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CRM/SFAでリードマネジメントを仕組み化する

多くのリードを抱える企業にとって、 リードマネジメントは売上に直結する重要な課題です。限られたリソースの中で、どのリードに注力すべきか、どのように育成していくべきかを効率的に判断しなければ、リードが埋もれてしまうリスクがあります。特に、獲得したリードの動きが適切にモニタリングされていない場合、商談化のチャンスを逃してしまうことがあるでしょう。
そこで役立つのが、CRM/SFAツールを活用したリードマネジメントの仕組み化です。このレッスンでは、CRM/SFAツールを用いて、リードスコアリングの設定とナーチャリングの準備を行い、リード管理の効率化と自動化を実現する方法を学びます。
※CRM/SFAツールの例として、Zoho CRM の画面が登場します。

Zoho CRM のアカウントをご用意して読み進めることを推奨します。Zoho CRM 無料トライアル
CRM/SFAでリードマネジメントを仕組み化する

このレッスンで学べること

CRM/SFAツールでのリードマネジメントを、「リードマネジメントの準備を整える」「リードマネジメントを仕組み化する」「リードマネジメントを効率化する」の3段階に分け、このレッスンでは、「リードマネジメントを仕組み化する」を扱います。具体的には、CRM/SFAツールでスコアリングやナーチャリングの準備を行い、リードマネジメントを仕組み化する方法を学びます。

それぞれのレッスンで学べること

リードマネジメントを仕組み化する
※レッスン 7

1.リードスコアリングの設定

  • リードスコアリング基準の設定
  • スコアの加点・減点の仕組み
  • 営業へのリード受け渡し
  • スコアリング設定例

2.ナーチャリングの準備

  • ナーチャリングシナリオ設計例
  • ナーチャリング対象のリードリスト作成
  • メール配信設定
  • メールテンプレート準備
  • メール配信

リードマネジメントを最適化する
※レッスン 8

1.リードスコアリングの設定

  • ワークフロー設定
  • フォローアップやリマインダーの自動化
  • 営業との連携強化
  • KPI分析
  • レポート作成とフィードバック

想定シナリオ

レッスン6に引き続き、東京都内の中小老舗ソフトウェア企業A社でのリード管理を例に解説していきます。A社は法人向け業務効率化ソフトウェアの開発・販売を行っており、従業員数100名の企業です。A社では現在、リード管理にいくつかの課題を抱えており、これらを解決するためにCRM/SFAツールを導入しようとしています。

A社のプロフィール

項目

内容

従業員数

100名

事業内容

法人向け業務効率化ソフトウェアの開発・販売

抱えている課題

  • 従来のExcel管理ではリード情報が煩雑化し、対応漏れや情報共有不足が発生
  • 営業担当へのリード引き渡しが属人的で、適切なタイミングを見極められない
  • マーケティング部門が創出したリードから商談が発生しない
  • 営業に引き渡しても成約がなかなか発生しない

リードスコアリングの設定

A社では、営業チームがリードの優先順位をつけることに課題を感じています。すべてのリードに同じように対応してしまうと、リソースが分散し、結果的にホットリード(成約可能性が高いリード)へのフォローが遅れてしまいます。そこで、リードスコアリングという手法を活用し、より効率的にリードを分類し、優先度の高いリードに対して効率的にに対応できるようにしたいと考えています。

リードスコアリングでは、リードが特定のアクションを取った際にスコアが加算されます。例えば、ウェブサイトの訪問回数や資料のダウンロード、メールの開封率などに基づいてスコアを設定します。こうすることで、営業チームはリードの優先順位を自動的に判断でき、最も成約可能性の高いリードにリソースを集中させることができます。

それでは、リードスコアリングの仕組みや設定方法について具体的に学んでいきましょう。リードスコアリングを適切に設定することで、営業プロセスが効率化され、結果として商談化率の向上が期待できます。

リードスコアリング基準の設定

リードスコアリングの基準を設定する方法は、大きく分けて2つあります。

項目

内容

属性データ

企業規模や業種、担当者の役職など、リードの基本的な情報を基にスコアリングを実施。

行動データ

リードの行動を追跡することで、購買シグナルを検知。ポジティブな行動(資料請求やセミナー参加など)には高いリードスコアをつけ、営業チームが優先的にフォローするようにします。

今回は、A社のターゲット層を基に、属性データと行動データを活用したスコアリング例を学んでいきます。

A社のターゲット層:

項目

内容

従業員数

300名以下

業種

IT業界、製造業界、サービス業界

職位

部長職以上

属性データに基づくスコアリング例

属性データは、リードが所属する企業やリード自身に関する情報です。これらのデータを基に、顧客になる可能性が高いリードを見極めます。属性データは、企業規模や業種など、変わりにくい特徴を持つため、一度スコアリングの基準を設定すれば、安定した評価を行うことができます。

属性情報

条件

スコア

従業員数

300名以下

+10p

301〜500名

+5p

501名以上

+0p

業種

IT業界

+10p

製造業界

+5p

サービス業界

+3p

その他

+0p

職位

経営者・役員

+10p

部長

+7p

課長

+5p

一般社員

+0p

売上高

10億円超

+15p

5,001万円~10億円

+10p

1,001万円~5,000万円

+5p

1,000万円以下

+5p

行動データに基づくスコアリング例

行動データは、リードの動向を追跡する動的なデータで、Webサイト訪問や資料請求、メール開封といった行動履歴などが含まれます。これらの情報から、より購買意欲の高いリードを判別します。

行動データは、リードの行動によって常に変化する動的なデータです。そのため、最新の行動を反映したスコアリングを行うことができます。

行動

条件

スコア

Webサイトへのアクセス

3回以上アクセス

+5p

1〜2回以上アクセス

+3p

アクセスなし

+0p

資料請求

資料請求あり

+10p

問い合わせ

問い合わせあり

+10p

問い合わせなし

+0p

メール開封

メール開封済み

+3p

メール未開封

+0p

メール内の製品URLをクリック

リンクをクリック

+5p

リンククリックなし

+0p

合計スコア

リードスコアリングでは、属性データと行動データを組み合わせることで、より精度の高いリード評価が可能になります。属性データはリードの基本的な情報(例: 企業規模や職位)を反映し、長期的な価値を示します。一方、行動データはリードの最新の動きを反映し、現在の購買意欲を測ることができます。この2つのデータを合算して総合スコアを算出し、優先度を決定します。

例えば、従業員数300名以下の企業(+10ポイント)で、直近で資料請求をしたリード(+10ポイント)であれば、合計20ポイントとなり、最も優先度の高いAランクに分類されます。このように、行動データと属性データを組み合わせたスコアリングで、リードをランク付けし、営業チームが適切なタイミングでアプローチできるようにします。

スコアリングの基準は、自社のビジネスモデルや顧客層に合わせて設定する必要があります。また、定期的にスコアリング基準を見直し、改善していくことが重要です。

ランク

条件

A

合計20ポイント以上

B

合計15〜19ポイント

C

合計10〜14ポイント

D

合計9ポイント以下

スコアの加点・減点の仕組み

ここでは、リードの行動や属性に応じてスコアを加点・減点する方法について詳しく見ていきます。加点や減点を適切に活用することで、リードの質をより正確に評価し、商談化の確率を高めることができます。

一見、購買意欲の高いリードに絞り込むためには加点のみで十分に思えるかもしれませんが、減点を効果的に活用することで、リードスコアリングの精度を高められます。

例えば、採用ページを閲覧しているリードは、いくら加点項目を満たしていても、実際には成約に至る可能性が低いと考えられます。このようなリードを減点することで、営業担当者はより確度の高いリードに集中することができます。

加点は、購買意欲を高める行動に対して行います。例えば、資料請求、Webサイトの訪問、メール開封、セミナー参加など、積極的な行動に対してスコアを加点していくことで、より関心の高いリードを判別することが可能です。

一方、減点は、購買意欲を下げる行動に対して行います。

行動

スコア

採用情報ページを閲覧した場合

-3p

メールマガジンを配信停止した場合

-5p

このように、加点と減点を組み合わせることで、リードの行動をより正確に反映したスコアリングを行うことができます。

営業へのリード受け渡し

リードスコアリングによって、一定以上のスコアを獲得し、購買意欲の高いリードが特定できた後は、マーケティング部門から営業部門に引き渡しを行います。このプロセスがスムーズに行われることで、営業チームは最も効果的にリードにアプローチすることが可能です。

例えば、A社では、ランクB(合計15〜19ポイント)に達したリードを営業部門に引き渡すことに決定しました。これは、ランクB以上のリードは、「ある程度の関心と属性を持ち、営業による個別アプローチを行う価値がある」 と判断したためです。

具体的な受け渡し対象例

  • 従業員数300名以下(+10p)のIT企業(+10p)の部長(+7p)が、資料請求(+10p)し、Webサイトに3回以上アクセス(+5p)した場合、合計42ポイントでランクAとなり、営業部門に引き渡されます。
  • 従業員数301〜500名(+5p)の製造業の経営者(+10p)をリード獲得した時点で、 合計15ポイントでランクBとなり、営業部門に引き渡されます。

このように、属性データと行動データの組み合わせることで、リードがさまざまなパターンでランク付けされ、営業部門に引き渡されます。

スコアリング設定例

ここまでで、リードスコアリングの基本や具体例を学びました。次に、Zoho CRM を使って実際にスコアリングを設定してみましょう。スコアリングを設定することで、リードの優先順位を自動的に評価できるようになります。

スコアリングルールの設定

まず、Zoho CRM にログインし、設定画面で [自動化] セクションの [スコアリングルール] を選択します。そして、 [新しいスコアリングルール] ボタンを押下して、スコアリングルール作成画面を開きます。

スコアリングルール作成
スコアリングルール作成

スコアリングのルールの作成画面では、以下の項目を設定します。

項目

説明

具体例

名前

スコアリングルールの名称です。どのような行動に対するスコアリングなのかがわかる名前をつけましょう。

  • 見込み客のスコアリング
  • Webサイト訪問スコアリング
  • 資料請求スコアリング

タブ

見込み客

Webサイトへのアクセス、資料請求、メール開封など、各接点における反応状況に基づいてスコアリングします。

  • メール開封:+3p
  • Webセミナー登録:+5p

連絡先

商談相手となる人の役割(意思決定者、担当者など)に加えて、見込み客と同様に各接点における反応状況も考慮してスコアリングします。

  • 役員:+10p
  • マネージャー:+5p
  • 選定担当者:+3p

取引先

業種や売上高など、企業情報に基づいてスコアリングします。

  • IT業界:+10p
  • 製造業:+5p
  • サービス業:+3p

商談

商談のステージや金額などに応じてスコアリングします。

  • 年間取引金額:1億円以上:+10p

レイアウト

標準

標準のレイアウトに適用します。

すべてのレイアウト

タブ内のすべてのレイアウトに適用します。

詳細情報

誰が見てもどういったスコアリングルールかがわかるように、具体的な内容を記述します。スコアリングの基準や目的を明確に記載することで、チーム内で情報共有がスムーズに行えます。

今回は見込み客のスコアリングを行うため、ルールの対象となるタブで[見込み客]を選択します。

スコアリングルール作成

今回は、リードの従業員数が300名以下の場合に、「+10p」を設定してみましょう。

[条件を追加する] を選択し、従業員数が300名以下に設定し、加点を10ポイントに設定します。設定が完了したら、 [完了する] ボタンを押下します。

スコアリングルール作成

条件が追加されたことを確認します。自社のスコアリング基準に応じて追加対応を行いましょう。設定が終わったら [保存する] ボタンを押下したら完了です。

スコアリングルール作成

スコアリングルールを保存すると、[以前のデータを更新しますか?]の確認画面が表示されます。これは、過去6ヶ月以内に作成または更新された既存のデータに対して、新しいスコアリングルールを適用するかどうかを確認するものです。

項目

説明

以前のデータを更新する

既存のデータに新しいスコアリングルールを適用します。

更新せずに続ける

既存のデータには適用せず、今後作成されるデータにのみ新しいスコアリングルールを適用します。

ここでは、 [以前のデータを更新する] を選択して、既存のリードデータにも新しいスコアリングルールを適用してみましょう。

スコアリングルールの設定後、見込み客の詳細ページの[スコアリングルール]には、設定したスコアリングルールに基づいて計算された点数が表示されます。今回は、込み客のスコアリング」というルールで10点が加算されていることがわかります。

このように、スコアリングルールを設定することで、各見込み客に対してどのルールで何点加算されたのかを個別に確認し、どの程度有望な顧客であるかを判断することが可能です。

カスタムビュー作成

ナーチャリングの準備

リードスコアリングによって購買意欲の高いホットリードを特定できても、すぐに成約に至るとは限りません。多くのリードは、まだ商談の準備が整っていない段階です。そのため、定期的なコミュニケーションを通じて関心を深め、購買意欲を育てる「リードナーチャリング」と呼ばれるプロセスが必要となります。

リードナーチャリングを怠ると、リードの関心が薄れてしまったり、競合他社に奪われてしまったりするリスクがあります。逆に、適切なナーチャリングを行うことで、リードとの関係を強化し、最適なタイミングで営業チームがアプローチできるようになります。CRM/SFAツールを活用すれば、ナーチャリングのプロセスを自動化・効率化し、リードを着実に育成することが可能です。

ここからは、効果的なナーチャリングに必要なステップを学びましょう。

ナーチャリングシナリオ設計例

A社のターゲットである「従業員数が300名以下の企業のリード」 に対して、効果的なナーチャリングを実施するためのシナリオを設計していきます。このターゲット層は、業務効率化ツールの導入によって業務改善を目指す傾向が強いため、導入に向けた具体的なメリットを示すことが重要です。

そのため、ナーチャリングメールでは、リードが導入を検討する際に参考となる「法人向け業務効率化ツール導入ガイド」を提供し、さらにツール活用事例を紹介するブログ記事へのリンクを挿入したナーチャリングメールを配信します。

ナーチャリング対象のリードリスト作成

ナーチャリングを効果的に実施するためには、適切なリードにターゲットを絞り込むことが重要です。CRMに登録されているリード情報の中から、ナーチャリングの対象となるリードを抽出し、リストを作成しましょう。具体的には、リードスコアリングで特定されたリードの中から、ナーチャリングに最も適したリードを選び出し、リストを作成します。

リストを作成する際に重要なのがセグメント分けです。セグメント分けとは、リードを属性や行動履歴に基づいてグループ分けすることで、リードごとに最適化されたナーチャリング施策を実施することができます。例えば、業種、従業員数、役職などを基準にリードをセグメント分けすることで、より効果的なアプローチが可能になります。

Zoho CRM では、リストを「ビュー」と呼び、見込み客のビューを作成することで、特定の条件に合致するリードだけを絞り込んで表示することができます。例えば、特定の業種や特定の地域のリードだけを対象としたマーケティングキャンペーンを実施したい場合などに役立ちます。

Zoho CRM では、あらかじめ様々なビューが用意されていますが、独自の条件で絞り込んだカスタムビューを作成することも可能です。

「Lesson6 CRM/SFAでリードマネジメントの準備を整える」でインポートしたデータを使って、新しいカスタムビューを作成してみましょう。

[見込み客]タブの画面上部の[すべての見込み客]を選択し、[新しいカスタムビュー]を押下します。

カスタムビュー作成

画面上部に任意のリスト名称を入力します。ここでは、「従業員数300名以下の企業」と入力します。

次に、絞り込みの条件を設定します。今回は、従業員数が300名以下という条件なので、「従業員数」を選択し、「<=」を選択し、「300」と入力します。

リストに表示させたい項目を選択するため、必要な項目を左側から右側へドラッグ&ドロップで移動させます。

最後に、共有対象を設定します。今回はサンプルなので [自分のみ] に設定します。関係者全員に共有したい場合は [すべてのユーザー]、特定のユーザーにだけ共有したい場合は [特定のユーザー] を選択し、[保存する] ボタンを押下します。

カスタムビュー作成

これで、従業員数が300名以下の企業に絞り込まれたカスタムビューが作成されました。このビューを使って、ナーチャリング用のメールを配信することができます。

カホットリスト作成

ホットリードのリストを作成する

ここまでで、従業員数300名以下の企業をリスト化しましたが、リストには、まだ購買意欲の低い見込み客も含まれている可能性があります。より効率的に成果を上げるために、スコアリングを活用して、購買意欲の高い「ホットリード」を絞り込みましょう。

今回のターゲットは、従業員数が300名以下の中小企業であるため、よりスピーディーに意思決定を進め、有効な商談を創出できる可能性が高い職位が「経営者/役員」である場合に+10点を設定します。スコアが20点以上のリードを「ホットリード」定義し、優先的にアプローチする対象を絞り込みます。

ホットリードのリストを作成するには、「スコアが20以上の見込み客」を抽出する必要があります。しかし、現状では以下の2点が不足しています。

  • 「経営者/役員」だった場合に加点するスコアリングルール
  • ビュー作成時に条件設定で利用できる「スコアリング」項目

そこで、まずはこれらの設定を行いましょう。

[設定]の[見込み客のスコアリング]画面にて、スコアリングルールに「職位が「経営者/役員」だった場合、+10pを加点」するルールを追加します。

カホットリスト作成

次に、ページ最下部の[データにスコア項目を追加しますか?]の横にある[続ける]を押下すると表示される[スコアリングルールの項目の設定]の項目名に「スコアリング」、「スコア」に「Score」を選択し、[保存する]を押下し、次の画面の[以前のデータを更新する]を選択します。

ホットリスト作成

[見込み客タブ]の作成した[従業員数300名以下の企業]ビューを開き、 [新しいカスタムビュー] をクリックします。

ホットリスト作成

新しいビューの名前を「従業員数300名以下_スコア20以上」などと入力し、絞り込み条件に「スコアリング」を追加、「>=」を選択して、「20」と入力します。必要な項目をドラッグ&ドロップで追加し、表示項目を設定して保存しましょう。

ホットリスト作成

これで、従業員数が300名以下で、かつスコアが20ポイント以上のホットリード2件に絞り込まれたリストが完成しました。

メール送信

このように、セグメント分けとスコアリングを組み合わせることで、闇雲にすべてのリードに同じようにアプローチするよりも、限られた時間と労力を有効活用し、効率的に成果を上げることが可能になります。

メール配信設定

リードリストが完成したら、次にそのリストに対して効果的なナーチャリングメールを配信するための準備を行います。メールがリードに確実に届き、開封してもらうためには、適切な配信設定が重要です。

メール配信設定では、信頼性の高い送信元アドレスを設定し、メールが確実にリードに届くようにするためのドメイン認証、さらに受信者が簡単に配信停止を行えるリンクを設置します。

1.配信元メールアドレスの登録

配信元メールアドレスを登録します。Zoho CRM の[設定]→[チャネル]→[メール設定]→[組織のメールアドレス]を押下し、[新しいメールアドレス]から設定します。登録後、入力したメールアドレス宛てに、認証メールが届くので、メール本文に記載されている認証コードをコピーして、Zoho CRM に入力します。

メール送信

2.送信ドメイン認証

次に、送信ドメイン認証の設定をします。送信ドメイン認証とは、送信元のメールアドレスがなりすましではなく信頼できるアドレスであることを証明し、送信ドメイン認証を行うことで、リードに送ったメール迷惑メールフォルダに分類されることを防ぎます。到達率を高める役割を持つため、必ず設定しましょう。

メール送信

Zoho CRM の送信ドメイン認証は、「ドメイン認証」「レコード認証」の2ステップで行えます。

重要なのは、ドメインの DNS レコードを管理しているサーバー管理者やシステム管理者との連携です。 レコード認証を行うには、Zoho CRM が発行する SPF レコードや DKIM レコードを DNS 設定に追加する必要があるため、必ず事前に担当者に相談しておきましょう。

手順は、 [認証ステータス]に表示されている[必須]を押下し、対象のドメイン名にカーソルを合わせると[認証する]ボタンが表示されます。画面に従って必要情報を入力します。ドメインの認証が完了したら、レコードの認証も同様に進めましょう。

メール認証に必要なすべての設定が完了すると、認証済みドメインに情報が追加されます。

3.配信停止リンクの設定

配信停止リンクは、メール受信者が自らメールの購読を解除するためのリンクです。主にメールの本文やフッター、Webページに設置されます。

Zoho CRM には、配信停止リンクを作成する機能があります。これを使えば、受信者はリンクをクリックするだけで簡単に配信停止を行えます。配信する側にとっても、配信停止のリクエストを手動で処理したり、配信停止用のWebページを用意する手間がかからなかったり、というメリットがあります。

Zoho CRM の[設定]→[チャネル]→[メール]→[メール配信停止リンク]を押下します。

配信停止リンク設定

デフォルトで「標準」のリンクが用意されているので、今回はそれを使用します。「標準」を押下した後に遷移する画面で、「標準ページ」横の (プレビューアイコン)をクリックすると、配信停止ページのプレビューが表示されます。

配信リンク停止設定

メールテンプレート準備

ナーチャリングメールの効果を高めるためには、適切なメールテンプレートを準備することが重要です。テンプレートを使うことで、一貫性のあるメッセージを効率的にリードに配信し、手間を大幅に省くことができます。まず、HTMLメールとテキストメールの違いを理解した上で、適切なメール形式を選択しましょう。

HTMLメールとテキストメールの違い

HTMLメールは、画像や装飾を豊富に利用できるため、視覚的に訴求力の高いメールを作成することが可能です。ただし、作成に手間がかかり、表示に時間がかかる場合があるというデメリットもあります。

テキストメールは、文字情報のみで構成されたシンプルなメールです。どのデバイスでも表示が安定しており、表示速度が速く、作成が容易というメリットがある一方、表現力に乏しいというデメリットもあります。

HTMLメールとテキストメールのどちらを選択するかは、リードの属性、配信するメールの内容と目的を考慮して決定します。

例えば、デザイン性の高い商品を販売している場合は、HTMLメールの方が効果的です。逆に、シンプルな案内メールを送信する場合は、テキストメールで十分です。

また、メールの目的が、顧客との関係構築を目的としたものか、商品購入を促すためのものかによっても、適切なメール形式は異なります。

メールテンプレートの作成手順

実際に、ナーチャリングメールを配信するために、Zoho CRMを使ってHTMLテンプレートを作成しましょう。

テンプレートの作成は、[設定]→[カスタマイズ]→[テンプレート]→[ 新しいテンプレート]から行います。

メールテンプレート作成

今回は、リードに対してメールを送信するため、作成するテンプレートでは、タブで[見込み客]を選択します。Zoho CRM では、送信先やメールの内容を適切に管理するために、タブごとにテンプレートを分けて作成することができます。[次へ]を押下して、テンプレート作成に進みましょう。

テンプレートの作成は、既存のテンプレートを選択し、加工することもできますが、白紙の状態から作成することも可能です。HTMLの詳しい知識が無くても、簡単に作成できます。

今回は、HTML の詳しい知識がなくても簡単にテンプレートを作成できる、白紙の状態から新規作成する方法を学びましょう。

そのため、[基本] セクションの [はじめから作成する] の [選択する] を押下して、テンプレート作成画面に進みます。

メールテンプレート作成

画面上部の[テンプレート名]と[メール件名]を入力しましょう。

例えば、以下のように入力します。

入力項目

入力例

テンプレート名を入力してください。

従業員数300名以下企業向け_業務効率化ツール導入ガイド

テンプレートの件名を入力してください。

従業員数300名以下の企業様向け 業務効率化ツール導入ガイド

メールテンプレート作成

以下の例文を参考に、メール本文を作成します。

なお、必要に応じて、「〇〇様」の部分に「${見込み客.姓}${見込み客.名}」のような差込フィールドを挿入して、リードの名前を自動で表示するように設定します。

差し込みフィールドは、「#」を入力することで、候補が表示されます。

また、「(ダウンロードページURL)」と「(ブログ記事URL)」の部分に、該当するURLをリンクとして挿入します。

次に、以下のメール本文を参考に、テキスト欄に入力しましょう。

メール本文

${見込み客.姓}${見込み客.名}様

いつもお世話になっております。
株式会社Aのイベント事務局です。

この度、従業員数が300名以下の企業様向けに、 以下の資料をご用意しました。

  • 法人向け業務効率化ツール導入ガイド
  • ツール活用事例を紹介するブログ記事

▼業務効率化ツール導入ガイド

(ダウンロードページURL)

本ガイドでは、業務効率化ツールの導入を検討されている企業様に向けて、

  • ツール選定のポイント
  • 導入ステップ
  • 活用方法

など、基礎知識から具体的な導入手順までをわかりやすく解説しています。

▼ツール活用事例紹介ブログ記事

(ブログ記事URL)

貴社と同様の課題を抱えていた企業様が、どのようにツールを活用して業務効率化を実現したのか、具体的な事例を交えてご紹介しています。

ぜひ、これらの資料をご活用いただき、貴社の業務効率化にお役立てください。

何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

メールテンプレート作成

必要に応じて、太字や下線などを利用して装飾を加えることで、メールを読みやすくすることができます。

メールテンプレート作成

また、メールマーケティングを行う上で、迷惑メールの送信を規制し、受信者の利益を守るための法律である特定電子メール法を遵守することが非常に重要です。違反すると罰則が科せられる可能性もあるため、注意しましょう。

特定電子メール法では、メールに以下の3つの項目を記載することが義務付けられています。

  • 送信者情報
  • 配信停止リンクまたは配信停止を通知する連絡先
  • 問い合わせ先

まずは、記載するために画面左の[テキスト]→[テキスト]を選択し、テキスト欄を挿入します。

メールテンプレート作成

以下の例文を参考に、送信者情報、配信停止リンク、問い合わせ先を記載します。フォントサイズや配置などは、必要に応じて調整してください。

特定電子メール法用の文章

株式会社A|イベント事務局
本メールに関するお問い合わせ
メール:sample@example.com|電話:01-2345-6789
〒xxx-xxxx xxxx県xx市xx区xxxx 1-1-1 xxビルxx階

弊社からのメール配信を希望されない方はこちらをクリックしてください。
当社のプライバシーポリシーについてはこちらを参照ください。

「弊社からのメール配信を希望されない方はこちらをクリックしてください。」の「こちら」の部分に、配信停止用のリンクを設定します。

「こちら」を選択し、画面上部の [リンクの作成] をクリックします。[リンクを追加する] 画面で、[リンクの種類] を「配信停止リンク」、[配信停止リンク] を「標準」を選択し、[保存する] ボタンをクリックします。

同様にプライバシーポリシーへのリンクも設定しましょう。

このように、Zoho CRMのテンプレート機能を使えば、特定電子メール法に必要な情報を簡単に記載できます。

プライバシーポリシーへのリンク設定

[保存する] ボタンをクリックし、[今すぐ保存する] を選択します。保存先は、分かりやすい場所を選び、[保存する] をクリックすれば完了です。

メール配信

これまでに、リードリストの作成やメールテンプレートの準備を行ってきました。ここでは、そのリストに対してナーチャリングメールを一括配信するステップを進めていきます。

[見込み客]タブで、今回の送付対象である「従業員数300名以下の企業」を選択し、[姓]の項目の左のチェックボックスにチェックを入れます。その後、画面上部の[メールを送信する]ボタンを押下します。

Zoho CRMメール送信

[メールを送信する] ボタンをクリックすると、[一括メール送信] 画面が表示されます。[テンプレート] 欄で作成した「従業員数300名以下企業向け_業務効率化ツール導入ガイド」を選択します。

次に、[送信人] 欄で、メールの送信者を選択します。ドロップダウンリストから、適切な送信者を選びましょう。[返信先] 欄では、返信を受け取るメールアドレスを選択します。こちらもドロップダウンリストから、適切なアドレスを選びましょう。

[送信方法] では、「すぐに送信する」か「後で送信するよう予約する」を選択します。

  • すぐに送信する:選択すると、メールはすぐに送信されます。
  • 後で送信するよう予約する:送信日時を指定して、予約送信することができます。

設定内容を確認し、問題がなければ [送信する] ボタンを押下します。

Zoho CRMメール送信

[メールの送信数]画面が表示されたら、送信完了です。

Zoho CRMメール送信

これで、ナーチャリングメールの一括送信が完了しました。Zoho CRM の機能を活用し、効率的にナーチャリングを進めていきましょう。

ここまでで、リードスコアリングの設定とナーチャリングの準備が整いました。

次のレッスンでは、CRM/SFAを活用した営業プロセスの自動化について学びます。ナーチャリングや営業活動をさらに効率化するために、どのような自動化機能が役立つのか見ていきましょう。

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