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CRM/SFAを使ったデータドリブンセールス - レポート作成と営業改善

このLesson 7では、前のレッスンでCRM(顧客関係管理)/SFA(営業支援)ツールに記録した営業データをレポートとして見える化して分析し、営業の現場の打ち手に活かす流れを解説します。※CRM/SFAツールの例として、Zoho CRM の画面が登場します。

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CRM/SFAを使ったデータドリブンセールス - レポート作成と営業改善

このレッスンで学べること

CRM/SFAツールを使ってデータドリブンセールスを実行するための方法について、「環境準備」と「レポート作成と営業改善」の2段階で説明しています。このレッスンでは、後半の「レポート作成と営業改善」を扱います。

このレッスンで学べること

環境準備
※Lesson 6

  • CRM/SFAツールを準備する
  • CRM/SFAツールに営業データを記録する

レポート作成と営業改善
※Lesson 7

  • CRM/SFAツールで営業データを見える化する
  • CRM/SFAツールでセールスレポートを分析する
  • データに基づき営業の打ち手を検討する

このレッスンの想定シナリオ

Lesson 6に続いてこのレッスンでは、A社というIoT機器メーカー企業の営業データを例に解説を進めます。データドリブンセールスにおいては、営業チーム全体の営業データを集約して分析を行うことが望ましいですが、今回はデータドリブンセールスを行う流れを分かりやすくするために、あえてエクセルでも集計が可能なA社の営業担当者の1人「渋谷優馬」さんだけの営業データを使います。

A社のプロフィール

  • 業種:日本国内でIoT機器を販売しているメーカー企業
  • 製品:主力製品は以下の2種類
    ①創業当初からの主力製品である「製品α」
    ②ニーズに合わせてサイズや機能を変更できるカスタマイズ性の高い「製品β」
  • 価格:製品αの単価「50万円」
    製品βの単価「100万円」

特徴

A社はエクセルシートで顧客情報と商談情報を記録して、毎月の営業会議で売上推移や商談の進捗状況を報告しています。

課題

案件管理を個人のエクセルに任せていたA社の管理職は、新人営業担当者の渋谷優馬さんは、6カ月前に比べて売上が下がっていることが気になっていました。しかし、売上以外の状況が分からなかったので根本的な打ち手を見出せていませんでした。

売上の減少幅が40%に達したところで、売上以外のデータも把握し、可視化して、売上が下がった原因を突き止めて、打ち手を検討したいと考えています。

渋谷優馬さんの製品別の直近半年の売上と受注の推移

売上/営業月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

製品α

売上

4,000,000

4,500,000

3,500,000

2,000,000

2,500,000

2,000,000

受注数

8

9

7

4

5

4

失注数

4

1

4

5

5

8

商談数

12

10

11

9

10

12

製品β

売上

1,000,000

2,000,000

1,000,000

2,000,000

2,000,000

1,000,000

受注数

1

2

1

2

2

1

失注数

2

1

2

1

1

1

商談数

5

5

6

4

3

4

CRM/SFAの表/グラフで営業データを見える化

CRM/SFAには記録した営業データを表/グラフ化する機能があります。Zoho CRM では「アナリティクス機能」がそれに当たります。アナリティクス機能を使うことで、営業担当者ごとの売上推移や商品ごとの受注率をグラフにすることができます。そもそも営業データを見える化することに特化した機能であるため、エクセルよりも直感的に営業レポートを作成できます。数字の羅列ではなく、グラフ化されたデータがあれば、営業課題をすぐに把握し、打ち手にすぐ活かすことができます。

Lesson 6でCRM/SFAに記録したA社の渋谷優馬さんの営業実績について、まず見える化しましょう。ツールの例として引き続きZoho CRM を使いながら解説します。

CRM/SFAでダッシュボードを作成

A社における製品αと製品βの商談数や受注・失注数についての分析を行うため、Zoho CRM の[アナリティクス]機能を使い、営業データを分析していきます。

Zoho CRM の[アナリティクス]タブの特徴は、集計データを視覚的に表示する点です。[アナリティクス]タブの[ダッシュボード]は、以下のように数値やグラフを計基盤のように表示し、重要なデータをリアルタイムに確認できます。データドリブンセールスには最適な機能です。

CRM/SFAでダッシュボードを作成

CRM/SFAには、あらかじめさまざまなダッシュボードが用意されていますが、A社の渋谷さんのデータを見るのに最適なものは無いため、「商品比較」という白紙のダッシュボードを作り、そこに必要なグラフを配置していくことにします。ダッシュボードの作成手順は以下の通りです。

  1. 画面上部の[アナリティクス] タブをクリック
    ※[アナリティクス] タブが非表示の場合は[・・・]をクリックし、一覧から選択
  2. [アナリティクス]タブをクリック
  3. 画面左上の [+]アイコンをクリック
  4. [ダッシュボード名]と[説明] を入力(ここでは商品比較)
  5. [保存]をクリックし完了

セールスレポートによる営業データ分析

今回の想定シナリオに沿って、渋谷さんの売上が6カ月前から約40%下がっている原因を3つのステップに分けて分析します。分析のために、作成したダッシュボードにグラフを作成していきます。

ステップ1 製品別の商談発生数を比較

まずは渋谷さんの製品別の商談発生数を比較します。データドリブンセールスではさまざまなデータを扱いますが、分析のための切り口は自社で考えるしかありません。A社のケースの場合、渋谷さんの実績に製品が影響しているかどうかを見極めるためにデータを見える化します。

作成したダッシュボードにグラフを作成する手順は以下の通りです。Zoho CRM のホーム画面の[アナリティクス]タブを選択します。

CRM/SFAでダッシュボードを作成

右上の[表/グラフを追加する]を押します。

右上の[表/グラフを追加する]を押す

さまざまな可視化ツールが表示される中から、今回は[グラフ]を押下します。

[グラフ]を押下

Zoho CRM でグラフを作る際には、より直感的に操作できる[かんたん作成]とより細かい分析ができる[レポートから]の2種類の方法がありますが、今回はより分かりやすい[かんたん作成]を選びます。

[かんたん作成]を選ぶ

グラフの編集画面に移動すると、記録した営業データの中から比較したい項目選んで、右下の[作成する]ボタンを押します。

製品別の商談発生数を比較するためには、[タブ]を[商談]に、[軸(Y軸)]を[件数/-]に、[グループ化]を[完了予定日/-月]および[商品]に設定します。

項目

入力

1. 表/グラフ名

製品別の商談発生数

2. タブ

商談

3. 軸(Y軸)

件数/-

4. グループ化

[完了予定日/-月
商品

グラフの編集画面

これで製品αと製品βについて、以下のような月別の商談件数グラフが完成しました。

月別の商談件数グラフ
月別の商談件数グラフ-ダッシュボード

このグラフを分析すると、売上が40%減っている一方で、2025年1月から6月までの6カ月間で商談発生率はそれほど大きく減少していないことが分かります。渋谷さんの売上が6カ月前から約40%下がっている原因は、「商談発生数の減少ではない」と解釈できます。

ステップ2 商談金額の推移を確認

製品別の商談件数には大きな変化は無さそうでした。次に、商談金額の推移を確認します。商談金額の推移と同時に、その商談が受注したのか失注したのか、といった進捗も確認します。商談の進捗状況は、[商談]タブの[ステージ]のデータを使います。ステージとは、商談の進み具合です。

グラフを作成するためには、ステップ1と同様に、[アナリティクス]タブ右上の[表/グラフを追加する]を押下し、[かんたん作成]→[グラフ]をクリックします。

グラフの設定については以下の表の通りに入力します。

項目

入力

1. 表/グラフ名

受注失注の合計金額

2. タブ

商談

3. 軸(Y軸)

合計/総額

4. グループ化

完了予定日-月
ステージ

受注失注の合計金額グラフの設定

条件を設定後、画面右下の[保存する]を押すと、以下のようなグラフが作成されます。

受注失注の合計金額グラフ

グラフを確認すると、商談全体の金額に著しい減少は見られない一方で、対象の6カ月の受注金額(赤色)が徐々に下がっていることが分かります。つまり、渋谷さんは、「ある程度の商談金額がありながらも、売上につなげられていない」という仮説を立てることができます。

ステップ3 製品別の商談進捗状況を比較

商談金額が大きく減っていないのになぜ受注に結びつかないのかを調べるために、製品別の商談進捗状況に関するグラフを作成します。

製品別の商談進捗状況を比較するグラフを作成するためには、ステップ1と同様に、[アナリティクス]タブ右上の[表/グラフを追加する]を押下し、[かんたん作成]→[グラフ]をクリックします。

グラフの詳細設定画面では、以下の表のように入力します。

項目

入力

1. 表/グラフ名

製品別のステージ

2. タブ

商談

3. 軸(Y軸)

件数/-

4. グループ化

ステージ
商品

製品別のステージグラフの設定

条件を設定後、[保存する]を押すと、以下のようなグラフが作成されます。

製品別のステージ

このグラフを見ると、製品α(青色)は、発生した全ての商談が受注か失注というステージになっており、商談が完結していることが分かります。一方で、製品βは10もの商談が条件確認というステージにあることが分かります。

このデータから、渋谷さんにとって、「製品αよりも製品βの商談が進みづらい」という仮説が立ちます。

データドリブンなセールスレポートから導いた打ち手

データを基にA社の管理職はさらにデータをまとめつつ、営業の現場にヒアリングしたところ、以下のようなことが裏付けられました。

  • 創業当初からの主力製品である製品αの受注率はベテランも新人の渋谷さんもほぼ同じ
  • 一方で、6カ月前から販売を開始したカスタマイズ性の高い製品βについては、新人の渋谷さんの商談進捗がベテランに比べて2倍時間がかかっている
  • カスタマイズ性の高い製品βは要件定義が複雑で渋谷さんが相談する場合、管理職に相談するしかなく、管理職も多忙でレスが数日後になるためずるずると商談が延びている

A社の管理職は、データを見える化し、分析、さらに現場にヒアリングを行った結果、製品βは要件定義が複雑なため、新人営業担当者である渋谷さんは商談から見積もりにうまくたどり着けていない、と結論付けました。A社の営業部門としては、短期的には新人である渋谷さんには製品βを担当させず、かつ中期的には製品βに関する教育を行うことを意思決定しました。

データドリブンセールスにCRM/SFAを活かすのイメージはつかめましたか?今回はA社という架空の会社のデータを扱いましたが、実際の会社では複数の営業担当者のさまざまなデータが格納され、ツールの機能を使って分析することができます。感覚や勘に頼らない営業組織を実現していきましょう。

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