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CRM/SFAのダッシュボードで予実を可視化する

このレッスンでは、CRM/SFAツールに蓄積された商談データを基に、ダッシュボードで予実を見える化する方法を学びます。※CRM/SFAツールの例として、Zoho CRM の画面が登場します。

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CRM/SFAのダッシュボードで予実を可視化する

このレッスンで学べること

CRM/SFAでの営業予実の管理を「CRM環境の準備」「CRMへの実績の登録」「CRMで予算と実績を比較」という3つの段階に分け、このレッスンは最後となる「CRMで予算と実績を比較」です。

このレッスンで学べること

CRM環境の準備
※Lesson 4

  • CRM/SFAツールを用意する
  • [商談]タブをカスタマイズする
  • 予実管理に必要な項目を理解する

CRMへの実績の登録
※Lesson 5

  • 顧客を登録する
  • 商談を登録する
  • 商談ステージを登録する
  • 売上を登録する
  • データをインポートする

CRMで予算と実績を比較
※Lesson 6

  • 予実管理用のダッシュボードを作成

予実管理の想定シナリオ

Lesson 4、Lesson 5に引き続き、A社というシステム販売会社での予実管理を例に解説していきます。A社の概要は以下の通りです。

A社のプロフィール

A社は、日本企業を中心にシステムを販売している会社です。αシステム、βシステム、γシステムの3つが主要な製品で、営業部門は、東日本チーム、西日本チーム、海外チームの3部門に分かれています。売上実績などの記録はエクセルシートを利用しています。なお、今年(4月から3月)の売上目標(本レッスンでは予算と呼びます)は1億円で、10月時点で8,000万円という進捗です。

予算

1億円

実績

8,000万円

達成率

80%

実績(売上)とは別に、各チームのパイプライン上に合計5,000万円の商談があります。パイプラインとは、案件の獲得から受注するまでの一連のプロセスのことで、パイプライン上の商談は未確定の売上として扱っています。

8,000万円の売上について、チーム別、商品別の内訳は以下の通りです。パイプライン上の商談については、チーム別の内訳は分かる一方で、商品別の内訳は分かっていません。これは、販売実績管理用のエクセルシートと進行中の商談管理のエクセルシートのフォーマットが異なり、各商品の売上が確定するまで、集計できなくなっているためです。

チーム別の売上状況

売上

パイプライン

東日本チーム

3,000万円

3,000万円

西日本チーム

3,500万円

1,500万円

海外チーム

1,500万円

500万円

商品別の売上状況

売上

αシステム

4,500万円

βシステム

2,000万円

γシステム

1,500万円

予実管理用のダッシュボードを作成

前のレッスンでさまざまなデータを登録したので、Zoho CRM 内に実績データは蓄積されました。これを、予算に対して実績が分かる形にするには、グラフや表を使って可視化することになります。CRM/SFAでは、「ダッシュボード」が可視化に適しています。ダッシュボードは計器盤を意味し、重要な数値ばかりが集まった場所のことです。

Zoho CRM では、[アナリティクス]タブにダッシュボードを作成できます。[アナリティクス]タブとは、CRM内のデータを集計し、表やグラフにして見える化できるタブです。このレッスンでは、「予実管理用」というダッシュボードを作り、その中に以下の4つの予実管理のグラフや表を表示するように設定していきます。

グラフの名称

説明

全社売上予実

全社の売上目標(予算)と実績を視覚的に表示します。

商品別売上予実

商品ごとの予算と実績を視覚的に表示します。

チーム別売上予実

チームごとの予算と実績を視覚的に表示します。

担当者別売上実績

担当者別の実績を視覚的に表示します。

ダッシュボードの完成イメージは以下の通りです。A社の予算は会社全体で1億円で、商品別やチーム別の予算まで細かくシナリオで紹介していませんでしたが、実際はそれぞれ予算がある前提で設定していきます。

ダッシュボードの完成イメージ

Zoho CRM の[アナリティクス]タブには、今回のシナリオにぴったり合ったダッシュボードが無いため、ダッシュボードを新しく作成し、そこに「全社売上予実」「商品別売上予実」「チーム別売上予実」「担当者別売上予実」という4つのグラフを配置する流れを解説します。

[アナリティクス]タブを押下し、遷移後の画面で[ダッシュボード+]を押下します。

[アナリティクス]タブ

ダッシュボードの名称を「予実管理用」とし、横にある[鉛筆マーク]を押下し、公開範囲を[すべてのユーザー]として[保存する]を押下します。これで、Zoho CRM を使っている社内のユーザー全員が閲覧可能な予実管理の白紙のダッシュボードが作れました。この白紙のダッシュボードに表やグラフを配置していきます。

社内のユーザー全員が閲覧可能な予実管理の白紙のダッシュボードを作成
社内のユーザー全員が閲覧可能な予実管理の白紙のダッシュボードを作成

全社売上予実

A社全体の予算と実績をグラフにします。全体実績は、商談ステージが「受注」になっているすべての商談の総額の合計で算出することができます。[3色ゲージグラフ]で作成します。ゲージグラフとは、速度計や圧力計のような形のグラフで、色や針の動きにより、予実を把握することができます。

  1. 予実管理用ダッシュボードで[表/グラフを追加する]を押下
  2. ポップアップ画面で[目標達成度]、次の画面で[3色ゲージグラフ]を選択
  3. 詳細の設定は以下の通り
    • [表/グラフ名] 全社売上予実
    • [目標の適用対象] 組織全体
    • [目標の指標] 商談
    • [目標の指標] 初期設定の[件数/商談]を[合計/総額]に変更
    • [フィルター] ステージを[受注]に設定
    • [期間] 完了予定日が今会計年度

作成手順については以下のサンプル動画の通りです。

全社売上予実の作成手順についてのサンプル動画

設定を終えると以下のグラフがダッシュボードに配置されます。

全社売上予実のグラフ

ちなみに、全社売上予実のグラフをベースに全社の売上の期待値と実績のグラフを作成することもできます。作成した全社売上予実のグラフを複製し、グラフの設定を、目標の指標で[売上の期待値/合計]を選択し、フィルター条件を外すことで、実績と売上の期待値の合計が目標に達しているかを確認できます。

商品別売上予実

商品別の予算と実績をグラフ化します。商品別売上の実績は、商談タブの商品商品別で、商談ステージが「受注」になっているすべての商談の総額の合計で算出することができます。グラフの形式は、商品別に表示できる[棒グラフ(複数)]を使います。

  1. 予実管理用ダッシュボードで[表/グラフを追加する]を押下
  2. ポップアップ画面で[目標達成度]、次の画面で[棒グラフ(複数)]を選択
  3. 詳細の設定は以下の通り
    • [表/グラフ名] 商品別売上予実
    • [目標の適用対象] 選択リストの値 - 商談
    • [目標の適用対象] 商談商品
    • [目標の適用対象] 「αシステム」「βシステム」「γシステム」
    • [目標の指標] 商談
    • [目標の指標] 初期設定の[件数/商談]を[合計/総額]に変更
    • [フィルター] ステージを[受注]に設定
    • [期間] 完了予定日が今会計年度

作成手順については以下のサンプル動画の通りです。

商品別売上予実の作成手順についてのサンプル動画

ちなみに、商品別売上予実売上の期待値と実績のグラフを作成することもできます。作成したグラフを複製し、設定で[売上の期待値/合計]を選択してフィルター条件を外すことで、見込みと実績の合計、予算を確認することが可能です。

チーム別売上予実

チーム別の予算と実績をグラフ化します。チーム別売上の実績は、商談タブの担当チーム別で、商談ステージが「受注」になっているすべての商談の総額の合計で算出することができます。グラフの形式は、チーム別に表示できる[棒グラフ(複数)]を使います。

  1. 予実管理用ダッシュボードで[表/グラフを追加する]を押下
  2. ポップアップ画面で[目標達成度]、次の画面で[棒グラフ(複数)]を選択
  3. 詳細の設定は以下の通り
    • [表/グラフ名] チーム別売上予実
    • [目標の適用対象] 選択リストの値 - 商談
    • [目標の適用対象] 担当チーム
    • [目標の適用対象] 「東日本チーム」「西日本チーム」「海外チーム」
    • [目標の指標] 商談
    • [目標の指標] 初期設定の[件数/商談]を[合計/総額]に変更
    • [フィルター] ステージを[受注]に設定
    • [期間] 完了予定日が今会計年度

作成手順については以下のサンプル動画の通りです。

チーム別売上予実の作成手順についてのサンプル動画

ちなみに、作成したチーム別売上予実のグラフをベースに、チーム別の売上の期待値と実績のグラフを作成することもできます。作成したグラフを複製し、グラフの設定を、目標の指標で[売上の期待値/合計]を選択し、フィルター条件を外すことで、実績と売上の期待値の合計が目標に達しているかを確認できます。

担当者別売上

A社のシナリオには詳細を記載していませんが、チーム別の売上は担当者の売上の積み上げで構成されているのが普通です。今回はシナリオを単純化するために会社が3人で構成しています。ここでは、3人の実績について、表を使って表現していきます。担当者別売上の実績は、担当者別(Zoho CRM のユーザー)で、商談ステージが「受注」になっているすべての商談の総額の合計で算出することができます。形式は、比較に適した表[エレガント]を使います。エレガントは、各担当者ごとの売上の比較や昨年と比較した売上の上昇(減少)率などを視覚的に判断するのに適した表です。

  1. 予実管理用ダッシュボードで[表/グラフを追加する]を押下
  2. ポップアップ画面で[比較]、次の画面で[エレガント]を選択
  3. 詳細の設定は以下の通り
    • [表/グラフ名] 担当者別売上実績
    • [比較対象] ユーザー - 特定のユーザー
    • [比較対象] 「竜馬原宿」「太郎山田」「花子田中」
    • [項目名] 売上実績
    • [指標] 商談
    • [指標] 初期設定の[件数/商談]を[合計/総額]に変更
    • [フィルター] ステージを[受注]に設定
    • [期間] 完了予定日が今会計年度
担当者別売上の作成手順についてのサンプル動画

4つのグラフと表がダッシュボードに追加された後、それぞれのグラフの大きさを調整した画面が以下の通りです。

グラフの大きさを調整した画面

当月、半期などの予実管理ダッシュボードを作成

ここまで解説した予実管理用ダッシュボードの4つのグラフは、すべて期間を[完了予定日が今会計年度]で設定しました。ただ、当月、上半期といった期間でもそれぞれダッシュボードを作成できます。方法は、作成したダッシュボードを複製して、4つのグラフの期間を変更するだけです。

具体的には、複製したいダッシュボード右上の[…]を押下し、任意の名前を付けて保存して、単純に複製したダッシュボードをまず作成します。

当月、半期などの予実管理ダッシュボードを作成する手順

次に、複製されたダッシュボード上に並ぶグラフの[編集する]を押下し、期間を任意の期間に変更します。これで、グラフの作成対象に期間が変更されます。

当月、半期などの予実管理ダッシュボードを作成する手順
当月、半期などの予実管理ダッシュボードを作成する手順

例えば、「予実管理用_当期」「予実管理用_上半期」など、ダッシュボードを複数作成しておけば、必要な期間についてすぐに視覚的に予実確認できます。

当月、半期などの予実管理ダッシュボードを作成する手順

ホーム画面に予実管理用ダッシュボードの情報を配置

ダッシュボードのグラフや表は、Zoho CRM の[アナリティクス]タブで確認できます。一方で、予実のような重要な情報はわざわざ[アナリティクス]タブに行かなくても社内の関係者が確認できる状態が望ましいです。

そのために、Zoho CRM では、CRMにログインした時にはじめに表示されるホーム画面に、ダッシュボードの情報を配置することができます。重要なグラフや表をホーム画面に配置することで、CRMにログインするたびに、すぐに最新の状況を把握することができるようになります。

ホーム画面に予実管理用ダッシュボードの4つのデータを配置した画面は以下の通りです。

ホーム画面に予実管理用ダッシュボードの画面

ホーム画面の設定

[設定]→[カスタマイズ]→[ホーム画面のカスタマイズ]を押下します。

ホーム画面にダッシュボードを配置

[+新しいホーム画面]を押下します。

ホーム画面の設定

画面左側の[ダッシュボード]を押下し、選択リストから対象のダッシュボードを選択します。今回は、先ほど作成した「予実管理用」ダッシュボードを選択します。

ホーム画面の設定

ホーム画面に追加する表やグラフにチェックマークを入れ、それぞれのサイズや配置を調整し、ホーム画面上の表示内容を整理します。[保存して共有する]を押下します。

ホーム画面上の表示内容を整理

ポップアップの画面で、名前を付け共有対象を設定して保存します。

ホーム画面の名前を付ける

保存後、共有対象となったユーザーのホーム場面では、作成した[予実管理用]というホーム画面を選択できるようになります。

予実管理用というホーム画面

Zoho CRM ホーム画面はさまざまにカスタマイズできます。リアルタイムで予実を確認し、素早い打ち手に活かしましょう。

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