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【実践編・後編】CRM/SFAを使ったインサイドセールス

このレッスンは、【実践編・前編】の続きです。CRM/SFAツールには、インサイドセールスに関するさまざまなデータが蓄積されています。そのデータをグラフや表で見える化し、ビジネスに活かすことができるような機能もCRM/SFAツールは持っています。数字で語れるインサイドセールスになるために、機能をフル活用しましょう。

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【実践編・後編】CRM/SFAを使ったインサイドセールス

このレッスンで学べること

【実践編・後編】では「分析」に焦点を当てます。インサイドセールスに必要なデータは何か、データはどこで確認できるか、を学び、日々の業務の改善スピードを上げていきましょう。

このレッスンで学べること

営業活動【実践編・前編】

  • リード情報を一括更新する
  • メールテンプレートを使いこなす
  • 営業担当者を自動で割り当てる
  • Webフォームからの取り込みと担当割り当ても自動化する
  • 条件に応じて自動メールを配信する
  • CRMから営業コールをかける
  • 対応の優先度を判断する

分析【実践編・後編】

  • 自動メールの効果を見極め改善する
  • 営業コールから見込み客ステータス変更までを一つの流れにする
  • ダッシュボードを作って定点観測したいグラフを配置する
  • 課題を見つけて原因を分析する

自動メールの効果を見極め改善する

【実践編・前編】で、自動メールの送信を設定しました。インサイドセールスはあらゆる手段でリードを育成し商談につなげていくことが必要なため、自動メールについても効果を確認して改善していく必要があります。Zoho CRM は、わざわざ集計しなくても、テンプレート管理画面から効果をリアルタイムで確認することができます。「XXXX展示会お礼メール」という自動メールのテンプレートを例にみてみましょう。

テンプレート画面からのメールの効果測定

テンプレートの編集画面[分析]タブを押下すると、開封数、開封率、クリック数、クリック率がリアルタイムで表示され、すでにグラフの状態で効果を把握することができます。これを見ながら、例えば、メールの件名を変更する、CTAボタンの位置を変更する、などを検討することができます。さらに、メールテンプレートをアップデートすると、当初のテンプレートの更新版であることを示す「バージョン(V)2」という名称が付与され、V1と比較して分析することができます。

テンプレートの編集画面[分析]タブ

開封を営業担当者に通知する

自動メールの開封やクリックを営業担当者に通知することもできます。Zoho CRM の「セールスシグナル」という機能です。[設定]→[シグナル]で設定します。ここでメール分析の[開封][クリック]にチェックが入っていると、自分が担当する見込み客がCRM/SFAツールから送ったメールが開封、クリックされた場合に、Zoho CRM 上部の鈴のマークに通知が来ます。

営業担当者へのメール開封通知1

いつメールが開封され、クリックされたのかが分かるため、関心を持ったリードへのアプローチのタイミングを逃しません。セールスシグナルは、メールはもちろん、電話やソーシャルメディアでのコミュニケーションなどさまざまな経路の顧客の行動を集約して通知してくれる機能です。とても便利な機能ですが、通知が多過ぎると見逃してしまうことも増えます。通知の条件はユーザー単位で設定できるので、[設定→[シグナル]で不要な通知のチェックを外しましょう。]

営業担当者へのメール開封通知2

営業コールから見込み客ステータス変更までを一つの流れにする

【基礎編】では、インサイドセールス担当者が営業コールをかけて[見込み客ステータス]を変更し、それをもとにKPI(商談数、商談化率)をCRM/SFAツールで確認できるようになりました。ただ、このフローには大きな欠点があります。それは、「営業コールをかけなくても見込み客ステータスを変更できてしまう」という点です。インサイドセールスの現場が正しい活動をツールに登録していないと、正しい分析ができません。

このような事態を避けるために効果を発揮するのが「ブループリント」という機能です。ブループリントとは「設計図」という意味で、CRM/SFAツール上で、営業プロセスのあるべき姿をあらかじめ登録しておき、それに沿うようにツールが促してくれる機能です。経験の浅い担当者のガイドになってくれる心強い機能ですが、例外の動きができなくなるという側面もあります。そのため、例外が生じない部分に小さく適用することから始めるとよいでしょう。

ここでは、[見込み客ステータス]を[連絡済み(不在)][連絡済み(到達)][無効]に変更するには、通話に関する情報が登録してあることを条件とする、という限定的な例で

ブループリントを設定してみましょう。

ブループリントを作る

ブループリントの作成は、[設定]→[プロセス管理]→[ブループリント]→[ブループリントを作成する]から行います。今回は、[見込み客ステータス]を[対応済み]から[連絡済み(到達)]に変更する時には、営業電話の日時や情報を入力してからでないと遷移できないようにする、というブループリントを作成します。

ブループリントの作成

〈動画:ブループリントの作成手順〉

1.今回は見込み客についてのブループリントのため、対象となるタブは[見込み客]を選択します。Zoho CRM では、ブループリントはタブごとに関連付けられます。以下の内容を入力し[次へ]をクリックするとブループリント作成画面に移ります。

項目

入力

補足

ブループリント名

インサイドセールス架電ステータス変更

任意

タブ

見込み客

Zoho CRM のブループリントはタブに関連付けられます

レイアウトを選択

標準

基本的には標準しか選択肢は無い。部署別に複数のレイアウトを設定している場合はインサイドセールス部門のものを選択

項目を選択

見込み客ステータス

データの条件

-

今回は不要。特定の見込み客を対象にしたい場合に入力

2. ブループリントの作成
ブループリントの作成画面は、左にフロー図があり、右に設定の材料がある、という構成です。まずは、画面右に並ぶさまざまな状態の中から[対応予定]を左画面にドラッグ&ドロップで配置します。これがこのブループリントの始まりです。

3. 次に、[連絡済み(到達)]を配置します。流れが分かればいいので、配置場所はどこでもよいです。そして、[対応予定]をクリックして出てきた矢印を[連絡済み(到達)]につなぎます。これが流れを表しています。

4. 次はその矢印の途中に現れた[+]を押してどうなったら状態が変わるのか([遷移]と呼びます)、を定義します。遷移名や遷移の細かい設定は、一旦動画の通りに入力してみてください。この設定がどういう意味を持つのか、実際に見込み客ステータスを変更する画面を見ながら次のセクションで理解しましょう。

5. 最後に[公開する]を押下します。これでブループリントが設定されました。

ブループリントの作成動画

ブループリントの動作を確認する

ブループリントがどのように動作するのか見てみましょう。任意の見込み客について、[見込み客ステータス]が[対応予定]となっている場合、さらにステータスを変更したくてもできない(鍵マーク)ようになっていて、画面上部には[現在の状態]と3つの[遷移]のボタンが表示されています。これは、ステータスが[対応予定になった後の遷移先は3箇所であり、それ以外の変更ができないことを示しています。ブループリントの設定の結果です。]

ブループリントの動作確認1

遷移先を選んでみましょう。今回、インサイドセールスの担当者が営業コールをかけて担当者と会話できた、とします。その場合は[担当者到達]のボタンを押します。すると、通話の種類や時間、詳細情報などの入力を求める画面が立ち上がり、入力しないと次に進めないようになっています。これが、ブループリントの[遷移]で設定していた要素です。

ブループリントの動作確認2

必要事項を入力し終えて[保存する]を押下した後、[見込み客ステータス]は[連絡済み(到達)]に変わっています。

ブループリントの動作確認3

補足:
共通遷移について。[担当者到達]という[遷移]は、見込み客ステータスが[対応予定]からの場合もあれば、[連絡済み(不在)]のあとに生じる場合もあります。この場合、[担当者到達]という遷移は複数の見込み客ステータスから遷移しうるもの、ということで[共通遷移]にしました。共通遷移という扱いにすれば、同じ条件の遷移の場合、設定を何度もしなくて済みます。

ブループリントの実行状況を確認する

ブループリントを使う利点は、設定したブループリントの実行状況がCRM/SFAツール内に自動で記録、更新されていくことです。実行状況は[設定]→[プロセス管理]→[ブループリント]→[実行状況]のタブにあります。

ブループリントの実行状況確認1

例えば、特定の[遷移]がどれくらい実行されたか、という状況も把握できます。

ブループリントの実行状況確認2

ここでは、ごく一部の業務のブループリント作成を例にしましたが、インサイドセールス全体の業務の設計図を書くこともできます。また、ブループリント以外の自動化機能が設定されている場合、次の順番で実行されるので覚えておきましょう。
割り当てルール→ワークフロールール→承認プロセス→ブループリント→問い合わせのエスカレーションルール

ダッシュボードを作って定点観測したいグラフを配置する

【基礎編】でKPI(商談数、商談化率)を見るためのグラフを作成しました。ただ、インサイドセールス部門が見える化したい数字は他にもあり、すぐに確認できることが望ましいでしょう。ここでは、インサイドセールス部門に関するグラフを集めたダッシュボードを作成し、担当者別のデータや達成度のグラフを追加する方法を学びましょう。

ダッシュボードを新しく作成する

インサイドセールス部門関連のグラフを全て1箇所にまとめるため、「インサイドセールス」というダッシュボードを新しく作りましょう。今回は、【基礎編】で[見込み客の分析]のダッシュボード内に[インサイドセールス実績確認]というグラフをすでに作成してあるため、[見込み客の分析]のダッシュボードを複製したものをベースにします。[見込み客の分析]ダッシュボード右上のメニューから[複製する]を選び、複製されたダッシュボードに「インサイドセールス」という名前を付けます。

ダッシュボードの新規作成1

新しくできたダッシュボードについて、インサイドセールス部門にとって不要なグラフは、グラフ右上にカーソルを動かすと表示される[︙]から削除しておきましょう。

ダッシュボードの新規作成2

担当者別の実績を表にする

【実践編・前編】で作成したのはインサイドセールス部門全体のKPIグラフでした。それに加えて、担当者別の実績を見える化する表をダッシュボードに追加してみましょう。

インサイドセールスダッシュボードで、[表/グラフを追加する]を押下し、ポップアップで出てきた画面で[比較]を選びます。次の画面で好みのデザインを選択します。動画では[クラシック]を選択しました。

担当者別の実績表の作成

先に完成した表を見てみましょう。1列目は実績を見たいインサイドセールスの担当者名で、2〜4列目が当月の担当者の実績と、前月比をパーセンテージで示しています。列ごとに見てみましょう。

2列目は、担当者が当月に[見込み客ステータス]を[連絡済み(到達)]または[連絡済み(不在)]または[無効]に変更した件数を示しています。つまり、どれだけ営業コールをかけたか、という件数です。

3列目は、2列目の件数のうち[連絡済み(到達)]の件数です。つまりコンタクト数を示しています。

4列目は、担当者が当月に[連絡先]を更新した件数です。[連絡先]タブは、商談に進んだ見込み客が移行するタブでした。つまり、この件数は、担当者が商談を獲得して見込み客を連絡先に変更した数、商談数、となるわけです。

例えば、小山さんの場合、当月に1件営業コールをかけて、その1件が見込み客の担当者につながったことを示しています。この表の設定方法を見てみましょう。

〈動画:担当者別実績表の作成手順〉

  1. インサイドセールスダッシュボードで、[表/グラフを追加する]を押下し、ポップアップで出てきた画面で[比較]を選びます。次の画面で好みのデザインを選択します。
  2. 次に表示された画面で具体的な設定を入力します。下記の表の通り入力します。
  3. 最後に[保存する]を押下すると、表が完成します。

項目

入力

補足

1. 表/グラフ名

当月担当者別実績 - 前月比

任意

2. 比較対象

ユーザー - 特定のユーザー
ユーザーを選択 滝本由佳...など

表示したいインサイドセールス担当者を選択

3. 比較パラメーター

項目名 - 連絡済み(到達)、連絡済み(不在)、無効
指標 - 見込み客
件数/-見込み客
フィルター - 見込み客ステータス 次の値と等しい 連絡済み(到達)、連絡済み(不在)、無効
期間 - 更新日時 - 今月-見込み客
増加/減少の傾向を表示する、にチェック

項目名は任意。指標には、どの件数を集計するか指定

項目名 - 連絡済み(到達)
指標 - 見込み客
件数/-見込み客
フィルター - 見込み客ステータス 次の値と等しい 連絡済み(到達)
期間 - 更新日時 - 今月-見込み客
増加/減少の傾向を表示する、にチェック

項目名は任意。指標には、どの件数を集計するか指定

項目名 - 連絡先への変換
指標 - 連絡先
件数/-連絡先
期間 - 更新日時 - 今月-連絡先
増加/減少の傾向を表示する、にチェック

項目名は任意。指標には、どの件数を集計するか指定

担当者別実績表の作成手順動画

課題を見つけて原因を分析する

インサイドセールス部門に課題がある際、分析はしっかりできますか?
CRM/SFAツールを使って多くのデータを見える化した後、その状況に解釈を加えて分析し、次のアクションにつなげることが必要です。グロービス経営大学院准教授の鷲巣大輔氏は「『筋の良い分析』というのはたいていこの4つのプロセスを経ているという事実があります」と著書『MBAのExcel』(東洋経済新報社)の中で述べており、分析のアプローチを紹介しています。

インサイドセールスの課題解決ステップ

営業コールの数は増えてきたのに商談数が増えていない、という事実がCRM/SFAツールのデータで分かったとします。この数字から考えられる仮説とアクションの例を紹介します。仮説を立てる「Where」についてモレなくダブりなくするため、3C分析(市場環境、自社環境、競合環境)のフレームワークを活用しています。

営業コールの数は増えてきたのに商談数が増えていない事実、に対する分析の例

どこが悪い?の分解

仮説

アクション

市場環境

顧客ニーズが急激に変わってしまった

コロナ禍に消費者の価値観が大きく変わったように、自社の業界をとりまく市場に変化が起きてないか公開データや市場調査、SNSなどで調べる

自社環境

「商談」のハードルが高すぎる

商談の定義を再確認する。例えば、契約前提の見込み客のみの商談をフィールドセールスに受け渡している場合、より営業の腕の見せ所である比較検討や関心レベルの商談を受け渡せるか調整する

一部の担当者のスキルが足りない

CRM/SFAツールで担当者別の実績を確認する。SPIN話法をはじめ、商談を獲得できるトークスキルがインサイドセールス担当者に身に付いているか、録音データやロープレで確認する。不足している場合は改めて研修の機会を設ける

獲得する見込み客のターゲットがズレている

CRM/SFAツール内のデータを活用し、自社製品の主要購買層の属性と、マーケティング部門が獲得する見込み客の属性を比較する。大きくズレている場合は、主要購買層に近い見込み客を獲得できるマーケティングに切り替えるよう対話する

競合環境

競合がインサイドセールスを増員して先に大幅割引を提案している

見込み客に営業コールをかけているインサイドセールス担当者がCRM/SFAツールに入力している情報を確認し、現場に聞き取りする。事実であれば競合と同じ手を打ったり、マーケティング段階で割引をアピールするなど競り負けないようにする

このように、CRM/SFAツールをフル活用した上で、分析を含めたインサイドセールスの運用ができるようになることが目指すべきゴールです。

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