだけでなく、客観的な意思決定ができず感情や主観に流されてしまい、効果が期待できない戦略を立ててしまうかもしれません。各ツールの準備方法を把握し、売上向上に向けた議論ができるように、営業データを準備しましょう。

エクセル・スプレッドシート

エクセルやスプレッドシートは、膨大なデータを整理しグラフやチャートを使って視覚的に分かりやすく表示できます。傾向や異常値を直感的に理解できるため、営業会議において迅速に問題点を特定し、適切な対策が可能です。

打ち手の効果測定やニーズ調査を行いたい時には、売上データや顧客情報を集計して整理してみましょう。例えば、売上のトレンドをグラフ化すれば、季節変動による業績の変動やプロモーションの効果を一目で把握でき、売上予測や在庫管理の計画立案に役立ちます。
さらに、関数を活用してシミュレーションを作成すれば、今後の売上予測を行える点も大きなメリットです。
加えて、エクセルやスプレッドシートを他のシステムやデータベースと連携させることで、最新のデータに基づいた意思決定をスムーズに行えるでしょう。

CRM/SFAツール

CRMやSFAツールは、顧客情報と営業活動を一元管理します。

顧客ニーズを把握したい場合は、CRMに登録されている顧客の履歴、購買履歴、問い合わせ内容を基にRFM分析を行ってみましょう。顧客理解が向上し、リピートやアップセルの可能性を見出だせるかもしれません。特に短期的な目標達成のためには、新規開拓よりも既存顧客の追加契約の方が効果的なケースがあります。CRM/SFAは、見落としていた売上の可能性に気づけるツールです。

また、営業プロセスからボトルネックを把握したい場合は、SFAのダッシュボードのファネルから商談がどこで止まっているかを把握できるだけでなく、前進させるための打ち手を検討する際に活用できるでしょう。

CRM/SFAツールのダッシュボード

営業担当者ごとのパフォーマンスデータを分析し、強化すべきポイントや成功事例を特定できるのもCRM/SFAツールの利点です。これにより、個々の営業担当者に対して適切なフィードバックやトレーニングを提供できるため、営業管理職にとってCRM/SFAツールの活用は必須事項といえるでしょう。

BIツール

BIツールは、データの可視化と分析を通じて、営業会議において意思決定をサポートするツールです。異なる複数のデータベースからデータを集約して一元管理でき、複合的なデータ分析が可能なため、営業活動の全体像を把握しやすく経営層向けのツールといえるでしょう。

BIツールのイメージ

例えば、財務データを統合して収益性分析を行い、経費削減や投資判断に活用したり、顧客行動データを分析してターゲットセグメントを特定し、マーケティングキャンペーンの効果を最大化したりする経営判断に役立ちます。

また、売上データと市場データを組み合わせて、次の四半期の売上予測を行えば、新商品をリリースするタイミングや効果的な人員配置、人事評価の判断にも利用可能です。

分析知識やプログラミングの経験がなくても高度な分析ができるため、各営業部門で活用できるようになると、データに強い営業組織を構築できるでしょう。

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