Zoho CRM でメールマーケティングを始める準備をしよう

Zoho CRM の概要

Zoho CRM は、顧客関係管理（CRM）/営業支援（SFA）ツールで、顧客情報の管理や営業活動の効率化を図るためのツールです。クラウドベースであり、さまざまな業界や規模のビジネスに対応しています。

• 顧客関係管理: 顧客情報を一元管理
• 営業支援: 商談の進捗を可視化や自動化
• マーケティングオートメーション: メールキャンペーンやリードナーチャリングの管理

メールマーケティングにおいては、顧客リスト（ビュー）の作成、メールテンプレートの作成、一括配信、そして結果の分析といった一連の業務を効率的に行うことができます。

アカウントの作成

まずは、Zoho CRM のアカウントを作成しましょう。Zoho CRM トップページにアクセスし、アカウント作成のフォームに情報を入力します。無料トライアルを開始することでアカウントを作成できます。
フォームを送信後、登録したメールアドレス宛てにアカウント認証メールが届きます。メールに記載されたURLにアクセスし、アカウント認証を完了させると、画面がZoho CRM に切り替わります。切り替わらない場合は、トップページ右上のサインインからログイン情報を入力して、Zoho CRM に入りましょう。Zoho CRM にアクセスすると、組織情報の更新画面が表示されます。
表示内容に従って設定し、利用を開始しましょう。

サンプルデータのインポート

Zoho CRM では、マーケティング活動を通じて獲得した見込み客のデータや、他のシステムからエクスポートした連絡先のデータなど、さまざまなデータをインポートできます。
インポートに対応しているファイル形式は、XLS・XLSX・CSV・VCFです。アカウント作成後、顧客情報のサンプルデータをインポートしてみましょう。

メールマーケティングに使う顧客データを準備する第一段階として、顧客データをZoho CRM にインポートしましょう。今回は契約や購入をしていない「見込み客」へのメール送信を例に取り上げます。

Zoho CRM の[見込み客]→[見込み客を作成]ボタン横[▼]→[見込み客をインポート]を押下します。

インポートするファイルを、ドラッグ&ドロップ操作またはローカルフォルダを参照してアップロードします。

見込み客をインポートするレイアウトを選択します。
新しい見込み客データとして登録するのか、既存の見込み客と重複するデータがあった場合にどのような処理を行うか、などを選択します。[既存の見込み客と重複するデータをスキップする条件：メール]を選択しておくと、データの重複とメールの二重配信を防げます。
入力・選択が完了したら[次へ]を押下します。

インポートする項目の関連付け（マッピング）を行います。
マッピングとは、Zoho CRM の各項目に対して、インポートしたファイルの項目（1行目）が該当するを指定し、結び付ける作業です。例えば、csvファイルの「電話番号]の列の値を、CRM（顧客管理）/SFA（営業支援）ツールの「電話番号」または「携帯電話」にマッピングすることができます。画面下部の[自動関連付けを適用する]から自動でマッピングすることも可能です。

マッピングを終えて[完了する]を押下すると、インポートが完了します。

署名の設定

メールを送信する際の署名の設定を行います。
署名はメールの作成者・送信者の情報を明らかにし、信頼性や信用度を高める役割があります。
また、署名を設定することで、メールを作成する際に手入力を行う必要がなく、自動で設定した署名が挿入されるようになります。
[設定]→[チャネル]→[メール]を選択します。

メール設定画面下部の[＋]を押下すると編集ウィンドウが開くため、署名を入力し、[保存する]を押下すると完了です。
これで、今後送信するメールに、今回登録した署名が自動的に反映されます。

リストの作成（ビュー）

一括でメールを送信するためには、リスト（ビュー）の作成が必要です。
ビューとは、設定した条件に基づいて抽出されたデータの一覧のことです。
[見込み客]タブでビューを作成することで、条件に沿った顧客に対して一括でメールを送信することができるようになります。例えば[自分の見込み客]というビューは、自分が担当している見込み客をリスト表示することができます。

カスタムビューの新規作成

[見込み客]画面にて、タブ横[▼]→[新しいカスタムビュー]を押下すると、カスタムビューの設定画面へ遷移します。カスタムビューとは、任意の条件で絞り込み、そのリストが保存できる機能です。
遷移後の画面で条件を入力・選択することで、新しいカスタムビューとして指定する項目を設定することができます。
例えば、「今日登録した見込み客」や「10月の展示会からの見込み客」など、細かい条件を設定することができます。これにより、より効果的なメールキャンペーンを実施することができます。
条件を設定後、[保存する]を押下するとビューの作成が完了します。
作成したビューは、いつでも編集や削除が可能です。また、複数のビューを作成し、目的に応じて使い分けることもできます。これにより、さまざまなマーケティングシナリオに対応することができます。

メールテンプレートの作成

メールテンプレートを作成することで、都度メール本文を作成する手間を省くことができます。
一度登録すれば今後もそのテンプレートを使用することができますので、テンプレートの使い方をマスターしておきましょう。
[設定]→[カスタマイズ]→[テンプレート]を押下します。

[＋新しいテンプレート]を押下し、作成するメールテンプレートのタブを選択します。
タブとは、CRM/SFAツール内のデータの分類です。今回は[見込み客]タブを選択し、[次へ]を押下します。

テンプレートを作成する際にどのタブを選択するかは、テンプレートをどの用途で使うのかを考慮して設定する必要があります。
テンプレートには、氏名や電話番号などZoho CRM 内のデータを差し込むことができる機能が備わっていますが、その機能を使用するためには、データベースのどこからデータを持ってくるのか指定する必要があり、そのためにタブを指定しておく必要があるのです。今回は見込み客に対するメール用のテンプレートですので、[見込み客]タブに関連付けて作成します。逆を言えば、既存顧客を管理するためのタブである[連絡先]タブに関連付けてテンプレートを作成してしまうと、差し込み項目がうまく機能しません。

作成したいテンプレートの形式を選択します。
今回は、[白紙]を選択します。
白紙の他にも画像と本文を2列に分けるテンプレートや、3列のテンプレートなど、数種類の中から選択することができます。

左上部にテンプレート名とテンプレート件名を入力します。今回はテンプレート名を[ご挨拶メール]、テンプレート件名を[ご登録いただきありがとうございます]で設定します。
件名はメールの開封率に大きな影響を与えるため、魅力的で分かりやすいものを選ぶことが重要です。
次に、テンプレートの本文を作成します。
本文内に[＃]を入力することで、送付する相手に合わせて自動的に名前や会社名が挿入される自動差し込みテキストを追加することができます。
また、本文最下部で[＃]を入力し、あらかじめ設定しておいた署名を追加することも可能です。
ドキュメントを追加したい場合は、右上部の[添付]から追加することができます。
作成が完了したら、右上部[保存]を押下し、保存先を選択します。
これでメールテンプレートの作成は完了です。
作成したテンプレートは、いつでも編集や複製が可能です。また、テンプレートの使用履歴を確認することもできるため、効果的なテンプレートを特定し、今後のメールマーケティングに活用することができます。

一括メールを配信

準備が整ったら、一括メールを配信しましょう。
一括メール送信を行うことで、顧客それぞれに同じ内容のメールを送信する手間を省くことができます。
[連絡先]画面で、右上部の[処理]横[▼]→[一括メール送信]を押下します。

[一括メール送信を作成する]を押下します。

メールの宛先や使用するテンプレートなど、詳細情報を入力・選択し、右上部の[送信する]を押下することで、一括メールを送信できます。
[送信方法]を[後で返信するよう予約する]を選択することで、送信をあらかじめ予約することが可能です。
送信予約は、顧客が最もメールを開封する確率が高い時間帯に合わせて送信を予約することで、メールの開封率やクリック率を向上させることができます。

配信結果を分析

最後に、配信したメールの効果を分析します。
Zoho CRM は、送信したメールの状況（到達、不達）やクリック有無、開封有無などを確認・分析することができます。
送信したメールに対しての顧客の反応を分析し、必要に応じてメール件名を見直すなどの改善処置を行いましょう。
[レポート]→[メールの分析]を押下します。

分析したいメールの抽出条件を選択し、[適用する]を押下すると、抽出条件に応じたメールリストが表示されます。
分析したいメールについて、メールの到達状況やクリック有無を確認します。
また、右上部の[グラフを作成する]を押下し、条件を選択することでグラフで可視化することも可能です。