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獲得したリードを商談につなぐ

Lesson 4では、BtoBコンテンツマーケティングの導線設計について学び、ユーザーをCVへと導くためのプロセスに焦点を当てました。Lesson 5では、獲得したリードをどのように商談につなげるかに焦点を当て、具体的なステップやアプローチ方法を深掘りします。

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獲得したリードを商談につなぐ

リードの質を理解する

BtoB企業がコンテンツマーケティングを通じてリードを獲得しても、そのリードがすぐに商談に進むとは限りません。BtoBの購買プロセスでは、複数の意思決定者が関与するため、意思決定に時間がかかることが一般的です。そのため、リードの「質」を理解し、適切なフォローアップを行うことが商談化への重要なステップとなります。

BtoB企業がコンテンツマーケティングを通じて獲得するリードの多くは、購買プロセスの初期段階、いわゆるTop of Funnel (TOFU) に位置します。これらのリードは主に情報収集目的であり、購買意欲が低いことが特徴です。

例えば、セキュリティソフト企業が提供する「最新のサイバーセキュリティトレンド」に関するホワイトペーパーをダウンロードしたリードは、セキュリティに関心はあるものの、まだ製品の購入には至っていません。このようなリードには、ナーチャリング(教育的コンテンツの提供など)を通じて、徐々に購買意欲を高めていくアプローチが必要です。

リードの質を見極め、購買意欲に応じたフォローアップを行うことが、商談化率を高める鍵となります。

リードの分類と適切なアプローチ

コンテンツマーケティングで獲得したリードは、その購買フェーズや意欲に応じて分類し、それに基づいたアプローチを取ることで、商談化の可能性を高めます。以下はリードの購買フェーズによる分類と、それに基づく適切なアプローチの例を示します。

フェーズによるリードの分類

リードは、マーケティングフェーズに応じて次のように分類されます。各フェーズに応じた適切な対応をすることで、商談化のチャンスを高めます。

フェーズ

特徴・定義

適切なアプローチ・コンテンツ

具体例

MQL (Marketing Qualified Lead)

マーケティングで獲得したリード。

教育的なコンテンツの提供。関心を高めるために追加リソースを提供。

ブログ経由でホワイトペーパーをダウンロードしたリードに対し、追加の関連コンテンツやウェビナーの案内を送付。

TQL (Teleprospecting Qualified Leads)

インサイドセールスが電話フォローを行い、興味度を高めたリード。

電話フォローと次のステップへの誘導。

ホワイトペーパーをダウンロードしたリードに製品デモの案内を実施。

SAL (Sales Accepted Lead)

営業に引き渡されたリード。

具体的な製品提案や導入事例の共有。

デモに興味を示したリードを営業に引き渡し商談へ進む。

SQL (Sales Qualified Lead)

営業が商談可能と判断したリード。

製品トライアルやデモの実施。

無料トライアルを申し込んだリードに営業がデモを提供。

購買意欲によるリードの分類

リードは購買意欲の高さによっても分類され、それぞれに応じたアプローチが必要です。

リードの状態

特徴

適切なアプローチ

具体例

コールドリード

購買意欲が低く、情報収集段階。

教育的コンテンツの提供。

セキュリティ基礎知識のブログ記事を読みホワイトペーパーを提供。

ウォームリード

ある程度の関心を持ち、解決策を検討中。

導入事例や詳細な製品情報の提供。

ホワイトペーパーをダウンロードしたリードに成功事例を紹介。

ホットリード

購買意欲が高く商談準備が整っている。

デモやトライアルを提供。

無料トライアル申し込みに対し、営業がデモを実施。

獲得リードが商談につながらない原因

リードの質を理解した上で、次にリードが商談に進まない原因を把握することが重要です。商談につながらないリードの背後には、ペルソナ設定やフォローアップ不足などの問題が潜んでいることが多くあります。これらを適切に修正することで、商談につながるリードの数を増やすことができます。

コンテンツマーケティング特有のリードの質の問題

コンテンツマーケティングを通じて獲得したリードには、商談につながらないケースがよく見られます。その主な理由として、次の問題が挙げられます。

  • 情報収集目的:
    コンテンツマーケティングは、ブログ記事やホワイトペーパーを通じてリードを獲得しますが、これらのリードの中には、単に知識を得るためだけに資料をダウンロードする情報収集目的のユーザーが多く含まれています。このようなリードは、購買意欲が低く、商談に進展しにくいのが特徴です。
  • リードの成熟度が低い:
    商談につながるリードは、ある程度問題認識や解決策に関心を持っている必要がありますが、コンテンツマーケティング初期段階でのリードは、まだ問題の具体化やソリューションの検討段階に達していないことが多くあります。

ペルソナ設定の不一致

リードが商談に至らないもう一つの理由は、コンテンツマーケティングで想定したペルソナと、実際に獲得したリードの属性が一致していないケースです。

例えば、セキュリティソフト企業がターゲットとするのは「テレワークセキュリティを強化したい情報システム部門長」であるにもかかわらず、実際に獲得したリードが決裁権のない担当者であれば、商談化は難しくなります。

フォローアップの不足

獲得したリードに対するフォローアップが不十分な場合、商談に至る前にリードが離脱してしまう可能性が高まります。

  • フォローのタイミングが悪い: リードがコンテンツをダウンロードした直後に適切なフォローが行われなければ、興味が薄れてしまいます。
  • パーソナライズされたアプローチの欠如: すべてのリードに対して同じ内容のフォローを行っても、個々のニーズに応じた価値を感じてもらえず、商談化の可能性は低くなります。

獲得リードを商談につなげるための対策

コンテンツマーケティングで獲得したリードを商談につなげるためには、リードの購買意欲に応じたアプローチが重要です。ペルソナの見直しやフォローアップの強化など、適切な対策を取ることで、商談化の可能性を高めることができます。
それでは、具体的な対策を見ていきましょう。

ペルソナの見直しとリードの再評価

リードが商談に進まない原因の一つは、ペルソナ設定が不適切で、ターゲットが想定とズレているケースです。この場合、ペルソナの再評価が必要になります。

  • ペルソナ設定の見直し
    例えば、ターゲットが「テレワーク導入に積極的な中堅企業の情報システム部門長」であれば、その人物が関心を持つ「テレワークのセキュリティリスク」や「リモート環境のセキュリティ強化」といった具体的な課題に焦点を当てたコンテンツを提供する必要があります。ペルソナ設定を細かく見直し、現在の市場状況やターゲットのニーズに合った内容に更新することで、獲得リードの質を向上させます。
  • リードスコアリングの活用:
    CRM(顧客関係管理)ツールなどを使ってリードの行動データや属性に基づき、リードスコアリングを行い、優先度の高いリードから順にアプローチします。これにより、決裁権を持つリードや、商談化が見込めるリードにフォーカスでき、商談の成功率を高めることができます。

例えば、ホワイトペーパーをダウンロード後に製品の価格ページを閲覧したリードは高スコアとなり、優先的に営業がフォローするべきです。

フォローアップの強化

リードに対するフォローアップを強化することで、商談に進む可能性を高めることができます。フォローアップの質やタイミングを適切に設定することが重要です。

  • パーソナライズされたメールマーケティング:
    リードの行動履歴に基づき、個別のニーズに合わせたメールを送ることで、リードの関心を持続させることができます。
    例えば、特定のホワイトペーパーをダウンロードしたリードには、そのテーマに関連する次のステップに進むためのコンテンツ(ケーススタディ、成功事例、関連ウェビナーの案内など)をパーソナライズして提供します。このようなフォローアップはリードにとって価値が高く、購買意欲を促進します。
  • ナーチャリングの強化:
    リードが購買意欲を持つまでには時間がかかるため、その間にリードとの接点を保ち、有益な情報を継続的に提供して興味を引き出すことが必要です。これが「リードナーチャリング」です。リードナーチャリングは、リードを育成し、購買意欲を高め、商談へと進めるためのプロセスです。
    具体的には、ホワイトペーパーをダウンロードしたリードに対して、定期的に関連する教育的コンテンツを提供したり、ウェビナーや無料トライアルの案内を送ることで、リードの興味を維持し、購買決定に導くことができます。

営業とマーケティングの連携

営業部門とマーケティング部門が緊密に連携し、リード情報を適切に共有することは、リードを商談化するための重要な要素です。

  • MQLとSQLの定義を明確化:
    MQL(マーケティングが商談化の可能性があると判断したリード)とSQL(営業が商談に進めると判断したリード)の定義を統一し、営業に引き渡すタイミングを調整します。MQLからSQLへと引き渡す基準を明確にし、営業が商談を進めやすいリードにフォーカスすることで、商談化率を高めることができます。
    例えば、マーケティングがリードスコアリングで高スコアを付けたリードを営業に引き渡す際には、営業がリードの詳細情報(ダウンロードコンテンツ、閲覧履歴、興味関心のある分野など)を把握した上で、パーソナライズされたアプローチを実行できる体制を整えることが重要です。

事例: セキュリティソフト企業におけるリードの活用

上記の内容を踏まえた上で、ここでは、セキュリティソフトを提供するBtoB企業を例に、獲得したリードを商談へとつなげる具体的な流れを説明します。

背景

セキュリティソフトウェアを提供するBtoB企業が、テレワークの普及に伴うセキュリティリスクをテーマにしたホワイトペーパーを活用してリードを獲得しました。このホワイトペーパーは「テレワーク環境でのセキュリティ強化」というトピックを扱い、潜在顧客に対して有用な情報を提供することで、リードジェネレーションを促進しています。

  • 目的:
    テレワーク導入企業におけるセキュリティ対策のニーズに応え、見込み顧客を増やすこと。
  • 手段:
    ホワイトペーパーの提供を通じてリードを獲得し、その後フォローアップとナーチャリングを実施。

課題

ホワイトペーパーをダウンロードしたリードの多くは、情報収集が目的であり、購買意欲が低いことが明らかになりました。

さらに、リードの中にはセキュリティに関する知識はあるものの、決裁権を持たない担当者が多く含まれていたため、商談に進むケースがほとんどありませんでした。

その結果、購買フェーズに進むリードの数が不足しており、営業部門が商談につなげられるリードの質が十分でないという課題が浮き彫りになりました。

対策

セキュリティソフトウェア企業では、これらの課題を踏まえ、リードを商談につなげるために以下の対策を実施しました。

ペルソナの見直し

まず、ペルソナ設定を再検討しました。

初期のペルソナは「情報収集をしている担当者」や「一般的なセキュリティに関心がある担当者」を広くターゲットとしていましたが、これは商談に至らないリードが多い原因の一つでした。

商談化を促進するためには、より購買に近いターゲット、つまり「テレワークに特化したセキュリティ強化に関心がある情報システム部門長や意思決定権を持つ人物」に焦点を絞る必要がありました。

  • 対応策:
    ターゲットを、「テレワークのセキュリティ対策に責任を持つ情報システム部門長(中堅企業規模のIT担当者)」に設定し、彼らが抱える具体的な課題に対応するブログコンテンツを提供するように変更しました。
    例えば、「テレワーク環境におけるセキュリティ監査の方法」や「セキュリティ予算の最適化に関するガイド」など、より実務的かつ決定に直結するコンテンツを増やしました。

フォローアップの強化

次に、ホワイトペーパーをダウンロードしたリードに対するフォローアッププロセスを強化しました。単にホワイトペーパーを提供するだけでは、リードが次のステップに進まないため、フォローアップメールやリードナーチャリングを改善しました。

  • 対応策:
    ダウンロード後、次のステップとして具体的な成功事例や導入事例をメールで配信し、リードが自社の製品をどのように活用できるかを具体的に想像できるようにしました。
    例えば、「○○社がどのようにしてリモートワーク時のセキュリティリスクを軽減したか」というケーススタディや、導入によるROI(投資収益率)を説明する資料を提供し、リードが購買段階に進む動機付けを行いました。
  • 段階的なナーチャリング:
    リードの行動に応じて、定期的に専門的なウェビナーや無料トライアルの案内を定期的に行い、徐々にリードの購買意欲を高めていく施策も追加しました。これにより、情報収集段階にいるリードでも、継続的に企業と接点を持ち、最終的には商談に進む可能性を高めました。

営業との連携

営業チームとマーケティングチームが効果的に連携するため、CRMを活用したリードスコアリングを実施しました。これにより、どのリードが商談化に近いかを数値で把握できるようにし、営業部門に効率よく引き渡す体制を構築しました。

  • 対応策:
    CRMでのスコアリングシステムを導入し、ホワイトペーパーのダウンロードや価格ページの閲覧などの行動に基づいてリードに点数を付与。スコアが高いリード(商談化に近いリード)には営業がすぐにアプローチを行いました。
    例えば、リードが価格ページを閲覧した際には即座に営業が電話フォローを行うことで、タイミングを逃さず商談に進める確率を上げました。
    さらに、営業とマーケティングが定期的にミーティングを行い、CRM上のデータを共有することで、リードの進捗状況やフォローアップのタイミングを適切に調整しました。この連携により、マーケティング部門からの有望リード(MQL)を営業部門が確実に商談化(SQL)につなげる流れがスムーズになりました。

結果

これらの施策を実施した結果、以下の改善が見られました。

  • リードの質が向上:
    ペルソナ設定の見直しにより、購買意欲の高い情報システム部門長や決裁権を持つ担当者が増え、商談に進むリードの割合が上昇しました。
  • 商談化率の向上:
    CRMによるリードスコアリングと営業部門との連携強化により、商談化のタイミングを逃さず、商談に進むリードが増加しました。
  • 長期的なフォローが可能に:
    リードの購買フェーズに応じたフォローアップとコンテンツ提供によって、商談に至るまでのプロセスがスムーズになり、成果を最大化しました。

このレッスンを通じて、コンテンツマーケティング特有のリードの質の問題や、商談につながらない原因について理解し、適切な対策を学びました。獲得したリードが商談につながらない場合は、状況に応じた対処方法を講じることが大切です。ペルソナの見直しやフォローアップの強化を通じて、リードを効果的に商談に進めるためのアプローチを実践することで、ビジネス成果の最大化を目指しましょう。

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