インサイドセールスのKPI設定をExcelで行う方法

さまざまなテンプレートを見てイメージを膨らませる

KPI管理のためのエクセルファイルは、Web上にさまざまなテンプレートが存在します。あるテンプレートでは、毎日担当者ごとの実績を入力して把握する用途のものであったり、また別のテンプレートでは、月次のみを管理して全体像をつかむことに重点を置いていたりします。複数のテンプレートを見て、自社ならばどのような管理表が理想的か、イメージを膨らませましょう。現実的に運用できるかも考えましょう。

必要な要素を考える

イメージの大枠が決まったら、具体的に、行や列の項目名となる必要な要素を決めましょう。例えば、担当者別の実績をこのエクセルファイルにそれぞれ入力させて管理するならば担当者別の入力場所が必要です。架電相手や担当者別の実績を別の場所で管理している場合は、集計した数字だけの入力で十分でしょう。

エクセルファイルを準備する

必要な要素をベースに、エクセルファイルを作成しましょう。ゼロから作成してもよいですが、さまざまなテンプレートを自社仕様に加工する方が時間を短縮できます。テンプレートを用意しましたので、これを自社仕様に加工してみましょう。ダウンロードはこちらから→

担当者別に日次で入力

テンプレートについて、3つのポイントで紹介します。このポイントが自社で必要かどうか判断し、テンプレートを加工してみてください。1つ目のポイントは、担当者が毎日入力する仕様にしていることです。毎日入力することを習慣化すれば、入力漏れを防ぐことができます。

リードのレベル別で入力する

入力項目についても、架電数やコンタクト数、商談を設定できた数、という最低限の数字だけです。入力する手間を極力減らします。

用語の定義を記載

何が架電数か、何が商談数か、という認識のずれがないよう、定義もエクセルシートに書いておきます。担当者が変わっても、このシートを確認することで記載に迷うことがありません。

年度の集計もする

月次で集計したシートを合算し、年度の集計もできるようにしました。必要に応じて、四半期や半期の集計を加えても良いでしょう。

便利な使い方を知る

実際にエクセルを使ってKPI管理をしていく際、便利な使い方を紹介します。お使いのエクセルのバージョンによってデザインなどが異なる場合があります。

保護

フォーマットが完成したら、日々入力するセル以外はよほどのことが無い限り編集することはありません。そのため、インサイドセールス担当者が入力するセル以外は「保護」しておくとデータの消失を防ぐことができます。設定は2段階です。1段階目で、編集したいセルの範囲を選択肢、右クリックの「セルの書式設定」→「保護」で「ロック」のチェックを外します。

2段階目で、「校閲タブ」から「シートの保護」をクリックします。こうすると、ロックのチェックを外したセル以外は編集できなくなります。シートの保護にはパスワードを設定することもできます。

条件付き書式

数字が無機質に並んでいると、注意すべき変化を見逃してしまう可能性があります。その際に役立つのが「条件付き書式」です。例えば、商談化が「●.●％未満」になった場合はセルの色を赤色にする、など自動的に書式を変える設定をできます。「ホームタブ」の条件付き書式から設定します。各担当者が数値を入力して算出された値が、平均を大きく外れた時になどに誰もがすぐに気付いて対処することができます。

エクセルでKPI管理する際の注意点を知る

エクセルは本来、表計算を行うためのソフトウェアです。このため、インサイドセールスでのKPI管理を目的に使うに当たって念頭に置いておくべき注意点をここで確認し、リスクに注意しながらエクセルを活用しましょう。

データの破損

エクセルファイルは、誤った操作やファイルの破損などにより、全てのデータが消えてしまう可能性があります。エクセルの修復機能を使えばデータの復元を試すことができますが、そもそもデータが壊れてしまうことを避けるため注意深く作業を行い、定期的にバックアップを取りましょう。

データの上書き

エクセルはファイルをコピーできてしまうので、最新版の管理に注意が必要です。基本的にコピーしないことを守る、など、どれが最新版が分からなくなるリスクを避けなければなりません。同時に複数人で編集するためには、「共有ブック」機能をオンにすると、複数のユーザーが同時に1つのファイルを開いて編集することができます。ただ、共有設定を有効にするとデータの入力規則の追加をはじめ、使えなくなる機能もあることを理解しましょう。

セキュリティ

インサイドセールスの実績と目標を記載したファイルは機密性が高く、適切なセキュリティ対策が必要です。エクセルファイル自体に強力なパスワードを使用し、保存先のフォルダのアクセス権限を設定することも重要です。インターネット上のドライブにアップロードするようなことはやめましょう。

虚偽の報告

エクセルは、顧客データベースや会社の電話と連携していないため、担当者の入力情報を信じるしかありません。しかし、商談獲得の成績が良くない営業の担当者が、成績が良く見えるよう、うその数字を入力してしまうかもしれません。意図が無かったとしても、入力する数字を間違ってしまったり、同僚が入力した数字を変えてしまったりすることもありえます。インサイドセールスの担当者全員でKPIシートを更新する場合は、管理職はこういった虚偽報告のリスクも念頭に置く必要があります。