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全体像を把握する
まず、展示会の全容を把握しましょう。営業担当者といえど、全容を知ることで見込み客の解像度が上がります。さらに自社の目標も確認し、担当者同士で目線を合わせておくことがロスを無くすことにもつながります。例えば、営業担当者にとって、リード獲得目標を把握しておくことで、もし当日集客が不調ならば、現場の営業担当者のトークをヒアリングなど深掘りするところまで意識して案件化率を上げなければ目標を達成できない、という方針転換をすぐにできるでしょう。
押さえたいポイントは次の通りです。会場手配や全体の進捗管理をはじめ、展示会出展自体のプロジェクトマネジメントはマーケティング部門が行う想定で記載しています。
展示会概要 | 日時 | |
目的・目標 | 目的 | |
役割分担 | マーケティング部門 | プロジェクトマネジメント
展示物準備 |
営業部門 | 営業部門統括
配布物準備 | |
スケジュール | 会場スケジュール |
営業部門の責任者・担当者を決める
全体像のうち、営業部門の役割について責任者を決めます。誰が統括するか、配布物はだれが準備するか、当日誰が接客するか、後日のフォローアップ業務は誰が担当するか決めましょう。「暗黙の了解」を無くし、明文化することで責任の所在がはっきりし、出展だけが目的化することをさけられます。
関係部署とフォローアップ方法の認識合わせを行う
開催後のフォローアップは、スピードが勝負です。フォローの全体像(シナリオ)に基づいて、フォロー電話やフォローメールについて、マーケティング部門やインサイドセールス部門などと分担する場合、事前に役割を確認しておきましょう。以下は役割分担の例です。フォローシナリオの例については後ほど登場します。
役割分担の例 | ||
マーケティング部門 | インサイドセールス部門 | 営業部門(フィールドセールス) |
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リストのデータフォーマットを用意する
電話をかける場合も、シナリオメールを送信する場合も、リストを用意する必要があります。担当者やイベントごとで情報に過不足が生じないよう、統一されたフォーマットを用意しましょう。マーケティングオートメーションツールやメールマーケティングツールはCSVファイルの読み込みや名刺スキャン機能を備えている場合もありますので、どのようなリストが必要か確認しておきましょう。
項目例 | ||
展示会情報 | 見込み客情報 | 営業情報 |
展示会名称、開催年月日 | 顧客ID、姓、名、会社名、肩書き、電話番号、メールアドレス、郵便番号、都道府県、住所1、住所2 | 担当者、接触日、接触内容、営業ステータス |
フォローシナリオを作成する
来場者を属性に応じて分類した上で、誰が、いつ、どのようなフォローアップを行うのか、全体のシナリオを設計しておきましょう。分担する際はこのシナリオに沿うと重複や抜け漏れを防ぐことができます。
アンケートシート(ヒアリングシート)を作成する
来場者の情報や確度をフォローアップに活かすために、当日来場者に書いてもらうアンケートシートを用意しましょう。来場者が短時間で書けるよう、記載項目を絞り、チェックマークを付ける形式が良いでしょう。
来場お礼メールを作成する
来場者全員に送付するお礼メールを用意しておきましょう。紹介したい製品・サービスの特長と、際へのリンクも添えましょう。基本的にお礼メールは読まれない、という前提で、少しでも開封を促す件名になるよう力を入れましょう。
シナリオメールを作成する
来場者の興味・関心に合わせたシナリオメールを用意しましょう。どういう「条件」に基づいたストーリーにするかは決まりはありませんが、いずれの場合も、読み手が自分の課題を解決してくれることを期待させる内容にする必要があります。
コールスクリプトを作成する
架電する場合の台本(スクリプト)を用意しましょう。来場した際に記載してもらったアンケート項目の確認はもちろん、その先の踏み込んだ質問をするかどうかも含めて記載します。ベテランでも新人でも話せる方な台本が理想です。ここまでが国内の展示会の事前準備です。
海外での展示会の場合
海外での展示会についても、事前準備で押さえるべきポイントを解説します。海外の展示会は、見積もりや価格交渉を期待している来場者が多い可能性が高いため、納期や価格についての詳細な情報、通訳のアサインなど、より商談を前提とした準備が必要です。
フォロー責任者・営業担当者・通訳をアサインする
誰が進捗に責任を持つか、具体的なフォロー業務は誰が担当するか決めましょう。来場者とその場で商談になるケースもあるため、商品を具体的に説明でき、価格や納期、最小ロットなどを即答できる営業担当者を配置するのが理想でしょう。必要に応じて通訳を手配し、事前に商品の詳細を共有しておきましょう。
関係部署とフォローアップ方法の認識合わせを行う
フォローはスピードが勝負です。フォローにおいて、現地法人や他部署と分担する場合、事前に役割や手順を確認しておきましょう。
来場者の情報の取得・登録フローを決める
展示会後のために、来場者の連絡先の取得と、その登録が必要です。CRM(顧客管理)ツールやSFA(営業支援)ツールで顧客情報を管理している場合は、登録方法を確認しておきましょう。ツールを使わずに表計算ソフトで顧客情報を管理している場合は、セキュリティやデータの破損に注意しながら、情報の不足が無いよう記録しましょう。
CRM/SFAツールの顧客情報登録方法の例
- 直接入力
- 名刺スキャン
- csvファイルの読み込み
フォローシナリオを作成する
来場者を属性(今すぐ客/お悩み客/まだまだ客)に応じて分類した上で、誰が、い つ、どのようなフォローアップを行うのかを設計しておきましょう。
アンケートシート(ヒアリングシート)を作成する
来場者の情報や確度をフォローアップに活かすために、当日来場者に書いてもらうアンケートシートを用意しましょう。商談に役立つポイントに絞り、チェックマークを付ける形式が良いでしょう。紙で記入してもらうと持ち帰る際の荷物が多くなり、失くしてしまうリスクも高いため、モバイル端末で入力してもらう形式でもよいです。
来場お礼メールを作成する
来場者全員に送付するお礼メールを用意しておきましょう。海外へは、具体的で、アピールが明確でないと埋もれてしまいます。貴社を思い出してもらうための特徴や、競合に対する強みを記載しましょう。
シナリオメールを作成する
来場者の課題に合わせたシナリオメールを用意しましょう。 海外との取引では特に、信頼できるか見極められない段階では、安易に価格表や商品サンプルをばらまくべきではありませんが、中立的なメールは意図が伝わりません。顧客が情報を入手したくて連絡を取りたくなるようなアピールにあふれた内容にしましょう。
コールスクリプトを作成する
架電する場合の台本(スクリプト)を用意しましょう。海外展示会の会場ですでに商談化した場合は台本を使う必要はありません。「お悩み客にも電話したい」「確度が不明な顧客にアプローチしたい」という場合に使いましょう。