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Excelダッシュボードの作成とデータの見える化

このレッスンは、営業データの見える化がテーマです。Excelに蓄積されたデータを表やグラフにまとめる、営業全体の予実や担当者別の予実、プロダクト別の売上を一目で把握できるようにします。「顧客管理・商談管理テンプレート」に使われている表やグラフを参考に、理解を深めましょう。

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Excelダッシュボードの作成とデータの見える化

顧客管理・商談管理テンプレートのダッシュボードを見てみよう

これまでのレッスンで使ってきたExcelの「顧客管理・商談管理テンプレート」のダッシュボードシートを見てみましょう。予算や売上、商談、タスクに関する表やグラフが掲載されています。表は、各シートのデータについて、定義した集計期間で自動集計し、その集計データを基にグラフが変化します。そのため、このシートに都度入力すべきものは基本的にはありません。

「顧客管理・商談管理テンプレート.xlsx」をダウンロード

顧客管理・商談管理テンプレートのダッシュボード

集計表を理解しよう

ダッシュボードにある集計表をそれぞれ理解しましょう。前提として、集計表はダッシュボードシートの上部に入力された集計期間で算出されています。自社の会計期間などに基づいて任意の日付を入力しておきましょう。

表計算の集計期間

プロダクト別集計表

プロダクト別集計表は、商談管理シートの情報をプロダクト別に集計したものです。例えば、サービスAについては、商談が何件あって(G列)、商談が進んでいるものが何件で(H列)、売上見込み(J列)と売上(O列)がそれぞれいくらか把握できます。

プロダクト別集計表

それぞれの列の意味と、使われている関数は以下の通りです。関数については、算出期間や、空欄なら表示しない、などと複数の条件式を組み合わせているため、一見複雑です。ただし、テンプレートに入力してある式からどのデータを参照しているのか具体的に理解できますし、式を変更したい場合も、これまでのように関数を自身で考えるのではなく、生成AIに質問して条件式を作成してもらってもよいでしょう。

プロダクト名

商品名、サービス名。

※このセルを参照して他のセルが集計されます。前提として、商談管理シートの商談名(B列)には必ずプロダクト名が含まれていなければなりません。

商談数

商談管理シートにおいて、プロダクト名を含む商談の数。

商談中

商談管理シートにおいて、プロダクト名を含む商談の数。ただしステータスが「失注」になったものを除く。

受注見込み

商談管理シートにおいて、プロダクト名を含む商談の数。ただし見積もりを提示している数。

売上見込み

商談管理シートにおいて、プロダクト名を含む売上見込みの合計。

※テンプレートでは、売上見込みは「見積もり×進捗率」と定義。

進捗率

受注見込み/商談数

受注数

商談管理シートにおいて、プロダクト名を含む商談の数。ただしステータスが「受注」となった数。

受注率

受注数/商談数

売上

商談管理シートにおいて、プロダクト名を含む売上の合計。

Excelに使われている関数

説明

IF関数
COUNTIFS関数

IF関数、COUNTIFS関数

G32セルを解説します。

IF関数: 条件に基づいて結果を返す条件分岐関数です。

  • 条件式: B32=""(B32が空でないかどうか)
  • 真の場合: ""(空白を返す)
  • 偽の場合: COUNTIFS(商談管理!B:B, "*" & B32 & "*", 商談管理!P:P, ">=" & $C$2, 商談管理!P:P, "

COUNTIFS関数: 複数の条件を持つセルの数をカウントします。

条件1: 商談管理!B:B(B列)

  • 条件式: "*" & B32 & "*"(B32の値が部分一致するかどうか)

条件2: 商談管理!P:P(P列)

  • 条件式: ">=" & $C$2(P列の値がC2以上かどうか)

条件3: 商談管理!P:P(P列)

  • 条件式: "

この式は、B32が空でない場合に、商談管理シートのB列がB32の値と部分一致し、かつP列の値がC2からE2の期間内にあるセルの数をカウントします。 B32が空の場合は空白が返されます。

IF関数
SUMIFS関数

IF関数、SUMIFS関数

J32セルを解説します。

IF関数: 条件に基づいて結果を返す条件分岐関数です。

  • 条件式: B32=""(B32が空でないかどうか)
  • 真の場合: ""(空白を返す)
  • 偽の場合: SUMIFS(商談管理!R:R, 商談管理!B:B, "*" & B32 & "*", 商談管理!P:P, ">=" & $C$2, 商談管理!P:P, "

SUMIFS関数: 複数の条件を持つセルの合計を計算します。

  • 合計対象範囲: 商談管理!R:R(R列)
  • 条件1: 商談管理!B:B(B列)
    • 条件式: "*" & B32 & "*"(B32の値が部分一致するかどうか)
  • 条件2: 商談管理!P:P(P列)
    • 条件式: ">=" & $C$2(P列の値がC2以上かどうか)
  • 条件3: 商談管理!P:P(P列)
    • 条件式: "

この式は、B32が空でない場合に、商談管理シートのB列がB32の値と部分一致し、かつP列の値がC2からE2の期間内にあるセルのR列の値を合計します。 B32が空の場合は空白が返されます。

ISERROR関数

ISERROR関数

ISERROR(I32/G32): この部分は、I32をG32で割った結果がエラー(例: ゼロで割り算が発生した場合)かどうかを判定します。ISERROR関数は引数で与えられた式がエラーを含む場合にTRUEを返し、エラーがない場合にFALSEを返します。

L32セルを解説します。

ISERROR(I32/G32): この部分は、I32をG32で割った結果がエラー(例: ゼロで割り算が発生した場合)かどうかを判定します。ISERROR関数は引数で与えられた式がエラーを含む場合にTRUEを返し、エラーがない場合にFALSEを返します。

IF(ISERROR(I32/G32),"",(I32/G32)): この部分は、前述のISERROR関数の結果に基づいて条件分岐を行います。もしI32をG32で割った結果がエラーであれば(TRUEであれば)、空白を返します。エラーでなければ(FALSEであれば)、I32をG32で割った結果を返します。

つまり、この式は「I32をG32で割った結果がエラーでない場合、その結果を返し、エラーの場合は空白を返す」という処理を行っています。

担当者別集計表

担当者別集計表は、商談管理シートの情報を担当者別に集計したものです。例えば、田中太郎さんについては、商談が何件あって(E列)、売上見込み(J列)と売上(O列)がそれぞれいくらか把握できます。各担当者の予算については、このダッシュボードシートでのみ管理するため、事前に各担当者の予算(D列)を入力しておきましょう。

担当者別集計表

それぞれの列の意味と、関数については以下の通りです。

担当者名

集計すべき担当者の名前。参照元は担当者マスタシート。

※このセルを参照して他のセルが集計されます。

予算(千円)

各担当者の売上予算。任意の数字を入力。

商談数

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の数。

商談中

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の数。ただしステータスが「失注」になったものを除く。

見積もり

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の見積もりの合計。

受注見込み

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の数。ただし見積もりを提示している数。

進捗率

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の進捗率の平均。

売上見込み

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の売上見込みの合計。

※テンプレートでは、売上見込みは「見積もり×進捗率」と定義。

受注数

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の数。ただしステータスが「受注」となった数。

達成率

予算に対する売上の割合。

売上

商談管理シートにおいて、B列の担当者が担当している商談の売上の合計。

Excelに使われている関数

説明

IF関数
ISERROR関数
AVERAGEIFS関数

IF関数、ISERROR関数、AVERAGEIFS関数

I43セルを解説します。

IF関数: 条件に基づいて結果を返す条件分岐関数です。

  • 条件式: ISERROR(AVERAGEIFS(商談管理!K:K, 商談管理!C:C, B43, 商談管理!P:P, ">=" & $C$2, 商談管理!P:P, "
  • 真の場合: ""(空白を返す)
  • 偽の場合: AVERAGEIFS(商談管理!K:K, 商談管理!C:C, B43, 商談管理!P:P, ">=" & $C$2, 商談管理!P:P, "

AVERAGEIFS関数: 複数の条件を持つセルの平均を計算します。

  • 平均対象範囲: 商談管理!K:K(K列)
  • 条件1: 商談管理!C:C(C列)

条件式: B43(C列がB43と一致するかどうか)

  • 条件2: 商談管理!P:P(P列)

条件式: ">=" & $C$2(P列の値がC2以上かどうか)

  • 条件3: 商談管理!P:P(P列)

条件式: "

この式は、AVERAGEIFS関数を使用して、商談管理シートのK列の値に対して、C列がB43と一致し、かつP列の値がC2からE2の期間内にある条件を満たすセルの平均を計算します。エラーが発生した場合は空白が返されます。

サマリー表

ダッシュボードシート上部にある集計表は、担当者別集計表のデータの一部をそれぞれ参照するなどしています。

サマリー表

それぞれの意味については以下の通りです。

予算

各担当者の予算の合計、つまり組織全体の予算。

売上見込み

各担当者の売上見込みの合計。

売上

各担当者の売上の合計。

達成見込み率

予算/売上見込み

達成率

売上/予算

タスクリスト

タスクリストは、タスク管理シートの「完or未完」(B列)で「未完」となっているタスクを日付順で10件転載しています。ここでは、Excelの「動的配列数式(スピル)」であるSORT関数を使用しています。動的配列関数とは、1つのセルに式を入力するだけで、そこに隣接するセルにも結果が表示されるものです。別のシートから条件に合致するものを転載する、といった場合に活躍する関数です。

SORT関数を利用したタスクリスト

Excelに使われている関数

説明

SORT関数
FILTER関数

SORT関数、FILTER関数

FILTER関数: 条件に基づいてセル範囲をフィルタリングする関数です。

  • フィルタリング対象範囲: タスク管理!B5:H15(B5からH15までの範囲)
  • 条件: タスク管理!B5:B15 = "未完"(B列が"未完"であるセルのみを抽出)

SORT関数: セル範囲の値を並べ替える関数です。

  • ソート対象範囲: FILTER(タスク管理!B5:H15, タスク管理!B5:B15 = "未完")(FILTER関数で抽出された結果をソート)
  • ソートする列: 2(2列目、つまりB列を基準にソート)
  • ソートの順序: 1(昇順)

この式は、タスク管理シートのB列が"未完"である行を抽出し、それをB列を基準に昇順でソートしています。結果として、未完了のタスクがB列を基準に昇順で表示されます。

グラフを理解しよう

表を理解したら、次に3つのグラフをそれぞれ理解しましょう。

サマリー

サマリーの棒グラフは、予算、売上見込み、売上を棒グラフにしたシンプルなグラフです。グラフ部分をダブルクリックすると、グラフデザインというリボン(機能のボタンやメニュー)が表示されます。このリボンから、グラフの形式や色、設定など現状のグラフがどのようにできているかが分かります。

サマリーの棒グラフ

例えば、リボンの中の[グラフデータの選択]をクリックすると、グラフのデータ範囲がサマリーの表であることや、横軸のラベルにもサマリー表の項目が使われていることが分かります。

グラフデータの選択

凡例の位置を変えたい場合はリボンの中の「グラフ要素を追加」、目盛の書式設定を変えたい場合は、グラフの中の目盛線をダブルクリックして表示される書式ウインドウから変更する、といったことが可能です。

グラフ要素の追加

プロダクト別実績

プロダクト別実績の表についても、[グラフデータの選択]からどこを参照しているか確認してみましょう。こちらは、プロダクト別集計表の一部のデータを参照してグラフ化していることが分かります。グラフのデータの範囲は、表全体でなくても、表の一部を複数組み合わせることも可能です。

プロダクト別実績

担当者別予実

担当者別予実のグラフについて、[グラフデータの選択]からどこを参照しているか確認してみましょう。こちらは、担当者別集計表の一部を参照していることが分かります。

担当者別予実

グラフを作ってみよう

データからグラフを作ってみましょう。例えば、プロダクト別集計表について、プロダクト名と、それぞれの売上見込み、売上をグラフにしたい場合です。グラフにしたい範囲を選択した上で、[挿入]>[おすすめグラフ]を押下すると、Excelがグラフの形式を推奨してくれます。

おすすめグラフの挿入

[おすすめグラフ]に希望のグラフが表示されなかったら、ほかのグラフの選択肢を選びましょう。

任意グラフの選択

ピボットを使って表やグラフを作ってみよう

「顧客管理・商談管理テンプレート」にあるデータを表やグラフにするにはExcelの「ピボット」という機能がとても便利です。例えば、下記の表とグラフは「見込み客・取引先マスタシート」の都道府県の列の情報を基に、都道府県別の件数と比率をまとめたもので、「ピボット」を使って簡単に作成できます。「ピボット」はデータベースを見える化するのに大変役立つ機能ですので使えるようになりましょう。

ピボットを用いた円グラフ

ピボットをつかって、上記の表とグラフを作成する方法は次の通りです。慣れない間は、ピボットグラフのフィールドの設定に苦戦するかもしれません。何度も使ってこつをつかみましょう。

ピボットを用いた表・グラフの作成手順動画

〈動画:ピボットグラフの設定手順〉

  1. 今回見える化したいデータは、見込み客・取引先マスタシートのデータですので、見込み客・取引先マスタシートの表のどこかを選択した状態で、[挿入]>[ピボットグラフ]をクリックします。
  2. [ピボットグラフ]の作成、というウィンドウが表示されたらそのまま[OK]を押下します。
    ※ピボットは表の集計であり、見込み客・取引先マスタの表はすでに表(テーブル)として定義されているので、ここで特に操作は不要です。
  3. 集計する項目を、右に表示された[ピボットグラフのフィールド]で指定していきます。[フィールド名]から[都道府県]を選択し、4つの枠のうちの右下の[値]エリアにドラッグ&ドロップで動かします。続いて、同じくフィールド名から再び[都道府県]を選択し、左下の[軸]のエリアにドラッグ&ドロップで動かします。
  4. 続いて、[フィールド名]から[No.]を選択し、右下の[値]エリアにドラッグ&ドロップで動かします。移動した場所で右クリックして、[ピボットテーブルフィールド]をクリックし、[計算の種類]タブから[列集計に対する比率]を選択して[OK]を押下します。ここまでの設定で、画面左上の表には、都道府県の列に入っている都道府県がそれぞれ何件ずつあるか、さらにそれぞれの全体の比率も集計されました。
  5. 表ができたので、これを比率表示に最適な円グラフに変更します。グラフを選択して[デザイン]>[グラフの種類の変更]から円グラフを選択します。
  6. 次に、円グラフに比率(パーセンテージ)を表示させたいので、円グラフを右クリックし、[データラベルの追加]をクリックします。ただ追加しただけでは件数が表示されているため、パーセンテージに変更します。もう1度円グラフを右クリックし、[データラベルの書式設定]で表示されたラベルのオプションについて、[パーセンテージ]にチェックを入れて[値]のチェックを外します。
  7. グラフの表示が昇順になってしまっているので、表の[行ラベル]をクリックして[降順]を選択します。
  8. これで表とグラフができました。あとは、グラフの名称を更新したり、表の項目名を編集したりと、体裁を整えれば完成です。

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