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営業組織の予実管理を整理する

ここからのレッスンでは、実績を伸ばすことに焦点を当て、“営業組織の予実管理”を解説していきます。そのためこのレッスンではまず、営業実績を伸ばすために予実管理をする目的やその管理方法、流れ、そして陥りがちな問題を理解します。

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営業組織の予実管理を整理する

予実管理の目的

予実管理は、企業が設定した予算(=売上目標)に向かって進むためのプロセスを整理し、実績を予算に近づけることを目指しています。これによって、企業は成果を把握し、必要に応じて戦略や具体的な施策を調整することができます。

予実管理は、ただ単に個々の数字を監視するだけでなく、企業全体の予算と実績を比較し、業績の健全性を確認するための手法です。予実管理により、組織はどの部分が目標達成に貢献し、どの部分が課題を抱えているかを把握しやすくなります。

そして、個々の部門やチームが予算を達成することが、最終的に企業全体の成果に繋がります。つまり、予実管理は企業の収益を支える重要な活動であり、経営戦略やビジョンを実現するための大きな一翼を担っています。

営業における予実管理

営業予算(売上目標)を達成することは、容易ではありません。予算達成を現実にするためには、中間チェックを怠らずに行い手遅れとならない段階で一手を講じること、そして見込みの甘さを招かないような管理が欠かせません。

年度成果の中間チェック

これは感覚ではなくデータに基づいたチェックです。進捗状況や予算とのギャップを把握し、必要に応じて軌道修正を行うことが重要です。リスクヘッジも含め、計画通りに進むためのPDCAサイクルを回す必要があります。

見込み管理

これは予測と現実をつなぐ重要な要素です。正確な見込みを立てるためには、属人的な判断のみに頼ることなく、見積提示中、注文書提出済みなどの各商談の進捗(ステージ)に応じて、受注確率を定め、受注見込額を積み上げることが適しています。

このように、予算管理においてはデータに基づいたチェックと現実的な見込み管理が重要です。これらをしっかりと行うことで、予算達成に近づくことができます。

実績管理の重要性

予算を達成するためには、日々の売上状況をモニタリングしながら具体的な施策を調整していきます。売上実績をモニタリングして予算達成に近づける活動を実績管理といいますが、実績の計測タイミングがポイントは特に重要です。「あの時、未達な状況だった」と後から判明するよりも、"今"予算が未達になりそう、または"今後"未達になる可能性があるという状況を把握できることで具体的な施策への対策がとれるようになります。
特に注目すべきは、"今後"の実績を予測する見込み管理です。このままの傾向で進むと実績がどのように積み上がるのか、また今進行中の商談が不足しているため今後は未達が予想されるといった予測に基づく見込みをたて、事前に備えることも重要な予実管理の取り組みです。

予実管理の流れ

予実管理は綿密な予算計画と実際の成果の比較・分析を通じて、効果的な営業活動を支援する重要なプロセスです。具体的には以下の流れで設定していきます。

トップダウンで落とし込んでいく手法や現場で実現可能な数値を積み上げるボトムアップなど、様々な方法がありますが、ここではトップダウンによる売上予算を中心とした予実管理について解説します。

予算設定

組織全体の目標金額を設定し、過去の事績など参考に、部門ごとに割り振ります。

一人あたりの予算配分

個々の経験や担当内容、過去の実績に応じて予算を割り振ります。例えば、昨年の実績を基に昨対比10%アップを目指す場合は、各人の実績も10%アップをベースとした上で、調整を行っていきます。また、前期から働きかけていて仕掛中の商談の見込み額なども考慮します。

月次予算の設定

シンプルにまずは、年間予算を12か月に分割して設定するところからスタートです。その上で、、繁忙期や年度末の駆け込み需要などの季節変動も考慮し調整します。

実績の記録

日々の活動に応じて実績を記録します。これは、日々の営業活動において商談情報を記録する活動で対応されます。この時、商談の進捗状況を記録しておくことがこの予実管理では極めて重要です。商談の受注確度を進捗状況から算出することで、個人の主観による見込みのズレを防止することができます。また、獲得したリード件数や発生している商談件数、コールフォローアップの実施件数などから予測を立てることも可能であるため、こうした実績データも記録しておきます。

予実の比較と対策

予算と実績の比較は、月次やチームや個人、商品別などさまざまな視点で行われます。単に結果だけを見るだけでなく、行動と実績の比較を行うことが非常に重要です。ここでは、具体的な例を挙げて説明します。

月次視点での比較:

例えば、ある月の売上目標が1,000万円であったとします。実際の売上がその目標にどれだけ近づいたかを確認します。さらに、その月に実施した営業活動や販売アクション(架電や打ち合わせ実施数など)と実績の関係を分析します。新しい商品を投入したことで売上が伸びたのか、特定の顧客セグメントにターゲットを絞ったマーケティング活動が成果を生んだかなども評価します。

組織視点での比較:

個々の担当営業やチームが持つ目標と、その達成度合いを比較します。例えば、営業員Aが月次予算の80%しか達成していない場合、その原因や課題を特定し、改善策を打ち出します。また、達成度が高い営業員やチームの成功要因も明らかにし、他のメンバーにも共有していくことが重要です。

商品別視点での比較:

複数の商品を取り扱っている場合、それぞれの商品の売上目標と実績を比較します。例えば、商品Aは目標を大幅に上回り、商品Bは目標に達していないという場合、それぞれの商品の市場動向や需要について考察します。そして、売れ行きの良い商品の特徴や成功要因を抽出し、他の商品にも応用できるような施策を検討したり、人気商品により注力して売上を伸ばす対策をとります。

予実管理で陥るよくある問題

最後に、予実管理で陥りがちなよくある問題と解決方法を簡単にご紹介します。
予実管理を行う際には、こうした問題が発生しやすいと意識しておき、そのような状況が発生したら素早く対処しましょう。

予実管理に工数をかけすぎる

<この問題が生じるシーン>

  • データが複数存在していたり、分かりにくいため、整理に時間がかかる

実績管理プロセスがあいまいだったり、複雑な場合、、計測することに時間のかけ過ぎて、営業担当者が本来注力すべき活動に時間を割けない状態が生じます。予実管理は本来、数値を追いかけることではなく、数値をもとに達成するための活動を最適化することが主な目的です。そのため、実績の集計が自動で行われるような、時間をかけない予実管理の環境を整備することが重要です。

<解決案>

  • 実績のデータ環境を整備する

月次で予算を立てている場合には、最低限週次で実績を確認する必要があります。週次での実績を集計するためには、日々の実績データがリアルタイムに登録されるデータベースを構築し、レポートとして自動で集計される環境を整備する必要があります。

実現可能性と低すぎる見積もり

<この問題が生じるシーン>

  • 予算設定者と現場の担当者に認識の乖離がある
  • 保守的な意識が多い企業環境にある

「努力すれば、達成できる目標値」を設定することが重要ですが、高すぎるあるいは低すぎる目標を設定すると組織に悪影響をもたらします。目標が高すぎれば、担当営業が疲弊し、やる気を削ぎ落とす要因になり得ます。また、退職などのが生じることもあり得ます。

一方で、簡単に達成が見込める低すぎる目標は、組織や個人の成長を阻害する要因となり得るため、注意が必要です。

<解決案>

  • 市場・組織の成長率や競合との力関係などに沿った、根拠に基づく目標設定を行う

企業が属している業界全体の成長率や組織としての成長率、競合との関係性などに応じて、妥当な目標を設定します。例えば、業界全体が成長していて、自社がそれに応じた成長を見込んでいるような場合、想定される市場成長率と同等の上積みした数値を予算として設定する方法が挙げられます。目標とする成長率を実現する戦略をチームリーダーやマネージャーと協議し、健全かつ可能な限り高い成長目標を予算として設定すると良いでしょう。

見込みと実績の乖離原因を特定できない

<この問題が生じるシーン>

  • 見込みとして考慮していた商談が受注していない
  • 実績が想定以上に積み上げられない

「受注確度が高い」と担当営業から示されていた商談の失注や長期化が重なり、予実の乖離が発生することは、営業現場においてよくある問題です。
そもそも商談の件数が足りない、商談期間が意識されておらず、今期中に受注することが難しい商談に時間をかけてしまっているようなことも多々あります。

商談の件数が足りていないことに気づけない一因は、組織としての受注確度が定義されていないことです。
商談がどの段階まで進めば受注確度(確率)がわからない組織では、目標を達成するために必要な商談数を正確に予測することは困難です。

また、一つ一つの商談に掛かる期間が想定できなければ、今期の実績とならない商談に時間を割いてしまい、限られた営業担当者の時間を無駄に使ってしまう可能性もあります。

<解決案>

  • 商談の品質や件数を確認し対策をとる
  • 受注しやすい獲得経路や顧客の特性(業種など)を特定する
  • 進捗のステージに基づく見込み計算を行う

商談の件数や質、経路や特性のデータをグラフなどで可視化して監視することが有効です。また、データはリアルタイムに集計し、月次単位でも確認できるようにすることで、適切な対処を早期に打てるようになります。また、商談の見込み金額だけで見込みをカウントするのではなく、見積提示中、注文書提出済みなどの進捗(ステージ)に応じて、積み上げる割合を以下のように調整しておくことも有効です。

□ 商談金額 1,000万円の計算例

見込み積み上げ割合

見込み金額

初回打ち合わせ

10%

100万円

認識合わせ

20%

200万円

提案書提出

30%

300万円

見積提示

50%

500万円

見積調整

60%

600万円

内示

90%

900万円

受注

100%

1000万円

失注

0%

0円

簡単に予算修正を行ってしまう

<この問題が生じるシーン>

  • 予算より大きく上振れた実績となる
  • 予算より大きく下振れた実績となる

どんなに綿密な予算を立てても、市場の状況や顧客ニーズの変化により、実績の振れは当然に生じます。着地点が大幅にずれることが予測された時点で、予算の修正を行うことになりますが、、予算の修正には慎重な態度で臨む必要があります。上振れた際に予算修正を実施し、KPI(重要業績評価指標)自体を上向き修正するケースがあります。これをすると、現場に「目標を修正されないように受注時期を調整する」動きが出てきます。これは営業の悪習として常態化しやすい問題です。
一方、下振れた場合には、下向き調整してくれるという甘えを常態化させないよう注意が必要です。

<解決案>

  • 予算幅をあらかじめ設定しておく

一般的にT(ターゲット)を5段階または10段階で以下のように設定しておきます。達成、未達それぞれにレベルを設定し、達成度に応じた提示をすることが一般的でありかつ有効です。

目標金額

インセンティブ・賞与など

T1

10億以下

-20 %

T2

15億

-10 %

T3

20億

+0%

T4

25億

+10%

T5

30億以上

+20%

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